小正月(1月15日)
早いものでもう二番正月です。
女正月(薮入りで実家に帰る)とか骨正月(忙しく働いた女性にための)とか言います。でもこれは一昔のことです。今では、女性も仕事を持っていれば正月のために師走になった早々、大掃除や正月の仕度なんていうことは出来ませんからね。晦日に入ってから、家人に協力してもらってやらないと・・・。おせちもチャンと作らなくても、高級なものからお手頃なものまでセットで販売しているし、店も休みなしで開いているので、作りおきしなくても良いし、各家々のオリジナルのお料理でも良い訳ですから・・・。骨休めを頂かなくても、普段から充分に女性陣の方がランチしたりして楽しみながら、上手に休んでいると思います。
さて、リサイタルのチラシの原稿やデザインもほぼ出来上がり、プリントアウトして部屋の彼方此方に貼ってあります。
レッスン生が見て「すてきに(写真)撮れてますね!」と言って下さいます。「ありがとう!」、「若く見えるように、実は苦労して撮ったの!」とか・・・ウフ!
お気に入りのヘアーサロン「ストロべリーフィールズ」でヘアーメイクをしてもらって、顔とヘアーが崩れないようにそおっとスタジオに行って、一日がかりでした。
その苦労が実りましたわ。やさしい顔に撮れたのが気に入っています。
今月末には、印刷完了となる筈です。
14日の朝刊にビルギット・ニルソン(スウェーデンのオペラ歌手。1918〜2005.12.25)が亡くなったと載っていました。
私が学生の頃、彼女の歌声に憧れました。立派な体格と声。ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」のイゾルデの歌う「愛と死」に胸を締めつけられるような想いを今でも忘れることは出来ません。この曲は一生のうちには必ず歌いたい・・・とその時思いました。楽譜のヴォーカルスコアをすぐ買いに行って練習したのを憶えています。でも一つ一つのフレーズが長くて、ノドが疲れて痛くなったりしてしまって難しくて、ちょっとやそっとでは歌えない曲なんだわと思い知らされました。
日本にも度々来日して聞きにも行きました。オペラも歌曲のリサイタルも・・・。
とにかく頭のてっぺんから足のつま先までまっすぐに立っていて微動だにしない印象があります。
身体の底から、強い声もやわらかい声も自由にのびやかにそして丁寧に歌われていました。
こうやって書いているとニルソンの声が聴こえてきます。あとで聴いて見ましょうっと・・・。みなさまもお聴きになってみてください。ワーグナーもニルソンもどんなに偉大であるかが解かります。
12月にリサイタルでのピアニスト(小木曽美津子さん)が決まり、練習を始めています。以前からの顔見知りではありましたが、一緒に音楽したことはありませんでした。
共通点というと「ストロベリー・フィールズ」での常連であること、県立大宮光陵高校の講師をしていた時1年間だけご一緒したことがあったということ、彩の国の芸術劇場で原田茂生先生のレクチャー・コンサートで同じ舞台に立ったことがあるということ、ときどきコンサートや電車の中で偶然会ったり、単にそれだけの関係でした。
本番まで練習しながら、一緒に高まることが出来て、サポートもして下さるピアニストを探していました。ふと、小木曽さんが心に浮び、ある曲を試しに合わせてみてお互いの同意のもとにパートナーに決めさせていただきました。今までに3回合わせをしましたが、「この曲はこういう雰囲気で歌った方がいいんじゃない?」とか、「こういう風に弾いてほしい」とか、お互いに感じたことを言い合いながら和気藹々と楽しくやれています。
後記: ニルソンの「トリスタンとイゾルデ」の終幕に歌われるアリア「愛と死」“Mild und leise
wie er laechelt,・・・・”「穏やかに そして 柔らかく 彼は微笑み・・」とPPP(非常に弱く)で緊張感を持って始まります。中盤 激しくクレッシェンドして高まり、又PPPで幕を閉じるのです。
R・シュトラウスの歌曲の「朝」「夜」「子守歌」(ジェフリー・パーソンズのピアノ)とオケ伴奏で「四つの最後の歌」等などを・・・かれこれ一時間以上も思い出を語りながらながらニルソンの死を悼み、偲びながら胸つまる想いでCDを聴きました。
偉大な声楽家の一人でした。
ご冥福をお祈りいたします。