2009spring           トップへ


爺ヶ岳南峰手前2460m峰 09・4・18 快晴 ☆☆☆
扇沢P540〜夏道〜冬道分岐〜2320m峰1020〜2460峰1140=1200〜下山〜滑降終了1400〜扇沢沢底1650mダウン1500〜P1540


2350m付近から爺ヶ岳南峰と、右奥の主峰 ここまで登るとなだらかな感じでいいんですが、しかし左側(西側)すでに雪が禿げているのがきにいらないなあ。

 爺ヶ岳でスキーができるというのは思い違いだったのか、アルペンルートで冬季閉鎖が解除され入山したが、他にスキーヤーもなく、スキー荷揚げに終わってしまった。それでも強引に滑ったが、思わぬトラブル。
 右岸林道から扇沢に入ると思ったのだが、雪も少なく雰囲気夏道だったもので、そこを宇都野君と入山。1時間登って雪が出始めて、標識に従って夏道を離れて冬道で稜線通しに上がる。1週間前くらいのトレースがついている。少し登って1800m付近でシール登行30分くらいやったが、急過ぎて辞め。アイゼンを履く。2000mくらいで頂上遠望できる。登っている稜線は、風下の右側に雪庇が残ってそこは快適に上がっていける。風上の西側はくそ松、赤松、クロマツがびっしり生えていて雰囲気暗い。両方から選んで登る。
 2320m峰が、森林限界上の快適な平坦地だ。南尾根と合流する。帰りここにテント泊する人がいて、雰囲気がよさそうなところだろう。ただ風がだんだん強くなった。ここから平坦地を進み、150m登ると、爺南峰手前のピークに立つ。さらここからさらに1時間かけて爺までいくかどうか。というよりも、爺の西側斜面の雪は融けていてもうない。白ける。ハイマツと石ころの冬の踏み跡を、アイゼンガリガリ言わせて上がっていくから、辞めた。それに余裕で滑りたい。上で一泊して降りてくる人、日帰りで降りてくる人、さらに後続で登って行く人がいる。スキーは誰もいない。

主稜線棒小屋乗越2400m(種池コル)の向こうに剣岳。そこより高く登れたということだけど、写真手前は雪禿げのハイマツ石ころだから、爺のシーズンはもう少し早い方がいいということだろうか。

 昼過ぎに用意して下る。左側(風下東側)の雪庇部分安定した細いところ滑ったり、右側くそ松樹林に入る。最近教えてもらったがのだが、稜線部分というのは土壌に栄養分がなくて、一番粗末な松だけしか伸びないらしい。斜面部分には栄養分水分があるからブナやダケカンバが育つわけで、そうなると松は追いやられてしまうという。なるほどこの稜線も明らかにそうなっていて、右側ブナの斜面方向に出ると、実に明るい斜面で雪も案外残っていて滑れる。んなことしていたら、右ブナ斜面少し下り過ぎてしまって、なんと稜線に戻れなくなってしまった。崖が見えて唖然。下を覗くと扇沢沢底も案外近い。手元標高1750mほどで、川底最上部と同程度だったから、下ることに決めた。部分雪も禿げていて、笹藪のアイゼンクライムダウン。不安定なことしてしまった。でもこの辺の草付きは安定していて、上越のそれだったら相当怖いことになった。笹付きを下るとまた雪渓で、雪割れもなく1650mで川底雪渓に合流。

 一息ついて、もちろんこの辺りは全面雪渓だから再び滑り出す。少し下って右から奥小沢合流。ゆるい沢なのに、超大デブリが本流上に盛り上がっている。凄いもんだ。数日前のやつだから、直射で融けて横断にさほど苦労はない。流れの右側(右岸)が、やはり堰堤工事の過去林道あとで、伝わって降りるとかなり下まで、道路の直前まで行けた。しかし沢筋にスキー跡もなくて、このシーズン扇沢に入る人はいなかったか。
 ここは最奥の1729mまで入って、あとは急斜面を朝のうちに登り切れるかどうか。およびそこが雪割れしていなくて、上から滑りこめるかどうかだけらしい。下流方面は急斜面の合流で、いきなり降りてくると行き詰る。



新潟・浅草岳1585m(福島・小三本沢ルート)09・4・12 晴れ ☆☆☆☆☆
 入叶津500〜小三本沢530〜標高710m小三本沢横断630〜安沢出合786m700〜尾根上1150m830〜頂上1040=1100〜下山〜安沢出合1130〜林道P1300


