2006 Spring         トップへ


06シーズン谷川岳天神平の積雪量        07年

12月1週 135センチ〜120
   2  160〜225
   3  340〜320
   4  370〜445(12月の降雪量12m)     254センチ
06・1月
   1週 420〜510
   2  565
   3  480
   4  600
   5  640 (1月の降雪量合計9m)        180センチ
2月1週  630〜600
  2   610〜590
  3   575〜550
  4   550〜535(2月の降雪量3,5m)      223センチ  三ヶ月合計で06年の27%の降雪
3月1週  530〜520
  2   520〜580
  3   570〜590
  4   590〜660
4月1週  630〜610
  2   645〜580
  3   580〜550
  4   505
5月1週  495〜445
  2       360
  3        
  4       195
6月1週  150〜100

 このシーズンは少し真面目に谷川天神平の積雪量を毎日ネットでチェックしていた。6月後半になってカレンダー整理するときに、書き込みを捨てるのももったいなくて、およそ書き残してみた。天神平の積雪量は日本中の雪山の状況を判断する上で、理想的な資料となる。
1、 このシーズンは月間降雪では12月に12mあって、最大となっている。それも12月の10日頃から集中的に、そのため12月の3週末辺りからスキーが十分楽しめた。こうシーズンは実に珍しい。
2、 1月も月間で9mの降雪があって、積雪は6mを超えてきた。
3、 2月以降は大して降っていないという印象だったが、それでもシーズン通して積雪が多かったというのは、1週間に1m程度の降雪(理想では1,5m程度)があれば、積雪は減らないということである。
4、 3月4週は、2,5mくらいの降雪があった。気が付かなかったが急激に積雪も増して、660センチはこの冬最大だったのかもしれない。そのために2週分くらいの積雪貯金ができた。
5、 北アルプスに限れば、5月の連休入り(4月4週)くらいまでは、真冬と同じくらいの積雪がある。そのために、5月連休の山は、雪質は別としても積雪量は真冬並みを楽しめる。ただ上越では普通は4月1週くらいまで。今年は4月3週くらいまでが最大積雪として楽しめた。それ以降になると、沢に雪割れが多くなって、ダメになる。上越の沢筋を楽しむのは一般的に3月といわれる。
6、 5月連休が終わると、1週で1mの積雪が減ってくる。それでも白馬辺りでは5月一杯OKで、以降は毛勝方面が残るのみとなって、6月2,3週でも楽しめるが、雪質はひどくなる。だが雪渓登りだけを楽しむのであれば、6月後半から7月始めでも割れない雪渓が残る。本来6月後半から7月にかけてはスキーを辞めたとしても、雪渓登りの登山をするべきなのだが、いい加減に雪も飽きてきて、夏山へと入ってしまう。4年前に6月の夏至に、鹿島槍の北俣雪渓を登ったが、一箇所割れていただけで、理想的につり尾根まで出られた。それはかなり印象的な登山でもあった。あるいは5月連休でも、なだらかな稜線部、斜面だけを目的に上越スキーに入る(谷は滑らない)というのも、楽しいのかも知れない。


小蓮華岳・直登ルンゼ 転倒 06・6・3 ☆ メンバー2人 快晴
猿倉車デポ後〜栂池ゴンドラ800〜自然園850〜自然園から船越頭下2300m1100〜小蓮華山下1300=1400〜山頂下エントリー1430〜転倒〜白馬尻1700〜猿倉1800


 転んだ、情けない。小蓮華山頂直下からエントリーのルンゼルートで、わずかに2回目のターンで転んだ。急だから止らずに少し滑ったが、左手を打撲したくらいだった。高度計で2720mのエントリーだと思ったが、止ったときに、百の桁が2個少なくなっていた。スキー1本紛失して、アイゼンで歩いて下った。

小蓮華山頂下のエントリーポイントから。最適ザラメなのですが。

 今週も逸崎さんと入山する。一人の車を猿倉にデポして、栂池ゴンドラに回る。ハイカーばかりでスキー客はいない。自然園を横切って、金山沢上部へ。のどかで平なところだ。この辺りからだと、白馬沢の左が頂上から一直線に真下に落ちているのがよく見える。3週前に金山沢登って到達点になった2300m付近に2時間で出るが、違う方から登ってみるのも、また楽しいものだ。一人つぼ足が船越頭めがけて直登している。


