2005 Spring       トップページへ



栂池から小蓮華稜線・船越ノ頭2600m ☆☆☆☆
05・4・24 栂池山麓からゴンドラ・ロープウェー850〜白馬乗鞍1100〜船越頭1200=1230(下山)〜ロープウェー駅となり栂池ヒュッテ1400=1500


 今日こそは移動高の晴天。早朝は少しガスっていたが陽が上がると快晴。大町で宿泊してゴンドラ始発800に合わせてゆっくり出発。こういう日は気分は半日行動になる。

白馬乗鞍ケルンと、左に雪倉、右に赤男、朝日。

 始発のロープウェーを乗りついで山頂1800mにおりるのは10人ほど。天狗原方面の尾根を登る。この辺りでテント泊した4人ボーダーのトレースや、昨日のトレース跡。2年前の連休中にもここへ着たが、そのときはざっと400人ほどのスキーヤーとヘリスキーの大混雑だったが、今日はヘリは休みだし、思ったほど人も多くない。昨日と同じくらい。
 慣れた道を休憩なくゆっくり登るが、先頭に出でボーターの後に続く。乗鞍の平原に出ると、岩とか這い松が顔だしている。2年前より雪は少ない。岩を避けながら、小蓮華に続く尾根のコルに下りる。向こう側に雪倉が大きく、赤男と、五輪尾根からアヤメ平、朝日は陰になっている。白馬の大池に滑り込んでもいいんだなと思うが。

乗鞍から小蓮華へ続く船越頭の斜面。 船越頭のボーダー。

 さて船越への緩傾斜は広くて気持ちがいい。向こう側に大きく迂回して登り、途中で大休止するが、本日はそよ風で快晴。すでに春用に、ドリンクチューブなど装備してきたが、大汗の天狗原登りは10分に一口ずつ飲んだが、そういえば昨日は凍り付いて機能しなかったね。
 休憩後わずかに10分で船越頭。ちょうど12時。4人のボーダーが手前の凹状を滑るという。頭の向こう側を見ると、こちらは緩やかな尾根と開けたスロープ。スロープ側にドロップする。スキーヤー3人組も続く。

ドロップする斜面。さらに下に行くと登ってくるスキーヤー。

 下を見ると、こちら側から登ってくるスキーヤーも20人くらいいる。天狗原の尾根しか視界に入っていなかったが、実はこちらの方が開けて気持ちがいいのかも。
 出だし少し傾斜があるが、やはり中重パウダーで、昨日と同じように条件はいい。後続のスキーヤーは、右の広い谷に滑り込んだが、そうするとロープウェーには遠くなり、ゴンドラ駅方面か。私、尾根を楽しく滑って、その下で左に出て駅目指す。途中でまた大休止したが、誰も後続はなし。100人とは言わないまでもかなりの人数が栂池に入ったはずなのに、人ごみの気配がない。

ボサの上が船越頭。こちらはボーダーが滑った凹状。栂池ヒュッテから白馬乗鞍、見える斜面にもシュプール。

 傾斜が緩くなると、自然園に入ったようだ。この当たりシャーベットは半固形になってくる。最後は左の斜面にからんで、登りかえしが少ないようにする。駅の上部に小屋が4軒。営業は連休からのようで除雪している。そのなか栂池ヒュッテのテラスに入って、昼飯の1時間休憩。こちら自然園側は初めて滑ったが、なんかヨーロッパのように開けて気持ちがいいところだ。このあたりの小屋は3月から営業してくれればいいのにと思う。小蓮華まで一直線に見えるし、その向こうに白馬、白馬槍、さらに不帰、唐松から八方と、今日はどこまでも見える。そうそう頂上から噴煙上げていた浅間も見えました。春スキー大満足。そうそう昨日針ノ木講習会の5人パーティも、今日栂池で会いました。




針ノ木岳 マヤクボカールから頂上下2700mまで ☆☆☆☆
05・4・23 晴れ曇り・強風 550扇沢〜マヤクボカール底1030〜頂上下1115(下山)カール1300〜扇沢1430


 未明に扇沢に行く道に積雪10センチ。下界で雨が降った深夜に、ここから上部は積雪だったみたい。季節外れの驚き。ところがすでに夏用タイヤにしてしまって、ギリギリのところで現地到着。上の駐車場に入れなくて、トンネル手前の一番下の市民駐車場に入れる。
 夜明けになっても、風が強い。上部は曇っているような気がする。予報で新潟だけが曇りなのだが、山の天気は新潟といっしょ。ふて腐れて寝てしまう。

針ノ木雪渓中間部、右からの小デブリに新雪、ラッセルの逸崎先生

 明るくなって6時少し前に出発。林道ゲート脇でようやく残っているブリッジで流れを横断するが、本日のトレースだけが1本。私2番目だったようだ。赤沢の麓の堰堤で左に曲がると、大沢小屋が見えて、その先に峠。流れにそって上がると、夏よりもずっと早くて便利だなあと改めて思う。それにしても、この時期にはトレースだらけの針ノ木雪渓のはずだが、新雪に覆われて違うところみたいだ。しかも谷の中でも風が少しあって、2月みたいな感じ。

中間部から爺ヶ岳   突き当たり右がマヤクボ沢

 1時間ほどで大沢小屋を過ぎると、先頭に追いついた。その先の小デブリ帯の積雪じゃ、部分的に膝上まで潜る。ストック差し込むと、吹き溜まりは1mも新雪か。ちょっと感動的だ。しかも先頭は、先週にも会った伊那の逸崎先生じゃありませんか「奇遇ですなあ、またまた、ははは」で先頭交替。
 ノドの急傾斜登りきると、下に後続が3人見える。
 さて合流からマヤクボに入る。「一番傾斜が緩いところをジグで」ということで、このあたりはくるぶしラッセルなのだが、しかし上部はけっこう高度感がある。カール底に出るほんの少し前で、スキーを断念してアイゼンに履きかえる。それにしても2月並みに風が強いのだが。手袋さらにもう一枚履いて、上着も春用の薄手の上から、真冬用のアウター。フードを被る。そうして20分ほどでカール底2550m。

