11月28日からは東京文化会館で色々なリハーサルが行われました。
1週間以上もホールを借りて、オケあわせの他、2回もオケ付きで練習できたのは、昔に比べるとお金をかけていると言うか、丁寧に創られていく様子に嬉しく思いました。
一日目はテクニカル・リハーサルと言って舞台上がどのようになっているか、転換がどう進行するのか、等々、演出家、歌い手、大道具さん、照明家、裏方さんのためのものです。
ですから大変時間のかかるリハーサルです。
二日目はメイクをして衣装も着て、H・P(ゲネプロの前のプローべのこと)です。
場当たりをした後でオケとあわせ、1幕ごとに、音楽と演技のダメだしをもらい、次に進むという具合です。
そしてG・P(ゲネプロ)で本番どおりの休憩を取りながらの稽古です。
ここまでくると、どんなミスがあっても、止めてやり直すことはしないので、このオペラがいやに短いものに感じられました。
とにかく、オーケストラの音楽の流れにのって、一人一人の役割を歌いながら演じていきます。
個々人のミスはすぐに他の人に迷惑がかかります。
当たり前のことですが、全ての流れが自然でなくなってしまうのです。
登場人物が沢山いると、当然演技もアンサンブルも複雑になります。
自然に且つ役柄の雰囲気も大切に伝えていかなくてはならない。
12月4日、いよいよ本番当日、2時間半前に楽屋入りで、メイク、かつら、衣裳という順で出来上がっていきます。

メークをした私
老け役のメイクにもだいぶ慣れて、衣裳を着るともう歩き方も老人になれました。
10月12日の立ち稽古をはじめてから、本番まで皆でひとつになって創りあげたと言う思いがありました。
慣れ親しんだオペラではなくて、上演回数も少ないオペラだったので、皆がいい意味で緊張感を持ち続ける事ができたのではないかと思います。
お互いの身体、声を気づかいもしましたし、演出家が指摘するところ意外でも、お互いが円滑に動けるように個々に話しあったりもしました。
楽屋に「開演1時間前です。」「30分前です。」「15分前です。」とアナウンスが入ります。
「イエヌーファ、ラッツァ、ブリヤ家の女主人、舞台にスタンバイお願いします」。
いよいよと思うと少し緊張するが、今日でもう演じる事もないなどと思うと寂しい。
オケの流れに身を任せて、自然に振舞おう そう思って歌いました。
歌う所が少なかったので、冷静にそう思えたのでしょうが・・・・。
ほぼ満員のお客様に観ていただけてしあわせでした。
カーテンコールで
十数年ぶりに、若い方たちと又オペラに出演できて、充実した日々を送れました。
私の体調を心配してくださった皆様、お手伝いをしてくださった方々に御礼申し上げます。
4日公演終了後皆で
5日打上げパーティで