2002年JRA開催で馬連万馬券になった中で、下記条件に絞り集計したデータです。

・500万下条件〜オープン(重賞含む)
・新馬、未勝利、障害競走は除く
・当該レースで3着までに入った馬、騎手、調教師等に限る

1)全集計から見える単勝・複勝回復値

  単勝回復値 複勝回復値
1110円 675円
ダート 939円 716円
特別競走 1023円 664円
牝馬限定 1030円 694円
1番人気 77円 146円
○外 880円 563円

 概ね、単勝10倍前後の馬が当該条件で3着に入っていることが分かります。1番人気の数値が極端に低いことから、断然人気の馬には逆らわない方が良さそうです。

2)芝レースでの連対騎手BEST5 ※最小レース機会数:10

  着別 勝率 連対率 単勝回復 複勝回復
二本柳 5-3-4 41.7 66.7 1285 497
四位 3-1-6 30.0 40.0 1009 482
横山典 5-3-3 45.5 72.7 833 427
江田照 3-6-6 20.0 60.0 703 698
佐藤哲 2-4-5 18.2 54.5 676 573


 二本柳騎手、四位騎手の数値が一歩抜けています。複勝回復値だけに注目すると、江田照騎手、佐藤哲騎手は単勝よりも複勝(つまり2着か3着で)高い数字になっています。複勝で平均698円というのはとんでもない数字です…
 芝レースのサンプルはダートレースより多いので、レース機会数を10としました。

3)ダートレースでの連対騎手BEST5 ※最小レース機会数:5

  着別 勝率 連対率 単勝回復 複勝回復
石橋脩 3-2-0 60.0 100 4332 1222
松永幹 5-4-1 50.0 90.0 1659 687
南井大 1-2-2 20.0 60.0 1518 724
和田 3-3-1 42.9 85.7 1380 1207
飯田 2-1-2 40.0 60.0 1374 548


 非常にバラツキのある結果ですが、石橋騎手の単勝平均4332円は驚愕。また複勝回復値で1000円を超えているのは石橋騎手と和田騎手だけ。なお単勝回復値が1000以上の騎手は飯田騎手の次点に池添(1220)、石橋守(1104)と続きます。

4)調教師編〜芝レースでのBEST5 最小レース機会数:5

  着別 勝率 連対率 単勝回復 複勝回復
(栗)高橋 2-2-1 40.0 80.0 3502 946
(美)稲葉 2-0-3 40.0 40.0 3382 1152
(栗)湯窪 1-3-1 20.0 80.0 3308 1608
(栗)山内 4-3-2 44.4 77.8 3096 932
(栗)田所 3-0-2 60.0 60.0 2792 546

 BEST5入りした中で山内厩舎だけは9レースでの結果。名門なので出走機会が多いのは当然ですが、橋口厩舎や伊藤厩舎などは単勝回復値が低くランク外です。にも関わらずこの数値は、山内厩舎が安定して穴馬券に絡んでいることを意味します。
 調教師のサンプルは騎手より少ないため、レース機会を5としました。

5)調教師編〜ダートレースでのBEST5 最小レース機会:5

  着別 勝率 連対率 単勝回復 複勝回復
(美)南田 3-2-0 60.0 100 1450 812
(栗)太宰 2-2-1 40.0 80.0 1398 598
(栗)安田 4-1-2 57.1 71.4 1375 641
(栗)飯田 2-1-2 40.0 60.0 1374 548
(美)伊藤 4-2-1 57.1 85.7 1272 814

 最小レース機会を超える出走数は安田厩舎と伊藤厩舎。ダートレースの集計ではあまりバラツキは見られません。ただ、芝とダートではランクインの顔ぶれが全然違うことは分かると思います。芝激走、ダート激走、は区別するべきです。

6)騎手と調教師の相性 最小レース機会数:5

 レース機会を5に絞っても、集計結果は3つのみ。ただ特筆すべきは、
 太宰啓介−太宰義人 のコンビで [2-2-1]、単勝回復1398
 飯田祐史−飯田明弘 のコンビで [2-1-2]、単勝回復1374
 の2例です。この組み合わせには注意すべきです。

7)単勝回復値5000以上の馬 最小レース機会:2

 2003年、2度走っての単勝回復値が5000を超えている馬です。
 ユノブラウニー  2勝 単勝回復8720 030531東京1000万下13人気1着 単\11540
 シンコールビー  1勝 単勝回復8270 030427東京フローラ14人気1着 単\16540
 ケイエスストロング1勝 単勝回復6770 030406福島福島中央15人気1着 単\13540
 ナチュラルナイン 2勝 単勝回復5675 030713函館3歳500万11人気1着 単\6720
 マーブルチーフ  2勝 単勝回復5500 030315阪神ゆきやな11人気1着 単\7980