マヤクボ沢に入って上部から見下ろし  向こうに爺ヶ岳よく見えます。

 大岩の陰から見上げると、300m上に頂上が見える。マヤクボの峠は右の少し上。「頂上までスキーで行く」というのが正当だったようで、私強風にかなりめげて、アイゼンのまま付いていく。頂上方面に大岩が2個。その間の雪渓が40度くらいの傾斜で、まさに山頂に通じているように思えるが、スキーでは左から大回り。しかしつぼ足になると、これが膝まで潜ってくる。わずかに1日で新雪のこの変わりようは楽しくてしょうがない。つぼ足でいきなり頂上目指すが、やはり膝上ラッセルで敗退。2時間くらい前はたまに晴れ間が出ていたが、すでに曇りで上部はガス。気分もめげる。カールから150m登って、下山。

最高到達2700mからスバリ岳。  大岩二つの向こうが針ノ木山頂。

 その間に後続10人が、頂上方面へ。でも稜線に出ても雪庇越えられなくて、山頂は断念したらしい。しかも直下からの急傾斜残雪のポイントまでたどり着けないようで、全員が登ったコース降りてきた。
 けっきょく私はカール底に2時間半ほどいたことになる。強風は相変わらず。その間にさらに20人くらいが登ってきた。みんな岩陰で避難。戻ってきた先生と合流して、いよいよ下山。13時。
 さてマヤクボカールに突っ込んでいくが、おっとここで5人のスキー講習会もやっている。上部は中重程度のパウダーで条件はまずまず。実は私今日から、スカルパ+ダイナフィット+セミファット160センチの新装備につき、いきなりの急斜面にちょっと慣れない。

カール底へ次々とスキーヤー。 下りであったみんみん嬢、HP「麗しき山」

 でもとにかく雪渓合流までの300mを、楽しく滑降して、後は傾斜が落ちた谷を行く。そこまで降りると、途中まで往復組みを含めて谷には大勢のスキーヤー。つい数時間前まで新雪で美しかった谷も、ぐちゃぐちゃトラックの嵐。それにシャーベットがゼリー状の半固形になってしまって、緩傾斜だというのに、ターンの苦労連続。
 谷の終了は実は、ゲートで渡渉するのではなくて、さらに100mほど下の売店裏の橋で渡るのが、この季節の正道だったのです。下山してみると、半日でまた完全な春に戻っています。昨年もこの時期新雪だったそうですが、Tシャツ1枚の春スキーを予想していても、いきなり2月になることもあるのでした。





爺ヶ岳 西俣沢から稜線直下まで ☆☆☆
05・04・17 晴れ 大谷原340〜西俣出合450〜標高1700mデブリ600〜稜線直下標高2450m930〜下山標高2180m1000=1100〜西俣出合1230〜大谷原1300


 爺ヶ岳に行くには稜線に上がらないといけないのですが、西俣上部から赤岩尾根に行くよりもそのまま詰めようということになり、どこまでも登っていったら、目線は稜線レベルになったのに、なんと雪庇がこえられなく、そのまま敗退。枝尾根の向こうに鹿島槍が一瞬見えたのがせめてもの救い。ルート間違いだったかしらん。

そこは爺ヶ岳へ続く主稜線。けど私はそのこっち側、登れません。

 大冷沢の道は過去に何度も通った道。いつも北俣に入っていたものの、初めて西俣に。出発はいつものように暗い時間。大谷原に車10台。満天の星空。今日も北斗七星がよく見えます。
 ところがここに雪がない。例年通りか今年は長野は雪は少ないです。スキー背負って出発したものの、橋渡って間もなく雪が出てきますが、落ち葉で汚い雪とクラストしてそのまま歩けるために、つぼ足で前進。西俣出合に着く頃には一面が雪。流れも少し出ています。
 昨日のつぼ足1パーティのトレースが残っています。出会いから西俣は「なんだか急だなあ」といつも北俣行くときに思っていたものですが、見ると登るは大違いで、来て見ればなんてことはない。つぼ足トレース丁寧に辿ってそのまま行きます。

西俣出合からの上部。突き当たりの頂上が爺ヶ岳北峰。1700mから上部のデブリ帯

 そこから1時間ほどして標高1700m辺りから、デブリ。こんな緩傾斜のデブリということは、その上からどんどん落ちてきたってこと? なんと上部は、このU字渓谷前面にデブリ跡。大したもんじゃございませんか。2000m近くなって、アイゼン。
 地形図見たときに、赤岩尾根に上がっても、そこから稜線までが結構な急斜面で、ならば本流詰めようと決めていて、しかしデブリの上に、落石もけっこうあるのです。雪解け後の自然崩壊ですね。アルプスらしい。

画面左端に小さく見えている。西俣沢雪渓真っ直ぐ詰めていきます(塚田さん提供)

 午前8時は、まだ斜面クラストしていますが、9時になると、一気にゆるみ出す。そうして自然落石が本当に雪崩れてくるのです。20分に1回。それでも流芯を少し避けるようにして、どんどん前進。そのうちにだんだん急になって、最後には45度くらいですかね。ピッケルと左手にはストック短く持って。古い道具だけどアイスメス風。でも何だか嫌な予感がしているのです。切り立った雪がスパッと稜線に綺麗に消えているのです。「あそこまで登れば、本当にその向こうは稜線?」