 昨日は八十里越え方面で遊んだが、帰りがけにダジャレ温泉湯ら里(ゆらり)の後に、浅草岳が大きく見えて、登らずに帰れるか。現地宿泊で、早朝福島側の入叶津から入る。泊まった民宿ふる里は、5年ほど前の冬にも泊って縁起が良かったが、オジサンは「今日も小三本沢から登った人がいるよ」と山に詳しく、つまり春の今は、ルートとして、その沢を詰めろという指示だった。沢に到達するには、夏道の平石山を巻くルートか、さらに奥の林道杉植林地帯から入るか、一番奥は林道に沿ってかは、本人次第ということらしい。5年前の冬と同じく、植林地帯からわずかな記憶で入る。
 朝暗いうちに昨日の要領で、除雪終了よりも奥まで車を入れる。20分歩いてスキーに履き替え、さらに10分で植林地帯から尾根を越えて、向こうに入る。
 改めて尾根上から大三本沢と小三本沢の出合確認して、奥へ進む。以前に猿崖から沢を横断して下山したが、その林道終点の最終堰堤上600m辺りで横断できるのかと思ったが、徒渉にしても水量が多すぎて回避。仕方なくさらに左側を標高差で100mも登って、昨日辺りのトレースに出合う。平石山中腹を巻いて下ってきている。
 トレースに沿って、小三本沢を横断。あとは右側台地(左岸台地)をいく。こんなところにも凍った池(夏の湿原)があって、山が豊かだ。
 安沢出合で一端沢に戻ってブリッジで越えて、あとは小三本を詰める。(安沢に登行トレースがある)。部分雪割れで高巻くがおよそ沢通し。1150m辺りで右の尾根に上がって、あとは緩傾斜の浅草岳の広大な斜面を上がっていく。1300mくらいでようやくブナ林も消えて、頂上が見えだす。周囲の展望も恐ろしく広い。最後はけっこう疲れて、10時半過ぎにようやく融けて土になっている頂上へ。新潟側から4人パーティが先にいた。



浅草岳頂上から鬼ガ面と毛猛




 出会った人にさくらモチをもらって、同ルート下山。北東の夏道稜線のすぐ下の沢を、綺麗なスキートレースが一本下っていて、それに沿って少し滑る。左にトラバースして、尾根上から小三本に入ると、あとは登りトレース周辺を滑って下る。ザラ目が安定していて、実に気持ちがいい。30分で下部の出合までくれば、あとはクロカンのように、ルートを間違わないように林道周辺に出るだけ。初めて頂上まで到達できた。北面台地のビッグルート。
 帰り、車Pの少し下で雪崩れていて、ブロックをスコップで崩すのに1時間もかかり、不用意に奥まで車で進入したことを反省。釣りの車も止まっていたのだが。さらに首都圏へ戻るのに、高速千円時代で大渋滞で困った。
PS 3月にカナダに行った時にガイドにしきりにファットを勧められて、ミッドサイズが90ミリ程度以上じゃないと楽しめないといわれ、帰国後の数回の山行では、ファット89ミリのカルフで何度か滑ったが、昨シーズンまで春に履いていたセミファット76ミリよりも数段安定していることに最近気がついた。もはや山スキーはミッド90ミリが最低限だろうか。ファットの安定感は細板じゃ得られない。

4・11 快晴 八十里越え(木根沢出合まで)☆☆
 入叶津520〜林道〜工事中トンネル〜木根沢出合720=820〜トンネルまで戻り900〜旧道上り標高700mまで930=950〜下山〜P1130


 なぜかこのシーズン八十里越えを行ってみたくて、生徒二人連れて3人で。只見の入叶津から2時間半も歩いて、工事中の木根沢出合まで行くが、それだけで相当疲れた。この道はいつになったら新潟までつながるのだろうか。その先は、雪解けで進めずに敗退。本気で八十里越まで行くならもう少しシーズンが早くないと。しかし遠い。




北海道知床・東岳1520m 09・4・4 快晴 ☆☆☆☆☆
羅臼岬町・知円別小中学跡地600〜森林限界700m800〜スキーデポ1250m1030〜知床東岳1130=1140〜下山〜デポ1210=1230〜スキー下山〜P1310


 また知床。半島真ん中の山に登りたい。リストのなかから(羅臼)東岳1520m。知床の羅臼側は地図で見る限り本当になだらかだ。
 斜里のホテル3時起床で、100キロも飛ばして羅臼岬町郵便局という、人類北限の郵便局の先、小中学校に行ったが、なんと1年前に廃校していた。除雪されていた学校前Pからスタート。直前にスキーヤー一人。心強い。しかも昨日か一昨日かのスキートレースが上部に続いている。4月なのに車を降りてそのままスキーとは、羅臼はぜいたくだ。今日もスタートは標高50m。目の前が太平洋。

森林限界の標高700mくらいまで登っていくと、向こうにくっきり主稜線が見える。あれが知床の山脈。ゆるい傾斜で延々と登っていく。

 スタートで積雪は50センチか。十分。5時に日の出があってからすでに1時間。もう暑くなっている。海岸沿いからダケカンバの疎林地帯。なんだか興奮する地形だなあ。とにかくなだらかな傾斜を、上部へ上部へ。2時間ほど、700m辺りで森林限界になって、その最後のダケカンバの大木の木陰で休憩。
 さて後半戦、さらに登っていくが、しかし上部にでるほど、広大に、緩い傾斜が続く。7時頃から、ほとんど真上から直射日光が射してくる。でも気温はマイナス。雪は瞬時溶けたものがいきなり凍りついて、コイン程度の氷が雪面いっぱいになって、キラキラ反射して綺麗に輝いている。しかしそれは実に滑りやすくて、シールでも滑る。
 真上からの直射。確かに汗が出るのだが、しかしなんだか寒い。春分を過ぎる極地とは(大袈裟)、砂漠じゃなくて、雪漠。喉が渇くのに寒い。どこまでも広大な雪原。快晴だからいいのだが、ガスにまかれると、タダじゃ済まない。いや知床にガスが沸くのか? 今日は風も弱くて最適。

