清水邦子後援会
第16回 平成18年4月1日 会邦
清水邦子後援会会長 大久保秀子
春爛漫!今年はどこに桜を見に行こうかしら?ぐずぐずしてはいられません。ちょっと仕事は置いておいて花びらのシャワーを浴びに行きましょう。嬉しい楽しい季節です。背筋を伸ばして見上げる桜からたくさん エネルギーをもらいましょう。来る5月26日、この風薫る季節に清水邦子リサイタルが開催されます。毎年行われているサロンコンサートは先生のお人柄を気軽に、身近に感じ取っていただきながらのものですが、リサイタルは音響のよいホールで、十分に先生の魅力ある歌を聴くことができます。楽しみですね!会員の皆様にはいつも暖かなご声援と励ましを頂き感謝いたしておりますが、お知り合い、ご友人にお声をかけ、会場いっぱいの方々でリサイタルを迎えられますよう、チケット販売のご協力を重ねてお願い申し上げます。
「先生頑張って!」のお声かけひとことで、俄然元気になるかわいらしい方であるのもお忘れなく!!
よろしくお願い申し上げます。
清水邦子 「リサイタルにむけて」
今年の冬は特に寒かったので、本当に春が待ち遠しかったですね。梅に始まり、水仙、タンポポ、チューリップ、桜というふうに次々と私たちを楽しませてくれています。お花見は行かれましたか? 私は近所で春の息吹きを全身に浴びて活力を貰っています。
さて、今回のリサイタルのピアノをお願いした小木曽さんの事についてお話したいと思います。
少なくとも一週間に一度は伴奏合わせをしています。一人であれやこれや考えるのではなくてピアノの音や色を聞きながら、歌の旋律をどのように歌い語っていけばいいのかを、話し合いながら、この詩を作曲家はどのように感じて創ったのだろうか? どのような演奏を求めているのだろうか? その中から我々は何を表現したいのか? などと考えを言いあって、練習しています。
私はいつもどちらかといえば単純で読みが浅くて彼女に学ぶことが多くあります。そんな音は出しているつもりはないのだけれども、「今、こんな音だったわよ」と言われると確かに声のことを考える余り、詩にふさわしくない音を出している事が多々あります。何でも厳しく指摘してくれるので有難いです。結局その音楽に相応しく歌えていないと流れを止めてしまったりして、弾きにくくなると言う事なのです。今までもいいピアニストと共演させていただきました。しかしそれ以上にいい関係で音楽して、楽しい時を味わい、彼女に支えてもらって、歌う事ができています。演奏の妥協は絶対しません。ソロのリサイタル(詳細は別記)なさるピアニストですから、私への注文も多いし、遠慮なしに本当のことをズバズバ言われ・・・ということは当然自分にも厳しいのでしょうね。
歌っている時に自分が楽でないということは何かが違うのです。相当身体を使わないと楽そうに聞こえないのです。身体が楽してると、絶対いい音楽を創り上げることが出来ません。しかし私の身体はすぐ緩みたがってしまいます。歌いながら鍛えて行かなくてはいけません。緊張と弛緩がうまくコントロールされなくてはならないのです。ありとあらゆることを試みながら奮闘しています。だから内緒ですが、クタクタなの!でもどんなに疲労しても 『MeDoFiCa』のDr.神戸のケアを受けて、腎臓や肝臓、膵臓を骨の上から揉んでもらい、胆管のとおりを良くして等々、次第に身体が回復して来るのがわかるのです。「小脳がやられているなぁ」とか、言われながら(?)只ひたすら痛みに耐えるのです。それとは別にNさんが毎週テルミー(温熱療法)をして下さっています。健康面だけでなく、多くの方々に助けて頂いています。それにお応えできるように、全身全霊でステージに立ちたいと思います。
INTERVIEW MeDoFiCa について
声楽家であり、医学博士でもある神戸孝夫氏に清水邦子先生自らインタビューをしていただきました.
