二期会日本歌曲研究会 3月例会 (平成17年3月29日)
12月に予定されていましたが、三善晃先生のお身体の具合が悪くて延期になっていた講座が開かれました。まだ体調があまりよくないようなので、心配です。
講座は充実していて、いつもながら作曲家のお話しは歌い手にとって貴重で、曲の構成、想い、歌うに当たってのヒント等など沢山伺うことができました。
歌手とピアニストは歌の旋律、詩の解釈、ピアノの音に託された意味などを楽譜から読み取る作業をするわけですが、作曲家しか知り得ない意味を解き明かして下さいます。
歌は単旋律ですから、それよりもずっと多くの音を出せるピアノに沢山の意味を書きこんであるとおっしゃっておられます。
私のような凡人には到底わかり得ないような、作曲家が曲を生みだす時の一音一音に込められたものをお話しくださいました。
曲の統一主題、キーワード、フレーズを遠近法で書いてある部分を教えてくださったり、風のような動きをもって、流れを感じて弾いて欲しいとか、子供の世界を表現する箇所で、可愛く思うだけでなく、子供たちにもっと愛情をもってながめている様子が音で出せるようにして欲しいとか、細部にわたって丁寧に教えてくださいました。
楽譜をながめて、もっともっと深く読みとらなくてはいけませんね。
三善先生の曲への想いを十分に伺うことができましたので、その想いをすこしでも表現できるように、ヒントを頂けたので、勉強したいという気持ちで、ワクワクします。
そして歌手とピアニストとが、同等の立場で、ディスカッションしながら、創りあげ、練り上げていく共同作業が必須であると痛感しました。
先日、小澤征爾先生が新しい演目を指揮する前には毎日早朝4時半に起床してスコアを読んで勉強する、とおっしゃっているのをテレビで見ました。
実際に、作曲家に教えを請うことができる場合のほうが少ないのですから、楽譜と向き合って、イマジネーションをフルに使い、真の深い部分まで探らなくてはいけませんね。
桜の開花は今日か、明日かと、待ち遠しいです。
早歩きのウォーキングも続いています。ちょっとだけ、身軽になりました。
いろいろな所の桜を眺めに行ってみましょうかしら!
皆様はどこへ、どんなお花見をなさいますか?
独り占めしないでとっておきの場所があったらおしえてくださいね。