標高は1000mくらいにもなりましたか。振り返ると国後島。まあ私の生まれた頃にはすでに日本じゃないということだから、そういうものかと思うんだけど、そんなことよりここも知床と同じ海底山脈で、深いところから隆起してるんです。根室海峡の太平洋がそこだけど、遠くからみるからいいけど、何か赤い色してさほど綺麗な海じゃなかったねえ。でもロケーションとしては、上越にはこんなのないです、はい。

 直射なのにシャーベットにならず、1200mを越えた辺りで、スキーデポしてアイゼン登行。

登りながら右側、半島の先端部の方に、異様なタコの頭のような山は、知床岳。イメージはスマートな山を想像していたのだが、さにあらず、平ヶ岳も真っ青ののぺーっとした山だ。北面の向こう側は急峻に切れ落ちているということなんだが、見てないことには信じられん。


上から吹き下ろす強風というか、オホーツク側からの季節風は、山脈を越えてこちら側に普段は吹き下ろしてくるのだが、だから、降り積もった奇妙なシュカブラが形成される。

ところが100mも登ると、その上にさらに緩傾斜帯。潜らないからいいが、デポ後悔。だんだん雪面のスカイラインが近くになってきたと思ったら、ついに稜線。向こうにオホーツクが見える。ああ、流氷も姿を消してしまったオホーツクは、賞味期限切れの刺身か。残念。しかし、羅臼岳からサシルイ、知円別、硫黄、そして登ろうとしている東岳。その向こうに知床岳のヘキサゴン系(六角形)の奇妙な高峰。オホーツク側はガレガレに切れている。穏やかなこちら側とは対照的だ。しかしちょっと、知床の中心部とは、想像以上に広大で豊かな山脈だ。

さて頂上稜線。向こうに羅臼、サシルイ。手前が知円別岳。私がいるところが、知床東岳頂上。知円別から右に、硫黄山が続く。まあこの稜線は百名山羅臼の稜線だというのだが、こういう穏やかで広い稜線だとは、今日まで全く知らなかった。山というのは、来てみないと本当に分からない。他人の話ほど当てにならないものも、またないということでもある。


硫黄山と、足元からそこへ急峻というよりも魅力的な谷が続き、思わず滑り込んだらどういうことになるか、稜線の向こうはオホーツク。

 長時間頂上にとどまれずに下山。30分でデポまで。そこから大滑降。実に不思議なのだ。標高500mを切った頃から、滑りやすいザラメに変わってきた。その上はちょっと重かったのだが。ザラメは標高50mまでずっと続く。下山して分かった。朝7時からずっと快晴だったのに、羅臼の気温は午後3時にようやく3度まで上がっただけ。つまり山はずっと氷点下で、直射に溶けた雪も、すぐに凍りつく。シャーベット状態にならない。反対側、オホーツクの斜里やウトロじゃ、気温は8度にも10度にも。完全に雪質が違うわけだ。ちょっと間違えば、マイナス20度。今日はわずかに氷点下。4月になっても北の新大陸は、上越とはかなり違った。ところで、最近はさらに北の海沿いの番屋にも越冬する東京のガイドがいるようで、除雪は一時期を除いて通年なんだとか。どんどん便利になっている。

半島の先端方面は、その異様な知床岳。画面半分から左がオホーツク、右が太平洋。


至仏山 09・3・21 快晴 ☆☆☆☆
 尾瀬戸倉分岐510〜津奈木橋730〜鳩待峠830〜小至仏山直下2085m1030=1045〜下山ワル沢〜尾瀬ケ原分岐1480m1115〜鳩待峠1145=1200〜尾瀬戸倉1300


 尾瀬に行こう。冬山初体験の谷口くんがスノーシューで付いてくる。戸倉から先は除雪されていると思って、バンに自転車を積んでいったのだが、ゲートの先積雪がそのまま。数年前よりも、片品村は除雪をさぼっている。仕方なく延々とシールとつぼ足で歩き始める。上高地から横尾までかと思いながら、やはり長い。数年前の記憶が頼りだったが、津奈木橋まで2時間半ほど。雪はまだちゃんとあるから安心した。そこから林道カットで鳩待峠までは案外早い。昨日の10人くらいのトレースがある。

小至仏岳直下からの大景観ですよ。尾瀬ヶ原の大湿地帯も、今では3mの積雪に覆われて、右から最高峰の燧岳、真ん中に会津駒の稜線ですけど、手前側が急に切れているように見えます。左は景鶴が、妙に伐採されているのか真っ白ですねえ。

 峠にはやはりテントが6張りくらい。人気コースだ。早速スキートレースに沿って稜線を上がっていく。1時間ほどで視界も開ける。正面に至仏が実に大きい。早くも小至仏往復で下山組みの二人。つぼ足下山は辛そうである。

