フェルメール展 ー 東京都美術館にて開催 (平成20年8月15日)



毎週金曜日は仕事帰りの人も観に来やすいように美術館は夜8時まで開館しています。お盆の時期でもあるので、空いているのではないかと思い、暑さの中ではありましたが気分転換にと思い、自宅でのレッスンを終えて夕方出かけてみました。
18時過ぎに入館しましたが、予想に反して意外に混み合っておりました。



入場する前に立看板の前で西日に照らされながらパチリ。
この絵は「ヴァージナルの前に座る若い女」です。

ヨハネス・フェルメール(1632−1675)はオランダのハーグ近くのデルフトという小都市に生まれました。
その生涯で残した作品はわずか30数点です。その中で今回来日したのは7点だけです。そうはいっても、日本初公開5点を含む今世紀最多の7点だそうです。他にはデルフトの巨匠たちの作品が30数点が展示されています。

   「小 路」

これはデルフトの街角で、庶民の普段の生活風景を描いたもので、窓の前に子供がしゃがんでいる姿、また路地で掃除をしている女性、家の扉の奥で縫い物をしている女性などが描かれています。
彼の作品のなかで子どもが登場するするのは珍しいそうです。

私が最も感銘をを受けた作品は晩年1670年頃に描かれた「手紙を書く婦人と召使い」です。
縦72cm×横60cmの作品です。

  「手紙を書く婦人と召使い」

光の天才画家といわれているように、窓から差し込む光の技法の美しさ、手紙を書く婦人のふっくらとした美しさ、細かいレースの付いた艶のある絹のような帽子をかぶり、大粒のパールのイヤリングをして、袖の膨らんだブラウスを着て、襟元の開き具合も上品で、何ともいえぬ婦人からあふれる気品ある姿が私の心を捉えました。テーブルの上にかけられたクロスの織物の光沢感に繊細さ、身をしっかり固めた召使いの服装と表情とのコントラスト、絵の中に掛けられている絵画に至るまで、どの細部をフォーカスして観賞しても綿密に描かれ、この絵に出会えたことの喜びを感じました。



観終わった所でパチリ。向かって左の絵が「ワイングラスを持つ娘」、右のが「小路」です。
12月14日まで開催中ですので、お時間のある方はご覧になってはいかがですか。