2008 Winter 2           トップへ


西黒尾根 ラクダコブ下1385mまで 晴れ ☆☆☆
08・3・1 ロープウェーP900〜ラクダコブ下1140=1215〜下山P1315

西黒尾根1100m辺りから、ラクダコブとその向こうに本峰

 朝はガス。湯檜曽辺りから見上げる谷川岳はガスで、駅Pで仮眠。8時頃に目を覚ますと青空が見え始めて、それじゃ登りますか。
 途中のPで車内用意して、辛気臭い1日千円のパーキングに停める。仕方ない他にPがない。昨日登ったから要領は分かる。Pのすぐ脇から登り始める。つぼ足一人のトレースが真上に続いている。追っていく。とはいってもつぼ足とは直登しているわけで、左右にジグ切っていく。高圧線の鉄塔まで標高差200m。尾根へ上がる手前で雪庇の乗越があって、一旦スキーを脱ぐ。スキーを脱いでも潜らないということは、春の雪になってしまったわけで、今シーズン新雪スキーは満足したのですか?必ずしもそうではなかった。新雪というのは、本当に登りずらくて、しかし滑りやすい。一番難しいシーズンだというわけだ。その時期とも、もうお別れで、なんだか悲しい、さて春へ向って登行しようか。
 鉄塔付近で尾根に上がると、雪洞宿泊で下ってきたパーティのトレースがあったりして、ダラダラ広い尾根を登っていく。上越は快晴だというのに、風が強くて困る。途中で後続のワカンに抜かれた。

蓬峠方面真っ白稜線

 ラクダコブが迫ってくると急になってくる。スキー脱がないと登れそうもないし、かといってコブに出ても風だし、それ以上登る気もしない。何しろ昨日はデブリ三昧だった斜面に、結晶もない小さな雹というか丸っこい雪が20センチも積ったわけで、これで安定しているわけがない。西黒の本峰へ続くあの急斜面など登る気力もでないというわけだ。時間も遅い。
 さてこの辺りから下ることにしよう。頂上の双耳峰が見えるし、後ろは白ヶ門と笠ヶ岳。ずっと奥には、蓬峠辺りが真っ白になっている。下方は土合の駅周辺が見える。

 下りは広い斜面は自由に振れるが、雪庇の斜面は北側マチガ沢側の樹林に入って滑る。マチガへ滑り込んでもよさそうなのだが、今日は辞めておく。春の重い雪になっている。
 鉄塔が見え始めたところで、右側雪庇のないところを、尾根を外れて斜面へ。この辺りで尻セードして遊んでいるパーティもいる。天候がいいと、西黒下部では、雪訓だとか、家族だとか人が出ている。この200m斜面は、昨日はデブリ満載だったのだが、その上に20センチの湿雪が被っているだけで、かなり怪しいものだが、どうにか下って、間もなくP脇に降りついた。完全な移動高で早朝から快晴ならば、春のロングルートにも出かけようとは思うが、この3月そういう天候になってくれるでしょうか。上越の賞味期限は今月いっぱいというわけで、春のハイシーズンを迎えます。
 ちなみに昨日は、
08・3・1 ロープウェーP800〜鉄塔900〜下山930 曇り〜吹雪
 視界がきけば西黒尾根をいけるところまで登ろうと思ったが、鉄塔に出たところで、北側からの猛烈な風。しかも天候悪化で視界も100mほどに。んなことよりも、月曜日辺りの湿雪の大量降雪で、Pからの斜面がデブリ満載。その上を左右にジグ切りながら登っていくわけで、あまり安全じゃない。1時間かけて200m登ったのだが、つぼ足トレースは上に続いているものの、ここで終了。ロープウェー下の駅からは天神平もガスのなかで強風だというのに、平気でロープウェーは動いていて危なくないんだろうか?途中で下山してきたアルパインの連中も、建物の中で休憩していた。当然のようにスキーも天候次第なわけですよ。