小至仏岳手前コル。

 相棒は1850m9時半で下山宣言。「ここまでくれば十分」。私先を行く。1時間ほどで頂上稜線、小至仏山手前コルに出る。登りで見たところ、ショートカットならば、ここからワル沢に入れると思っていたのだが、やはりなんと、6人組が遊びながら登っていてトレースが渋滞。どうしようか考えたけど、みんなテント泊から登っているし、私も早い時間に滑りたいということで、コルからスタート。こちら斜面の一番乗り。

稜線から、右至仏、左小至仏。


こういう斜面の雪構造なんだけどね、ぶつぶつ部分は案外固くて、直射で溶けた部分に、風で飛んできた雪が凍りつくのか、そのブツブツの合間の部分は、パウダー系が積もっているだけで快適なんだけど、まあ雪構造も複雑ですよ。

ワル沢中間部から見上げ


中間部から下降

 最初は本峰方面へ斜滑降をするが、半分モナカ。2,3ターンをしながらまた戻って、谷に入る。ちょっと重めのパウダーになったり、少し重いシャーベットになったり、雪の状況は直射に左右される。ワル沢下部は一部雪も割れているが問題にならずに、尾瀬ヶ原へ行く分岐のトレースに、20分程で合流、600mのダウンヒル。あっという間に終わってしまった。ただ思うけれど、今回ミッド79ミリのセミファットだったが、もっと太い板の方が滑り易いか?最近はミッド90ミリくらいでも、ファットとは言われないように、太め傾向になってきた。
 合流点で、一番にムジナ沢を滑った人が登り返してきた。やっぱり至仏の大斜面とはそちらの方かなあ。初見だから分からないが。ここからだと、稜線スカイラインの向こう側でその斜面は見えない。
 鳩待に登り返して、戻る。戸倉に着く少し前に相棒と合流。津奈木橋まで2時間半、歩くという前提なら、1月でも2月でも、ここまで来れるか。遠いけどやはり尾瀬周辺は積雪もあるし、かなりいいところだ。

稜線から南方向に何気なくお洒落な白い山は、尾瀬の笠ヶ岳ですねえ。右になだらかな稜線と、向こうにはほとんど平坦な湿地帯で、今の季節に迷い込むと(2度ほど迷ったことがありますが)、滑らずに相当難儀しましたよ。高層湿原ということになありますねえ。向こうに降りれば湯ノ小屋ですが、今年はそちらには行っていません。左端は武尊。


カナダ・ウィスラースキー場 09・3月7日(土)
 金曜の夕方に日本を出て、同日の朝バンクーバー到着。パッケージ旅行だから、迎えの車も来ていて、ダウンタウンで1時間時間つぶしして、2時間かけてウィスラーへ。120キロ北にある。来年はここで冬季五輪。

1日目 ガス〜薄日
 早くも明日から現地はサマータイム。時差17時間から16時間へ。
1時間寝ては目が覚めて、時差ボケの反動で寝過して、初日は8時過ぎに目覚め。案外天気がよくて、朝飯食ってそそくさとスキー場へ。一日券6千円。円高ですから、昨年換算では8千円。まあ高いんです。でもいいですよ、大人も満喫できるスキー場です。
 麓の村が標高600m。ゴンドラとリフトで山頂に行きますね。標高2100m。こんなところにリフトがあってもいいのか?というところまでリフトがあります。岩壁縫ってリフトがあります。途中で落ちれば死にますね。森林限界が1700mだから、その上の岩壁帯というか、吹きっさらし。
 上部はガスっていてさほど意欲がわかなくて、森林帯に逃げ込みますが、しかしリフト1基で、標高差600mありますから、3回乗るともう嫌気がさして、しかも帰りには、2000mから村の600mまで滑らざるを得なくて、まあまあの条件を、4時間ほど滑っただけですが、満喫。広くてデカイとは聞いていましたが、まあその通り。大人も満喫させるには、そのくらい必要でしょう。これで消化したのが、ウィスラーの20%程度ですか。すでにことし雪崩れて事故もあるといいますが、まあ承知の上のスキー場。

3月8日(日)ウィスラー・カナダ二日目 晴れ
 時差ボケが残っているのか、昨日のリフトが寒かったのか、寒気がして今日は休養日にすることにした。朝飯食って、昼過ぎまで昼寝。ベッドメイクも向こうに追いやって、午後お目覚めしたら、天気がいいのだが、まあ年寄りだから無理しない。
 実はなんと、昨日に、明日ヘリスキーを予約してしまって、本日の団体の成果のビデオ上映を少し見たのだが、本当にノートラックのところを10人の団体で滑っていやがる。昔マッドアマノというおかしな写真家が、白川義員という写真家の、ノートラックを上から10人で滑った写真の上に、車の大きなタイヤを張り付けて、まるでスノータイヤがスキー場を転がっているような合成写真作って、それは裁判に負けたのだが、あんな所を滑っていた。
 英語のパンフを見ると、想像通り嫌な予感が当たっていた。最近年取ると予感が案外当たるもんだ。ヘリスキーのエリアは、縦80キロ、横50キロを超えるとなっていて、それはやっぱり北アルプス全体のことだ。そこに氷河ルートが170、普通のランコースが400を超えるそうで、5つの団体が日に4本滑ったとしても、30日以上分のコースがあるわけで、その間に降雪があれば、昨日のルートもさっさと処女雪コースに変わってしまうのだから、ヘリは必ずノートラックを滑らせますよといっても、やはりそんな難しい事じゃないし、本気で山をスノータイヤが走ったような、あのトラック作りを、素人さんの客団体がやってしまうのだ。だろうね、と思うね。
 馬鹿げたヘリツアーは、1日で6万円は高いか安いかというと、客がこれだけいるんだから、高くないということになる。観光ビジネスというのは、きっとこういうふうにやるのが本当なのかもね。なんかカルチャーショック風だけど。