稜線直下からの谷全景。2180mから後続スキーヤー

 違いました。切り立った雪は枝尾根のまさにナイフエッジ。その向こうに鹿島槍が見えましたが。稜線に続くやせ尾根にキノコ雪庇。だからといって直接主稜線に上がるところは、雪も融けて岩と土とやはり雪庇。私スキーに来たのであって、アルパインではありません。アッサリと敗退。クライムダウンして下ります。200mほど下って、ようやく平らなとこ見つけて大休憩1時間。
 その頃スキーヤーが一人登ってきました。ちょうど目の前から赤岩尾根の斜面に取り付いています。「ルートはそっちだったのね」。まあいいでしょう。その後、赤岩尾根から滑ってきたテレ二人組みは、塚田・太田パーティでした。

1700m谷の冷尾根側から上部。後からきたテレ二人組み。

 十分に休んだ後、一旦赤岩側に寄って少し高度下げて、さらにこの広いU字渓谷デブリ帯を、反対側に横切って向こう側滑ります。そうして1700mまで下げてから、またこちら側。途中テレに追いつかれて、後は一緒に下ります。
 休憩から1時間半で、西俣出合。そこのテントには鎌尾根途中まで往復パーティとか、この季節は数パーティこの周辺にいますね。さらに30分でPまで。大冷沢上部は、デブリあるのは仕方がないですね。




槍ヶ岳 飛騨沢から槍沢 05・4・9〜10 ☆☆☆☆☆
4・9快晴 新穂高P340〜白出し出合510〜槍平730=800〜飛騨乗越1230〜肩の小屋1300〜殺生ヒュッテ1400=1500〜天狗原1600〜横尾尾根乗越1700〜横尾右俣滑降〜右俣1950m泊1930


4・10晴れ 630〜横尾800〜上高地1100〜釜トン出口1310
 飛騨沢を槍ヶ岳の稜線まで登るのが今年テーマだったが(昨年敗退)、移動高のこの日に出発。ただ下山は槍沢方面にも行くことも考慮にいれて、シュラフ・スコップ持参。荷物が少し重くなったが。

槍ヶ岳から槍沢、右上に殺生ヒュッテ

 3月末までのはずだった新穂高の最終Pが、千円の新札対応におくれたとかで、まだ開放されていて、そこから出発。けど登りだしには雪がなく??思ったほど雪は多くない。前日らしいクラストのスノーシュー後を辿って、スキーは担いだまま。林道の折り返し先の斜面をショートカットで登っていくが、途中急になって、あまり得策だとは思えなかったが。ここで後続一人。
 上の林道に上がってからスキーをつける。白出し出合まではわずかなもの。
 さて白出しを横断してから、いつものように道が不明になって、適当に斜めに下っていく。この辺りで先行者がいなくなり、スノーシュートレースも消えた。チビ谷だったか、出合のデブリは相当に大きく、春らしい。

大デブリのチビ谷出合と、デブリなしの滝谷出合

 滝谷出合は小さなデブリがあっただけで、奥の滝はかなり埋まっている。夏にはあれだけはっきり見えた滝も、雪で相当埋まってしまうものだ。そのまま流れに沿って、槍平へ上がっていく。見下ろす滝谷とか蒲田富士とか、いつ見ても素晴らしい。槍平に上がる少し手前で、どこからかの先行者に追いつく。夏道を忠実に登っているようで、水線沿いのルートの方が高率がいい。

槍平下から滝谷D沢と涸沢岳さらに右に蒲田富士  槍平から上部

 槍平少し手前の日が差し込んでいるところで大休止。ポカポカで無風。ボーっとしていると眠くなる。昨年来たときには槍平出発が900だったことから、今日は1時間早く、時間に余裕がある。
 さてここから延々と標高差1000mの飛騨沢を上がっていく。とりあえず2600mの千丈乗越くらいまでは快調にいかないと。2時間ほどで同高度になるが、先行者はやはり夏道忠実に千丈乗越へ上がっていくが、途中で膝上ラッセルのようで止まってしまった。私沢沿いに上部へ。2650mからアイゼンに履き替える。ピッチがなかなか上がらずにゆっくりになる。立ち止まっていると、眠くなる。槍の穂先が見えてきていくらか気分転換。傾斜が落ちたところから、かなりの風。ヨタヨタしながらようやく飛騨乗越。向こう側を覗き込むがここから入れる傾斜でもなく、とりあえず肩の小屋まで上がる。よたよたに疲れる。たまに吹き黙りに潜ってしまうのが、とても疲れる。ようやく午後1時頃に肩の小屋。槍平から5時間もかかった。

飛騨沢上部から笠ヶ岳(左ピーク)  西鎌尾根と双六岳(左)と三俣蓮華方面の尾根上、丸山

 小屋の冬季入り口を探す元気もなく、そのまま槍沢側に下って、風除けの場所探して、スキーに履き替え。すぐ真下に見える殺生ヒュッテの小屋陰に隠れようと滑降開始。軽いシャーベットは滑りやすいのだが、荷物が重くていくぶん慎重にいく。すぐ見えるのにけっこう距離がある。小屋に到着して、物陰で大休止。
 午後になってもずっと快晴が続いていて、疲れていたが気分がよかったから槍沢に入ったが、さてどうしよう。天狗原(氷河公園)に入れる隙間はここからとてもよく見えるのだが、なんだか急傾斜に見える。このまま槍沢くだっていくと、一ノ俣辺りの小ゴルジュは、過去2回通ったことはあるものの、またあそこで神経使うのも嫌だと、行って見て現場で判断とする。カップラーメン食って、元気出す。