頸城・前烏帽子岳1040mの820mまで 08・2・17 ☆☆ 晴れ〜ガス〜降雪
 砂場集落830〜前烏帽子岳途中820mまで1130〜下山1240


逆光の棚田。糸魚川シーサイドバレースキー場近く

 新潟県で最も降雪があるのは、津南か?十日町?越後湯沢?と思っていたが、どうやら糸魚川らしい。妙高といってもいい。昔馴染みの人によれば、関温泉だということになる。妙高の北側。糸魚川でいえば、焼山や雨飾の北面というわけだ。この辺りの山は、大昔は海底火山だったと記されている。凝灰岩はボッコン、ボッコンとおかしな地形を作って、そこにどっちゃり降雪があるのだから、つまらないわけがない。ルートはどの山を登るにしても溶岩台地を登るということになる。谷には降りられない。上流のカール地形まで登れば自由に横断できるんのだが。ということは、糸魚川は日本のドロミテということになる。
 前日に上信越道を走っていくが、仮眠の取り過ぎで、北陸に抜けたのは朝になってから。しかも妙高周辺じゃ降雪が続いていて、本日は登山は辞め。笹倉温泉にいって、周囲の様子を観察したり、糸魚川で宿泊を決めてからは小滝の明星山を見に行ったり、午後には陽が射してけっこうスキー日和だったのに残念だ。
さて翌日はどこを登ろうかと思ったが、笹倉温泉への道の砂場という集落から、前烏帽子岳辺りまで行ってみようということになった。というか自分で決めた。最終地点まで登れれば、地図上では昨年登った昼闇山の北面カールに合流ことになっている。ただパウダーがどかどかだから、さほどの登行も期待できずにゆっくり出発する。
集落最終の除雪終了から登り始める。間もなく冬には下山している奥の集落がある。その裏には棚田が広がっていて、雪がたっぷりで何だか風情がある。適当に高見へ登っていくと、植林の頂上から少しくだって、林道辺りに出る。さらに奥へ行く。

冬は閉ざされている砂場奥の集落。前烏帽子への途中から

 突き当たりをどちらへ行こうか迷ったが、左に川を林道沿いに横断してさらに上へ。まだまだ標高600m辺りだ。たまに雲が切れると、目の前に前烏帽子1100mが見える。計画では、途中で右に横断して、さらに奥へ行こうと思ったのだが、ガスで視界も悪くなって、そのまま稜線上を上へ追い上げられていく。820mまで登ったところで、降雪が激しい。あまりに激しくなって、視界が100mほどに低下する。風も強くなった。仕方ない、下山することにしよう。
 登りのトレースを忠実に下る。もちろんパウダーが快適なのだが、600m辺りの、ほとんど田んぼの脇のあぜ道みたいな所でも、なぜだか雪庇がある。向こうはほんの10m程度下の小川の窪みだと思うのだが、その雪庇の上で無意識にターンした3秒後に、そこに大きな亀裂が入って、スローモーション映画を見ているように、2m幅くらいで大きく向こうに倒れ出した。長さは20mくらいか。雪庇の崩壊である。振り返れば、私のトレースは崩壊した雪庇で切れていて、3秒遅ければ、一緒に10m転落していたということになる。もちろん自分の荷重で壊れたわけで、3秒遅いということはないのだが、不用意に雪庇の上に出たことが悪かったか。もし転落していたらどうだろう。飛びあがって、雪の下に入ることはなかっただろうが、こけて、まさか骨折したら脱出できなかったかもしれないなあ、怖いよ。
 さらに下ると、平坦地に出た。トレースが風で消えている。記憶の通りに戻って、突き当りの登り返しを嫌って左に回る。わずか少し左に回った程度なのだが、あとで地図を見ると相当に大回りしている。回った後にナビで確認して、右へ右へと戻るのだが、視界が悪い上に、ホワイトアウトして、こんな標高400m程度で、棚田のわずかに1mの段差が見えにくくて、転んだりして焦る。どういうこっちゃ。すると間もなく雲が切れて晴れ間がでて、美しい冬には閉鎖された集落棚田が広がっていたことが分かる。
林道っぽいところを下っていくと、見覚えのある、これは天井川の用水路なのだろうか。上を樋が走っている。それをくぐると出発地点に戻る。またまた降雪が激しい。結晶のない、米粒のような雪がバサバサ積もってくる。すさまじい。