3月9日(月)ウィスラー三日目。ヘリスキー。快晴
 ウィスラービレッジから車で10分移動してヘリポートへ。その標高700mからヘリに乗って、まあブラッコムの向こうの山の稜線にヘリは最初に到着したのですが、そこは標高2500mでしたね。なだらかな氷河の山の稜線で、積雪した氷河がそこから緩やかに流れているというか、カール地形になっているわけだが、そこを滑ります。まあ標高差で900mちょうど、1600mくらいの所に広い河原があって、そこが中継基地になってますね。

 午前中にそんなランを2回。昨夜この場所あたりで気温−24度なんていいますから、雪は確かにパウダーだし、カール底、カールルートで風がないからクラストしませんねえ。条件はやはりいいです。10人が横に並んで、パウダーにジグザグ模様描くなんて、きっと難しいんだろうなあと思っていましたが、やってみればあんなものは誰でもできるし、写真に撮っても評価などありませんね、本当にあんなもの。しかし客には人気があるから、ガイドはそういうところ滑らせようとしています。

 午前中2本、午後1本で、2700mを滑ったわけですが、後はお気に入りでまだやるか、もう辞めるかでしたね。
 しかしヘリは、どうも物騒な気がする。騒々しいものを山に持ち込んで、それに自ら乗り降りするのに、やっぱり抵抗ありますよ。世間にはマイヘリといって、自分で操縦してどこの山にも行く人がいるんですかね。

 3月のカナダのこの積雪の状況は、いわば北アの源流カールのパウダー状況と同じでしょう。黒部源流の3月とか、やっぱりパウダーカールなんでしょうか。5月にしか行けないから分かりません。この季節に3千mのカール地形にスキーで踏み込むことは自力不可能だから、同じ状況を再現しようと思えば、ヘリを活用するしかないってことでしょう。たしかに3月で、脛くらいまで潜る−24度のパウダーですから、普通のお客は感激ものですねえ。スキーも持参したものセミファットでしたが、センター90ミリないと潜るよと言われて、いわゆるファットサイズをレンタルしました。

3月10日(火)ウィスラー四日目、快晴、不貞寝
 スキー場に来たからって、スキーばっかりやろうってもんでもないです。 昨日の夜は、一昨日よりも熟睡できるようになったよ。というか、1時間で目が覚めても、30分後にはまた寝られるようになったから。昼間にヘリで遊んで、夜にはそのまま禁煙時間を続けようと、なんだか時間がたつのが遅いよ。そうそう人生35年振りの禁煙宣言しましたね。
 今朝になって、ついに禁煙24時間は成功したってことだ。
 朝になっても、目は覚めるのだが、なんだか眠くて、しかも元気にスキーやろうなんていう気分じゃなくて、不貞寝していたよ。9時過ぎになって朝飯くって、しかし今日は出かけない。そういう気分じゃない。
 昨日よりも幾分楽か、いや大脳中枢は欲求しているか、そしてこんな読んでも意味ないくだらないブログを書いている自分に嫌気がさす。
 さて今は二日目の夜になった。これを切り抜ければ、48時間の禁煙に成功するわけで、俗に、72時間耐えられれば、後は継続できると私は理解したが本当か。72時間まではやってやるよ。それでも収まらなければ後はどうなるかは分からない。何もカナダに来たからって、スキーやるばかりが能じゃない。
 手持ちのたばこ捨ててしまったし、携帯灰皿5年も使っていたけど、あっさり捨てたね。成田を出るときに、10箱1900円くらいを免税で買って、そのまま袋にはいっているの、あっさり捨ててきたね、さっき。私高価なものをさりげなく捨ててしまうっての好きなんですよ。S系ですから。

3月11日 ウィスラー五日目 快晴
 なんだか毎日毎日晴れてるねえ。明後日からは荒天五日連続予報で、気の毒だけど。
 朝飯くって、さっさとリフト乗り場へ。サマータイムになって朝は暗く、リフトの8時半になっても人の出は遅い。もっと日が出てからというわけだ。人は9時半ころから滑るみたい。
 今日は初日にやり残したハーモニーリフト周辺で遊び。氷河コースはまだ雪が固いし日陰だからパス。2時間ほど遊んでから一旦下山して、今度は隣のブラッコムへ。