金山沢上部台地からトラバースして小蓮華目指す快適斜面。

 この台地からトラバースしながら、小蓮華山方面を目指すことにする。200mほどは快適に登れたが、最後の斜面でアイゼンを履く。間もなく稜線に出るが、夏道も出ていて、ハイカーも通り過ぎる。雪の切れた地点は、小蓮華の少し手前だったが、そこから小蓮華沢を覗くと、滑れそうにも思うが下に水も見えて、頂上からのルンゼも逸崎さんが見に行く。
 雪の切れた地点で2時まで昼飯。雪はザラメで状態よし。一人金山沢から登ってきた人が、同ルートを滑って行った。


金山沢からの人、同ルートを滑っていく。そういえば金山沢と本流出合いには、今でも雪割れまったくありません。

 昼食後、雪の状態のよさそうなルンゼを滑ることにして、山頂まで10分、夏道を歩く。そのから覗き込むルンゼは急だけど、行けそうに思える。エントリーは2週前の御前谷みたいに入りやすそうで、そこから急斜面が一気に続いているが行けそうに思えた。「ダウンヒル・ハイ」と言うような気分で、およその斜面なら滑れそうに見えてくる。


小蓮華山頂からの直登ルンゼは、快適そう・・・ではあります。

 入ってみてよくないのは、その最大傾斜の斜面を小回りターンで一気に滑り込まなかったことである。斜滑降して傍観するように少し向こう側まで行って止った。実は谷の側壁側というか横の斜面というのは、そこでターンしようと思うと、実は最大傾斜の斜面よりも急になってくる。躊躇しながらようやくキックターンするものの、それがギリギリ。さらにその斜滑降からも滑り込まずに、先頭が斜面横断して向こうに止ったところにでようとしたときに、少し枝尾根状に盛り上がった部分に乗り上げようとして、山側の足がすくわれて谷に滑って、山側の手を斜面に着いたか、尻餅をついたか、滑り出して、やはりすぐには止らなかった。


起き上がった地点からの上部。

 改めて思うと、山スキーのメカニズムというのは、語られることが少ないと思う。俗にスキーの専門家から、滑降できる最大傾斜は60度だと聞いたことがある。それ以上になると、山側スキーのブーツが斜面に蹴られて、斜面にエッジが接触できないというわけだ。いわゆる重力方向に水平にスキーを接地したときに理屈ならそうなのだろう。しかし普段は、斜面で止るときに心情的に少し山側に荷重がかかるというか、山寄り姿勢になる。そうなればこの理屈よりも可能傾斜は緩くても危険だということになる。さらに、谷の一番自然で穏やかな谷底、最大傾斜線こそ、斜面角度は常に均一安定の場合が多い。そこに入らずに避けるようなタイミングを取るというのは実はより危険で、今回のように盛り上がっている部分もあるし、残雪の形状は複雑になっている。
 さらに谷底で連続ターンをすることで、体重心は常に自分よりも前にあって、従ってスキーの接地斜面は、重力水平よりも谷に傾いていると言うことになって、それは斜面フラットに近く、エッジの利き方としてはより安全だと言うことになるようだ。
 つまり、急斜面では、谷の横に出ることは危険であり、急な斜面で停止することも、なお危なく、最も安全なのは停止せずに小さなターンの連続で、急斜面をリズミカルに一気に通過してしまうという結論になる。それはエントリーしてしまった以上、そこからは引き返せない連続行為であり、仮にダメだと判断したときは、停止してアイゼンに履き替えて登り返すしかないのだが、それは相当に危険で、だったら滑り込まないことになるのだろう。


