ミラノ (2) 2008年9月21日
これが歌い手にとって憧れのスカラ座です。1778年に2年の歳月をかけて建築家ピエトロ・ピエルマリーニらが完成させています。
齋藤さんとはここで待ち合わせをすることに決定!
ミラノ観光のカラフルなバスとクラシックな路面電車。これらの乗り物はスカラ座の前を行き来していました。
このオレンジ色の路面電車は古いタイプで、一方最新型のも並行して走っていました。
スカラ座で行われる9月16日から30日までのオペラやその他の演目のスケジュールが掲示されています。
たとえばオペラの創始者の一人として知られるカヴァレッリの「ディドー」が今日の演目。 24日はガッレリアでも大きなポスターがいたるところに貼られていた9月音楽祭の“MITO”でミラノのスカラ座室内管弦楽団アカデミアの演奏会。また同時にスカラ座フィルハーモニーのダニエル・ガッティ指揮による演奏会。 27日にはドレスデン国立歌劇場管弦楽団のファビオ・ルイジ指揮の演奏会。 29日テノールのラモン・ヴァルガスのリサイタル。 30日は日本では10年前くらいにはたびたび演奏会が開かれていた「スウィングル・シンガース」の演奏会と、音楽好きにはたまらない情報満載のポスターでした。
スカラ広場の中央に大きな銅像が建っています。レオナルド・ダ・ヴィンチ像です。その周囲には弟子たちを侍して何か考えているかのように目を少し下向きにして立っています。
ヴィットリオ・エマヌエレ二世ガッレリア(通称ガッレリア)の入口付近で黄色風船を持って何かしら?
本屋さんのウインドーにデザインが素敵な本がきれいに並べられています。
空港の広告ではありませんが、けっこう奇抜なヌードの表紙の本も飾られています。
文房具を売っている店です。飾って楽しむような羽ペンが置いてありました。
ファッションの街ミラノ、きょうからミラノ・コレクションも開催されているんですよ!
ここも有名ブランド店が軒を並べています。
私はもっぱらウインドショッピングですけれども。 高くて買うことはできなくても、飾り付けの仕方のセンスの良さはなかなかのもので充分楽しませてくれます。いい写真が撮れなかったので載っていませんが手袋を売っている店には同じデザインで24色の革の手袋が並んでいたり、洋服に合わせて色々欲しくなりますね。帽子屋さんも素敵なのがありましたよ。カクテル帽子で茶色の羽、孔雀の羽で作ってあるもの。まるで魔笛のパパゲーノの世界のようで、メルヘンがあってオシャレね。
アーケードはガラスと鉄材で構成されていて、光が降り注いでとってもきれい!1865年から建設が始まり、12年かけて完成したそうです。ガッレリアの北にスカラ広場があり南にドゥオーモ広場がという位置関係です。
通路がまた、きれいでしょ。 モザイクが組み込まれていて上も下もどこを見てもきれいなの。
左の牛が描かれたモザイクの床ですが子牛の腹部に踵を入れてうまく一回転できると縁起が良いとされています。
順番待ちでなかなか回れませんでしたが、願い事が叶うとかしあわせになれるとか言うのは全て試みてみる私です。
1386年に当時の大司教とミラノの領主ジャン・ガレアッツオ・ヴィスコンティの要求により、古代からあったサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の場所に最初の石が置かれました。
そして約500年後の1813年に完成し、その後 19世紀を通じて、尖塔と全ての装飾が仕上げられました。その数、尖塔が135本、彫像が2,245体で最も高い尖塔には聖母マリアの黄金の像が立っています。(108.5m)
正面ファサードを見ると上下二層に分かれていて上の窓とバルコニーまでは典型的なゴシック様式で、その下には五つの扉があり浮き彫りの彫刻が壁面を飾っています。これはバロック様式の建築物です。時代ごとに関与した設計者によって変化しているわけです。残念ながら彼の案は採用されませんでしたが、レオナルド・ダ・ヴィンチも上部の設計コンペに名乗りを上げています。