 ユノブラウニーはもう一つのレース、三面川特別で10人着1着、単勝\5900を記録。勝ちつづけると普通は単勝配当が下がるので、これはあくまで参考程度でよいです。ちなみにダートレースで単勝回復値が5000以上の馬はいません。せいぜい3000程度です。

8)月別分布

 何月の開催は荒れる、なんてことはよく耳にします。それは傾向として現れていて、芝とダートでは違いがはっきりでてきます。

 芝レースで最も波乱の多い月は単勝回復値が高い順に、11月(1950)、10月(1603)、8月(1287)、4月(1208)と続き、極端に低い月は9月(273)です。他の月はほぼ1000前後で分布しています。有力馬が休養明けで、順調に使われてきた馬にコロッと負けたり、ローカル開催があったり、というのが要因だと思われます。

 ダートレースの場合、施行回数が芝より少ないのもあるでしょうが、芝では最も低い9月に、ダートでは単勝回復値2120という傑出した数字が出ています。2月〜6月までは比較的低く、他の月は1000前後なので、9月の数値がいかに抜けているかが分かります。

9)レース種別

 最も波乱が多いのは1000万下条件戦で、500万〜オープンまで4クラスある中、唯一1000を超える単勝回復値。
 また、牝馬限定戦に絞ると1119なので、牝馬限定の1000万下競走が最も波乱になりやすい傾向にあるといえます。
 ハンデ戦は単勝回復895ながら、複勝回復値が841なので低人気馬が2、3着する確率はやはり高いようです。
 複勝回復値が単勝回復値より高い傾向にあるのが、1600万下条件戦と重賞。1600万下条件の馬は、昇級したけどオープンでは力不足な馬が集まるクラスなので、勝ちきれずウロウロするうちに人気が下がり、たまに3着に入ると高配当、なんて現象になるんだろうと思われます。重賞にしても、勝ち負けしたら斤量が増える、ハンデが重くなる、などからある程度頭打ちになった馬がたまに激走することによると思います。

10)場所別

 意外にも場所別による波乱傾向は顕著には出ていません。芝レースでは、敢えて挙げれば東京と京都が単勝回復1600くらいです。逆に荒れる印象のあるローカル開催は、札幌(1193)、函館(827)、福島(1082)、新潟(1196)、中京(1103)、小倉(1027)で平均的な数字。ただし函館に限り複勝回復値が826で単勝のそれと1しか違わず、1着馬よりも2着馬3着馬に注意したい開催であると言えます。最も儲からないのは中山開催(458)です。

 ダートレースでは札幌開催(2706)が抜けています。他はバラツキがあり、最も儲からないのは函館(297)ですが、芝同様複勝回復値(600)の方が高く2着馬、3着馬に注意したい開催なのは違いありません。他に複勝回復値の方が高い開催は福島、京都です。

11)距離別

 これは顕著です。芝レースでは2600m(2350)、2400m(1933)、1800m(1623)、1400m(1258)の順に高く、複勝を狙ってもそこそこ取れるようです。
 逆に低いのは1000m(75)、2500m(420)で、単勝より複勝を狙った方がよい距離だといえます。

 ダートレースでは1600m(1110)が唯一4桁で目立つ程度、他は2100mを除いて700〜800くらいの数値になっています。除かれた2100mの単勝回復値は200、施行数が少ないし堅いレースになるようです。

12)人気順

 人気薄ほど単勝回復・複勝回復ともに高い数値になるのは自明なので、勝率・連対率で調べると以下のようになります。

  着別 勝率 連対率 単勝回復 複勝回復
6人気 12-3-10 48.0 60.0 757 478
9人気 11-10-2 47.8 91.3 1494 726
12人気 9-6-4 47.4 78.9 2642 1159
14人気 6-6-2 42.9 85.7 6263 2310
5人気 11-7-12 36.7 60.0 413 339

 何故か勝率・連対率にバラツキがあり、勝率順に並べると上記になりますが、連対率だけでいうと欄外11人気が96.7%で、10人気でも82.1%あります。馬番連勝万馬券になる時に連対してくる確率がこれなので、レース前に万馬券の臭いを感じたらとりあえずヒモに9〜11人気馬を押さえると良いかも知れません。

