2008 spring   トップへ



飯豊・石転び沢 08・5・18 快晴 気温2度 ☆☆☆☆
山荘P450〜石転び雪渓600〜出合710〜稜線梅花皮小屋1860m1010=1100〜下降〜出合1120〜雪渓末端1140〜山荘P1250

 
 石転び沢出合から 上部稜線まで1000m 思った以上に残雪豊富

早朝の梅花皮本谷では、標高600mを越えたところで全面雪渓で降りられる。昨年に来た時よりも一か月ほど、残雪が多い。手前はまだ日陰で寒いが、向こう稜線は朝日が当たっている。

 週末に山荘までの道が開通するというわけで、早速入山。新潟を抜けて入る。今年は農家の田植えの時期を見逃してしまったから残念だと思ったが、田舎の田んぼじゃ、カエルがゲコゲコ鳴いていて、明らかに初夏の雰囲気。明け方現地到着したのだが、暗闇の中にゲートがあって「山菜取りは入山料を支払え」と言われて、スキーですよで通過。山持ちの関所である。
 白馬なら百人単位でスキーヤーが入山するが、こちらはポツポツで、実にローカルである。
 いつものように林道から堰堤先で高巻きすると、もうそこから雪渓が始まっていた。何しろ下流の滝沢出合も、雪渓の下。昨年は2週遅かったのだが、今年は相当に残雪がある。去年はここから1時間半も高巻き藪こぎでそれだけで疲れてしまった。

先行にテレマーカーが二人

 石転び出合までシールで1時間少し。つぼ足組みもぐんぐん迫ってくる。石転び出合いの大岩3mほども、雪の下。綺麗な雪渓がつながっていて、上空快晴。そのままシールで1500m平坦地まで登る。そこからアイゼン。先行4人組のバケツトレースに助けられて、さらに1時間ほどで稜線小屋。すでに数人が滑降をしてくる、宿泊組みかもしれない。

1250mで合流する本石転び沢、こちらも残雪が綺麗で、上部稜線まで見通せる。滑っていた人も数人


さて上部ではだんだん傾斜も急になってきますが、しかしそれでもシールで登った跡がある。

 小一時間ほど休んで、頂上(北股岳)はパスして早めにここから下る。
 出だしですぐに分かるが、快適なザラメが続いている。去年はザラメがすでに固く凍りついて、比べれば条件は格段にいい。昨年転んだところも無事に通過。流れに沿って滑るが、平坦地手前で小さなクレバス数か所はゆっくり回避。この時間になるとさらに登ってくる人が多い。1200mで本石転びと合流するが、登りの時にここを登っている人もいた。山頂から南面とか、門内岳とか、各方面の支流も残雪が豊富だし、客も少なくて、静かすぎるほどの滑降が楽しめそう。今年の冬は東北方面にかなり雪が降っていたように記憶するが、その成果か。

下降途中の頃でも、続々後続が登ってくる

 途中休憩したが、40分ほどで雪渓末端へ。さらに徒歩1時間でPまで。すでに気温24度。




知床・羅臼岳1661m 羅臼平下1250mまで 08・5・11 ガス〜薄日
☆☆ 
岩尾別温泉P530〜極楽平900〜1250m1100=1130〜下降〜極楽平〜弥三吉水1230〜岩尾別P1430


帰りがけ、斜面に出たところで一瞬ガスが切れて、羅臼平へ続く大沢近影。別パーティは登って稜線まで達したようだが、天候はいまいち。

 本州じゃ、南岸停滞前線とは梅雨前線のことで、ならば北海道なのだが、GW明けとは来る時期間違えたかなあ? 昨日も今日も降雪がある。斜里で2度。山でマイナス。なのに、残雪が少ない、もう溶けてしまった時期が遅すぎた。トホホ。
 知床に来たのだから、斜里岳、海別岳、羅臼岳のどこかには登ろう。
 前日は雪と曇り。仕方ない偵察かねて、その三つの山をよく見たのだが、雪で知床峠のラインが終日クローズなのに、大回りして国後が見える羅臼まで行ったりして、夕方ようやく山も晴れて、しかしスキーで登るなら海別岳なのだが、3月末がリミットでもう道がない。マムシと熊が出る。
 斜里岳も尾根ルートだけで、じゃ夏道羅臼岳へ。
 朝は3時半で明るい北海道だといっても、5時半出発。当然のことに登山口に雪はないねえ。高度230mスタート。鹿がいくらでもいる。2時間登って、弥三吉水の水場。その手前でようやく雪でシール履き。後続5人パーティに抜かれて、トレース付けてもらう。しかしなんだなあ、ここから極楽平というのは、ダケカンバの藪こぎなんですよ。ここに本当に夏道あるの? 雪一面の極楽平を予想していたのだが、ダケカンバの藪こぎなんて初めての経験。短い距離に1時間以上もかかる。
 さて溶岩台地に上がる急登にぶち当たるのだが、ガレというか、窪地からダケカンバ密生を避けて登り上がる。その登った地点から左上して、羅臼平へ上がる大沢に入り込むのだが、先行もルートを探しながら、足跡があちこちへ。なるべく藪を避けて窪地を登る。1150m辺りで左側に大沢が見えてきて、そこへ30mほど下らないと降りられなくて、しかしすでにガスガスで頂上は見えないし、たまに下界がはれてオホーツク海が見えるくらいで、観光船が見えたりするよ。私下るのはやめて、上に100mほど登って、地図上の岩記号の下で終了。羅臼平より100mほど低い高度で終了。この天気じゃ仕方がない。

