フィレンツェ(T)




憧れのフィレンツェにやってきました。あのポンテ・ヴェッキオ(「古い橋」の意)が架かっているアルノ川です。名前の通りフィレンツェで一番古い橋なんだそうです。

ポンテ・ヴェッキオといえばあのプッチーニのオペラ「ジャンニ・スキッキ」
 O mio babbino caro !
(『私のやさしいお父さん!』)で「・・・もし私の恋を許してもらえないならばポンテ・ヴェッキオに行ってアルノ川に身を投げます!・・・」という歌詞がすぐに思い出されます。
この歌詞からもわかるとおり、この曲がフィレンツェの歌にもなっているのもうなずけますね。

朝8時にホテルを出発してミケランジェロ広場に8時45分ごろ着きました。フィレンツエの街並みをパノラマで一望できます。まだ観光客も来ていなくて、誰にも邪魔されることなく朝陽に輝く景色を堪能できました。ここから見下ろす街並みは最高です。



ミケランジェロ広場の中央にミケランジェロのダヴィデ像(レプリカ)が建っています。本物はアカデミア美術館にあるそうです。

   

ミケランジェロ広場からちょっと下を見るとカフェのテーブルが見えます。広場から坂を下りいよいよ町中に入っていきます。



サンタ・クローチェ広場の正面に堂々と建っているダンテの像とサンタ・クローチェ聖堂です。
一説によるとアッシジの聖フランチェスコにより建てられたといわれていて、フランシスコ派の伝統的なタウ十字の形をした教会だそうです。



この教会はイタリアのパンテオンとも言うべき聖なる場所「≪pantheon≫ delle glorie italiane」で、それこそ歴史に名を留めている偉人たち(マキアヴェリ、ガリレオ・ガリレイ、ミケランジェロ、マルコーニ、ロッシーニ)が眠っています。ダンテの遺骸はラヴェンナにありますが,ここでも祀られています。



サンタ・クローチェ広場です。14世紀ルネッサンスの時代民衆の集まる場所として使われ、馬上槍試合などが催されました。
現在ではシエナのパリオのように、四つの地区に分かれた古式サッカーの対抗戦が、毎年フィレンツェの守護聖人ヨハネの祝日(6月24日)と前後の日曜日にこの場所で行われているそうです。

   

教会の鐘楼が見えます。左がヴェッキオ宮殿、右がバディア・フィオレンティーナの塔、そしてバルゲッロ宮殿(またはポポロ”民衆の意”宮殿ともいいますが)すなわちフィレンツェ美術館の塔が見えます。

   

かわいい小物がぎっしり並べられていて覗いてみたくなる土産物店です。

   

これはヴェッキオ宮殿です。現在、現役の市役所として役目を果たしています。



ヴェッキオ宮殿が建っている向いがシニョリーア広場、そしてすぐ道を隔てウッフィツィ美術館です。
シニョリーア(市庁舎)広場は中世自由都市の時代から現在まで政治と市民生活の中心となってきました。
私が立っている後ろは広場の噴水ともネプチューンの噴水とも呼ばれています。バルトロメオ・アンマナーティの作品です。中央に立つ巨人は海の神ネプチューンで青銅の優美な彫像は海の神々やサテュロスたちです。

あの有名なサヴォナローラが15世紀末に火炙りの刑に処せられたのもこのシニョリーア広場です。レプリカですが彫像が沢山建っています。ウフィッツィ美術館を訪れる人は、いわば野外美術館のこれら作品に向かい合いながらここで待ちます。
ウッフィツィ美術館に入るには前もって予約が必要で、その上入場時間も決められています。20人に1人のガイドが付いて案内してくれます。

   

ここにも「ダヴィデ像」があります。  バンディネッリ作の「ヘラクレスとカークス」

   

チェッリーニ作の「メデゥーサの首をもつペルセウス像」  ドナテッロ作の「ホロフェルネスを斬首するユーディット」

屋根のある部分がありそこはラァンツイのロッジあるいはシニョリーアのロッジと呼ばれています。
たくさんの彫刻が置かれています。

   
                                    
ジャンボローニャ作 「サビーネの略奪」       「パトロクルスを抱きかかえるメネラウス」

   

いよいよウッフィツィ美術館の中に入ります。入口は建物の回廊の一角にあります。コレクションは3階に展示されています。
メディチ家のフランチェスコ1世の収集した絵画や彫刻を収納するのが目的で16世紀の終わりに設立されました現在約200点以上の作品が展示されていますがまだ倉庫には1800点の絵画が眠っているといわれています。



ほとんどが団体予約で個人ではなかなか入ることができないそうです。やっと手にしたチケットです。
厳重なセキュリティチェックがあって、ペットボトル、飲料水、大きなバッグ、リュックサックなどは全て預けなければなりません。
貴重な絵画を間近で観るのですから当然ですね。



入場すると中は各国からのツアー客でいっぱいです。階段の脇にも彫像が置かれ、壁にも絵画が飾られています。
ボッティチェッリの「春(Primavera)」「ヴィーナスの誕生」は作品の近くでじっくりと細部まで観賞することができて満足しました。
ピエロ・デッラ・フランチェスカの「ウルビーノ夫妻の肖像」も印象深い作品でした。ほかにもジォット、フィリッピーノ・リッピの作品、そしてレオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」など、これこそ芸術の宝庫です。
絵画は撮影禁止ですが美術館の廊下から写真を撮っても良い場所があり、そこから撮った写真がこのポンテ・ヴェッキオです。
館内は人々でごった返しています。我々より身体の大きい外国人のツアーがいるとなかなか見られなかったりということもあります。
折角来たのに1〜2時間しか観賞できないなんて本当にもったいない話です。しかしここに来られただけでも幸せと言うべきでしょう。
こんどはドゥオモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ”花の聖母大聖堂”)に向かいます。