清水先生(以下清水):本日は私たちがいかに元気に、健康で長生きできるか 少しでもヒントをいただけるようお話を伺いたいと思います。
Dr.神戸:それでは今回は加齢によって失われる健康について少し話しましょう。
我々医学者はその失われ方を今の科学でどうにかして解き明かそうとしています。
これまで老化は細胞の遺伝子によるものだといわれてきましたが、遺伝子レベルのものによって引き起こされるというより人間本来持っている構造上の不備、至らなさによって全身に及ぶと感じています。
肝機能、膵臓機能、胆のう胆道系、大腸、小腸など、これら身体をつくっている中枢のものが集中的にだめになり、全身が劣化、老化したことを加齢といっているように思うのです。
それでは加齢による老化はどうしておこるのでしょうか。それは人間の二足歩行に原因があるのではないかと考えられます。
四足歩行から立ち上がったときから重力により脊髄、脊柱、頭、肩、胸の重みで脊髄が湾曲します。四足動物(犬猫など)は脊髄・脊柱はさほどの湾曲はなく、生まれてくる人間の赤ちゃんの脊髄もS字型ではありませんよね。重力により頚椎前、胸椎後ろ、腰椎前という自然のS字型になるのです。そして年齢と共にその湾曲が強調されてきて、うなじは短く、背中はどんどん丸くなり、椎間板が減り、関節がつぶれてきます。
清 水:残念ながら身長も縮みますものね。
Dr.神戸:そうです。それからもうひとつの老化の原因としては肝機能低下があげられます。
私たちは毎日コラーゲンを消費しています。コラーゲン(膠原繊維)とは細い木綿糸のようなもので、関節、筋肉の腱、骨を作っているものです。身体を動かすことにより消費するコラーゲンを肝機能が生成しているのです。
清 水:昨今は全部摂取したらお腹いっぱいになってしまうほどサプリメントがいろいろありますね。コラーゲンもよく耳にしますが・・・。
Dr.神戸:いいえ、サプリメントとして摂取しても自分にあったコラーゲンにするため、肝臓で一旦アミノ酸に分解され、もう一度合成されるから肝機能が弱っている人が飲んでも駄目なんです。もちろん何も取らないよりは少しはいいかもしれませんが・・・。
清 水:なかなか思うようにいきませんね。
Dr.神戸:人間の本来の寿命はどのくらいであったか、縄文時代には完璧な健康状態を保てるのは30〜35歳でした。それが英知、食事の安定供給、年寄りをたいせつにするなどから寿命が延び、体と脳が別になっていきました。脳が大きく重くなったため、人間が四足のままであったなら、まず首のうなじがだめになってしまいます。ですから人間が立ち上がったことでよかったことは頭(脳)が頚椎に安定的に固定されたこと、そして手が自由になり、指の運動が脳を活性化し、自由に活動できるようになったことです。悪かったことは肺の一番下にある横隔膜が今まで重力に対して水平に推移していたものが変化し影響を受けたことです。肝臓の真上にある横隔膜が収縮することにより、肝臓が下に追いやられ、肺が膨らみそこに息が入り、もどる。それが横隔膜呼吸であるのはわかりますね。
清 水:はい。声楽をやっていると、通常の呼吸よりもっと圧がかかりますね。
Dr.神戸:動物の場合は体が水平で肝臓などが上から吊られているから呼吸によるダメージがありません。しかし人間は内臓が背骨背中によって吊られていて立つことによって斜めに内臓が下がっています。そして横隔膜呼吸をすることにより肝臓が下に押され、肝臓に血液がいきにくいのです。単純に考えても心臓から押し出した血液を足元から上げてくるのは容易ではないですよね。だから横になると血液も水平になり、門脈に血液が流れるので寝る体勢はとてもよいのです。四足動物は背中が上で肝臓にも万遍ない 血流がたもたれるのですが、人間は立つことによって血流が十分でなく、肝臓の下の部分に油がたまりやすくなるのです。肝臓は沈黙の臓器といわれますが、悪ければ硬くもなるし、痛くなります。それを骨の上から大きく揉んで肝臓の中にある網の目のような静脈に働きかけ、修復していくことが私のメドフィカ(*)なのです。
清 水:ことに声楽家は身体を酷使していますから、普段からのケアが大切だと思っています。私はひざや腰なども疲れるので、水中歩行を始めようと思っているのですが・・・。