下界は晴れてきて、登った窪地を滑り下りる。向こうに極楽平の密生地と、その向こうにオホーツク。

 昼から晴れるという予報も、薄日が少し射すくらいで、その瞬間を逃さずに滑降。藪こぎの極楽平まで高度差400m。ザラメの上に新雪10センチ積もって、ザラメパウダー。ガスが薄くなって視界が広がると、なんとなく元気な気分にはなる。ほんの20分くらいでスキーは終了で、あとはクロカン藪こぎ。弥三吉水でスキー脱いで、夏道2時間でPへ。この時期じゃ仕方がないとしても、少し滑れたからよしとする。

前日の偵察で、山の羅臼側(東側)からの、羅臼岳と向こうへ硫黄山方面。手前は遠音別岳

 しかし、標高800mの知床峠でハイマツがあるというのに、その上部にダケカンバの密生とは、知床の植生とは不思議なものなり。知床は本州の3000mだとは言うが、ダケカンバの密生藪こぎだけ思うと、低高度は否めない。それと、いくら世界遺産の中でも、夏道をもう少し整備して欲しいのだが。



富士山 御殿場口から2300mまで ☆☆ 08・4・20 晴れ〜曇り〜ガス
太郎坊1260m350〜雪渓始まり1650m530=600〜2350m800=830〜下山〜太郎坊940

午前5時半ころ、標高1650mから、中腹に部分的に日が差してきた富士山。上部はガス。


 天候の回復が不順で、近いところの富士山にいく。昨年5月に富士宮から入ったから、今回は御殿場の太郎坊から。現地に雪はない。気温8度
 暗い中を、スキーと靴を担いで運動靴で入る。ゲートは閉まっているのだが、どうも中に誰かいる。5時頃、新五合1400mのPで、ラッパー音楽かけた車がいて、その後、ゴーカートみたいのを降ろして、自衛隊の演習場で乗り回している。怖いよ、ま夜中にそんな連中が暗闇で動いているんだから。雪解けの除雪後には、おかしいのが出入りしている。
 明るくなると富士が見えてくるが、中腹にガスがかかっていて、上空はわずかに日が射してくるが、おおむね曇り。1650mで雪が出てきてシールに履き替える。昨日のものと思われるつぼ足が4足分くらい登り降りしている。1800mを過ぎると、北風が強くなってくる。上着を着る。2000mくらいで閉鎖された倉庫があったが、風除けにはならずに、さらに上へ。


 ガスが出てきて風も強い。単調な登りで、体の右側だけ風にさらされて、頭がぼーっとしてきて眠い。歩いたまま眠ると凍りつくか?なんて思いながら、いやしかし気温はプラスだからそんなことはあるまい。どこかの小屋で風除け休憩したいのだが、どうにも小屋がない。地図を見ると、御殿場口というのは、3000mまで小屋が全くないようで、そんなアホな。富士山とはマグロ状態の女神みたいな山だ。ノッペリしていて休憩場所もなくて、それは穏やかな日にはいいのだが、風の強い時には困る。
 2300mくらいまでずっと右上して、わずかな窪地に入る。幾分風除けになる。ガスは雨粒を吹き付けるし、上部は大して視界が利かない。ということで、今回はここが終了点。まだ午前8時だが、仕方がない。
 用意して下る。雪は悪くない。上部は半分ザラメでよくターンができる。少し下ると4人組がつぼ足で上がってくる。中間部の斜面凹凸で滑りにくいが、下部ではシャーベットでまた滑りやすくなる。それでも高度差で700m滑ったことになる。夏のスカイライン以下の標高なのだが、これも仕方がない。1650mの雪渓終了が9時。そこでまた5人組。これから登るというのだから、東京スタイルというのは、遅立ち、遅帰着。そこから40分ほど歩いてP到着。その間またまたゲートの中にバイク3台。




北アオートルート 北ノ俣岳〜黒部五郎岳〜双六小屋〜蒲田川左俣林道〜新穂高
08・4・12〜13 快晴〜曇り〜雨 ☆☆☆☆ メンバー逸崎、鷹觜
4・12 快晴〜ガス 山ノ村和佐府410〜飛越トンネル600〜北ノ俣避難小屋100=1030〜北ノ俣岳1300〜中俣乗越1330〜黒部五郎岳肩1530=1600〜黒部五郎冬季小屋1730

