　「子どもに見せられないことを、大人たちがやっている。」

　　　ぼくの見た戦争

　　　――――2003年イラク〔写真・文〕高橋邦典

戦争の写真絵本を、子どもたちに向けて出版しました。戦争が終わったとはいえ、未だに銃弾や爆弾で死ぬ人が絶えないのがイラクの現状です。報道写真家高橋邦典が現地で捉えた写真には脚色はありません。事実のみです。死があります。絶望があります。子どもたちには残酷かもしれないというご意見があります。しかし、この写真絵本は人間の尊厳に関わることがテーマです。このテーマに関しては、子どもたちを子ども扱いすることは決して解決になりません。子どもは大人よりも正義を愛し、悪を憎む力があります。豊かな感受性があります。前向きに考える力があります。子どもたちに、むごいといって避けたり隠したりするのではなく、戦争を事実と認識し、その上で考えることが重要ではないでしょうか。戦争の現場には子どもたちがいます。女性もいます。老人もいます。そして兵士もいます。「ぼくの見た戦争」はお父さんお母さんといっしょに見てください。そしてお父さんお母さんといっしょに人間を考える契機になれば幸いです。敢えて言います。写真に目を背けても構いません、でも戦争の残酷さを子どもたちと話すことが出来ればと、私たちは考えています。

全く同感です。毎日、これからも平和であり続けるために、平和を失ってみて気がつくのでは遅すぎるのですから、その前に、何か私たちに出来る事をしましょう。私は自らを磨き、少しでも皆様に喜んでいただけるような、パワーが湧いてくるような歌を、命を尊ぶ心を忘れないで！と歌を歌い続けます。〔1月3日所感〕

「壽初春大歌舞伎」を観劇して（夜の部）（1月10日）

第一　　鎌倉三代記

1781年江戸肥前座で初演された全十段の浄瑠璃である。時姫は千姫（中村雀右衛門）、高綱は真田幸村（松本幸四郎）、三浦之助は木村重成（尾上菊五郎）をイメージした役である。時姫は歌舞伎三姫の一つとされ、品格がいるうえ、恋のため父を討つ決心をするまでの苦悩を描く難しさ、高綱は滑稽な足軽から豪快な武将へ変身する面白さ、三浦之助は凛々しさと労しさを見せる美男の若武者と、それぞれに見せ場があり、それだけに役者が揃わないと上演できないのです。美男美女、衣装の艶やかさ、しぐさの一つ一つが綺麗で、魅力的でした。

第二　　京鹿子娘二人道成寺

1753年に初代中村富十郎が初演した長唄舞踊で能の「道成寺」を素材にしながら、次々に衣装を変えて様々な女心を踊り分けると言う華やかな構成になっています。人の人気女形が「娘道成寺」を踊り分ける面白さと観客サービスが盛り沢山あります。その二人とは尾上菊之助と坂東玉三郎です。菊之助はあどけない少女のように軽やかに踊り、玉三郎は手拭い一本を使って、大人の色気、しなやかさ、哀愁を出し、体を柔らかく、くねらせながら美しい曲線を創り出していました。指先の細かいゆきとどいた所作、惚れ惚れして、ため息の連続です。衣装は言うまでもなく、色艶やかで、舞台袖に引っ込んだかと思った途端、次々に衣装変えして、観客を楽しませてくれました。この衣装はたいへん重くマラソン・ランナーの30キロ地点のようにきつい舞だそうです。最後に向かってテンポも速くなり、激しさを増し、興奮させられます。最初から最後まで息つく暇もないほど、心が舞台に釘づけになってしまったのは、想像出来ますでしょ。

この舞の六代目菊五郎の絢爛たる踊りを見て、深尾須磨子がその感動を詠んだ詩に橋本国彦が作曲して「舞」が生まれました。私はこの曲を勉強して、何年もあたためて、1999年、リサイタルで披露したという訳です。私の音域にとてもよく合っていて、難しい曲ではありますが、大好きです。心を引き締めて、着物を着て、緋扇を持ち、間奏ではすこしですが、舞って・・・・・・とリサイタルのことを想い出したら、また歌いたくなりました。
玉三郎の色っぽさをちょっとでも真似られればいいのに・・・・・。
研究しましょうーっと！

日本歌曲の午後（歌曲アンサンブル研究会コンサート　ＶＯＬ．２）の演奏会を終えて（1月18日)