下山途中、雪渓の途中で向こうとこちら両側で休憩

 さて楽しいスキー滑降というのは、どういうことか。自分が1回滑ったコースに、「条件が合えばもう一回行ってみたい」と思えるコースであり、「あんなところは二度と行きたくない」というコースは、自分にとって危険ばかりが大きく、実は自分のスキー歴にとっても、大して記憶にも残らない、失敗したコースだったのではないかと思えるわけだ。転んだ翌日にはそんなことを、考えた。
 さて転んだ後なのだが、最初は仰向き姿勢で頭が上で、本能的には首を起こして、先頭方向を見ようと思うものだった。ところがメガネ、サングラスにザラメが飛んできて、あっという間に見えなくなって、手で付着した雪を払おうとしたのだが、思うようにできない。


なお急斜面が続く。歩いて下山すると下降も長い。

 そのうちに、理由は不明だが、仰向き姿勢で頭が下になった。「このまま岩にぶつかると、後頭部打撲即死か? と思うと、まさかなあ・・・」と、嫌なものだ。首を先頭方向に向けようにもそこまで回らない。滑っていく前方が見えないのは、ホワイトアウト滑降みたいなもので、実に不安である。
 その後また理由不明で、姿勢が変わってうつぶせになった。足が下で頭が上。理想形である。もちろん無意識に、ブーツのつま先に荷重を乗せて、ガリガリとザラメ蹴散らして、ブレーキングをしていた。手は何をする術も無く万歳姿勢。「なかなか止らないなあ」と、思ったくらいで、30mくらいの制動距離を費やしたのか、徐々にスピードダウンして、停止した。
 足は突っ張れたくらいだから異常なし。ネガメある。帽子ある。手袋もあって、体動かして痛くない。左手甲だけが、打撲っぽく少し違和感。翌日レントゲンで医者は「骨折」だというのだが、「骨ひび」でしょうと、対抗した。左人指し指の付け根なのだが、残り9本指でもこうしてPC打てる。痛みはほとんどない。


小蓮華沢(右)出合いから、左ルンゼ。下部は相当な落石デブリ。

 スキーは両方ともなし。右手だけにストック。ダイナフィットビンディングの旧タイプで、ストッパーなしの流れ止め紐だったのだが、左はわっかの紐そのものがブーツからすり抜け、右はひものジョイント部分の破損らしく紐だけくっついていた。このひもシステムはいわれているとおり危ない。上部にスキー片方、ストック片方があり、回収してもらって、もう片方のスキーは紛失。ザック後ろのピッケルもホルダーごとちぎれて紛失。
 ザックを背負っていたことと、ウエストベルトでそれが体に固定されていたことが、不安定な仰向け姿勢から、安定のうつぶせ姿勢に自然になっていったともいえそうだ。背中のザック亀の子滑降は不安定らしい。それと、シャツ1枚で頂上に出たのだが、滑降前にアウターを重ね着したのはよかった。この間距離300mとしても、30秒程度だったのかしら。パートナーはかなり上にいて見えなくなっていた。


白馬尻からでも遠望できました。中央がルンゼ、右が小蓮華沢。

 今回の行為が危険なことに遭遇したのだとしたら、雪崩に乗ってしまった人が、「流れに逆らわないこと」とよく言うが、滑落も「滑落に逆らわないこと」だと私には思える。とまるチャンスは自然に来るということだろうか。しかしよく考えれば、ザラメ状態の雪は、均一に滑降者を迎えてくれたわけで、また斜面雪上の最大傾斜線には、岩など本来存在するわけがない。せいぜい大きな落石が待っている程度だ(落石が止っている傾斜であれば)。岩との境のシュルントなど怖いものはあるが、実はあそこは谷底から盛り上がっている両サイドであり、デブリの片斜面でもない限り思うほど危なくないといったら強がりか。
 止った地点はまだ標高2500mを越え、アイゼンのバックステップで200m下り、ようやくフロントでザクザク下って、白馬沢に合流して下山した。






立山御前谷 06・5・21 快晴 ☆☆☆☆ 登行1500m
 ロッジくろよん400〜御山谷取り付き450〜御山谷登り〜立山雄山下1130=1240〜御前谷滑降〜登り返して田んぼ平の尾根1320=1330〜くろべだいら駅前〜ロッジくろよん1400=1440〜徒歩ダムサイト