ライブ映像でもおなじみ肩の小屋と槍穂先  槍沢500mくらい下降した槍ヶ岳

 1時間後出発。槍沢を向こう側に大きく下りトラバースしならが、大喰岳からの沢を横断して、天狗原への急傾斜のトラバースに入る。30度くらいか、どうにか横断して、天狗原への登り。途中でアイゼンに履き替える。20分ほどの登りなのだが、どうにも長い感じがするし、こちらは日影に入ってしまって少し心細い。横尾尾根に日が残っているのだが、すぐそこに見えるような気がするのは、錯覚か。
 天狗原に上がると、こんな上部に平坦地があって、異様。横尾尾根の乗越はやはり離れていて、右から迂回するようにスキーで上がっていく。ここは緩傾斜で問題なし。途中で小屋が見えたような気がするが、南岳とは方角違いで、勘違いか。
 さて横尾尾根の乗越2600m。雪庇もなく、風も弱いが、時刻17時。分かっていたとはいえ、こんな遅い時間に、こういう場所にきてしまっていいものかと。見下ろす右俣大カールは相当に大きい。スタート35度程度か。向こうにキレット越しに北穂の滝谷側が少し見える。

横尾尾根からの横尾谷右俣 正面に屏風頭から前穂北尾根、頂上だけに夕陽が残る

 さてスタート。斜滑降で突入するが、問題はその後。すでに日陰になって、気温マイナスだと、シャーベットは瞬く間にクラスト初めて、ここに即席のモナカ雪が出来上がっているのです。というわけで、自由にターンができなくなりました。なんということだ。右俣の大カールを思い切って左右に振って、斜滑降のみで下降していきます。これって高度が落ちるのにけっこう時間が掛かるものです。
 1時間下って18時。1時間で何故か400mくらいしか高度が落ちません。ふーん斜滑降ってそんなもんだ。18時半にライト出して、それでも下って、ところがこときに片足スキーが流れてしまって、唖然。ライトで探しながら下って、下部が緩やかになっていて、50m位下に発見したものの、気が付くと星空で「私は何をやっているんだ」。谷の右側に寄ったところでストップ。泊まることにします。
 持ってきたスコップがようやく活躍できます。20分くらいで半雪洞掘って、夕飯。ほとんど無風だったことが何より。それに寒くない。満点の星空見上げながら、ウイスキーのんで就寝。
 翌日。昨日は思いのほかぐっすり眠れて、5時起床。すでに明るい。スープ暖めて、残っていたパンとオニギリ。6時半出発。

横尾谷からの屏風岩と右岩壁  屏風頭と飛行機雲

 スキーかついでアイゼンでザクザク下ります。と何のことはない。ほんの10分ほどで涸沢出合。朝になって改めて、目の前の屏風頭はとても大きく。この山はまさに釣鐘型しています。前穂が朝日が当たって輝いています。どうやら午前中だけは快晴のようで、助かりますね。
 涸沢出合にスキートレース。近くにテント1張りあって、遊んでいたみたいです。樹林帯に入る手前で流れが出ていて、そこで早くも水飲み大休憩。あと2週間もすれば大混雑してしまう横尾谷も、いまはまだまだ静寂ですね。
 その少し下でスキー履いて、あとは平地をどんどん下っていくだけ。徳沢の新村橋の真下を通過して、流れの右に出てショートカットして明神へ。ここで伏流の砂利河原を歩いて渡って、またスキー履いて上高地直前まで雪の上。そのからは除雪してありました。客も数人いただけ。小梨平のテーブル大休憩も、誰もいなくて本当に静かでした。後は釜トンで客待ちしていたタクシーで新穂高戻り。8000円ちょっとの出費は仕方ない。
 下山してみれば、昨日青ざめたトラブルもなんのその。夕方5時まで、残照に輝いていた槍の穂先は、素晴らしい存在感でした。





平標山 05・4・2 ☆☆☆☆ 仙ノ倉谷から平標沢往復1650mまで
晴れ 土樽330=430〜群大ヒュッテ530〜平標沢700〜標高1650m1000=1030〜下山平標沢分岐1100m1130=1200〜土樽1310

 
 年に1回の子連れスキー。高校2年坊連れて土樽から仙ノ倉谷遡っていきます。暗いうちに出発したものの、取り付き林道で道間違えてロスして明るくなり始めた頃に群大ヒュッテ。トレースはつぼ足1個のみで、一昨年3月末に来たときよりも雪は多い。昨年の3月盆連休に来た人によれば、取水の堰堤まで除雪してあったというから、今年はそれよりも1ヶ月分の積雪が残っていることになる。それにヒュッテから対岸に渡る毛渡沢など橋はほとんど雪に埋もれているし、その本流下流でもいくらでも横断できるほど雪がある。今年の豪雪は谷に豊に溜まっていて、近年まれに見る好条件。
 ヒュッテからさらに進んで、仙ノ倉谷を分けると本流は完全に雪のした。正面に日白山への尾根。そこへ上がる沢も真っ白。左折して平標沢に入って行きます。

平標沢標高1300mあたりで、デブリどかどか

 さらに正面の藪山をまた左本流へいくと、標高1300m辺りにけっこう大きなデブリ。本流と右松手の肩辺りの両方から雪崩れていて、これを右から巻きながら、それでもデブリの中を横断しつつ本流を上流へ。
 1600mくらいになると、次第にクラストしてきて右の斜面に上がったもののスキーでは前進難しく、1650mで本日終了。少し上にでればなだらかそうな斜面が続いているようです。

 ここで大休止して、登った本流下っていきます。子供の斜滑降とデブリの大巻き下りに付き合いながら、それでも1時間も下れば下の出合いへ。ここは風も無くて穏やかで、昼飯の大休憩。ノントラックの沢に、子供と二人でシュプール描きながら、まあたまにはこういうのもいいかと。雪も春らしい軽いシャーベットで文句なし。


 休憩後は傾斜もなくなってほとんど直滑降。仙ノ倉沢から2本のトレースが下ってきて、一人は西ゼンからの下りだそうで、群大ヒュッテで追いつき。そのまま40分もすれば、土樽の車道にでて終了。
 広々した谷川の北面はなかなかいいものです。