夏中集落から明星山

 帰りは上越道の妙高辺りの降雪を心配するほどで、名立の温泉もパスしたが、その妙高辺りで眠くなって仕方無い池の平の温泉に入ったのだが、その間にやはり上越道が事故で閉鎖されて、大渋滞。降雪があると都会の車はすぐ事故するから嫌いだ。仕方なく妙高から新井に戻って宿泊することにした。翌日は相当未明、午前1時半に起きて帰郷。そこで気がついたが、新井にいれば、下道を飯山まで走って上越道の豊田から乗れば、距離的に高速を走るよりも短い。斑尾を迂回するような感じになった。昨日夕方の妙高〜新井の高速も、すさまじい降雪で時速40キロ走行でも怖かったくらいだったから。

シーサイドバレー付近からの雨飾山

 こうして午前6時都内に朝帰りしたが、しかしこの時期にこれだけ降られるのも、やっぱり楽しいか。都会の事故車を上手にパスしないと、時間ばかり取られる。
登山ルートは天候が良ければ、烏帽子、阿弥陀、鉢山と、頸城の妖怪のような山群を巡るルートとして、次回に期待しよう。




上越・清水街道 02・2・9 ☆☆ 晴れ〜強風
 清水500〜林道最800〜最高到達930m900〜下山〜P1030


これが上越の山ですかね、大源太山。裏の清水街道方面からだと、表大源太高原より、素晴らしい。

 清水街道というのは、新潟清水部落のさらに奥のことらしい。昔の稜線越えであり、堰堤工事の林道が続く。といっても今はラッセルだらけ。その林道にしても、雪崩て危なっかしい。まだ新雪だが、もう少したつとクトーがないと、歩けない。
 さて謙信尾根(上杉謙信の尾根)の取りつきくらいまでは行こうと思って、暗いうちから出る。雪や曇りの予報だったが、星空になっている。何度か通ったことがあるが、しかし夏の林道とはいっても、これだけ雪深いと、夏の知識は役に立たない。

大源太〜七ッ小屋山稜線、雪煙が舞っています

 ラッセルは膝下まで。昨冬に来た時には、取りつき手前で、登川河原に降りる道を見失って、対岸の東屋沢に登り上げてしまったのだが(柄沢山へ)、そこに注意する。
 清水から1時間半ほどで、河原へ降りるべき緩い斜面を探しながら、歩いて、適当に降りる。少し急だったが。そのまま河原を歩いていく。
 ところが肝心の最後の堰堤の越えるときに、林道沿いに登り上げてしまって、またまた失敗。向こうに大源太山から七ッ小屋山の稜線が格好良く見えてくるのだが、すでに風が強くなって、その谷全体に雪煙が上がっているというのだから嫌になる。しかもいまさら谷に降りられない。
 仕方なく、足元の斜面から柄沢山の鉄塔付近を目指して登り始めたのだが、間もなく強烈な風で100mほど登っただけで撤退。それだけ。冬の林道ラッセルというのも、偵察をしないと、目的の時にうまくいかない。今回は偵察だったというわけだ。ちなみに最後の堰堤は林道ぞいじゃなくて、河原沿いに堰堤を越えるらしい。今の夏の地図にそう書いてある。しかし登川は渡渉しないと渡れないように上からは見えた。
 また登川へ降りるのは、東屋沢の辺りの植林地帯で、よく見れば林道が分岐して河原につながっている。

