「イエヌーファ」の立ち稽古(続)(平成16年11月7日)

この所、秋晴れの穏やかな日が続いています。
それなのに、窓のない黒一色のスタジオの中で日夜過ごしています。
オペラの稽古も予定通り進み、あと1〜2日で最終幕まですべて通ります。
主役は歌で表現できることが沢山あります。しかし脇役は歌っていないところでも
多くのことをしなければならないので、大変さを痛感しています。
幕は60人の合唱が入ります。 大勢でからむ所は、演奏時間でいうと、
5分ほどで終わってしまうシーンでも、細かく演技指導すると、完成するまでに丸
日間を費やすこともあるのです。
何時間も待つことはざらですし、歌うことなく舞台上で立ちつづけることもあります。
舞台は奥が高くなっていて
15度ほどの傾斜がついてます。
ですから長時間立っていると、けっこう足に疲れがくるのです。
個性豊かな人達の集団ですから、疲れがたまってくると、わがままになり、不平不満の嵐です。
動きの激しい人はあちこちアザが出来たり、高い所から落ちるシーンでうまくいかなくて、
ムチ打ちになったりと、緊張してやらないと、本当に危ないのです。
衣装合わせも済みました。色はダークですがデザインもよく、フェンディの生地で作ってあったりして、
きちんとしたものに仕上がっていました。
かつらは白髪で毛がうすーく、こんなにまで老けなくてはいけないの?というほどです。
「おお!イメージどうりです。素敵!どうですか?」なんて衣裳の人に言われても

素直には喜べない私でした。
本番まで一ヶ月をきりました。
今はまだ、段取りを覚えたところですから、これからの練習が勝負です。

風邪などひかないよう、体に気をつけてやり遂げたいと思っています。