朝日の仙ノ倉谷と平標(右) 先週登った巻機山は見下ろし方向の真正面に見えます。




巻機山 ヌクビ沢滑降 05・3・27 ☆☆☆☆☆
快晴 清水p330〜井戸壁取り付き標高1200m530〜ニセ巻830〜巻機山930〜ヌクビ沢スタート1030〜割引沢合流1130=1150〜清水1250


 3月の4週目週末は3年連続で快晴だったような。2年前は谷川北側の毛渡沢に入って行って、午前9時にはTシャツで登っていた。昨年は平ヶ岳に1泊2日で共にドピーカン。今年も全国的に夕方まで快晴だった。

ニセ巻き頂上からの割引岳。右の尾根が巻機山へ


 実は先週の谷川岳200人スキーの混雑で、楽しくはあったのだが少しめげていて、混雑は避けたかったのだが、しかし人気ルートには行きたい。
 まだ暗いうちに清水部落出発。ところがバケツトレースが付いていて、ちょっと興ざめだったのだが。ところが30分進んで米子沢を対岸に渡ると、何とテントが15張り。どこかのベースキャンプですか? 午前4時に高校生っぽいのが動き出していて「これから登るの?」「いえ、下山です」。あら、晴れているのに。実はバケツトレースに引き込まれて、割引沢左岸台地に入ってしまって、5分戻って井戸尾根へ。急にトレースないですねえ。

朝焼けの中央大源太の尾根。井戸尾根途中からのニセ巻き

 どうやら昨日15センチ積雪あって、トレースはほとんど埋まって新雪状態。現金なもので何だか急にわくわくしてきました。かすかなトレース残骸辿って井戸尾根へ。さらに急登が始まると、登り易い尾根の頂点に出てトレース無視。新雪はくるぶしラッセル程度。

割引沢左岸の高校生ベースキャンプ ニセ巻き登りから後続は展望台付近

 気持ちのいい朝焼けです。本日は快晴なり。途中で下のほうから声がしたと思ったら、30分くらい後に、つぼ足6人パーティ。井戸尾根登りきると、ニセ巻きへのクラスト斜面が続きます。尾根の右によって、米子沢の大滝の確認とガイドに載っていたのですが、雪庇の関係で寄れずに確認できないまま。
 ニセ巻き直下の標高1700mでついにクラストになって、アイゼンに履き替え。新雪は10センチくらいふわ〜と乗っていて、スキーが引っかかりません。後続部隊に追いつかれるなあと思っていたのですが、連中ものんびりでそれほどでもない様子。
 ニセ巻き頂上は、ものすごい強風。風速15mくらい。快晴だからそれでも頑張れますが、曇っていたら敗退気分。アイゼンで快調に登り付いて、向こうのコルに。避難小屋など跡形もなく積雪の下で、しかしコルに来ると風は穏やかに。
 少し休憩して下山のこと考えます。登ったクラスト井戸尾根下山する気が急速になくなり、家出る前に、今回は珍しく菊池兄いの赤本読んできて、下山ルートが三つある。割引沢、ヌクビ沢、米子沢。風の強い日は沢に入り込んで、パウダー楽しもうという根拠なのですが、初めて登るこの山でちょっと躊躇。しかもこの日は他にパーティ入っていないのです。恵まれているほど静か。

巻機山ってのは、絵になりませんねえ。ニセ巻きコルからの本峰と、反対側割引コルからの本峰。

 コルでまたスキーに履き替えて、ガリガリクラスト斜面から本峰の頂上へ。ここも強風で、ほんの1分滞在したまま、割引のコルへ。ここは穏やかです、意外にも無風。しばらくまた休憩して、ヌクビ沢に入ってみることに決定。割引への西北西尾根は、雪庇が手前で、逆方向に出ていますね。小雪庇。ドロップできそうな斜面探して、コル手前のコブから斜めに入って、小さな沢の流芯にいきなり入り込みます。妙に斜面を滑っていると、いきなりクラストしてくるし、むしろ沢のど真ん中が滑りやすい。中重パウダーです。ガリガリよりは10倍も楽。ちゃんとターンできるしね。それに傾斜も思ったほど強くない、せいぜい25度。

ヌクビ沢ドロップと見上げ

 間もなく本流に合流すると、後はのんびり下っていくだけ。それに11時頃からガンガン直射が強くなって、重パウダーから、春シャーベットに。上着脱いで、本格的な春スキーなのです。誰もいないし多いに静か。ノントラックの沢に、自己満足の連続でした。なんか春スキーらしい感動です。
 900m滑降して、割引出合い。このあたり、左右からの小デブリで埋まっているのです。しかも今日のデブリ。その上を滑っても全然障害にならないですね。自然崩壊のポイントリリースってやつですか。いちいち気にしません。流れはすべて埋まっています。後で本読んだら、どこかに40mのなめ滝とか、いくつか滝があったようですが、すべて積雪の下でした。雪が多いのはいいことだ。

快晴の清水部落は珍しい。中央左は割引岳、その手前が天狗岩で、左が割引沢、右にヌクビ沢。画面右端が井戸尾根に続くニセ巻き、本峰頂上は稜線コブの左端、少し低く見えるが。

 合流の手前の沢で、上を見上げると、6人パーティが巻機斜面登っているの見えました。出合いで少し休んで残りはわずか。シャーベットを直滑降でいくとまもなく最後の小ゴルジュ。なんなく左の台地に上がって、そのまま米子沢は堰堤下の埋まっているところを横断して、朝の林道へ合流。調子に乗ってバケツトレースを滑っていったら、清水部落を過ぎてしまって、5分下の車道に合流。日帰りでこれ以上楽しいツアーは考えられないという感じの日でした。
 



谷川岳05・3・20 ☆☆☆ 晴れのち曇り
 土合p320〜西黒尾根1200m600〜谷川岳頂上930=1000(下山)〜熊穴沢小屋1100=1130〜熊穴沢からロープウェー駅1230

