平成20年1月元旦


新年あけましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆様方にとって良い年になりますようお祈りいたします。


大掃除もほどほどで、お正月の準備もそこそこにして、大晦日に歌舞伎座で、メトロポリタン歌劇場のグノーの歌劇「ロメオとジュリエット」の映画公演を観てきました。
昨年から松竹が企画して全国で上映しているもので今回二回目の企画ということです。
この二回目の公演についてはこちらをご覧になってください。
さてあの広い歌舞伎座(収容人数約2,600名)で、しかも映画なので両サイドからは観られません。映画を観られる席のみの限定観客席となっていました。
年の瀬ですが、大勢の観客がいらしてました。
公演の内容はHPでありますとおり、昨年1215日(日本時間では16日)のMETの公演から全曲の収録です。10日程度で、ビデオ編集、字幕その他を仕上げるのも大変ですのに、一回きりの公演の収録でこれほど質の高い演奏(こちらのほうが重要ですが)も驚きでした。
こういう公演も一瞬で仕上げる(編集する)ほうが新鮮な感動が伝わってくるのかしらとも思いました。

演出、スタッフ、出演者、無論指揮者ドミンゴも十二分に役割をこなした結果、あれだけの水準の演奏を、そして舞台を作り上げたのだと思います。

主役のロメオ(アラーニャ)とジュリエット(ネトレプコ)は言うに及ばず、その他の脇役も少しの破綻もなく立派に演じ歌っておりました。
ネトレプコは今が旬のすばらしい歌手です。変幻自在とはこういう歌手のことを言うのでしょう。どんな難しいパッセージ、音程も、すばやい動作あるいは情熱的な演技のなかで感情におぼれることなく完璧に、それも軽々とやってしまう(ように見えます)。
大変な役を歌うとき、普通は声の配分などを考えて歌うものですが、彼女の声はいつも流麗に流れ、高音のフォルテやピアニッシモも自由自在なのです。
映画ですので、アップで映ったり、色々な角度からも撮られております。どこから撮られても完璧なのです。ジュリエットそのものなのです。手の指先から素足の指先まできちんと演技出来ています。歌に余裕がなければ、あそこまで演じきることは難しいことですから・・・。
このまま行くと彼女はまだ若いので、更に表現力をUPし、オペラ界の名女優(スター)を演じ続けられる可能性があります。最高の時代に生まれたプリマドンナです。
私が「コシ・ファン・トゥッテ」を歌ったときなどはそんな昔ではないのに、ビデオも残っていないのですから・・・。
昨年正月にNHKハイヴィジョンでやはりMETの「清教徒」をネトレプコ主演で放映されていました。そこでも彼女の大物ぶりを見ました。そのときは余りにも難曲を軽々とやってのけてしまうので、かえってドラマティックな表現が削がれてしまうとさえ思いました。今回はジュリエットの役柄で、若くて美しい役柄にぴったり。
幕間に、ルネ・フレミングのインタヴューに答えて、自分にはちょっと声が高めの役どころとか言っていましたが、とんでもない彼女だからこそこの役はぴったりなのにと私は思いました。

このオペラ映画は、全国のMOVIXで上演するそうなので是非お時間ある方はご覧になってください。


今月の26日にまた歳を1つとりますが、まだまだ歌い続けたいと思っていますので、私のことも応援してくださいね!
これからも精進してまいりますので、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。