 ゴンドラリフト乗りついで、グレッシャーリフト上部、2000mくらいかなあ、氷河コースを二回ほど。途中、上級向けのコブに入ったりするけどね。んで、13時頃には早々と引き揚げ。

 さて、禁煙三日目突入して、午前の部クリア、いよいよ後半午後夜の部です。三日目越えれば第一関門突破らしいけど、もう突破できますよ。三日目はもう楽になった。
35年付き合った女をわずかに二日で捨てて、カナダで見つけた女と今後の人生歩むのか?本当にそんなんで、いいんだろうか?こちらの方が大きな問題となる。

3月12日(木)ウィスラー六日目 快晴
 今日も晴れだが、もうゲレンデに行かないと思ったけれど、最終日だから我慢して遅くいく。ブラッコムトップにでて、今日みたいに晴れていると、向こう側の氷河のコースが滑れるってわけで、標高2200mから1600mくらいまでが氷河で、さらに1000mまで森林コース下ってきてようやく元のリフトに到着。まあ北アの涸沢みたいな所にスキー場があるわけだから、んなことにもなりますよ。前穂辺りまでリフトで上がって、岳沢コースもあるんですが、奥又でも、横尾本谷コースでも上高地に出るには3ルートありますね。なんて話だ。もちろん山は黒部源流のようになだらかだ。

氷河の国
 ブリティッシュコロンビアは、「地球上でもっとも美しい」というのが、来年の冬季五輪に向けての地元の宣伝文句になっている。今の時期バンクーバーは雨が多く、つまり海沿いで温暖なために雪にならず、じめじめ最悪らしいが、今年はさほどでもない。むしろ春先から、さわやかになってくる。夏は高原のように涼しく、雨はない。
 さて、ここからアラスカに向けてのクルーズ、と言っても数日から一週間なのだが、夏になるとその基地として、観光が盛大になる。日本人には豪華過ぎてあまりなじみがないが。
調べれば理屈どおりなのだが、アラスカ州の州都のジュノーという都市は、車では接近できない。船か、空路か。フィヨルドとはノルウェーだけじゃなくて、この辺にもある。そのさらに奥の、アラスカとカナダ国境周辺のローガン山とは、5800mくらいだが、陸路からは山が見えない。セスナで接近するしかないとは、この山の氷河は世界一の規模があるという。規模はヒマラヤよりも大きいか。
 スキー場があったウィスラー周辺だと、夏には1800mくらいまで氷河が残るらしい。今はその上がすべて積雪で埋まって、1600mくらいでも2mの雪があるから、全面的に氷河を滑ってくる。そのあたり、夏には雪が溶けるから、林道が入り込んでキャンプ場っぽくなるのは日本と似ている。ところが、ローガン周辺は、夏でも氷河が溶けない標高が低く、地域が広く、セスナで氷河の大地にベースキャンプを作らなければ山に登れないのであれば、いや今の3月にはいったいどうなっているのか興味は尽きない。マッキンレー周辺よりも未知である。
 チベットの最終部落から、どの8000mでも遠望できて、ジャイアンツには魔女が住むと嫌われ、チベットも、ネパールも山は現地人との関係があるのだが、カナダのローガンは、空路で接近する以外は過去に誰も知らなかった山であるなら、歴史もない。夏にも溶けない氷河とは、人を寄せ付けないもっとも過酷な自然の要塞だったか。
 バンクーバーからアラスカのクルーズも、海から目線の夏の商売で、100万人程度がそれに参加するというから、規模が大きい。ローガンの最低気温は、マイナス70度。南極を除いて地球で最低気温だという。





知床・海別(うなべつ)岳 北ピーク 1419m 09・3・1 快晴〜高曇り ☆☆☆☆☆
斜里〜朱円東・東十線除雪終了530〜海別林道600〜昨日到達点530m700〜森林限界750m800〜頂上1040〜下山〜森林限界1140〜P1240

 昨日夕方から快晴でホテルの部屋からその山が見える。早めの就寝、3時半起床。5時半に目的地に着く。昨日の入山と少し離れた地点から。今日も標高100mスタート。
 薄明るくなっているが、町のオレンジの光がなんだかきれいだ。ショートカットの農道があるようだが、ちょっと大回りでも確実に行く。車を止めたその道を歩く。ほんの少しで、昨日のトレースに合流し、後は自分のトレースを辿っていく。一人極地法の二日目。
 林道入口で、昨日はガスっていた山が、おお綺麗に全部見える。反対側には斜里岳も見える。真冬知床のバカッ晴れというやつか。穏やかな山でも、真っ白のなっていると何だか急な感じがするが、まあ行けるところまで。
 昨日のトレースを辿っていくだけだから、どんどんはかどって、昨日3時間かかったところが今日は半分の時間で着く。ちょっと休んでなお先に進む。地形図では穏やかな傾斜になっているのだが、実際にはほとんど平坦でむしろ下りもある。なんだか眠くなりそうだ。北海道トドマツなんていう木はないが、シラビソ森を進んでいく。正面から朝日が上がって、樹林で遠望できないから、太陽を目標にまっすぐ上がる。