4・13 晴れ〜ガス〜雪・雨 冬季小屋610〜三俣蓮華岳900〜湯俣川源流930=1000〜双六小屋1030〜1100〜コル1130=1200〜蒲田川左俣〜1700m林道1330〜わさび平小屋1500〜新穂高1600


 冬季小屋泊まりの、スキー縦走というのは思ってみれば初めてのことである。クルマ一台を新穂高にデポして、神岡からいろは坂並みの道で山ノ村和佐府へ。ゲートをどけて入ってみるが、300mほどで積雪ストップ。星空を2時間かけて飛越トンネルへいく。この時期、このルートは、嫌がらせのスノーモービルが北ノ俣頂上まで駆け上がっている。トレースは先週のものか。先週山は降雪だと思っていたのだが、雪は降っていない。クラストした道をシールで、どんどん登っていく。ガスは低い所にかかって、上は晴れている。
 モービルトレースに入ったり出たりで、寺地山から避難小屋へ。冬はこの小屋を探すのが難しいのだが、登り上げた斜面の足もとに屋根だけが出ている。しかし裏側へ回れば入れる。日向ぼっこみたいにぽかぽか日差しの中で、ここで昼飯。やっぱり距離は長いなあと、思う。
 さて北ノ俣岳への登り。この山は上越の平ヶ岳に似ていると改めて思う。しかも目の前に大きい。2時間少しで、頂上まで登り上げる。そこに出れば黒部の山々が一望。5月の連休に来るより、やはりまだまだ雪は多い。

避難小屋から北ノ俣岳への登り。

 ここから中俣乗越へ200mの斜滑降。数回ターンしただけで、後は高度を落とさないように滑って行く。なんだか荷物が多くて思うようには滑れない。稜線からはこちらへ雪庇が垂れこんでいるが、デブリはない。今度は目の前に黒部五郎が大きい。

北ノ俣岳から三俣蓮華(右)と鷲羽岳(左)のコルの向こうに大天井岳


北ノ俣頂上の向こうに薬師岳

 さてその黒部五郎岳の細長い肩を目指して斜面を上がる。上部の高度感にさすがに堪えられなくなって、私はアイゼンに。だんだんガスが上昇してくる。頂上にまでガスがかかって、晴れたり、ガスったり。真っ白な雪の斜面が見にくくなる。肩から頂上へ行くのはあっさりあきらめて、肩の左端からカールに滑り込むことに。雪庇と急傾斜。

こちらから見る黒部五郎は左に長い肩を引いて台形状に見える

 一人目出てみるが、目の前の斜面はすでにモナカ。その中を斜滑降で一旦向こう側へ。さてそこからまた斜滑降で戻りながら高度を落とすのだが、もう私は疲れて、再びアイゼンで100mほど下降。カール底でスキーに履き替える。んなことしているからだんだん夕方が迫ってきて、半分ホワイトアウト。ボーゲンなんかでクラスト斜面を下っていくが、一瞬足元の雪が動いて表層か?と錯覚するが、自分が動いているだけ。アウトすると阿呆な現象に襲われる。下ってだんだん視界が開けて、そのまま斜滑降で黒部五郎の冬季小屋へ。入口はしっかり開いていて助かった。薄暗い18時前にようやく到着。荷が重い、パワーダウン。ここから見上げれば、すごいカールを降りてきたことになる。


小屋方面から振り返る黒部五郎岳はカールが美しい。ほぼカールの中央を降りてきたことになる。

 小屋の中は寒くもなく明け方に−3度程度。よく寝た。
 翌日6時過ぎに出発。明けがた星も出ていたが、高曇り。出発というよりも脱出とも言える。目の前の斜面を三俣蓮華目指して上がる。やはり上部のクラスト斜面でアイゼンに。登り上げると上は広いが、風が強い。いくつものピークが三俣へ続いていて、一つずつ越えていく。小屋から先は未経験の山域である。双六から来ても、北ノ俣から来ても、この区間は皆が遠慮するローカル区域でもある。風のために休憩する場所がなくて、休まずにどんどん行く。雪庇方向が左右に変わる。けっきょく逸崎さんはすべてシールで通過したが、部分的に急斜面もある。

三俣蓮華岳へ向う稜線にはいくつものピークがある。

 3時間ほどでようやく三俣蓮華の穏やかな頂上に。そこもそのまま通過して双六岳方面の稜線を下る。最初のコルからは湯俣側へは降りられず、次のコルから穏やかな斜面を源流に少し下る。こちらに来れば無風地帯になる。ようやく大休憩。
 縦走ってのはなんて疲れるのだ。曇り空は濃くなってくる。そこから水平に尾根に乗り上げ、平坦地を行くと、足もとに双六小屋が見える。夏道や5月のスキールートよりも上部を歩いたことになる。上部はこんなに穏やかだったとは。
 クラスト斜面の下りは、クトーを付けたまま。小屋の陰で休憩。
 さて大体ルートの核心部は終えたのだが、最後に大ノマからの下りがある。双六谷に下りずに、小屋から斜面をトラバースして、弓折岳にシールで登り上げたつもりだった。わずかに30分で早すぎたとは思ったが、風景は大ノマ乗越手前の弓折岳手前コルである。