雪が降るかもしれないという予報に反して、日も射し穏やかなマチネーコンサートになりました。高田敏子作詞、三善晃作曲の「四つの秋の歌」より「駅」、「忘れられた海」、「林のなか」、「枯れ葉」を歌いました。
私にとって橋本国彦の「舞」以来、譜読みが難しく、ピアノに向かって一人で歌っている時は音が取れるのですが、ピアノと合わせるとどうも音程が取れなくなるのです。どうしてこんな難解な創り方をしているのであろうか・・・・。ピアニストの斎藤晴美さんには、ずいぶん練習に付き合ってもらいました。慣れてきて初めて素敵な音楽であることがわかりました。私が無知であっただけなのです。
わが尊敬いたします瀬山詠子先生にもレッスンをしていただき、多くのことを教えていただきました。三善晃の音はクリスタルな響きである事、私は物事をすぐＩｎｎｉｇ（内的）に考えすぎ重く、暗い音になる癖があるという事、音を創りだす前に身体の準備、用意をしなくてはいけないのに、のり遅れてしまう、その他諸々、細部にまで・・・。本当のことを指摘されると、「これ、然り、参りました」。
まだまだ読みの浅さ、勉強不足を痛感した次第です。本番に間に合うよう、勿論自分自身を特訓しました。
当日、天気が良かったし、冬場で乾燥している上にスポットライトが強かった事も重なって、異常に口の中がカラカラに渇いて、とても歌いにくかったです。しかし、そんな言い訳は通用しません。頭と身体と神経をフルに使って三善晃を表現しましたが、さてステージを聴いてくださった方々、いかがでしたか？

ホームページを開設して20日が経ちました。１００人余りの方々が見てくださいました。
毎日、増えていく数に嬉しい悲鳴を上げています。読んで頂いていると言う意識を持って、心して書かなくてはと思っています。しかし、つたない文章しか、なかなか書けず、お恥ずかしい次第ですが、物書きではないのでそこら辺はお許しいただき、どうぞ末永くお付き合いお願い申し上げます。

19？？年1月26日、わが誕生日（1月26日）

西暦部分は1週間だけの限定で記載することにします。
ちょうどＧＯ！ＧＯ！と語呂合わせも良くて、いい年になりそうな気がします。と云うのは
１月５日に、二期会研究生（今は、オペラスタジオと呼ぶ）の時、お世話になった先生より、
１２月の二期会オペラ公演、ヤナーチェック作曲「イエヌーファ」の女主人役での出演依頼がありました。ヤナーチェックのオペラは１９７８年１１月に「利口な女狐の物語」の二期会公演で出演したことがあります。
ここ十年来は歌曲のコンサートを中心に歌ってきましたので、オペラは何年ぶりでしょうか？一番最後に出たのは、
「『魔笛』の侍女？」
「三谷礼二演出の『蝶々夫人』のケート？」
記憶もおぼろげな程、むかーしのはなし。思ってもみなかった嬉しいお話でしたが、何しろ久しぶりなので、一瞬、心の迷いがありました。オペラから遠ざかっていたこと、年齢的に大丈夫な役なのかどうか？ポピュラーな演目ではないので、名前は聞いたことがありましたが、
音楽も知らず、ストーリーも知らずということで、即答できずにいたら、
「大丈夫ですから、是非引き受けてほしい。」
「楽譜を見せていただいてからではいけませんか？　どのような役でしょうか？」
「そんなに沢山歌わなくていい役ですが、とても大事な役で、おばあさんですが。」
「おばあさん役は、年齢からいって、ぴったりですが・・・・・。」
「急いでいます、今すぐ決めて欲しいのですが・・・。」
といわれたので、思い切って承諾することにしました。
「三善晃モードになっていたのに・・・・。」
「ヤナーチェック！？」
「家に資料があるかしら？」
ちょうど運良く１９９７年４月１３日のプラハ国民劇場での演奏がビデオに録画してあり、次の日急いで全曲を観ました。題材はちょっと複雑ですが、音楽の流れはとても気に入りました。私の役どころは主人公のイエヌーファをとても溺愛している心やさしい女主人（祖母）でした。
「歌ってないけれど舞台に載っている時間が長いのはちょっと難しいかしら？」
と第一印象では思いましたが、演技の事を今から心配しても始まらないし、なるようにしかならないので10月のお稽古になってから考える事にします。
二期会の会報を見てみると、ベルリン・コーミッシェ・オーパーとの共同制作で公演されると言うこと、そしてすでにベルリンで２００３年１１月１６日、ウィリー・デッカー新演出がプレミエの幕を開け、大成功を収めたそうです。二期会公演の時の衣装もベルリンで作るそうで、先日採寸して送りました。毎月ほかの演奏会をこなしていかなくてはいけないのに。
まだまだ先のことなのに、すでに準備はもう始まっているという緊張と興奮を感じます。これから約1年間健康に気をつけて、コツコツと勉強していこうと思います。
どうぞ皆様、あたたかく見守ってくださいませ、そしてオペラ公演をお楽しみに！

