EK10整備課

第6回 エンジンが突然回らなくなった場合
6トホホ進呈(意味無し)



(拡大写真はあったり無かったり色々です)
小田原のK11ミーティングの後、箱根峠に行って、明け方4時半頃西湘バイパス
を出発。1時間ほどで家のすぐそばまで来たところで突然エンジンが回らなくなる・・・

最初は自分で作ったROM切り替え回路が壊れたのかと思いECUを開けて点検。
ROM切り替え器のコネクターや半田は外れた様子もなく、自己点検モード
にしても「異常なし」を示す、コード55を出力。

40分ほどあちこち点検しましたが、すぐに直る故障ではないと判断し、
家に電話をし、父のK11で牽引して帰路につくのでありました・・・・

整備要領書を元に点検をしていくことにしました。
まず・・・
症状としては「初爆が無い」なので・・・
・点火(スパークプラグからは火花が出るか)
・燃料噴射(インジェクションの動作・燃料ポンプの動作(燃圧なども))
を疑いました。

で、プラグコードを外してクランキングして確認してみると・・・
火花は全く散っていませんでした。

ECUの入出力波形をオシロスコープで確認できれば良かったのですが
手持ちの物は管球式の年代物で、ここ何年も使っていないので、
物置の奥深くに封印してあるので出すのも面倒なのでアナログテスターで
代用することにしました。

ECUからのパワートランジスタ駆動信号は・・・
クランキング時に少し電圧が出ているようだ・・

パワートランジスタの単体テストは・・・正常。

スパークコイル(?:昇圧コイルの事ね)の断線の確認・・
正常な抵抗値で繋がっている。(1次側 数オーム、2次側8K〜12KΩ)

ECUと各センサーハーネス(エンジンルーム側)の抵抗値・・
全て0Ωで正常・・・

はうぅ〜〜 何が壊れてるんだ〜(泣)
 
 

原因がつかめないので、また整備書を読むことに・・・
フムフム・・パワートランジスタが正常に駆動された場合はクランキング
の時でもタコメーターが動くらしい・・・
確認する・・・
動かない!!

ECUからのパワートランジスタ駆動信号も通常値よりも電圧が低すぎる
気がする・・・これって駆動信号出てないんじゃ・・・
(どうも、クランキング時はパワトラ駆動信号よりも低いレベルでノイズか何かが
乗っているようです)
ダマされた!!(勝手に勘違いしただけだってば(^^;;;

また整備書を見て、パワトラ駆動信号が出ない原因を探る・・・
なになに・・・クランク角センサー(180度、1度)信号がECUに入っていないと
点火信号が出ないとある・・・

で、またクランキングして、クランク角センサーの信号端子を(ECUのコネクタ部分の)
テスターで調べる。
クランキング時は2〜3Vの中間電位が出るそうなのだが・・・なんか5V出っぱなし
とか、0.3Vのままとかなんですけど・・・(つまり、デジタルで言うゼロとイチですね)

クランク角センサーが怪しい!

クランク角センサーの出力をセンサー単体から直に取るために・・・
バッテリー(これを外さないと工具が入らない)・インタークーラーカバー・
(インタークーラー)
インタークーラー・インタークーラー導風版(?)・インタークーラー台座・
レゾネーター・・・を外してようやくクランク角センサーが内蔵されている
ディストリビューターがお目見えする。(-_-::::::::あぁしんどい

(ディストリビューターを開けたところ)

このディストリビューター内部には磁気センサーが2個入っているようで、
それが1度・180度センサーになっている様子。

センサーまでは電源は正常に供給されている。

このセンサー出力を直にテスターで測定しようと思いクランキングすると・・・
回らんではないかっ!!!
なんてこったい・・・カムシャフト直結のディストリビューターが
回らないって事は・・・カムも回ってないって事!?
(直接目視するために、サイドシル上に立って、左足使ってキーを回しました(笑))

タイミングベルトは2年半前の車検時に他のファンベルト類と一緒に交換したと思って
いたのだけど・・・

仕方なく、ディーラーのサービス(整備)に電話して聞いてみる・・
「これこれしかじかなんですよ〜 どう思います?」
「やっぱりタイミングベルトじゃないでしょうか?」
「そっか〜」
「あの車ではタイミングベルト交換大変ですけど、自分でなさいます?」
「あそこは手を着けたくない場所ですよね〜・・・」

で、日産サティオの方に引き取りに来てもらった。
ついでなので、自分がオイルキャップを開けて中のカムを見ている状態で
クランキングして貰うと・・・

やっぱり回ってない・・・<(TOT)>ガーン

電気系統ばっかり点検していたら
なんとカムシャフトが回っていなかった
というオチでした・・・・とほほ〜

で、我がEK-10はサティオのADバン(ウィングロードの商用車バージョン)に
牽引されて入庫するのでした。元気になって帰って来るんだよぉ!

 

圧縮比7.7のお陰か、バルブとピストンの干渉は全くない様子。
これが今流行のNAチューンでハイコンプ仕様(圧縮比12.5とか)だったら
バルブが折れること間違いなし! ま、普通のエンジンだったら干渉するように
設計しちゃいけないと思いますけどね・・・

2000-11-6

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