 日曜日は晴れると伊那の逸崎さんに誘われて、前日の夕方に扇沢からダム。徒歩30分でロッジくろよん付近でテント泊。通年の連休の頃よりも雪が多い。黒部横断の大クラシカルの御山谷を登って立山に出ようという、強力的な計画。


御前谷中間部から下部へ。田んぼ平へのトラバースはさらに下って右へ。

 ダムから立山稜線に登り返すルートは、ダムができる以前はクラシカルルートで猟師や冠松が一生懸命に登下降していたルートなのだが、もはや夏にそんなことする人は皆無。んなわけで、5月に久々のチャンスとばかりに決行。朝4時夜明けと共に出発。


御山谷のダム合流地点。一面雪渓が残っている

 御山谷まで30分のダムへつりルートは、半分雪、半分夏道で実に不明瞭。一部アイゼンなど出して、固い雪をトラバースしていく。しかし谷の出合いに出れば、例年以上の雪に埋まっている。さっそくスキーをつけるが、一箇所外しただけで、ほとんどおとなしくなってしまったデブリの上を進んでいく。大きな谷だ。


御山谷、緩い傾斜の大きな谷なのだが大きな古いデブリ。

 1時間半ほどして標高1800mで二股に分かれる。右が本流、左が稜線に続く枝尾根に合流する。正面上にトラバース跡が見えるのは、立山稜線を五色方面に向かうルートのトラバース跡か。
 本流は標高差で500mほど上方で急になっているために左の斜面に上がる。その台地に出ると、右上に東一の越へのトラバース跡も見える。やはり雪が切れていて石の道が真横に続いている。
 午前8時半頃に一人目のスキーヤーが滑ってきて、下へ消えた。昨日は大雨だったのだが、室堂には大勢人が入っていることが分かる。


御山谷標高2000m付近。上方に消えているのが谷のノド。

 10時頃になると標高2700mの一の越の山荘が見えてきて、だんだん同じ高度になってくる。何しろ今日はダム標高1500mから3000mまで登らなければならない。


御山谷左斜面。谷突き当たりに消えているのが一の越。その手前右に上がる。

 一の越に上がる一つ手前右の雪渓をそのまま詰めていく。雄山直下まで続いているらしい。


雄山直下まで続く雪渓を上がる。

下にわんさかスキーヤーが沸いてきた。雪渓は急になって、2850m辺りで断念して右の這松露岩帯に上がる。そのままよろよろと踏み後を登って、ついに雄山下に出る。11時半。スタートから7時間半。標高2950m。東一の越へ続く岩稜を越えて向こうの雪渓上に出る。左に雄山、その右に神社山頂。足元が御前谷。ハイカーやスキーヤーも登ってきて、ここで昼飯を食っている間に一人御前谷に滑り込んで行った。私はあえて頂上までは登らない。


岩稜を越えて向こう側御前谷側へ。左雄山頂上、右神社頂上。

 1時間昼飯。南に槍、笠、黒部五郎、薬師、赤牛とどこまでも今日は天気がいい。もちろん足元の御前谷も綺麗なカールが続いている。12時40分にいよいよスタート。


御前谷200m滑って見上げ。

 カールは一帯ザラメになっていて、よく滑る、滑りやすい。途中で少しずつ止るのだが、800m下るのにわずかに15分。本日分のシュプール3本。右へのトラバースで田んぼ平に出る尾根を見失わないように気をつけたが、かなり谷を下って右の平地目指してのトラバースだった。本流はなだらかに下部へ続いているのだが・・・。


御前谷中間部

 下りの大トラバースをした後に、やはりというかアイゼンの登り返し15m。いきなりスキートレースが消えていてあせったものだが。
 登り返せば、そこから真下が田んぼ平。上をロープウェーが行き来していて、ダラダラとくろべだいらの駅目指して下る。このダラダラも昨年連休よりも滑りやすい、まだ雪が多い。そのままダム半島目指して、駅下から右斜めへ下る。シラビソ森林を縫いながら、一部スキーを外したが、テント付近までそのまま出る。しめて10時間の周遊で大満足。





