ローマ(1)
昨夜はナポリからカプリ島へ渡り、戻りポンペイへと過密なスケジュールではありましたが充実した一日でした。
そして今日は今日でローマ中をあちこち回りますので,もうひと頑張りです。 体力勝負みたいな感じになってきました。
なかなかいいホテルで、ちょっと都心からは離れていますが閑静な住宅街の一角にあります。 6時にモーニングコールで起床しました。 連泊なので荷物はそのままでいいのでとても楽です。
6時45分に朝食をいただき、7時半にホテル出発です。
ドミナ・ローマ・カンパネッレ・ホテルと閑静な住宅街。 ここでも道路の両脇に車がびっしり駐車しています。
さぁこれから、バチカン市国に入り、博物館、システィナ礼拝堂そしてサンピエトロ寺院に向かいます。
いよいよバチカンにやってきました。この塀の内側がバチカンです。9時前ですのに塀の外で入場する人たちの長い列が続いています。
世界最小の聖職者の国、ヴァチカン市国です。1929年2月11日、時のムッソリーニ政府と教皇庁の間で取り交わされたラテラノ協定により誕生しました。
人口は約800人。 公用語は、法王、枢機卿、僧侶など聖職者はラテン語、そして業務はイタリア語で執り行われ、スイス人の衛兵(約100名)たちの共通語はドイツ語ということです。
面積は0.44kuで東京ディズニーランドの0.52kuより小さいのです。
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こちらがスイス人の衛兵です。目立つところに立っていたわけではなくて、脇路にこの鮮やかな制服が見えたので、思わずカメラに収めました。すてきな色合いで、かっこいいですね。 |
「予約されたガイドさん付きのツアーのみ」と書いてありますね。 その専用の入口です。
美術館に入る前に広いバルコニーに出ます。 サン・ピエトロ寺院がすぐそこに見えます。 こちらは入って右が美術館入口になります。
このヴァチカン美術館(Musei Vaticani)はイタリア語の美術館museo(単数形)ではなく、musei(複数形)なのです。つまりいくつかの美術館、図書館、礼拝堂それに付随した施設の総称といっていいのです。
⇒ Musei Vaticani
ここに所蔵されている作品数は膨大なのです。カメラ、ビデオをこの旅行で持参しましたが余りの陳列物の多さに圧倒され未だに整理がつかないくらいです。
その中のほんの一部をここに紹介したいと思います。 撮影したけれどそれが何なのか不明なものが多いのです。
これだけのものを観賞する能力が果たしてどれくらい自分の中にあったのか疑問に思います。 宗教・歴史を熟知していればもっと深く見つめることができたことと残念に思います。
さあこれから500年以上の歴史をもつ美術館の見学です。年間400万人を越える人々が見学に訪れます。18世紀後半から見学が出来るようになったそうです。
歴代の教皇が美術品を収集して、エジプト美術館、グレゴリウス・エトルリア美術館などと分かれています。24の美術館があり、その総称がバチカン美術館なのです。長い廊下を見ながら歩きます。どこから見ればいいのでしょう。前後左右下から真上まで見たいところが多すぎます。一週間くらい滞在しないとじっくり見ることができないでしょうね。
このように天井も美しい絵がゆっくり止まって眺めていたいのですが、ガイドさんに着いて行かないと迷子になってしまいます。 見学コースも1時間半、3時間、5時間コースと分かれてある位ですからね!
見るのも三次元的で大変です。また人が多くてかき分けて進むのも難儀なのです。
とにかく美術品が溢れています。 これだけのものを世界中の人々に見せるため、またカトリックの総本山という教皇庁の権威のすごさを同時に見せつけられているようにも思えます。 見る前から知識ではヴァチカンのことは知っているつもりでしたが実物を見せられ力ずくで魂をつかまれ征服された気分です。
どれもこれもじっくり見たい作品ばかりです。きっと何度この場所に来ても見たりない気分にさせられるのでしょう。
ローマ帝国の主流となったこれら彫刻の原作者は主にギリシャ人でしたので、最初はその模倣から始まったわけですね。
肖像彫刻がたくさん創られています。 ギリシャ時代の巨匠の原作はほとんど消失しているので、模倣品といってもローマ人の作品を通してギリシャの作風を知ることになるわけです。
豪華で美しい天井です。
所狭しと並べられていますが、それぞれ価値のあるものなのでしょうね。この模様の意味などは解りませんが、床の部分もこんな所がありました。
これらは天井画です。画の回りの装飾も大変凝っていて美しいです。 各回廊はそれぞれ当時の教皇の名が付いています。
これは256代ローマ教皇レオ13世の間(回廊)です。 調べてみると1878年のコンクラーベで選出され、1878年2月から1903年7月まで25年の長きに渡って在位にあり、この1903年に93歳で亡くなった、とありました。
こちらはタペストリー・ギャラリーです。 タペストリーのテーマは 『キリストの生涯』 です。 キリスト誕生と東方三博士の来訪でしょうか。
こちらもタペストリーの続きです。
ここは地図のギャラリーです。 地図が40枚飾られています。 幅6m、長さ120mの大ギャラリーの壁画にフレスコ画で1580年から1583年に亘って描かれました。 この天井画もすばらしいでしょ!
イタリアも含めて周辺の地図が描かれています。
これはサルディニア島。 こちらはナポレオンが生まれたコルシカ島。
フランス。 こちらは古代イタリア。 イタリアは古代イタリアと現代イタリアと2枚ありました。 現代イタリアといっても当時のイタリア(16世紀?)ですけれどね。
この回廊を抜けると、さあ、いよいよシスティナ礼拝堂に入場します。システィナ礼拝堂は残念ながら撮影禁止です。
シクストゥス4世により1477年から1480年に建造されました。ここでコンクラーベ(法王の選挙)が行なわれます。
礼拝堂は縦40.23m、横13.41m、高さ20.7mあります。
イタリアの建物は古いものが多いからでしょうかどこにも照明器具などは一切ついていません。 窓から注がれる光だけが頼りです。 神との対話をし、祈りの場所ですから、明るい必要性もないですからね。
システィナ礼拝堂のホームページはこちらです。⇒ Sistine Chapel
システィナ礼拝堂はミケランジェロによる天井画や 『最後の審判』 の壁画で有名ですがボッティチェリやペルジーノ、ギルランダイオの壁画も忘れてはなりません。 高い場所にある芸術作品を見るためには、オペラグラスを持参すればよかったですね。 残念です。
すばらしい芸術家たちの計り知れない情熱・忍耐・技量・才能によって多くの作品が誕生したのでしょう。
そんな空間に立つことが出来て、巨匠たちの偉大な力を感じ、また天から降り注ぐ彼らの作品からの荘厳なパワーを浴びることができ、また真の天才のすごさを目の当たりに見ることができ、ただただ圧巻です。 礼拝堂ですのに、心が芸術作品に奪われてしまい、祈ることを忘れてしまいそうです。