森林限界の750m上から、オホーツクの海岸線が、向こう弓なりになっている辺りが斜里(しゃり)。ここはコートダジュールかアカプルコか。といっても寒々している。白く迫っているのはもちろん流氷。

 小一時間して、この辺りは750mが森林限界になるが、そこに出ると、オホーツクの流氷も昨日より綺麗に見える。そこは滑走路かと思えるような広大な緩傾斜の斜面を上がる。半分は風のクラストで、半分は新雪が残る。倒壊したダケカンバに雪が凍りついている。

850m辺りから上部は真っ白。傾斜が緩いからいいけど、急だと相当なプレッシャーになる。

 樹林も無くなって、ただ登るだけだから高度が稼げる。ただ風がだんだん強くなってきた。止まるとあっという間に寒くなり、ゆっくりでも動いていないとダメになる。下から見たときどうかなと思った斜面も、来てみると地形図どおりにやはりなんとか登れる。かなり上部に出て、いよいよアイゼンに履き替えることにした。履き換えればほとんど潜らずに、クトーでもかなり登れたことが分かる。スキーをデポしていく。

向こう斜里岳と手前は小海別岳。黒い雲海の上に山が浮かんでいるようにみえるが、大シラビソの大樹林帯の上に、森林限界を越えた山が浮かぶ。夏はハイマツの海になっていると思われる。

 クラストの下はハイマツで、それが場所によってモナカっぽく、ズボッと入ることがある。まあ頂上直下はどこもそうだ。100m登って、頂上に出た。おお、景色がよく見える。オホーツクと太平洋をはさんで、知床半島が向こうに延びている。羅臼の辺りは少しガスっているのか、しかしオホーツク側は流氷で真っ白で、シベリア大陸がそこまで伸びてきたのか? 国後島にも雪を被った高峰がいくつか。しかしそちらに流氷がないというのは、そう千島列島が遮っているからとか考えると、ここからは地球がよく見える。

頂上から知床半島。左オホーツク、右太平洋。遠音別山、その向こうに羅臼、硫黄、一番向こうに知床岳も見えている。

 しかし風で寒いからさっさと下る。下りは早い。スキーデポに来たが、抱えたままさらに50m下って、カール底まで歩いてそこから滑る。
 昨日も今日も見た頂上カール、浅い方のカールだ。さすがに午前中の直射で少し重いが、尾根に合流する地点まで、快適なターンが続く。さらに広い尾根に出て、半分クラストのガリーッと、残っている新雪選んで、また樹林帯へ戻る。

さて一気に滑って下ります。

 雪は少ないからモンスターにはならないが、上から半分くらい日がさして、ドイツ風にタンネの森のようだ。日陰部分はさすがにパウダーが残っている。曇りだった昨日の方が雪は軽い。オオシラビソの森は、日よけになった部分にパウダーが残るという、利点がある。

下って下から見る海別岳。中央大きく切れ込んでいる左側のなだらかな尾根が登行ルート。

 あとはそのまま快適に戻る。下から地図でよく見ると、登ったのは主峰じゃなくて、双耳峰のような北側ピークだった。細い稜線が主峰の方に続いていたが、這い松モナカじゃ、そこまで行く気にならなかった。下に降りると、気の振れたモービル連中が遊びまくっている。北海道の農家の息子連中は、仲間とモービル遊びが好きらしい。知床満喫。


知床の晴天
 流氷季節の2月3月、案外知床の天気はいい。流氷はプランクトンを運び、魚が集まり、アザラシも、イヌワシもどんどん連鎖的に来るのだが、それは海の生態系の恵みである。晴天もそうなのだという。

農道の方から見ると、手前海別岳の向こうにやはり知床の連峰が並んで、やっぱり一番向こうの知床岳まで見える。

 海水温度というのは気温に左右されるのだが、いや海水温度が気温を左右するのだが、知床では氷が海に浮いているせいで、どんなに温かい空気が来てもすぐに冷やされてゼロ度になる。直射日光が地面を温めると、気温がマイナスだったとしても、地表の空気はぽかぽかと暖かくなる。ところが海面のゼロ度の空気がそよ風とともにすぐにそこにやってきて、ぽかぽかはあっという間に上昇気流になってしまう。こうしてどんどん冷たい空気が入り込んでくるために、強制的に高気圧がそこに作られて、知床は常に天気がいいのだそ、おばさんが言っていた。なるほど話だ。今日も夕方頃から知床は快晴だったが、気温は常に−4度くらい。湯沢じゃ5度くらいまで上がったらしいが、これは異常気温と雪温上昇の関係で、ベタ雪になってしまうか、依然としてパウダーが存在するかの違いになる。


2月28日 北海道知床・海別(うなべつ)岳1419m 曇り
斜里〜朱円東・東八線810〜林道入口920〜海別岳標高530mピーク1115=1130〜下山〜1220