さて向こう稜線から蒲田川左俣に滑り込んだ

 さて向こうの斜面に滑り込む。やはり私はアイゼンで100mくらい下降してからスキーに履き替える。雪はどうかな?と思ったが、ここはザラメで滑りやすい。重い荷物も忘れて、快適に滑って行く。少し下るとどうも風景は大ノマからの斜面とは違うなあ?と。いよいよ標高1800mあたりまで来て、ここは目的の沢ではない。どうも蒲田川左俣を降りてきたようだ。下部はゴルジュか?と一瞬焦るが、いやいやたまにこの季節にこのルートに入る人がいると思いだして、しかも1700mの合流からは林道が付いている。右に左に屈曲する豊富な雪のこの谷は、知らずして滑ったが、楽しいものだった。下降点が早すぎて大いなる勘違いの産物。地図上では弓折岳と2622mピークを勘違いしたようだった。
 林道はほとんど雪斜面に埋まっていたが、本流を橋で二回渡って、いよいよ秩父沢の斜面が見え出した。「なるほどねえ」勘違いの証明。秩父沢合流点に来ると、大ノマからのスキートレース。ありがたい。4時間前ほど前の早川パーティのものだった。デブリや堰堤を上手にパスしている。少し行くとつぼ足もある。
 あとはトレースにそって、わさび平下でも相当な林道デブリの中を新穂高へ。雨になっていた。二日間通して誰もいなかった。
 縦走は荷が重い。天候もイマイチ。スピーディーに楽しむのとは方向性がちょっと違った。



宝川〜上越・笠ヶ岳〜赤倉沢 08・4・6 快晴 ☆☆☆☆
宝川温泉410〜林道終点600〜布引尾根1530m800=830〜広河原(ウツボキ沢出合)900〜ウツボキ沢〜休憩1000=1030〜白毛門・笠ヶ岳稜線1130=1145〜赤倉沢〜湯檜曽川出合1210〜土合橋1300


宝川林道からブナ斜面を登ると布引尾根。1530m付近

 目的は、上越宝川源流に行ってみますか? 4月ともなると、宝川温泉からの林道は雪解けも進んで実に歩きやすい。林道デブリもないし、トンネルが雪没しているということもない。昨日のスキートレースをつぼ足で小一時間。雪がたくさん出てきてからスキー。
 板幽沢の橋で山に入る計画もあったが、トレースにそってそのまま林道。終点にテント。宿泊スキーヤーがお茶していたから無視して先に進む。そこから緩斜面が布引尾根に続いている(沢筋はゴルジュで不能)。この辺り低いところは枯植林で見るも無残なのだが、上部では地図で見る以上にブナ林のゆったりした斜面で感激。宿泊スキーヤーが昨日一本滑っただろうトレースを逆に登っていく。1時間ほどで1500mを超えた。快晴で景色もいい。
 さて目的はここから源流に滑り込んでどこを登るのか?ということだが、雪が少し茶色くなっていた朝日岳は辞めて安易に笠ヶ岳のコルを目指す。ということはウツボキ沢出合の広河原に降りてから、向こうへ登り続ける。まだ朝8時半。雪はガリガリで、なんだか足つぼ健康器具に乗っかったようにガタガタいいながら、350mほど滑る。広河原には昨日のトレースが2本あるだけで、全く静かでいいところだった。

ところでウツボキ沢を登りながら振り返ると、右はじが先週登った尾瀬の笠ヶ岳。左へ小笠、悪沢、左が至仏山。

 続いてそのトレースに沿って、ウツボキ沢を登り始める。出だしてすぐに滝が顔を出していて、左から大きく巻く。その上に出ると、あとは緩い流れをどんどん詰めていくだけ。標高が上がっているのに、白毛門とのコルが見えなくて、どういうことだか迷ったが、なるほど迷うだけあって、標高はコルを越えてしまって、笠ヶ岳下のコルに出た。源流がそちらになっていた。

稜線に出ると目の前に一ノ倉沢

 稜線に出るとトレースはあるのだが、雪庇が向こうに張り出して、目の前の対岸に一ノ倉沢が迫っていて、稜線というところはどうにもプレッシャーがある。高度を上げすぎたからシールのまま稜線を少し滑って最低コルに出る。ここから向こう側湯檜曽川へ滑り込めそうである。稜線を一人が通過した。

