98/01/16


考えていたことをスコンと
忘れてしまうと、
かなりくやしい。

衝撃ではないけれど、

何か、受け止め損ねた、
間の悪さがそこらに
漂う。

空気までが、
スコンとした自分を、

そそそ、と笑う。



冷たい空気は、
アタリも冷たく、

こちらがストレートであるときは、
最大の心地よさで、ありながら

そそそ、と笑うときの、
その冷たさも、

また当然に。



ただ、冷たい空気には、
シアワセを包み込む、
生意気な包容力がある。

空気あいてに、くやしがっても、
詮無きコトながら、

すべてを冷たさで包み込んでいるような、
一瞬、そう感じさせておきながら、

各個人が、
暖かさを持っている限り、

それが存在することを、
確かに教える、という
重要な端役を果たし、



空気は、膨大な
冷たさのエネルギーを
持っていて、

強い風にかきまわされれば、
容赦なく、取りまく暖かきものを、
奪っていく、とも思える。

ただ、それは、
奪われてかまわぬこと、



奪われた暖かさの存在感こそ、

静かに寒き夜に、
自らと、他の暖かさを、

しみじみとすべき
原体験たる、


春は春、冬は冬。


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