 移動高で終日晴れの予報でしたが、快晴だったのは午前6時から3時間だけ。あとは高曇りで稜線では風も強し。でもまあ上越の場合にはこれで良しとするべきか。

西黒尾根最後の急斜面、右は頂上とその下マチガ沢

 土合方面から谷川岳を越えて土樽へと思って、かなり早朝にしかも西黒尾根から出発。午前4時前だというのに、登山センター辺りから旧道を一ノ倉方面に進んでいるパーティがけっこういるもんです。天気が安定している連休ですからね。といっても今の時期には、センターを越えると、林道は全面的に雪の中で夏のイメージからは遠いですねえ、積雪5m。
 トレースに沿って旧道を少し進んで、夏道など無視して西黒尾根に取り付こうと思ったのですが、なかなか登り易そうな斜面がなくて、ウロウロ。それでもどうにか登り出したものの、小尾根が不安定なシュカブラで進めず、トラバースも小さな雪庇でできず、登り返して時間が過ぎる。標高わずかに1000mなのですが。以前は西黒尾根にも送電線があったようですが、今日は気が付きませんねえ、撤去されましたか?

1200m辺りからの頂上とマチガ沢、右は一ノ倉だけと一ノ倉沢 トップのラッセル二人

 2時間ほどして、どうにか尾根に合流すると、後から2人パーティ。さらに進むと、夏ルートからのふみ後も合流して、また後から2人。この日は5人で私最終。
 だんだん明るくなってきて、そうすると素晴らしい視界が開けます。1500mくらいまでくると、天神平と同標高になって、向こうからもロープウェーから上ってくる登山者も見えてきます。敵は始発7時のはずでしたが、まあ同じ時間に同標高。
 この1500mから上は、急な斜面が続きます。部分的に痩せ尾根。先行4人がしっかりつぼ足トレース付けてくれましたから、スキー担いでアイゼンで後続。トレースがないと、本格的冬山っぽいです、この尾根は。

さてこの山は、七つ小屋かなあ 頂上からの白ヶ門、笠、朝日

 急斜面登り終えると1900mくらいで、天神尾根合流。おお大勢の登山者がいる。今日はこちらからは200人くらいが登ってきてますよ。みんなスキー担いでつぼ足アイゼン。数人だけスキーで上がっていますが。
 頂上も大勢の人。最近はマチガ沢すべるのはやっていますねえ。上部けっこう急に見えますけどね、転倒すると100mくらいは滑落しますね、きっと。稜線は風も強いです。
 肩の小屋の陰で少し休んで、天神尾根下ります。というのも、登り付くと天候は曇り。視界はいいのだけれど、曇り空と風強しで、新潟側へ行く気力が減退。それでもアイゼンでオジカ頭方面への稜線も人が歩いています。連休ですからいろんな登山客が大勢います。

頂上の客人たちだが、雪庇の上。熊穴小屋屋根上の標識とペナント、天神尾根方面

 下りは尾根の左側の大きく開けた斜面を下っていきます。昨日、一昨日辺りの積雪らしくて、ちょっと重いけどでもクラストしていません。西黒沢源流のザンゲ沢上部覗きますが、ここにはトレース着いていません。上部はちょっと急ですね。止めて一般ルート側によって、ガリガリしている下側通って、避難小屋へ。ボード連中が、何故かヒツゴー沢方面に滑り込んでいます。登り返しかなあ。
 避難小屋は完全に積雪の下。ここで460センチの積雪になっています。

マチガを滑ろうとしている人 熊穴小屋からいきなり入った西黒支流

 さて熊穴沢というのは、ここからワンピーク越えた向こう側らしいのですが、知らずに小屋からいきなり西黒沢方面に入って行きます。3本くらいのトレースあり。雪は同じように重パウダー。モナカよりはずっといい。本流に合流した後、熊穴沢が合流し、その次にもう2本合流して、ロープウェーのした田尻沢にでます。途中小デブリ跡は本流からのものでしょう。スキーコースに入った後は間もなく終了。
 天気のいい日は、重パウダーだといって簡単に滑ってしまいますが、表層が発達しているときは、この辺りも雪崩れるわけです。気をつけないとね。




尾瀬・笠ヶ岳2057m ☆☆☆
05・3・12 雪 湯の小屋先車止め400〜咲倉・洗ノ分岐尾根540=620〜洗ノ沢640〜1550m830〜稜線1130〜笠ヶ岳下1150〜咲倉小屋1310=1340(下山)〜咲倉沢1500〜車止め1600

 週末は冬型気圧だというのに、上越国境の群馬側は午前9時には晴れるとヤフー予報に出ていて、しかしこの時期は嵐以外なら出発予定でもあったし、半信半疑で先月のリベンジ。

笠ヶ岳、真下から傘見上げて、強風のために断念

 笠ヶ岳へ行くのに最短のショートカットルートは実は最もよろしいのではないかという結論になって、湯の小屋さきの林道から咲倉沢に入って、小ゴルジュ手前で支流から尾根に出て、洗ノ沢に下って、あとはこれを詰めるだけ。先月咲倉の小屋から見たときに、沢沿いの一直線ルートが最も近いように思えた。
 3月に入って、湯の小屋先の尾瀬方面にも500mほど除雪されていて、林道分岐まで車で入っていける。雪がなくなるのは悲しい。出発直前まで小雨でどうしようかと思ったが、4時頃になって小雪に変わって、とりあえずいけるところまで。
 林道から咲倉沢に入って、左支流から尾根に登りだす。150m登れば尾根上なのだが、だらだら地形につき危うく間違いそうになる。1時間ちょっとで尾根に出たが、さて、朝焼けとはいっても雲がそうとう低い。1500mから上部が雲で、気分は減退。というのも、ここから100m下って洗ノ沢なのだが、どうせいっても敗退するのだとすると、帰りにその100mの登りが辛くなる。天気回復しないかなあとか思っているうちに40分も経過し、意外に武尊方面に青空が少し広がっていたりして、行くことにする。シールは一旦脱ぐ。背後の上越国境にも一瞬陽が当たっていたが。
洗ノ沢も思ったようにほとんど埋まっていて、沢沿いに上流へ向う。下って標高1100m。そこから1500mくらいまでは、登りは緩やかなのだが、左右からの小デブリがたまっていて、歩きづらい。