白馬・金山沢 06・5・14 晴れ・曇り ☆☆☆ 同ルート登下降
 猿倉800〜金山沢出合い850〜標高2300m台地1200=1230(下山)〜金山出合い1300〜猿倉1320


 まさか週末二日とも雨というわけでもないだろうと、未明に猿倉、小雨。仮眠。朝7時過ぎに、小雨もやんで日差しが出てきた感触で起床。8時スタート。駐車場に車5台程度。


金山沢穏やかに広がっているものです(林道から)

 先週末の報告にもあったように、今年は雪が多い。昨年の同時期よりも1か月分多い。駐車場からスキーつけて出発できたのはこの時期初めて。金山出合いも前面雪で、大雪渓目指す人もここから本流に降りている。
 天候の回復が遅かったもんで、まだ行ったことのない金山沢を登ることに。わずかに小蓮華の尾根一本隔てたこちら側は、なんと穏やかな沢だろうか。わずかにデブリがあるだけで、どんどん登っていく。1時間くらいのところで珍しいことに後続。


金山沢中間部

 スタートからあまり休まずに4時間で2300m台地に出る。昨年だったか栂池から稜線に出て、再びロープウェーの駅に滑り込んだときに、通ったような見覚えのある地形。あの時駅に戻らずに、こちらに滑り込んでいた集団は金山沢だったのですねと、今になって再確認。
 抜いていった後続一人は、つぼ足になって左急斜面を稜線まで這い上がったのだとか、パラフル。
 天候はどんどん回復しているという割には、稜線付近はガスの中で、時折強風も冷たい。雪が飛んでくる。というわけで、稜線に出ること諦めて、ここから下山。


2300m台地から見下ろし全景

 30分ほど休んで用意して、登ったルート降りていく。ちょっとしたシャーベットになっているものの滑りやすい。何だかこの辺りはしょっちゅう来ている割には、未だに小蓮華の頂上に出られたことなし。次の課題が残る。


中央右、ガスの中の代掻き馬、顔がまだ白い。

駐車場から見上げる代掻き馬は、昨年5月よりも白く、顔が猫みたいにまだ白い。


下界はとっくに春なのですが、菜の花、桜、八方尾根



頚城・火打山2461m 06・5・6 晴れ・曇り ☆☆☆ 登行1100m スタート気温5度
笹ヶ峰P450〜黒沢橋630〜黒沢左股カールから弥八山尾根900〜富士見平〜高谷池ヒュッテ1030〜火打山1120=1150〜下山〜高谷池1320=1350〜笹ヶ峰P1450



三角屋根で営業始めた高谷池ヒュッテと、その向こうに火打山。左は影火打。このあたり別天地のような高原状、標高2100mを越える

 スキーで妙高に行くのは初めてになる。20年前の夏に火打山には能生から登っているのだが、頂上で泊まったときの夕陽のイメージが残っているだけ。
 笹ヶ峰すでに標高1300m。スキーの取り付きとしては有難いものだ。連休前に除雪オープンしたそうで、周囲にはまだ2mの雪。到着したときにすでにパーキング20台。2mの雪を乗り越えて適当に雪原に入る。一時間ちょっと進んで、黒沢を横断する夏道の橋に出る。そのとき先行者が一人。@小諸のキノコ取りスキーヤー。夏道に従って尾根を左に回りこむが、その先沢の詰めのカール地形を登ることに決める。


黒沢左股の大きなカール下部と振り返って高妻乙妻が白い

30分ほど登ってから、彼はつぼ足で右へ。私スキーのまま左へ。斜面が急で苦労する。1時間以上もかかってようやく弥八山の尾根に上がる。こちら側に雪庇が出ている。


カールの詰め急斜面。ダケカンバが大きい。途中同行したつぼ足のスキーヤー一人。

 尾根に上がったのはいいのだが、そこもシュカブラで波うねっている尾根で、富士見平まで30分ほど。彼は先に行ってしまったようだ。ここまでくると、向こうに火打山、焼岳、さらに左に金山、天狗原山など頚城の山々。振り返ると高妻、乙妻がまだまだ白い。しかしこの富士見平は2100mにもなるのに、別天地のような高原。


