フィレンツェ(U)
さあ、これからドゥオモに向かいます。 普段の行ないが良いからでしょうか? 毎日とてもいい天気に恵まれています。
色とりどりの野菜が思わず手を出したくなる配列で並んでいます。 巨大かぼちゃもゴロゴロと置かれています。
トマトもカラーピーマンも美味しそうでしょ! でも買うことができないのでくやしいわ!
フィレンツェの街中の細い路地、リストランテ、装飾品の店などを見ながら10分ほど歩くとドゥオモが見えてきました。
この右の写真の正面がドゥオモです。
イタリアの都市には必ずといっていいほどドゥオモ(Duomo)があります。これはラテン語の Domus からきた言葉で、「神の家」をあらわします。 フィレンツェのドゥオモは正式には
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂、ですから「花の聖母大聖堂」というわけです。
この旅行でミラノ、ヴェネツィア、ラヴェンナ、ピサ、シエナとそれぞれの都市にドゥオモがありましたが、その中でも特に立派で豪華絢爛です。建物は13世紀末の1296年の9月に着工、140年もの歳月をかけて建てられ代表的なイタリア・ゴシック建築ですが、キューポラとランターンは初期ルネッサンス様式、そしてずっと後の19世紀にファッサードがネオ・ゴシック様式でそれぞれの様式が混成された折衷様式となっています。 そのためか重厚な統一された様式美というよりそれぞれの様式の優美なものを取り入れた、その名の通り花のもつ華麗な建築物といった趣きがあるように感じられました。
部分を拡大してみるとその優美さがわかりますね。 フィレンツェという都市の名がフィオーレ「花」から来ているのですからこのドゥオモも理解できます。
このドゥオモ広場にはこの建物以外に、ジョットの鐘楼、そしてサン・ジョヴァンニ洗礼堂と3つの建物が隣接しています。
これがジョットの 鐘楼(Campanile di Giotto) です。 下の写真も別の向きから撮っていますのでごらんください。色大理石の 外壁がきれいです。塔の最下段を飾るレリーフパネルは人間の再生の家庭が描かれています。高さは84mあります。
1334年にジョットにより建築を始められましが基底の部分が終了した1337年に没し、その後弟子ピサーノ、タレンティらにより1387年に完成されました。
ドゥオモの内部はローマ式十字の形をしており全長153m、幅90m(内側の身廊部分が38m)、高さがドームの天窓までが90m、ドーム部のアーチ頂上までの高さが23m。建物の高さは107mという最大級の大きさです。
私たちが内部に入ったときはまだ午前中だったので比較的見学者は少ないように思いました。
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140年の年月をかけて創られたかと思うと一層荘厳な気持ちになり、装飾品だけでなく全ての壁や床に至るまでどこを見ても感慨深く感じます。 |
八角形の大クーポラの内径は43mもあり、天井も美しい絵が描かれていて心が天に引き寄せられていくようです。
クーポラのフレスコ画「最後の審判」はコジモ・デ・メディチの命により1568年年ジョルジョ・ヴァサーリ、フェデリコ・ズッカーリにより描かれました。どこを見ても芸術品の宝庫です。人間の持てる技の素晴らしさ・偉大さに圧巻です。
ステンドグラスがきれいです。 この建物内部には44ものステンドグラスがあるそうです。
「聖母被昇天」、「菜園での祈り」、「キリストの奉献」、「受胎告知」、「降誕」、「復活」、「昇天」などの新旧の聖書より題材がとられています。
カメラに収めてもこんなに美しいのですから、この場で仰ぎ見る感動は言葉では言い尽くせません。
ドゥオモの西側にあるサン・ジョヴァンニ洗礼堂(
Battistero di San Giovanni )は、これら3つの建造物の中で最も古く、正八角形の形をしており、1059年から1128年にロマネスク様式で建てられました。
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この洗礼堂で最も重要なのは「黄金の扉」で
南北側とこの写真の東側の3つ扉があります。作られた時代はそれぞれ違い、また最初は西にあったものが南側になど移設もへて現在の位置に落着いたようです。
特に有名なのはこのドゥオモ側に向いている東側の扉で、ロレンツォ・ギベルティのレリーフで有名です。ミケランジェロが「天国への門」と呼んで絶賛したのだそうです。
本来ならこのようなのですが見物客で溢れていて上半分しか写せませんでした。
レリーフは人物、情景が繊細に描かれています。
これらはレプリカで本物は付属博物館に所蔵されています。
一番上の左から右へ「アダムとイヴ」、「ケインとアベル」の話、そしてその下へ順に、「ノア」、「アブラハム」、「イザーク」、「ヨゼフ」と旧約聖書の題材により描かれています。
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「天国への門」の上には「キリストの洗礼」の像(写真右)があります。
これらを見終わったところで12時を過ぎました。
CHINA TOWNという中華料理店で本日のランチです。 「イタリアに来てどうして中華なの?」と当初は思いましたが、食べ始めるととてもなつかしく思われて食が進みました。 齊藤晴美さんがこのレストランまで来てくださり、こうして無事にミラノで会って以来3日ぶりに再会です。 ツアーの皆さんにも紹介しました。
食事が終わり、フィレンツェの中央駅に向かいます。バイクがきれいに並んで駐車しています。
フィレンツェ中央駅は正式には「フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅」というのだそうです。 この駅前にこのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会が建っているからなのです。ですから本来なら駅前というより教会の裏手に駅ができたといったほうが正しいのでしょう。
徒歩10分位で駅に着きました。 一時間ぐらいの短い時間でしたが、駅近くのカフェでコーヒーを飲みながら過ごしました。
ナポリ行き14時52分発のユーロスターに乗ります。
ミラノで会ったときより齊藤さんはずっと元気そうに見えました。
別れが近づくにつれ何だか寂しさが込み上げて来ます。 ドアが閉まって発車するまで手を振って別れを惜しみました。
ユーロスターの車内はこんな感じです。 茶色の立派な椅子で座り心地は大変良かったですよ。
車内のカフェに行ってカフェラテを一杯! 普段そんなに飲まないのにカプチーノやエスプレッソなど美味しいのでつい飲んでしまいます。
車窓をバックに写真をパチリ! ナポリ着は18時12分です。
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齊藤晴美さんからのイタリア留学便り♪
語学学校を終えて3日間はゆっくり美術館を周ったりしています。 いくつかの教会にも行きフィレンツェを満喫しています。
プッチーニの生まれた街ルッカにも行ってきました。生家を訪れたり、プッチーニの特別展を見てきました。
サン・ミケーレ・イン・フォロ教会
「プッチーニ特別展」でのトスカの衣装 蝶々夫人の衣装
プッチーニの生家の前の銅像 ルッカの街並み
10月1日ミラノでの生活が始まります。慣れるまで大変なこともあると思いますが、沢山のことを吸収できるように頑張ります。
(齊藤さんからのお便りから)