13)脚質別

 素直に、逃げ(1523)・先行馬(1569)有利です。有力どころが後方に構えて、ゴール前差し届かずに前残りで波乱になる、というパターンが多いのも分かります。ちなみにマクリ脚のタイプは勝利がなく(単勝回復0)、勝っても複勝か連勝のヒモまでです。

14)馬場状態

 芝の場合は「不良」の時要注意。全ての条件の中で唯一単勝回復2000オーバーです。ダートの場合、重馬場になると時計が速くなるので、「不良」だと芝とは逆で堅い配当になる傾向にあります。「重」発表だとダートでは一番回復率が高くなります(1055)。

15)コース別

コース 単勝回復値 複勝回復値
小倉芝2600 5370 1460
札幌ダ1700 4066 905
京都芝1200 3876 1113
京都芝1800外 3831 965
東京芝2000 2843 915
福島芝1800 2271 840
東京芝2400 1933 781
中山ダ1200 1818 734
札幌芝1800 1746 586
新潟芝1800外 1727 642

16)斤量

 49kg以下の馬が2度複勝圏に入ってますが、サンプルとしては少ないので例外扱いにし50kg以上で調べてみると51.5〜53kgの範囲で単勝回復値1356となっています。ただ、複勝回復値だけ見ると〜51kgまでの範囲で複勝回復値1452となっており、軽すぎる斤量馬は勝ちきれないけど連下に入って波乱になる、というケースが多いのが分かります。ハンデ戦が荒れることが多いのは53kg以下の馬が連に絡むことが多々あるからでしょう。

17)馬体重

 馬格による勝率・連対率のバラツキはほとんどありませんが、レース当日の馬体重変化によるバラツキは当然出てきます。集計数を30機会以上に絞っても、+10kg〜+18kgでの出走馬の勝率(45.4%)・連対率(84.1%)は最も高い数字になっています。ちなみに他の集計ではほぼ同じで、勝率32%前後、連対率65%前後となっています。

18)枠番・馬番

 枠で単勝回復値が高いのは5枠(1418)6枠(1408)。極端に低いのは4枠(475)です。
 馬番だと15番(1518)、1番(1444)、9番(1280)、11番(1267)の順です。もっとも、これは16頭立てでの話で、たまに行われる18頭立てのレースだと機会数は少ないですが、18番(3828)が高い数字です。「大外だから」と嫌われ要素になって人気が下がったものの好走した結果、こうなったのだろうと思われます。

19)出走頭数

頭数 単勝回復値 複勝回復値
14頭 1498 612
13頭 1322 553
18頭 1310 694
***** ***** *****
8頭 333 540

20)ブリンカー

 「前走はブリンカーをつけてたのに、今回はブリンカーをつけてない」
 この場合ブリンカーをつけてた時と勝率・連対率はあまり変わりませんが、単勝回復値・複勝回復値共に上がります。

 「今回からブリンカーをつける」
 この場合は勝率・連対率はかなり上がり、単勝回復値・複勝回復値共に倍以上になります。よく“外枠のブリンカー馬は無条件で買い”と言いますが、初めてブリンカーをつけて出走する馬がいたら要注意です。

21)種牡馬〜芝レース 出走機会:5

馬名 勝率 連対率 単勝回復値 複勝回復値
サクラチトセオー 42.9 85.7 3681 987
メジロライアン 37.5 62.5 2815 726
タマモクロス 80.0 80.0 2292 616
コマンダーインチーフ 50.0 87.5 1682 507
ブライアンズタイム 18.2 63.6 1585 697
オペラハウス 14.3 57.1 1518 988
アフリート 40.0 40.0 1370 712
メジロマックイーン 50.0 66.7 1333 546
トウカイテイオー 35.7 71.4 1177 667
トニービン 46.7 80.0 1058 511

22)種牡馬〜ダートレース 出走機会:5

馬名 勝率 連対率 単勝回復値 複勝回復値
フサイチコンコルド 60.0 60.0 3892 672
サクラバクシンオー 77.8 100 3163 672
ティンバーカントリー 60.0 80.0 2100 658
ウォーニング 60.0 100 2000 644
エルハーブ 37.5 50.0 1136 671
フォーティナイナー 33.3 58.3 781 721
サンデーサイレンス 46.2 69.2 753 636
アサティス 60.0 80.0 736 904
クリスタルグリッターズ 33.3 83.3 688 816
スキャン 37.5 50.0 583 328