白毛門への稜線


赤倉沢への滑り出し

 ゆっくり用意して、それでも昼前にスタート。ここまで距離が長かった割にははかどった。赤倉沢はひと月ほど前に土樽の駅であったスキーヤーが過去に滑ったルートだと言っていた。上部は軽いシャーベットで快適に滑る。下はやはり重い。上越では2週くらい前はどこも大デブリだったらしいが、それは雪融けと降雪で、時期が遅くなると安定するのかもしれない。20分足らずで800m滑って湯檜曽川の芝倉沢出合の少し上に合流。熊の足跡がある。2歳児の熊らしい(若松ラーメンのオジサンが詳しい)。間もなく芝倉沢からのトレースと合流して、土合橋までクロカン。タクシーで戻る。過去何度もパウダー時期に宝川から入山して敗退したが、今はその頃の3倍の速度で動けるから、春の雪は有難い。



尾瀬・笠ヶ岳2057m ☆☆☆☆ 晴れ
08・3・30 湯の小屋500〜林道から洗ノ沢630〜洗ノ沢本流1350m900〜北側の尾根上1030〜笠ヶ岳1400〜南側の池糖から咲倉避難小屋1620〜1429P東コルから咲倉沢へ1700〜咲倉本流北側林道1745〜林道から湯の小屋1830


夜明け間もなく、遠い林道からの笠ヶ岳

 尾瀬の笠ヶ岳へ行くのは三度目。咲倉小屋まで一回と、吹雪で本峰直下までが一回。
 二度目に行ったときと同じ洗ノ沢から登ることにする。過去にはショートカットしたが、今回は素直に林道を大回りして入る。曇り予報だったのだが、午前中は快晴。昨日少し降雪があったようで、林道も山も雪で綺麗になっている。三年前の三月よりも雪がかなり少ない。
 洗ノ沢に入っていくと、かなりの雪解けで水が流れ、ブリッジを何度も左右に渡り、なんだかスキーで沢登りをしているような感じになる。1350m辺りに来ると、流れは雪に埋まっているのだが、何とここに10mの滝が顔を出している。前回登った時には、こんなものはなかったはずなのだが。直前まで来たが、どうにも登れない。敗退するか考えたが、先ほどからの北側に見えている尾根がなだらかで登れそうな感じがして、シールはずして来た道滑って、登れそうなところを探す。が、わずかに3分でそんな場所を発見して、またシールを履く。時間をロスする。


左から谷川岳、巻機山の稜線、奥利根の山

 取りついてみるが、どうにか登れそうである。しかし150m登って尾根に出るだけで、1時間少しかかった。登りついたところは広く大きな尾根だった。
 尾根に出て進むと、この辺り特有のシラビソの群生。その合い間を縫って、凍った斜面にクトーをガリガリ言わせながら、しかし高度は上げていく。
 少し行くと、本峰が見えてくる。遠いような気もするが高度差で500mほど。無木立の真っ白な緩斜面で、こういうところは登る斜面じゃなくて、滑る斜面だろうと。頂上直下に出るのだが、岩ゴツゴツのクラスト這い松で、アイゼンに履き替えるが、這い松落とし穴に手こずって時間がかかる。14時にようやく頂上。至仏山ももちろん近いが、その向こうに異様な平ヶ岳。ここまで9時間もかかっている。これで安全に下れるのか?

午後からは曇り空の、笠ヶ岳への最後の斜面

 南の池糖の平坦地に下る。こちらも岩ゴツゴツ。下りきって、さて前回も下った咲倉避難小屋のある夏道方面へ行く。距離が長い。しかも登り返しもある。
 大体南方向の大きな尾根から、西への尾根の小屋へ行きつくのに、曇り空で視界はあるのだが、それがほとんどシラビソで遮られて、前回も少し間違ったのだが、今回も間違えた。ナビと首っ引きで下山の斜面を間違えないようにする。が、不用意な登り返しで、小屋まで2時間以上もかかる。すでに16時を過ぎる。

南側から眺めるとイメージが違います

 さてここからいよいよ真剣になる。細い尾根を右に引き込まれないように確認しながら、1429mP辺りの平坦地を目指す。その手前のコルから、前回もここを滑ったと思うのだが、沢に滑り込む。まさか雪が少ないからといって、流れが出ていることはないだろうなあと、思いながら。休む時間も惜しんで一気に下る。大丈夫ちゃんと雪に埋まっている。300m一気に15分くらいで滑って、咲倉沢本流に合流。本流の右側に出ると、行き詰まる。上を見上げると、平坦地が見えて、そうだ林道が通っていたことを思い出す。地図で確認して、20mの斜面をつぼ足で登り上げる。出た林道である。スノーモービルの馬鹿連中が荒らしていたが、まあだからスキーは滑るということで、許すか。あとは下り林道は長いのだが安全地帯に出られた。20分ほど滑って、朝通った林道に合流して、さらに滑り込むだけ。つぼ足が二人分歩いていた。18時半、真っ暗になる直前にPに到着。夕方からは小雪だったが、ここは小雨になっていた。下り4時間半。なんでこんな山に、こんなロングツアーになってしまったか。