Dr.神戸:皆さんよく勘違いをされるのですが、水中歩行はあくまでもひざや股関節の悪い方のリハビリの運動であり、水上にある一番重い頭には重力がかかっています。足は浮力により軽くなりますが背中には大変な負担がかかっているのです。健康のためにとか、ただ運動をしようという方に水中歩行は向きません。水中歩行ではなく、水泳にしましょう。重力から解き放つ、背骨に優しい水泳は理想的な運動です。泳げない方もビート板を使って泳いでください。
清 水:身体を水平にすることなのですね。以前寝ながらのストレッチがいいと伺ったことがありましたね。
Dr.神戸:そうです。寝ながらのストレッチは多少やりにくく、難しいでしょうが身体にやさしい運動です。
話を戻しますが、人間は立ち上がったことにより、肝機能を損なって全身的な老化につながっていると
私は感じています。
して、肝臓が悪いと次につながってくるのが糖尿病です。
清 水:飽食の時代ですから生活習慣病の方が多いですね。糖尿病も自覚症状がないから怖い病気です。
Dr.神戸:糖尿病の食事療法はここ数年で二転三転しています。要はこの病気の原理原則がわかっていないのです。糖尿病には生活習慣病による(膵臓性)ものと肝機能障害からのものと二つに分かれます。糖尿病といわれるなかでこの肝臓障害からのものがかなり多いと感じています。小腸、大腸からの養分や糖分が肝臓に入って、分解生成を経た糖が静脈に出ていけば食べても血糖値は上がりにくいが、肝機能が壊れていると 肝臓にいかず小腸の静脈にすぐでてしまうのです。それにより高血糖になります。インシュリン治療もありますが、インシュリンを打てば膵臓自身は怠けて働かなくなってしまうのです。人間の臓器は甘えん坊なのですよ。もちろん重症の人はインシュリンを打たなければ命にかかわってしまいます。
清 水:そうならないためにどうすればいいのでしょうか。
Dr.神戸:肝機能をよくし、門脈の流れをよくすれば糖尿病はかなり防ぐことができると考えます。
ですからなにより肝臓を守ることが大切です。それにはまずお酒を控えることです。
清 水:えっ!!なかなか難しい・・。でも少量ならストレス解消にもなるといいますけれど・・・。
Dr.神戸:注射をする時、アルコール消毒をしますよね。あれで皮膚のたんぱく質が変性してカチカチになり、細菌ウィルスが全部死ぬのです。極端なことを言うと、それを私たちは飲んでいるのです。それでは飲みかたを考えましょうか。お酒には蒸留酒と醸造酒があります。醸造酒は自然発酵で複数のアルコールの混合体でエキスも入っているので、味はまろやかでおいしいのですが、複数のアルコールのため、肝臓も分解に何種類もの酵素を使うことになります。飲むならアルコールが一種類の蒸留酒のほうが肝臓の負担が少なくて済むのです。でも休肝日を忘れずに。最低2〜3日は空けることが望ましいですね。
清 水:難しいですね。できるかしら・・。声楽家で大酒飲みは最悪ですね。今はリサイタル前なので、終わってからの楽しみと思って禁酒状態です。
それから赤くなる人は飲んでは駄目です。もともと酵素がないか、少ない人なのです。赤くなるのはアルコールの毒性が出て、中枢神経を麻痺させて抹消の血管が開いてしまうためなのです。ですから飲める人も赤くなるまで飲んではいけません。
皮膚の色がくすんでいる人。それは皮膚の色ではなく、その黄色は肝臓のビリルビンが皮膚を
清 水:お酒を飲んでスイーツなどを食べたら、身体は悲鳴をあげてしまいますね。
Dr.神戸:もっとも悪いことです。5年後10年後は大変なことになりますよ。
皮膚は肝臓の窓。皮膚の状態で肝臓の状態がわかります。べとべとしたり、ざらざらしたら肝臓に何かトラブルがあります。
今の医療はお薬と手術の間の療法がありません。メドフィカという医学療法を施し、この三つの療法を使うことによりすばらしい治療ができると思っています。
清 水:どんな手術でも神経を切ることになるのですからそこに至らないための治療が大切ですが、適度に美味しくお酒や食事をバランスよく摂り、自分の好きなことをして、毎日楽しく明るく前向きに生活してストレスを溜めないことですね。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
MeDoFiCaとは、Dr.神戸が考案した声楽家の為の手技を用いた医学的療法である。