 なぜか週末知床。昨年来た時、海別の登りやすそうなコニーデを覚えていて、とりあえず挑戦。知床はなんも羅臼だけじゃないよ、いい山がたくさんある。登山口は東八線の除雪終了だと思っていたが、なんか朝から土砂工事中。昨夜予想に反して降雪があって、5センチくらい積もっていた。
 レンタカー降りて、さて登ろうかと思うが、そこは標高100m。いいねえ海の近くで。ただ標高600m以上はガス。ために出発も遅くて半分は偵察。地形図見ながら夏の林道をそちら方面に歩いていくが、まあ探検みたいなもんだよねえ。夏には道がない山だ。
 農道以外は夏に牧場になっているわけで、冬にはそれを自由に歩ける。
 まあ北海道というのは新大陸で、新潟みたいに無意味に山奥に人が住んでいないから、除雪の終了というのが、すぐそこで終わってしまう。ためにアプローチが長く複雑で、あいまいなのだ。登りやすそうな尾根に取りつくために、林道で川を渡って、どこから山に入ろうかいろいろ悩む。1時間少しで「海別林道」なんていう、ピンク色の看板に従って山道へ。すると間もなく、やはりバラ線の檻を越えなくてはならない。北海道はエゾシカの被害停止で、鹿を下界に来させないために、象の檻じゃなくて、人間の鎖でもないが、同じようなバラ線を山の麓全体に張り巡らしている。夏なら人力でゲート開けてまた閉めればいいが、冬はゲート半分以上積雪でそれが無理だから、積もっている越えられそうなところから越える。いいんだろうか、知らないけどいいんだよね。入ったら中に鹿の軍団がいて襲われないかと心配になったが。
その先で、林道と植林の区別がつかなくなる。適当にどんどん行くと、再び別の林道。そこで上部ガスっているために方向間違って、ワンデリングして、一瞬焦る。「あ、誰か登ったんだと思ったら、自分だった」という話。心配な時はナビオンにしているが、まさか北海道の地形図を入力していないから、しかしそれでも河川だけは自動で出るから方向は分かる。世界のどこに持って行っても、そうなんだろうか。ナビは優秀である。
 道迷いは、方向を180度勘違いするからまた戻るわけで、正しい方向に歩き出す。歩くがなんだか自分の脳が狂っているから違和感があるのだが。
 少し行くとようやく登りが急になって、目的地に一直線に歩みだしたことが分かる。ラッセルなんて10センチでわけがない。雪はサラサラしているような気がするが。
 正しいルートに入れるとはかどる。10時前に少し休んで、この先どうしようかと迷うが、やはり天候次第。というよりも、登山とは案外山小屋の裏とか、橋の先とか、アプローチで迷うことが多くて、それを把握できれば後はたやすい場合も多いわけだ。本日その分はクリアできた。
 知床は雪はさほどでもないのだが、山に下草やボサがないのがありがたい。やはり北海道でも高度が低ければ杉植林が多いのだが、新潟辺りの杉植林よりは登りやすい。
 高度500mを過ぎたピークで、疎林になって本峰方面の視界が開けたが、相変わらずのガスで、今日はここで終わりにする。下界方面は例の流氷のオホーツクが見えるが、流氷って、白いだけで海か陸かの区別がつかない。案外景色としては青い海の方がコントラストで綺麗に見えると思うが。
 さて下りに入ると、おおお、シルキースノーとはこのことか。今シーズン初めてか?グッドパウダー。仮に快晴でも、気温は−3度以下、雪温−5度以下。パウダーの条件です。
 こんなところで迷ったら後が大変になるから、登りトレースに忠実に降りる。全く早くてあっという間に、先の檻のところへ。そのまま簡単にPに戻る。ところがちょうど工事兄さんの昼食時で、私の車の前でトラック運ちゃん昼寝中。出られないから私も13時まで昼寝。
 明日は晴れ予報だし、違うところから入ろうと、下見してホテルに戻る。




西吾妻・中大巓(なかだいてん)1963m 09・2・22 快晴・強風 ☆☆
天元台スキー場トップ840=1050〜中大巓1110=1140〜下山〜スキー場下1230


 百名山の一つだ。しかも直下100mまでスキー場になっている。今日は新幹線で行く。
 山形福島県境というのは行ったことがない。なのだが、吾妻の山形側(米沢)は案外積雪が多いということだ。天元台スキー場の、始発のロープウェーで上がるのだが、45年前の代物で、なんだか壊れそうで怖い。リフト3基乗り継いでトップへ。だが、気温−10度に強風で、トップ二人は早速シールで登ろうとしているのだが、とてもじゃないがそういう気分になれずに、しばらくスキー場のシラビソ密林のなかでスキー。
 2時間ほどすると少し風も弱まって、トレースもはっきりしてきたから、頂上へ向う。


頂上付近ミニモンスター群

 わずかに20分、で中大巓に出る。上に出ると気が付くのだが、ミニモンスターがかなりの数である。下の斜面はシラビソの密林で、全くつまらない山なのだが、稜線に出れば、夏の湿地帯が大きく開けている。しかし、この強風の中でさらに行動する元気もなく、ここからスキー場までわずか100mのパウダー楽しんで、さらにスキー場を全部下って、午前中に帰る。つかみどころのない広大な平原なのだ。
 帰り米沢市街からも山もスキー場も見通せるのだが、全山樹林に覆われて、山が白く見えないのが気に入らなかった。