節分(２月1日）

早や１月も終わりました。
２月３日は節分です。皆様、豆の用意はしてありますか？
まだの方は、ご用意を！
日本は古来より節分に鬼の侵入を防ぐため、柊（ひいらぎ）をさし、
悪臭を発するものを火にあぶる習慣があります　(生協の個配の注文書に
「節分にご利用ください。ひいらぎ・豆がらセット」と、ありました)。
このような物まで、買う世の中なのですね。
また恵方巻という巻き寿司があります。今はコンビニで宣伝の旗がひらめいて
いるので、みなさんもご存知でしょう。
節分の日にその年の歳徳神（としとくじん）の位置する方角「恵方（えほう）」
に巻き寿司を無言で丸かぶりすると、幸せになれるという風習です。
巻き寿司には「福を巻き込む」という願いがこめられています。
切らずに食べるのは「縁を切らない」という意味があります。のどに詰まらせ
ないように、くれぐれも気をつけて召し上がってください。
そして、恵方とは、その年の年神、「歳徳神」の位置する方角です。
この方向は今年一年間、何事につけても吉となる方角といわれます。
また、恵方とは反対に、不吉な方向とされるのが「鬼門」です。
平成１６年の恵方は『東北東』です。
このような節分の由来を皆様はご存知でしたか？年配の方たちはご存知でしょうが、
特に若い方々！知らない方はよくお読みになって、覚えておいてくださいませ。
そして自分が大人になった時、伝承していって下さいね。
「豆をまいて鬼を追い出し、幸せを招き入れる」という、節分の豆まきは、
もともと新年を迎えるための行事でした。というのも、昔の暦では、今の節分の
（日）が一年の終わりの大晦日。翌日の立春が一年の始まる日だったからです。
『鬼は外』・・桃太郎や一寸法師の昔から、鬼は悪者の代名詞。豆には、
その鬼を退治する力があると信じられていました。
『福は内』・・だから、より良い年でありますようにと、縁起をかついで、
年男や年女が豆をまき、健康でありますようにと、栄養たっぷりの豆を歳の数だけ
食べたのです（悲しいかな、歳の数だけ、食べるのはちょっとおなかが苦しく
なってしまう歳になってしまいましたが・・・）。
これは今も変わらない節分のゆかしい習わしです。
みなさま、どうぞ、まめで幸せに・・・。
折角、日本に伝わってきた風習を絶やさないように、子どもや孫たちと一緒に
大きな声で、おとなだけの世帯でも、恥ずかしがらずに、「鬼は外！福は内！」
とやってください。
夫から小さい声でやるようにと言われながらも、ちなみに私は毎年欠かさず、やっています。
みなさまに、たくさん良いことがありますように、と『東北東』に居られる歳徳神さまに
持ち前の大声と美声を発し、福を呼び込む事にいたしましょう。
馬ッ鹿みたい、なんていわないで、昔みたいに近所の家々から、
「鬼は外！福は内！」が聞こえてくるような、そんなのどかな風景が
みられる世の中であってほしいと、せつに願っている私でございます。

２月１４日, St.Valentine's Day (２月８日）

後顧の憂いを絶つため遠征する兵士の結婚を禁じたローマ皇帝クラウディウスに
反対したバレンタイン司祭が処刑された２７０年２月１４日の記念日と、
この季節に木々が芽吹き小鳥たちも巣作りが始まることなどとが一緒になった風習です。
初めは親子が愛の教訓と感謝を書き記したカードを交換する習慣でしたが、
２０世紀になって、男女が愛を告白して贈り物をしたり、特に女性が男性に
愛を告白する唯一の日とされるようになりました。
今は昔と違って、女性も愛を告白したい時は２月１４日に限らず、いつでも
できる世の中になりましたし、チョコレート菓子屋の売り込み合戦が町を賑わせ、
大量のチョコレートを買い込む女性（本命とか義理とか）を多く見かけます。
私は言いたい！
人間誰しも愛されたいと思っているはず、であるならば、自分自身愛する人を持ちましょう。
身近にいるお年寄りを、父母を、夫を、妻を、子どもを、友達を、本気で愛していますか？
人間をもっと愛しましょう。
世界に１つしかない命を授かった我々。
尊い命を。
失ってからではいくら後悔しても、悔やんでみても遅いのです。
いたわり、愛し合って、手をつないで、助け合って、生きていかなくては。
少なくとも今日１日だけでも、もっと大きな愛を考えてみましょう。　　　　　　　　　　
たったひとつの命をだれも奪う事は許されないし、辛く悲しい想いはもう沢山です。
いつまでも、平和が続くことを祈り、願いながら・・・・。
人類に愛を！