この日に見えた稜線は、樹林の向こうにちょっとだけ。標高1550mからの上りやすそうな上部だが。

 沢が開けて1550mで、雪はクラストしてくる。アイゼンでガンガン登りたい気分になってくるが、この日は持ってこなかった。クラストの上に5センチくらいの新雪が乗っていて、沢筋のクラストを緩傾斜の左から大高巻き。その上に出ても、やっぱり凍っていて、今度は右の樹林帯に入る。ここも傾斜は緩い。新雪の下はモナカ。ところがこのくるぶしモナカが登りやすくて、シールがちゃんと引っかかる。このまま稜線まで登ってしまおうという結論になる。
 お天気は確かに8時頃に30分くらいは日が出たのだが、そのあとは小雪。やはり1500m以上はガスで視界それでも100m。

稜線では岳樺に氷が張り付いて元気なのですが。

 樹林帯に入って1時間半ほどで、快調に稜線に出る。夏には池もあるのっぺりした稜線。そこに数日前のスキートレースがぼんやりとあり。さて本峰の頂上を目指すのだが、視界100mではそれも見えない。それに風が恐ろしく強くなってきた。頂上部の傘は吹き晒しのようだ。傘の麓まできてそこから50mで頂上なのだが、まるで槍の穂先みたいなもんで、風速は時速60キロを越えて、立っているだけでおっかなくて、今日はダメに決定。でもいいでしょう。
 さて帰り。来た道のクラスト斜面下る元気がなくなって、先月避難小屋まで来た方向に下山することに。といっても、だだっぴろい稜線ではやっぱり迷う。慌てていたために、自分の下ったトレースを、5分後に登ってしまって、唖然。感覚だけだと180度の方向間違いなど簡単にやってしまうのです。仕方なくナビで落ち着いて検索して、平坦地を南に進む。そうして二股を右に、さらにまた二股を右に。1時間少しで避難小屋到着。100mしか見えないときに、それ以上のなだらか尾根進むときには、本当に怖い。この頃から雪も激しく、風もなかなか弱まらない。3月だからいいようなものの、季節風の吹きだしと降雪は、1月だったら危ねえなあ。
 小屋でカップラーメン食って大休止。13時半も過ぎた。先月はここから2時間で下山できたから、余裕はあったのだが。

樹林の登りはモナカ雪で上りやすい。咲倉避難小屋。ブロックだけでドアもなし、雪吹き込み。

 出発したのだが、やはりモナカの上に5センチの新雪は、まともにスキーできません。しかも先月下った尾根だというのに、外して右の小尾根を進んでしまう。自分の登りのトレースがあるということは、とても重要なことだ。途中で気が付いて、枝尾根3本も乗り越すトラバースで、自分に呆れる。
 ようやく覚えていた地形に出会って、そのまま沢を下降して咲倉沢合流。ところがかなり下のほうでまた小ゴルジュ巻くときに、大巻きしてしまったために、こんな下界近くでナビ確認するしまつで、どうも慌しい山行になってしまった。
 今日は目的の山が一度として見られないガスの中のスキーになった。本当に自分が、笠ヶ岳に登ったのかどうも納得いかない。人の顔もみないで話して終わったようなもので、違和感が残る。しかし山に入っていると1日がとても早いものだ。12時間などすぐに過ぎてしまう。





会津駒ケ岳 ☆☆☆☆
05・3・6 快晴 桧枝岐p500〜頂上1000=1100(下山)〜p1230

 ついに今シーズン初めての登頂でした。これまで12月から2月までは10連敗敗退でしたね。ようやく登りやすい雪になったということです。登頂の仕方を忘れるとこでした。

ミニモンスターと駒ケ岳頂上

 前日は只見泊。いつものように朝飯代わりにオニギリ作ってもらって2時半起き。何とそこから60キロも移動して桧枝岐。予報では午前中だけは移動高ということだったもので、やっぱり星空。500時出発。
 でも人気ルートですね。昨日のトレースが入り口についています。それでどういうコースを登ろうかと。先週入ったオリジナルルートも悪くないんです。桧枝岐930mから3時間で1600mまでいけましたから、やっぱりそこから取り付こうってわけです。一般ルートの西側の尾根ですね。1800mで一般ルートに合流します。
 天気さえ良ければ、先週と同じコンディションなら登れるだろうと。足首ラッセルでした。金曜日の降雪もそう問題ない。上ノ沢を3回屈曲したところから、枝沢に入って、緩やかなところから左の尾根に取り付き。

標高1700mからの燧ヶ岳と頂上直下からの見下ろし(沼野さんから)

 日の出が6時半頃でした。来た方向からドピーカンの朝日。気合入れて早朝出発すると、いいことありますね。
 標高1600mを2時間半くらいで通過。尾根の西側がクラストしていて登りやすい。東側に出るとちょっと積雪。だた広い尾根を西側へと大回りしながら登っていくと、間もなく燧岳見えてきました。うーん、真っ白だ。しかもこの辺りは無風。出発で気温マイナス10度でしたが、ポカポカ気分。この尾根も、上に行くほど傾斜が落ちてきて、信じられないほど登りやすい。
 3時間半くらいで、合流するべき一般ルートの尾根が見えてくる。とそれを見上げると、スキートレース着いているのです。昨日はこの辺り多分ガスだったのですが、それでも登っている人はいるものです。そして間もなくトレースに合流。