上越・足拍子岳への尾根 雪〜ガス ☆☆
 土樽600〜最高到達830〜下山〜P930


植林地帯の隙間から、関越道の土樽パーキング。朝6時半

 土樽の先、除雪終了地点からいきなり山に入ると、その尾根は足拍子岳へ通じている。中間の1100m辺りくらいまでは登れるだろうか。
 除雪終了からいきなり山に入ったが、少し歩いてからの方が良かったか。それでも斜めに登っていく。一登りすると、緩斜面になって植林地帯になる。それがけっこう長く続いている。例によって、傾斜が急になるとそれが終わって、ツガやブナの斜面になってくる。
 さてだんだん急になるのだが、登れるかどうかを躊躇するのは、斜面傾斜が40度の越えるくらいになってからだ。最近簡易傾斜計を持っていて、概算で図るとそうなる。
 さてバウダーの42度くらいの傾斜というのは、滑降する分には、斜滑降で雪崩れないことを把握すれば、さほど難しいものじゃないのだが、そこを登るとなると、なんだか勇気がいる。仮に何かの拍子で転倒すると、止まらないわけはないのだが(それは滑降中でも同じことなのだが)、収拾がつかなくなりそうな気分になる。シールはしっかり効いているようなのだが、方向転換するときに、私はこのくらいの急傾斜になると、キックターンで切り返すことをする。V字の切り返しはさらに不安定である。それにはその前に、少し整地して、スキーを水平方向に揃えないといけないわけで、これに結構神経を使うわけだ。その切り返しの多用で、どうもストレスがたまる。かといって、長い距離を一定方向に進めるほど、緩やかな斜面じゃない。
 その辺りが、登攀能力の優劣だろうと思うのだが、いい加減に嫌になってくる。膝下までのパウダーならば、つぼ足やアイゼンじゃ登れないのはもちろん。
 滑降の抵抗感はないのだが、登るときに、半分は雪崩れるか、残りは何かの拍子にずるっとバランスを崩して転ばないか?その当たりの嫌悪感をどこまで克服できるかで、シールの登攀能力の差が出るように思うのだが。
 そんなわけで、標高920m辺り、本日は300m登っただけで終了。下りは、杉植林地帯でもパウダーでした。取りつきよりももっと奥の緩斜面から下山。






飯豊連峰 南端前山 代塚山1231m 08・2・2 薄日〜雪 福島県喜多方から入山
藤巻730〜目の前の尾根を直上〜代塚山1130=1150〜下山〜P1400


飯豊連峰にもパウダーがあるだろうと、連峰の南端めがけて福島県喜多方から入山。一番奥の川入集落はいやな予感がしていたのだが、冬は全員下山していて除雪はたまに。入れそうな気がして2キロほど乗り入れたが、スタックが怖くなって引き返し。西に向かう藤巻集落は冬でも営業していて、そこに乗り入れる。
こうなると、稜線の三国岳辺りに登ることが困難になって、第三候補あたりの、代塚山という連峰前山に登ることに。
さてどう登ろうかと思ったが、とりあえず最短で、目の前の尾根に取りつこう。いやその前に集落おじさんに「お前、そんなところで何やっているんだ?」とすごまれたのは、密猟者か山荒らしかと思われたのか?「スキーだよ」と答えると、きょとんとして無口になった。

無名の尾根標高900m辺りから、下界標高550m辺りを見る

さて、オジサンが言うには、雪は例年よりも多いらしく、無名尾根もなんだか登れる。100mも登ると尾根上になって、あとはどんどん行くだけ。薄日も指してきて、春っぽい。スタートは標高500mなのだが、800mあたりで30mばかりの登り返しがある。900mくらいからは緩斜面が頂上に向かってなだらかに続いていく。
 雪は潜っても脛までで、大したことはない。それにしても、こんな緩やかないい斜面が続いていいのかしら? 900mから1時間半ほどでいよいよ1231m頂上。樹齢200mほどの大木ブナがいたるところにある。飯豊付近はあまり伐採が入っていなかったというわけだ。