巻機山 ヌクビ沢 08・3・22 快晴 ☆☆☆☆
清水430=600〜頂上1100=1150〜ヌクビ沢〜清水1430


正面ニセ巻への緩斜面

 清水から清水街道を奥へ少し進んだのだが、林道デブリという奴が多発していて、姿は急斜面に変わっていた。というわけで引き返して、巻機山でも行こうかと。何とそこに知り合いのIさん。奇遇ですねえということで同行。通いなれた道、しかもトレースあり。今年1月に入った時の3分の1の30分ほどで、桜坂へ。井戸尾根に取りつく。急斜面になったところでアイゼン。後続はハイジの12人部隊だったようだ。

上部からヌクビ沢

 斜面を登り上げてからは、この大勢に前後してニセ巻から本峰へ。穏やかによく晴れている。過去に滑ったことがあるヌクビ沢へ行く。トレースはない。
 割引とのコルから左へ戻るように滑り込む。ところが、粘土のような強烈なシャーベット。どうしてだ一体。大して斜度はなくて、尻餅をついても滑らないのだが、ターンができない。過去に同じ時期にクロカン板で、簡単に滑れた斜面なのに、斜滑降キックターン。

上部


中間部


下流部

 本流に合流すると、デブデブ両斜面から落ちている。しかも目の前で、対岸の斜面から雪庇が崩れた。スローモーションのようにねえ。
 本流のデブリ脇をかすめながら、実に疲れる。高度が落ちて1300mくらいになると、粘土シャーベットはようやく終わって、ボーゲンでターンできるくらいに軽くなる。その下で、何と沢筋にテント。つぼ足のトレース。春の不思議な光景である。そのままゴルジュ手前まで滑って、脇を10m登って、登ったトレースに合流。
 スキーは装備じゃなくて、明らかに雪質による。


平標山 08・3・23 晴れ ☆☆☆
元橋P600〜山頂950=1020〜下山〜P1130


 昨日に続いて、同行リクエストに応じて平標。だが私、この時期に一般ルートから登頂未経験であり、しかも一般ルート滑降未経験でもあり、わくわく行く。
 人気ルートにつき、除雪されたPには相当数の車。6時スタートで、3番目だった。林道からヤカイ沢に入るが、かなりのブッシュが出ている。雪解けはかなり早い。そういえば、三月は降雪もないし、昨日は桜が咲いてしまったらしい。

標高1300m付近 ヤカイ沢中間部。向こう頂上稜線

 1時間ほど行くと、沢は開けて目の前の稜線が素晴らしい。この辺りまでくれば、人気ルートに理由も分かる。スノボーを追い越して先頭。沢の突き当りから右側の尾根に登り上げる。といっても、昨日のトレースも相当数で、辿って行けばいいだけ。上部1600m付近の樹林で休んでいるとツボ足に抜かれた。あと400mかと思ったが、ここからが早い。クラスト斜面をスキートレースに沿ってどんどん登り上げる。一部ブッシュがかなり出ている。それを越えると、なだらかな稜線に合流して、頂上。仙ノ倉北尾根から一泊で来たパーティは、松手山の尾根を忠実に下ってくようだった。山頂を越えて、ヤカイ沢を滑るのが二人。今日は登ったルートを忠実に下ろう。10時半前、雪が緩んだ頃でスタート。

稜線から下降する斜面

 登りブッシュの辺りは、まだガリガリ言っていたが、ここで20人のボーダー登りとすれ違い。後続は相当数いる。
 樹林に入ってからは、雪面が綺麗なブナ樹林の中を滑っていく。だんだん雪は重くなる。沢に合流しても荒れた斜面をそのまま。1時間ほどでP戻り。もう少し時期が早い方が良かったのかも。



仙ノ倉山・シッケイ沢 08・3・16 晴れ ☆☆☆☆
毛渡沢P430〜群大ヒュッテ550〜平標沢1550m830〜上部稜線1850m1030〜仙ノ倉山1200=1220〜シッケイ沢下降〜本流合流1330〜仙ノ倉谷出合1400〜P1430

仙ノ倉山からのシッケイ沢は、チャンスがあれば一度は行ってみたいと思っていた。しかも土樽から。こちらから平標山に行くには、どうも元橋から入山するよりも、3,4時間くらい時間がかかる。
 星空の中スタート。毛渡沢林道は通いなれた道で要領は分かる。昨日辺りのトレースが付いている。しかしどう頑張っても群大ヒュッテまでは1時間半くらいはかかる。さらに奥、仙ノ倉谷(西ゼン)辺りからの滑降組のトレースを辿って、そこからは平標沢からのトレースも一つだけある。どうやら1週間前のトレースも少し残っていて、この1週間は全く降雪がなくて、あっという間に春の雪になってしまった。平標沢をどんどん登っていく。