富士見平のテントと向こう黒沢山。この山も向こうから登って帰りに滑れる。

 すでに大勢のトレースがついていて、従って黒沢山をトラバースして高谷池方面に行く。三角屋根のヒュッテはすでに営業を始めていて、その日には30人以上も宿泊していて、彼らは9時過ぎから行動開始して火打山へ向かっている、それに合流。15人くらいの2パーティは何れもガイドスキーツアーっぽかった。


ヒュッテから火打山へ向かう、緩やかな凹凸雪原。ガスれば明らかに迷う

 ヒュッテからは1時間程度で山頂へ。


頂上へ最後の斜面の渋滞

火打山もこちから見ると、ただのボタにしか見えないから残念だ。途中で雷鳥夫婦に遭遇したが、生息の北限らしいというのは本当か。


つがいの雷鳥、こっちへ向かって歩いてくるのです

 頂上にも30人で大混雑。向こう北側は日本海が迫っているが、もうやけて海はよく分からない。ただ笹倉温泉に続く北の斜面は、評判どおりなかなかのものに見える。小屋のオヤジに聞いたら、笹倉から登ると10時間かかると言われた。山頂でほんの20分休憩していたら、あっという間に全員滑ってしまって、私一人。皆せっかちです。私、途中で太ももが吊りそうになったり、かなりバテました。


頂上から焼山と北斜面、雪はこちらの方がおおいみたいです

 ようやく用意してドロップ。軽いシャーベットだが実に滑りやすい。ここからだとどのように滑っても、少しヒュッテまで登り返すようになっていて、だったらと登行してきた尾根を外れて真っ直ぐ下に。15人パーティも真下で休憩していた。標高差400m滑って、真下へ。そこからシールなしでのろのろ登り返してヒュッテで休憩、昼飯時になっている。


頂上から真下へ400mのダウンヒル

 そしていよいよ下山。ここまで登ってきた6時間近くのイメージだと、下山も遠いような気になっていたのだが・・・。
 富士見平までは最初に少しの登り返しと、くだり気味の水平道。30分ほどでそこに着く。この時間でも登ってきている人がいるのだが、明日は雨なのに。ここから登ったルートあたりのカールを一気に滑り込む。標高差で600m。頂上からの滑降よりもこっちの方が傾斜もあって楽しい。点発生の小さな雪崩が後から追いかけてくるが気にしない。この時間誰もいなくなって静かなものだ。黒沢横断の橋まで出ると、@小諸さんがやはりキノコを探していて合流。そこからの緩傾斜もスキーはよく滑って、富士見から30分で笹ヶ峰Pまで。午後は高曇りになっていた。




谷川岳・天神尾根・熊穴沢 ガス・高曇り 06・4・15 ☆☆☆
天神平730=830〜熊穴沢小屋930〜ヒツゴー沢200m滑降〜巌新道〜熊穴沢小屋1030=1050〜熊穴沢滑降〜ロープウェー土合口1130

駅テラスから。登り始めているパーティ

 快晴だったらどこかロングルートに出たかったのだが、夜中も曇り。朝はガス。ロープウェーが動き出したというのに天神平で視界20m。登ってから晴を待つか、晴れてから登るか、後者。春も押し詰まってきて気分はどうにもシーズンの疲れが目立つ。

熊穴小屋左から遠景小出俣と左は阿能川岳。下は谷川本谷

 天神平でコーヒーなど飲みながら晴れるのを待つ。それでも視界が利かないというのに、どんどんスキーヤー、つぼ足組みが登っていく。たまにガスが晴れるとテラスからよく見える。1時間ほどして、だんだん天候回復。どうせ頂上まではいけまいと、トレースを辿って冬のルートで尾根に上がる。実は私、ロープウェー駅から冬ルートで尾根に上がるのは初めてでした。夏ルートよりもすっきりしていて気に入りましたね。見た目より簡単に登れます。