代塚山頂上の大ブナ

 頂上は雪が深々と降っているだけで、風もなくて、ただし視界が300mくらいだから、向こうに稜線の三国岳とかは見えない。そこでシールはずしていよいよ下山する。
 膝下のパウダーをぶっ飛んで、あっという間に900mへ。ここで登り返しを嫌って、枝尾根に入るが、700mくらいで谷へ下りそうになって、下は水が流れている。もっと大きな尾根に入るべきだった。さて仕方なくシールつけて、尾根を水平トラバースして下山方向へ向かう。そして低くなってからいよいよ滑り込んで、林道合流して下山。1時間以上のロス。
地図上は確かに代塚山登ったのだが、どうにも消化不良な気分が残る。思いつきに近かったせいもあるか。でも地元藤巻の集落は、先のオヤジが、4月になるとみんなで登って上でバーベキューやるいい山だよとは言っていたのだが。しかもそのオヤジ、「何で湿った飯豊に来るの?裏磐梯の雪のほうがサラサラしているでしょう」。そういう指向じゃないんだけどね。
この日は会津若松に泊って、翌朝降雪でホテルの部屋から民家の屋根が真っ白になっているところを見て、しかも疲労して朝起きる元気もなく、翌日は停滞。一日立ってみると、無名峰でもそれなりの実感がする。





白馬五竜スキー場 裏尾根(一の瀬髪北尾根・村尾根) 08・1・26 薄日〜ガス・風 ☆☆☆
五竜遠見830〜ゴンドラで地蔵頭910〜標高1850m950=1020〜下山〜平川1130〜渡渉して向こう側へ1200〜47P1300〜五竜P1330

小遠見山への稜線から一ノ瀬髪北尾根スタート。見た目よさようなのですが、カリカリ。

 白馬五竜スキー場トップ地蔵の頭の200m上。1850mから北に延びている太い尾根(一の瀬髪北尾根らしい)を滑る。
 冬に五竜に来るのは、20年以上ぶり。その頃は白馬47なんてなかったわけで、五竜のテレキャビンで上に行く。今は皆47かららしいね。
 前日二日間で豪雪が来たはずなのに、湯沢では降ったらしいが、こちらはさほどでも。
 テレキャビンからリフト乗り継いで、地蔵からさらに上に行く。新雪を期待したのに、なぜかクラストしている。北アルプスというのは、そういうもんかね。
 小一時間で200m上ったところで、右にクラスト、左に雪庇の細い尾根に出て、しかも向こうはガスで風も強くて、これ以上進めません。せめて小遠見山くらいまで簡単に行けるかと思ったけど、そんなに甘くないわけね。しかもメタボファット板乗ってきて、場違いな感じがしたし。
 あっさり諦めて、スキー場へ下る準備をしていると、後続。ちょうどここから北に延びる地図上は太い尾根を滑るというわけで、私も注目していた尾根ではあったのだが、都合よく同行することになった。

目の前に八方尾根が迫っています

 さて滑り出す頃に、さらに一人と二人パーティが到着する(その後ろに10人パーティもいたらしいのだが)。
 上部はクラスト部分があり、吹きだまりがあり。斜滑降で下りていく。100mほど降りると、左に広いブナ斜面が広がるが、ここがなんとカリカリに凍りついている。キックターンなどしながら、でも右へ右へと尾根にそっていく。なんだか前日のスキートレースもある。ガリガリ周辺は雪が積もってないみたい。
 300mほど下ると、ようやく雪も柔らかくなって、しかしなんだか重くて、足が疲れる。休み休み下って、最後に沢沿いの柔らかいとこを滑ると、平川にでた。高度差800m滑ったわけで、スキー場裏とはいっても、なんだか地形は複雑ですよ。
 さてこの平川を渡渉するわけだが、うろうろしていると後続の3人も降りてきて、けっきょく堰堤の真下を10センチくらい水に浸かりながら渡ることになった。これば一番安全。
 そして向こう側林道を滑ったり歩きながら、47駐車場に。私はまたゴンドラ、リフト乗り継いで、テレキャビン上の駅から下る。
 たまたま現地で同行できて、思いもかけずに、いいスキーができた。でもなんだか地元じゃ有名なツアーコースらしい。しかし簡単なコースじゃない。