Dr.神戸は元来声楽家であるが、苛酷な歌唱訓練により30歳の時に声を壊した為、外科手術を受けたが、それまでの声を失ってしまった。彼はなんとか元の声を取り戻そうと考え、自ら医学の道に入って西洋医学、東洋医学の研鑽を積み、その結果、編み出したのがMeDoFiCaである。
MeDoFiCaはMedical Doctor’s Fingers Care の略語であり、その言葉の示す通り、医学博士自らが手技を用い、肝臓、膵臓、腎臓、胆嚢、脾臓を始めとする全ての内臓及び血管、神経、リンパ等に、現代医学に基づいた理念により物理的な刺激・運動を施して、その機能を正常化する療法である。
声楽家(オペラ歌手)のその素晴しい歌唱は、苛酷な肉体運動により作り出される。しかし、その苛酷な運動が長い間継続すると、肉体に大きなダメージを与えてしまう。比較的若い肉体は休養と摂生で回復可能だが、年齢を重ねることによりその機能は衰えて行く。
勝敗や記録を競うスポーツの世界では、当然のことながらトレーナーやドクターが常に肉体のコンディションをチェックしている。しかし、この声楽の分野では、本当の意味でのトレーナーやドクターは存在していない。ヴォイストレーナーはいるにしろ、何をどうすればどうなるかという科学的な根拠に基づいた手法ではなく、個々の経験と伝統によりニュアンス的に行われているのが実態である。
声のトラブルを訴えても、医学的には耳鼻咽喉科医は通常の喉頭疾患として対応しており、声楽医学と言えるものではない。仮に歌いすぎてポリープになった声楽家がいたとしても、現代医学では薬剤による咽頭の消炎、それが無理であればポリープを除去する外科的な治療手術が当たり前のことである。
しかし、MeDoFiCaでは咽頭を含めた全身の内部環境を整え、音声トレーニングにより完全治療を行うと共に、再度ポリープができないように予防医学としての役割を果たしている。正常な声楽発声が出来なくなる原因は、咽頭及びその周辺に不具合が生じているだけでなく、内臓の機能障害によってもひきおこされているのである。
ここでケアの一例として腎機能を挙げてみる。
職業的に声を使う歌手・俳優達の喉は充血し、自ずと細菌感染を起こしやすくなってしまう。その喉に感染した細菌は、血液中の免疫機構により死滅させられ、その残骸物は食細胞に食われるが、食べ残されたバクテリアの残骸物が腎臓の濾過装置(糸球体)に引っ掛かって目詰まりを起こし腎臓の機能を低下させてしまう。
若い健康な腎臓は回復力もあるが、目詰まりを重ねて加齢した腎臓は全身に悪影響を及ぼしてしまう。腎機能の低下により全身にむくみが生じる。勿論、声帯そのものもむくみ、振動体としての物理的特性が変化し、高い声が出にくくなったりする。
バクテリアによる目詰まりは、腎臓本来の機能では除去するのは困難だが、MeDoFiCaはそれを可能にした。
まず、尿管の尿路を確保し、腎臓を外部より圧迫して腎臓の内圧を上げ、強制的に濾過装置につまった物を尿に送り出す。これにより腎機能を回復させる。
以上はMeDoFiCaのほんの一例に過ぎない。声楽歌唱を支える呼吸法による腹圧が内臓を圧迫し、胃ヘルニア、膵臓循環障害、胆嚢の胆汁排出不全、肝機能低下、大腸の鼠脛大腿ヘルニアなど様々な障害についても、MeDoFiCaでは同様のケアが可能なのである。
後世に声楽芸術を伝える為には、明確な根拠を示す科学を用いなければ、その技術は歪曲され、衰退してしまう。何故ならば、現代人の声楽家としての資質は、恒常的な大気汚染による慢性的咽頭炎と柔らかな食物の食生活からくる下顎とその周辺の筋肉の退化により、悲劇的な状況下に置かれているのである。MeDoFiCaは、これらに一つの答えを出せるものと確信している。
声楽においては、メソッドとケアを混同してはならない。声が出にくくなったとして発声法を変えても、問題は決して解決しない。ケアなしでのメソッドは可能性(potentiality)の乏しいものとなってしまう。ケアとメソッドは、車の両輪の如く互いに必要なものである。
元来、MeDoFiCaは声楽家の為の身体・喉のケアからうまれたものであるが、その手法は一般の疾患治療にも容易に応用できるものである。何故ならば、声楽家をケアするということは、通常の病気でない人間(normalhealth)を超健康体に(superhealth)にするようなものであり、病気を持っている(abnormalhealth)のその悪い部分を正常化することの方がよりたやすいことだからである。