オジカ沢上部と幕岩

 尾根に出れば後は天神尾根辿るだけ。一箇所切れていてスキーだとちょっと厄介だったけど。
 熊穴沢に出れば、いつものように小屋は全面雪の下で、鉄柱だけ上に出ている。5mくらいの積雪か。上部稜線はまだガスっている。それでもかれこれ100人くらいは登っていましたか。私その元気もなくて、少し登ったところから左側ヒツゴー沢の方に、200mくらい滑ってみます。昨年3月、ボーダー連中がこの斜面楽しそうに滑っていたもので。適度なザラメですね。滑った後は巌新道を登り返しで、再び熊穴小屋へ。

西黒沢は土砂交じりのデブリ

 もうここには誰もいません。皆上に登ってしまいました。さてここから熊穴滑って、もう下りましょう。だんだん上部は晴れてきたようだけど、青空でもなく高曇り。稜線は風が強いですが、少し尾根を下がれば無風。巌新道の途中など、誰もいなくてとても静かなもんでしたよ。
 小屋から熊穴に入らずに、少し右へ斜滑降。もう一本向こうの沢に入ろうかと思ったのだけど。しかし条件よさそうでもないですね。再び斜滑降で戻ったりしながら、ロープウェーの下を目指します。こちらの斜面は重いシャーベットになっています。大きなデブリで雪が汚れていて、ミニアイスフォールみたいな景観。今日はロープウェーの下、田尻沢は禁止のようで誰も滑っていません。わずかな時間で下に着いて、本日は早々と終了。4月のスキーは本日で終了で、4週、5週末はお休み予定です。
 ところで不思議なこと1件。本日でも天神平は積雪580センチあるんですね。ロープウェー駅出たところに積雪柱がありました。2月でも同積雪くらいですよ。ところが湯沢、水上など2m、3mあったものがもう雪がありません。どういうことでしょう。天神の雪は溶けないんでしょうか。気温が低いとそうなのかも知れません。




八ヶ岳・清里から大門川2300mまで ☆☆
06・4・9 快晴・風少し強し・スタート−4度・標高1600mから2300mまで
大泉清里スキー場先610〜徒歩スタート30分後スキー〜県界尾根夏道分岐730〜2300m台地840=910〜下山〜1020P

 昨日甲斐大泉の先輩別荘宿泊。八ヶ岳に雪があるのか? 多分無いけど、でも行ってみましょう。最初で最後。大泉清里スキー場は、この日まで営業だったようです。なら雪があるのか。真教寺尾根と県界尾根の間の沢を登ります。スキー場先の車止めで降りましたが、谷を見ると雪がほんの少し、スキーは履けない。知っていましたがそれでもくる。

標高2250mからの八ヶ岳・赤岳

 つぼ足で30分ほど歩くと、スキーが履ける。そこにトレースがあるんですね。
 この夏道県界尾根のコースは、30年前に来たことあるんです。もう覚えが無いけど、清里から歩いてね。スキーはいて林道登っていくのですが、うようよ出てくる堰堤は15個以上か。いずれも30年前には無かったことになっています。平成に建設されたものが多い。

下の方でちょとだけスキー

 一時間くらいで上からテレマーカーが滑ってきたのです。さっきのトレースですね、驚き。最終堰堤過ぎて、沢の中をどんどん登っていく。八ヶ岳は標高が高いから、雪も凍らずになんとパウダーのまま。しかもさらさらとグラニュー糖系。おかしな雪です。沢が狭くなったところで尾根に上がって、赤岳がだんだん大きくなりますが、しかしこの辺りで1mの積雪あるんでしょうか。尾根も谷も急になってきた2300mでおしまい。

                                  高根町はこいのぼりの季節、北杜市でした

 クロカンならいいとしても、八ヶ岳では山スキーはできません。



銀山平・道行山1298m 快晴 ☆☆☆☆ 登行600m
06・4・1 シルバーライントンネル内700〜石抱き橋750〜柳沢取り付き930〜尾根上950m1000〜道行山1120=1150(下山)〜柳沢・白沢出合1220〜1340〜トンネルP1415
 

年に一回の子連れスキー。次男も春から大学に入る。前日までに50センチ以上の春のベタ新雪が積もったのは知っていたが、でもシルバーラインが開通したことだし、越後駒方面に行ってみる。