平標沢に入ってから右支流にデブリ

 沢の本流をクトー上がるが、さすがに1550mくらいになると、スキーは無理。アイゼンに履き替えて、左斜面に上がるが、モナカクラストは全く能率が悪い。どうししようか迷ったが、まだ時間も午前8時半。一昨年にはこの登りづらい尾根で時間がかかって時間切れになっていたから、大胆な行動は承知で、沢の本流ど真ん中に戻ってそこを登り上げることにした。

登りの平標沢上部1700m当たり。上越の今の雪は朝には溶けた雪がカチカチに凍っていて、午後になるとそれがシャーベット。わずか2時間後にはこんなカチカチ雪がシャーベットに変わってしまう。

 部分的に40度の傾斜を越える。まだカチカチにクラストしていて、右手にピッケル、左手にストックの変則ポジションで、アイゼン効かせて登っていく。風が吹くと、カラカラと音を立てて、小さな氷辺が転がってくるが、無視する。こんな斜面でも午後になればスキーが降りてくるというわけで、クラストの真ん中にシュプールもある。ピッケルシャフトを握ってピックを突き刺すなんて登りもする。9時から10時にかけて1時間で250mくらいは登れたか。少し休憩してまだ出ると、そのわずかな時間に雪は少し解けて、その方が登り易い。どうにか10時半、1時間半くらいで1850m上部稜線に合流して、傾斜が緩く雪原状となった。尾根を登った時よりも2時間も早い。午前中だからできる、怪しい登り方。そこからまたスキーで、平標山はトラバースして仙ノ倉方面に向かう。
 仙ノ倉とのコルで、どうにも疲れて大休止する。アイゼンでの急斜面登行は一年振りで、なんだか大いにつかれた。靴も脱いでリラックスする。後続につぼ足スキーが来たが、潜ってスキーに履き替えていた。同ルートを滑るというから、一緒に行くことにする。

滑り出しのシッケイ沢。何かっ急斜面高度感満点なのですが

 30分ほどで仙ノ倉。夏冬通じて初めて頂上にきた。ここからは下降ルートが見えないというわけで、コルに下ってまた少し登って、向こう斜面を見るが、なかなか大きな沢で、というか最初は斜面で、高度感がある。手前が緩傾斜で、向こうの急斜面がよく見えない。シール履き替えて滑降準備する。
 結局この日、6人がこのルートを滑ったのだが、私たち二人は最終組となった。



同行のもう一人

 やはり出だしの急斜面(35度+)が、ものすごい高度感がある。雪は適当にシャーベット状で悪くはないのだが。斜滑降の後ジャンプしたり、そのうち思い切ってスタート。リズムに乗れば、気持いい斜面を滑降できる。300mも下れば相当傾斜も落ちて、あとは春の重いシャーベットにスキーを取られながら、休み休み行く。思ったよりも、大きく迫力のあるルートだった。途中、中又の合流では、本日の元の思われる大デブリがある。その先で、本流に合流。

 先行者のトレースは助かる。本流を左右に10回以上もブリッジで横断するのだが、何も考えなくて後を付いていくだけ。途中河原で水を飲める場所があって、休憩。大汗かいて夏山のように清流を飲む。もうドリンクチューブが必要なほどのシーズンになってしまった。下着一枚になる。快晴の日光がまぶしい。
 後はクロカン下り。30分ほどで仙ノ倉谷合流して、さらに30分でPへ下山。途中で二人追い抜いて、3番目で下山。




上越・蓬峠越え(土樽〜土合)08・3・9 快晴 ☆☆☆☆☆
土樽P530〜蓬沢1000m700〜手前の尾根1400m800〜稜線1560m930=1000〜白樺小屋1040〜武能沢下部1100〜土合橋1220〜駅1240

稜線からケサ丸沢上部

 残雪期に上越稜線を越えるというのは、私的にはブランドである。年に一度くらいは、土合の地下ホームから土樽へ戻るという非能率的なことをやってみたい。というよりも、春ならではのツアーでもある。一昨年に通った同じルート。
 実は前日に二人パーティと一緒に、蓬沢をラッセルしていた。曇り強風で、上部まで到達する気もなくて、明日のための暇つぶし。
 快晴の当日は、明るくなったと同時にスタート。昨日のトレースがそのまま生きている。ラッセルがないと早い。昨日2時間半くらいかかったところが、1時間半程度。今年の蓬沢は例年並みの降雪に恵まれて(それも2月に入ってからだが)上部は谷も埋まって登下降が簡単にできる。
 標高1000mから蓬沢上流の手前の尾根に取りつく。昨日二人はガスの中ここを登っていたようで、かすかにトレースは残るのだが、強風でほとんど埋まっている。
 取りついた尾根は実に登りやすくて、どんどん高度が稼げる。ところが1400mくらいになると、傾斜はさほどでもないのだが、ブナ林も終わって夏の笹斜面ですね。白一色の無木立。高度感も出で慎重に行く。上越のこの辺り、森林限界は1300mですかね。