雨飾山 P2下標高1600mまで 08・1・27 ☆☆☆☆ 小雪〜薄日
栃の樹亭830〜キャンプ場930〜夏道通りに稜線標高1600m1110=1135〜下山〜大海川河原1200〜キャンプ場1230〜P1310

キャンプ場に下山してようやく上部晴れてきて、まっ白い妖怪、雨飾山が見えだした。手前1510mの向こう側から滑ったことになるが。

 昨日の反省から、パウダー求めて雨飾山へ。昨日は糸魚川泊まり。
 寝坊してそわそわと小谷温泉へ。雪が多い。狭い道両脇に雪が覆いかぶさっている。ここは長野の酸ケ湯か? わくわくする。栃の樹亭に着くと、すでにトレースがある。同行者も二人いる。8時半という、冷やかしハイキングの時間にスタート。トレースに沿って30分も行くと、単独つぼ足テントが降りてくる。そうか、この人の下りトレースに沿っているわけだ。カモシカのように、河原からいきなり現われてトレースに合流している、強靭だ。んなわけで1時間でキャンプ場。トレースは大海川に降りる。稜線に登り上げるのは夏道通り。あの急登をトレースはまっすぐに登っていくのだが、普通スキーじゃあり得ない。文句を言いながらも付いていく。大宮ナンバーのスバル部隊が先行だったようで、なんだか感謝しちゃいます。キャンプ場から1時間半で1550m辺りで稜線に乗り上げて、1600mまで。夏より早いか。
 この辺りで薄日も射してきて、左にパスしてきた1510mピークが見えるし、しかし上部はまだガスっている。

夏道通りに東面を登って、1550m辺りで稜線に出たところから下方を。

 さて稜線は西から風も強いし、少しのクラスト。右は小さな雪庇が出ているし、狭い稜線を短いターンでトレースはなおP2目がけて登っているのだが、今日もトップが160ミリのメタボファット板に付き、パウダーを滑るという目的で、この先は意気消沈。稜線から越え易い雪庇を東斜面に戻って、風除けで休憩。この辺りから下ることにしよう。
 登ってきた頃からもちろん十分に知っていましたが、本日は底なしのパウダー。新雪に踏み込むと膝まで潜ります。尾根を越えた風下は、少し薄日も射してきたし、風もないし、何だか昼寝をしちゃいたいほどの優雅な気分。板の張り替えも片足ずつやらないと、どこまで潜ってしまうやら。まだ昼前、しかし滑降は早い時間がいい。
 11時半過ぎにいよいよスタート。がしかし、この辺りの緩傾斜、傾斜20度くらいかなあ、板が止まってしまう。カラカラに乾燥したパウダー。仕方なく、戻り方向に急斜面に向かって少し歩く。間もなく、登ってきたトレースが見えてくる。後続してきた二人が、最後の急斜面を登っているところで、いよいよスキーも滑りだす。今シーズンで最高のパウダーでした。二人をパスしたところで、登りトレースに入って加速して、トレースアウトしてパウダー三昧。200mほど滑ると、登りトレースの狭い尾根を嫌って、左のオープンに移りますが、この辺り薄日が30分くらい差したためか、わずかにウェット気味になって、だからどんどん滑る。そのまま一気に大海川河原に出ます。標高差450m。楽しく豪快でした。先行の人には悪かったけど、後から出て先に滑りました。

こんなものが滑ったトレースになるのだが。

 河原でヒールを解放すると、やっぱりここでも膝まで潜る。どうにか10分ほどで登りトレースに合流して後は滑るだけ。河原から林道までの30mくらいの登りが、つぼ足で難儀で、その向こうにボーダー5人。キャンプ場東の1484mの東面300mをかっ飛んで下で合流していたところ。連中もスキー場を嫌って、パウダー探してこんなところに出没していました。でも5人が無線で連携していて、昨今の山スキーオヤジパーティよりも統率取れている感じ。時代は変わっています。