石抱き橋から少し登った地点から、北ノ又対岸のバンガロー群。遠景中央が中ノ岳、右が越後駒、左が荒沢岳への尾根

 シルバーラインは毎日朝6時開通だということで、早朝出発は無理。それよりも、心配していたように銀山平に出たのはいいものの、トンネルの向こうは降雪がそのままで、全くPスペースがなくて、仕方なくトンネル内の分岐脇に駐車。そういうことしても、県警には全然とがめられなかったのが不思議だ。仕方がないと思われたのか。
 スキーをつけて林道を歩いていると、昨夜の雪崩で林道がふさがれている。まだまだ林道脇には5mの積雪があるのだが、除雪してあったその5m分がすべて埋没。


林道を塞いでいた大雪崩れ

この雪崩れどうやら少し事件だったようで、この日登山中に新潟県警のヘリが上空から近寄ってきて、名前の確認などされて、騒々しかった。下山すると10台以上の県警パトも来ていて「埋没した人がいるかもしれない」とかで、また職務質問され、この日の単独行一人も含めて、大わらわだった。ちょとくらい雪崩もなくちゃスキーも面白くない。しかし5m埋没雪崩れも1日で除雪し終わった様子。
 さてそのデブリ越えながら石抱き橋まで50分近くもかかる。昨年5月に来た時よりもずっと雪は多くて、全く山の斜面と化した国道らしき場所を辿って、北ノ又川を高まきしながら進むのだが、例によって厄介が続く。新雪は足首くらいまで潜って、春だというのに、2月っぽい。


今日もまたカモシカがベタ雪ラッセルしているところに遭遇。この人はいつも単独で元気に進んでいます。

1時間半くらいしてようやく柳沢の出合につく。ただお天気だけはバッチリで気持ちがいい。その少し手前で単独に追いつかれて、彼はさらに前進してから尾根に取り付いていたようだった。
 ところで北ノ又の本流は、今は最も水量が少ない時期か。その気になれば渡渉できそうな気がして、そうなると除雪が進んでいるバンガロー群のある対岸を進んで、柳沢出合直前で本流渡渉して取り付けば、そうとう簡単なような気がしたのだが、そう思っただけで帰りにも実行はしなかった。本流右側の高まきは本当に面倒です。
 さて柳沢出合から尾根に取り付く一般ルートを実は私は知らなくて、柳沢に入って一本目の左支流に入って、そこから右尾根に取り付くようにした。一番傾斜が弱いような気がして。ルートはまあまあで、一時間ほどで枝尾根に出る。


950m枝尾根に登りついてからメインの稜線への緩傾斜

クロカンでついてきた子供も、どうにか上がってこれる。そこで10時。さてあと2時間で道行山くらいまでは進めるだろうか。上の方に先の単独が登っているのが見える。緩い尾根をそのまま進んで、メインの尾根に出る。さらに少し行くと、少しガリガリ雪。そこをどうにか抜けると、あとは容易に緩傾斜に足首ラッセルで、左に越後駒が大きく迫っている。


道行山頂上

 思ったよりも早くて、1時間半、11時半に道行山頂上に。風が強い。先行者は30分近くここに滞在していた。先に続いている尾根は、やせ尾根気味に見えて、まだまだ越後駒は遠い。稜線沿いに登っても、遠い山だ。写真1枚だけ撮って、風除けに40mほど戻って、そこで休憩。過去数度の子連れスキーでは、谷から尾根に登るのに何れも失敗して、谷の中から下山になったが、今回初めて尾根に出られたことは良かった。


滑降スタート地点から登り始めの銀山平

 下山は同ルートの下降で、ちょっと重いがパウダー状で、樹林の尾根をどんどん下っていく。子供も何とかついてくる。下の沢まで500mの楽しいスキーになった。



 昨年5月には白沢からの越後駒だったが、そこは露出した滝の大高巻きが一箇所あるのだが、ルート的にはそちらの方がすっきりしているように感じた。

こんなヘリが頭上に迫ってきて、騒音公害。