蓬沢右の尾根1400m付近、ようやく北斜面に日が登る

 左遠くに蓬峠の小屋が同高度になるのだが、峠といってもこちら側に雪庇もクラックも入っていて、夏のハイキングコースは大違い。さてやはり、前回同様に、尾根に登り上げる最後の10mがどうにも急でクラストしていて、アイゼンに履き替える。なだらかな尾根に出てから、またスキー。昨日も気になっていたのだが、取りつき林道につぼ足の大部隊が武能岳西尾根に消えていて、何と彼ら6人が、向こうの稜線を登っていた。山中泊の様子。

蓬峠からシシゴヤの尾根の向こうに大源太のピラミッド

 稜線に出てみるが、およそ珍しいほどのそよ風で、風下に入ると無風。さてここから向こう群馬側へ滑り込むのだが、当面の目標の白樺小屋が300m下に見えている。あそこは雪に埋まらないのだろうか?JR職員が既に除雪したのだろうか?前回はトレースを辿ってそこまで滑れたが、何もないとプレッシャーがある。谷を二つ横切る。

スタート地点から滑りこみ方向

 毎度滑降スタートは落ち着かないものだが、今回も同じ。滑りだしはケサ丸沢支流になる。100mほど滑ってから右に支尾根に登り上げる。そこからさらに右の白樺沢支流に降りるのだが、向こうに崩れかけた雪庇とクラック。その下から行こうかどうしようか迷って近寄ったところ、片足の足元が崩れて、冷や汗。仕方なく慎重に尾根を少し登って、上から支流に滑り込む。斜面を滑るよりも定石は本流ですね。
 後で地図を見れば、そのまま一気に滑ってさらに右に白樺尾根に登り上げれば(滑り上げる)いいようなのだが、一旦右にさらに支尾根を越えて、向こうの支流に降りてから、大きな白樺尾根の斜面を斜滑降で滑り上げる。出たところは小屋よりもかなり上で、高度が落ちるとひどいことになると、早めに尾根に出過ぎた。そこから広い尾根を滑りこんで小屋に出る。一安心。

白樺尾根小屋の上部から武能岳

 さて小屋からは目の前の斜面を武能沢へ降りるのだが、上部は無木立、下部にブナ林。かなり急で躊躇したのだが、とりあえず斜滑降で目標の木立へ。足元からバラバラと雪が崩れて、斜面一帯団子を散らばしたような点雪崩。表層にはならないからと、構わず左右に逃げながら、どうにか武能沢へ降りる。南斜面は、あっという間に雪解けである。ここも後で地図みれば、尾根にそってしばらく下れば、幾分傾斜は緩かったか?
 沢の下部、安全地帯出でようやく腰を降ろして休憩する。滑り出してからわずかに600mの下降なのだが、見上げても稜線はかなり上空である。規模が大きい。
湯檜曽川本流にでてからは、どんどん下る。といってもシャーベットで、もうほとんどクロカン下り。トレースも全くなし。一ノ倉出合までいくと、何とハイカーが100人ほどでにぎわって、雪面は高速道路状で、急にスピードアップ。最近のスノーハイクは凄いことになっている。土合橋で車道に出ると、あとは駅へ。電車は1時間待ちで土樽に戻る。新潟から群馬への横断は、どのルートを通ってもエキサイティングである。

08・3・8 土樽930〜蓬沢1000m上1300〜下山1420 曇り

 移動高のスタートで晴れの予定だったのだが、朝から降雪。そのうちに部分青空になり始めて、遅くスタート。トレースがある。ありがたく追っていったが、1時間で追いつき。先頭になる。この一か月で蓬沢もかなり埋まって歩きやすくなっていた。
 標高1000mから少し進んで、左コマノカミの稜線に登り始める。登れそうなのだが、案外急斜面。それに前日の降雪か、けっこう潜る。100mばかり登って、上部はガスって来るし、風も出てきたし、あっさり辞め
 ところで。急斜面のブナの大木というのはお助けポジションなわけで、このときもブナの麓でシール張り替えていたのだが、後ろでミシミシという音がした。とっさに横目使ったが何もなくて無視していると、一秒後、背中にドスンと衝撃が来て、1m飛び出した。雪崩か?と思ったがまさか? 周囲を見ると、どうやら大木の枝に引っかかっていた雪が風で落ちてきた。大きさ1m四方。わずか後ろに落ちたわけで、トレースは潰されて、衝撃で下で雪崩れて、それは本流まで達していた。そのかけらが背中に当たったか。まともだったら、タダじゃ済まない。降雪中直後は、ブナの上を見上げて、近寄るのも禁物か?寄らば大樹の陰はウソだ。どうも最近不用意に危ないことが多い。
下りは登った通りに。十分雪の付いている蓬沢は下りが相当に早くて、楽しかった。別パーティは蓬沢への尾根を1400m付近まで登ったようだ。