小屋の先からの本峰   頂上付近からの斜面、右上に小屋

 足くびラッセルといっても、トレースあると相当楽なものです。他人のトレースの跡は、興味半減ですが、でもまあここまで来たのだから良しとしましょう。3人分くらいが下っています。
 今日は写真日和で、のろのろしているとしたから、ガチャガチャと音がしてきました。ディアミールが来ましたね。薄っすらと残っていた昨日のトレースは彼の友達だと言ってます。その後から付いていきます。
 他人が出てくると休む気にもなれずに、そのまま一気に頂上に向って。それにしても天気がいい。燧の横に至仏山。続いて平ヶ岳はどっからでも真っ白ぬめっとして分かりますねえ。さらに越後駒ケ岳。荒沢岳かと思っていていたのはちょっと勘違いでしたが。日光白根もよく分かります。

頂上から中門岳方面のまったいら  中ノ岳と越後駒ケ岳

 駒の小屋は冬季の開放もないようですね。そこから稜線は風速30mくらいが吹き付けて、けっこう寒いもんです。しかしそこでも足首パウダーなのです。金曜日の新雪がまだクラストしていない。カリカリは嫌いです。最高の条件。5時間で頂上にきましたが、4時間でもこられるそうです。
 それにしても、この山は恐ろしくなだらかです。頂上から中門岳方面もなおなだらか。主稜線も同じよう。ミニモンスターの山盛りですね。頂上はわずかに5分しかいられなくて、小屋の物陰に降ります。そこで大休止。

下りで小屋から下ってきたコル

 休憩中にスノーシューが一人。その下にスキーヤー。この日は10人くらいが頂上に登りました。人気あります。途中ですれ違った人が、取り付きで踏み跡を間違えたと言っていたのは、「私のふみ跡でした」と訂正。「10人も登ると、斜面はザクザクになっている」と。ですねえ。スキーヤーは利己主義ですから、自分以外の下りのトレースは認めたくないのです。一般ルートを下りましたが、最後はついに嫌気がさして、右の沢に入り込みました。
 いい山に行きたい、しかしオリジナルで行きたいと、矛盾してきます。




浅草岳 ☆☆ 標高1075mまで
05・3・5 雪・曇り 入叶津400〜(無名)池600〜小三本沢横断〜尾根取り付き〜尾根上830〜尾根846mからコル1000〜尾根1075m1200=1300(下山)曲沼1400〜川横断台地〜(無名)池1530〜入叶津1630


 この時期にどうやって浅草岳に行くのか。福島側からだと入叶津だということで、本峰北側のなだらかなところを選ぶと、八十里方面に向って途中から入り込むようなことになった。現地は降雪中ですでに路面に10センチ以上の積雪。またまた降雪直後に入ることになった。なんだかウロウロ散策しただけの一日となったが。

尾根上846m下り付近からの猿崖と下に濁り沼(沼の平)

 気合で早朝出発にしたが、真夜中だというのに、前方に赤の点滅。何かと思ったら、夏用の自動気温計が、ソーラーシステムで5mの積雪の向こうで有効に働いている。気持ち悪〜。手が届くとこにそれがある。気温0度。寒くない。建設中のその国道を1時間進んだところから左の山へ。尾根越えて向こうの池にでる。
 池はもちろん全面雪。そのほとりを歩いて、さて30m登れば台地だというのだが、横着して平行移動しているうちに、川の横断となる。もちろん雪の上。さて横断してしまうと、沢沿いに進めなくなって、尾根上部から見下ろすと滝に見えたのだが、どうやら堰堤の様子。不能になってそのまま目の前の尾根に取り付く。結構な急斜面。いずれこちら側を登らないとダメなのだからと思ったのだが、取り付き場所を間違えると、とんでもないことになる。急斜面でまったくはかどらず、しかも膝ラッセル。1時間半くらい掛けて、200mほど登って尾根上にでたのかなあ。なんだかよく覚えていないのです。しかも雪。たまに薄日が差すのだが、間もなく雪。
 それで尾根上はシュカブラ地形で、はかどらず、雪庇でもないのに、南側に回りこんだときに、石楠花の上にこんもり積もっていた雪が崩れて、ずっぽり石楠花の中へ全身埋没。尾根上は上り下りがあって、コルへでたのは取り付きから4時間後。
 そこからは濁り沼と、その周囲の猿崖がなかなか立派に見えるのです。本来なら直接ここに出るはずだったのだが。
 スタートの標高400mから、まさか800mで敗退する気にもなれず、昼まで進むことに。2時間で急斜面を登って1075mに。そこからは本峰まであとはなだらかにいけるのだが。
 春だというもので、スコップなど持参して、ブナの根元に穴掘って、そこで風をしのいで大休止。休憩するにもスコップ使わなきゃいけないというのは、冬は辛いもんです。それでも風除けは万全。1時間後、午後1時下山スタート。

最高到達1075mからの下り。    帰りがけに撮った一冬働いているソーラー気温計

 先のコルまでは、膝パウダーですね、3月だというのに。そこから緩やかな谷に入り込みます。沼の平を見下ろす地点です。曲沼も近い。しかし膝ラッセル。緩傾斜は滑りません。またシール履きます。そして小三本沢は標高650mだと、実に簡単に通過できるわけです。先の堰堤の上。そしてそこから30m登ると、台地。本来はくるときにも、この台地を通過する予定だったのですが、判断誤るとひどいもんです。その台地からまた30m登れば、尾根の向こう側の国道に滑り込めるはずだったのですが、やはり安直に平行移動を続けると、なんと朝に通過した池の上の台地にまた出てしまう。ワンデリングしているようなものです。今シーズンから60CSナビ使っているのですが、位置確認したときには、ちょっと焦りました「自分はどこ歩いているんだ」と。
 いよいよここから20m登って、ついに尾根越えて、向こう側に滑り込んで、国道の自分のトレースに合流。出発から12時間後に到着。
 只見は相変わらず豪雪。ラッセルも1月並み。