23)BMS(母父)〜芝レース 出走機会:5

馬名 勝率 連対率 単勝回復値 複勝回復値
Storm Cat 40.0 60.0 6368 1638
アンバーシャダイ 60.0 60.0 5308 1430
Mr. Prospector 83.3 83.3 3326 735
Nureyev 60.0 80.0 1900 386
Alysheba 20.0 40.0 1534 648

24)BMS(母父)〜ダートレース 出走機会:5

馬名 勝率 連対率 単勝回復値 複勝回復値
トニービン 80.0 100 4288 946
Halo 80.0 80.0 1882 644
Danzig 50.0 50.0 1450 505
マルゼンスキー 30.0 70.0 526 648
ブレイヴェストローマン 41.7 83.3 500 640

25)前走着順、前走人気

 万馬券発生時は、前走6着以下から巻き返す馬であることが多いのですが、同じクラスで10着以下だった場合の連対率は80%を超えています。上のクラスで6着以下に負けて自己条件に戻ってくると、80%以上の確率で万馬券の立役者になるようです。
 人気面でも同じ事がいえますが、ただ「前走4番人気だった」場合は最も高い確率で万馬券を出します。 クラスに関係なく「4番人気」なのですが、何故抜けているのかは分かりません。

26)前場所からの傾向

 よくローカル開催へ稼ぎにいって、中央に戻って「前走ローカルだから」と軽視された馬が連に絡んで、ということはあります。顕著なのは札幌と福島から転戦してきた馬で、勝率こそ良くないものの連対率が割に高く、単勝回復値は1500以上です。
 また、東京と阪神からの転戦も良いようで、単勝回復値は1000を超えます。東京だと左回りで長い直線、阪神は直線急坂があったりして中山コースに似てる部分もあるので、他開催に移っても有利なのかもしれません。
 地方競馬からの出走馬にも要注意です。

27)距離延長・短縮

 予想を立てる際に悩むのが距離延長と短縮。集計した限りでは、芝レースの場合、500m以上延長の場合単勝回復値2738、複勝回復値997で高い数値になります。500m以上短縮の場合でも単勝回復値1992、複勝回復値1075でやはり高い数値。どちらかというと延長の方が「儲け」の点で有用に思えます。
 最低施行回数5の範囲で単勝回復値が高い距離は、1000m、1400m、1800m、2000m、1200mの順で、1000mの単勝回復値は3477と抜けています。

 ダートレースの場合500m以上の延長の場合単勝回復値3766、複勝回復値1165で極端に高い数値になります。短縮の場合500m未満なら妥当な結果に収まる傾向にありますが、500m以上の短縮は間違いなくマイナスと見てよいでしょう。よほどの実力馬でない限り複勝圏が精一杯です。
 最低施行回数5の範囲で単勝回復値が高い距離は、1000m、1600m、1700m、1800m、1200m、1400mの順です。芝ほどではありませんが、1000mの単勝回復値は1602です。

28)騎手

 単勝回復値の高い順に10挙げると

 小野次郎
 鹿戸雄一
 佐藤哲三
 (替)地方→中央
 内田浩一
 田中勝春
 川島信二
 嘉藤貴行
 菊沢隆徳
 中館英二

 となっています。

29)前走コース

 穴馬が前走走っていたコースを集計した結果、前走下記のコースに出走してた馬が次走万馬券に絡む傾向にあるようです。(上位10コース)

コース 単勝回復値 複勝回復値
東京芝1400 2437 995
京都芝2000 2265 538
阪神芝2000 1867 663
阪神ダ1800 1694 603
小倉芝2000 1611 1143
中京芝1200 1539 726
東京芝1600 1366 518
新潟芝1800外 1363 1126
中山ダ1800 1328 780
東京ダ1400 1245 634

30)前走の馬場状態・馬場替わり

 最も単勝回復を期待できるのは前走で「ダート・重」を走っていた場合。とはいっても勝率・連対率ともにどの馬場状態でもほとんど変わらないので、あまり参考にならないかもしれません。

 しかし馬場替わりは顕著に出ていて、ダートから芝に変わった馬は要注意です。最近ではプリサイスマシーンがいい例でしょう。

31)斤量の増減

 端折って書きますが、1kg2kg程度の増減ではあまり数値に変わりは出ません。が、3kg以上の増減となると大幅に回復値が期待できます。斤量減に限った話ではなく、3kg増えても期待できる(=実力が認められての増)といえます。

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