中に入ったとき、全身が霊気に包まれ胸が熱くなり、涙があふれました。いっときその場に立ち尽くしてしまいました。日曜日ですからミサが行われていました。祈りの言葉や賛歌が響きわたり、心に荘厳な何かが舞い降りてくるような気持ちになりました。正面のステンドグラスがとても印象的で冷たく暗い聖堂の中に温かい光が射し込んできています。バロック風のアーチがそびえる円盤は高さ67mもあり、右翼廊のジャン・ジャコモ・メディチの霊廟、左翼廊のブロンズ製大燭台、壁面の彫刻などにも荘厳な歴史を感じさせます。
入口付近右側にはキリストの磔刑像と棺がありました。
ここはドゥオーモ広場です。その右側の一角で車の展示されています。車好きにはたまらないフェラーリがずらりと並んでいます。
斉藤さんと待ち合わせ16時半にはまだ時間があるのでスカラ座博物館に行ってみました。
博物館の正面入り口。 ここでロッカーに手荷物を預けなくてはなりません。
入るとすぐ左手に階段があり、そこを登ります。ちょうど私のレパートリーでもあった「カヴァレリア・ルスティカーナ」の初演のポスターがあったので、その前でパチリ。
ミラノ・スカラ座の劇場内のロビーです。
外観はネオクラシック調で落着いた色調です。 質素に見えますが一歩中に入ると大理石を敷き詰めた「黄金のホール」が私たちを迎え、華やかな雰囲気に包まれます。
左は指揮者トスカニーニの大理石の彫像。右は上の「カヴァレリア・ルスティカーナ」の作曲者マスカーニの銅像です。
ここは劇場の通路。舞台はこの左側にあり、1階には入れませんがボックスシートから劇場の中を覗くことができました。
ここは2004年12月7日に約30ヶ月(つまり2年半)の改修の後、ムーテイ指揮でアントニオ・サリエリ作曲の「見出されたエウローパ」で杮落としされました(1778年に創立された時と同じ演目)。
毎年この日が、ミラノ・スカラ座の開幕です(ミラノの守護聖人の聖アンブロジウスの日)。
残念ながらホールは撮影禁止でした。
舞台は奥行きが深くなるように設計されていて五層に積み上げられています。どの桟敷席からも舞台がすべて見通せます。放射線状に広がる空間のどこに居ても演奏者の声が鮮やかに聞こえるようになっています。想像していたよりもずっとこじんまりとしていて、歌い易いホールのように思いました。ちょっとしたしゃべり声もよく響きましたので、歌ったらきっといい感じだろうなあ・・・と。 ちょっと声を出してみたかったのですけど、他の見学者もいましたし、コントラバス奏者が舞台で一人練習していましたしね。
座席数は改修前の1800席から2105席に増えたそうです。
廊下とつながっている博物館の方に行きました。ここも残念ながら撮影禁止でした。
18世紀に誕生したスカラ座ですから、ロッシーニ、ヴェルディ、プッチーニなどの天才作曲家らの作品が初演され、また当時のスター歌手、といっても20世紀以降の歌手の名前しか知りませんが、カルーソ、マリア・カラス、テバルディらの着た衣装、大指揮者トスカニーニの使った指揮棒の数々、肖像画などがところ狭しと並んでいました。
一昔前なら考えられなかったことですが、今は携帯電話で連絡しながら、イタリアでもこうやって無事に会うことができました。スカラ広場で再会! お互いに駆け寄って手と手を握り、ちょぴり涙のご対面! 親御さんから預かったコートやセーターもちゃんと渡すことが出来ました。ガッレリアのカフェでコーヒーを飲んで、無事に住まいの契約も済んだことや語学学校はお友達もできて楽しく通ってること等、話は尽きませんでした。少し一緒に近辺をお散歩したり、ドゥオーモ隣のデパートで買い物をしたりしました。
ドゥオーモの前でもパチリ。 一時間半くらいしか時間はなかったけれど、また9月24日にフィレンツェで会う時間を作るということになったので、Ciao!と気軽な気分でお別れすることが出来ました。
フリータイムを齋藤さんと過ごした後は18時15分からの入場予約でサンタ・マリア・ デッレ・グラツィエ教会でダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の観賞です。お楽しみに!