2007Winter 2         トップページへ



毛勝山2414m 07・5・12 晴れ ☆☆☆☆
 阿部木谷奥P550〜毛勝山稜線1100=1200〜北峰2400mスタート〜下降〜P1350

毛勝谷滑降、坪足登山者を追い抜いて、本日ファーストトラックの幸運

 連休が終わると毛勝のシーズン、本日20人登山。その半分は金沢からのレポートに刺激されての参加か?私もそう。早くも林道奥で、林道工事。三台並んだブルの脇を申し訳なさそうに登って、最終堰堤の向こうに雪だが、やはり大デブリ。大明神沢出合までズタズタ。毛勝谷に入ると他のデブリもあるが、雪は綺麗になる。途中までシールで登ったが、早朝クラストに付き早々とアイゼンに。

大明神沢分けた後の毛勝谷、頂上稜線まで一気に見通せる、しかし長い。ここか標高差1000m

 標高2000mで二股になって、直接登り上げる左俣に入った元気な3人組見送って、スキー担いだ10人ほどの部隊はノーマル右俣を登る。

荒れた斜面を続々登ってきます

 二股過ぎるとだんだん雪渓も急になってきて、上部は35度くらいか。それでもトップはスキーで登り上げたようで、パワフルに脱帽。どうにかヘトヘトになりながら、ようやく稜線。雪渓は年々急になるように思えるし、大集団の元気励ましに乗じて、完登。ざっと5時間。向こう側の剣、後立山はよく見えます。

北峰頂上からの南峰。冬期の赤布が残っていました


頂上からの鹿島槍ヶ岳、周囲の山も雪がかなりはげています

 稜線で30分休憩してから、大半の人は主峰南峰へいったのだが、私一人で北峰へ。毛勝は南峰と北峰の二つといわれるのだが、実は中央峰というコブもあるわけで、遠くから見るといつもコブ三つの格好いい山に見えます。しかしこの谷を登っている限りは、頂上はどこからも見えなくて、帰りがけ、魚津の街の中からだけ遠くに見えました。
 さて私は下りが少々心配だったために、北峰だけいって雪渓のファーストトラックを頂くことにしました。毛勝は軽いザラメ程度で、直射で溶けてシャーベット状態が続く。転倒しないように確実にターンしながら高度下げます。8回ほどターンすると止らざるを得ないほど息が上がってしまうのはどうしてでしょうか。

 頂上2400mから稜線2350mさらに、雪渓2000mまで降りてくると、もう大丈夫です。林道まで戻ってくると、さっきのブルが動いています。林道を奥まで延ばすようです。

ところで毛勝は?帰りの高速から遠望。左右の双耳峰の右側、北峰登頂でした。その真中毛勝谷。

 春の毛勝周辺は大味な山ですよ。雪渓の下部から稜線まで一直線に見通せてしまうというのは、トロのぶつ切りのような感じがする。久しぶりに頂上まで登れました。東京から富山まで400キロ。名古屋から来ていたパーティは300キロで、大阪からだと450キロか。皆さん日帰りで遠方から、訳あり残雪スキーヤーです。





白馬大雪渓 07・5・5 快晴・上部強風 ☆☆☆
猿倉515〜白馬尻615〜小雪渓2500m1100〜下山〜白馬尻1200〜猿倉1230


 曇りかも知れないといわれていたのだが、月明かりもあるし天気はいい。今シーズン初めての白馬。連休後半猿倉のPも混んでいる。

大雪渓谷のど真ん中のテント、連休らしいが

 この辺り雪は例年と変わらないくらいある。むしろ多いか。P脇からシールで登り始める。金山沢出合も相当雪で谷は埋まっていて、そこへ降りて本流を上がっていく。この辺りに雪割れがないのは5月では初めてのこと。白馬尻でもまだ小屋の除雪さえ始まっていない。谷のど真ん中にテントが5張り。雪渓上を見ると、連休を上で過ごした人がどんどん下ってくる。100人以上が降りてくる。

三号雪渓出合から上部

しかし谷は、ちょうど一週間前の雪崩のデブリがまだ全面に残っていて、どうにも登りにくい。2200m付近の急登は、昨年よりも登れなくなって、早々にアイゼンに履き替え。

デブリの中登ってくる後続

ノロノロと登ってようやく小雪渓に入る頃になだらかになって、またスキーに履き替えるが、その頃から風も強くなってくる。たまに耐風姿勢。

2500mまだ登っていく人もいますが、私下降します。

 小雪渓を少し登った2500m下で、いい加減に嫌になって、降りることにする。猿倉から5時間かかっても、稜線に出ないとは、パワーダウン。上には村営小屋の屋根が見えるというのに。

2000mくらいから下

 さて下りに入れば、上の方が快適の半ザラメなのだが、2000mから下になると、全面デブリでどうしようかと迷う。左側に大きく振って下りたり、最後は仕方なくデブリの真中を滑るのだが、太もも筋肉も相当疲れて、吊りそうになったりする。何度も通っている谷で、見慣れた風景なのだが、こと下りのスキー技術に関しては、満足とは程遠い。しかし5月に一回くらい白馬へこないことには、体力維持もまた程遠いということにもなる。




頚城・昼闇山1840m 07・4・15 ☆☆☆☆ 高曇り〜快晴
焼山温泉林道先500〜アケビ平〜昼闇カールドンつまり1650m1000〜下山〜P1130

 頚城の昼闇山(ひるくらやま)は東京在住では恐ろしい響きがある。350キロ高速を飛ばして能生から焼山温泉、さらに林道Uターンまで除雪されている。明け方5時、明星金星が輝いていたのだが、日が出ると高曇り。その先林道工事か山荒らしか、横断してからスキー。馬鹿植林地帯のアケビ平を真っ直ぐに進む。

昼闇北面は焼山温泉先の潰れたスキー場からも遠くに見えるのだが、ガスって開けたときには、涸沢にいるのかと勘違いした。


 標高800mを越えると、植林も終わって白樺、ダケカンバの明るい林になっている。下の昼闇谷は二股に分かれた後、深い。左側のこの台地は不思議と緩傾斜で登りやすい。台地状。地図を見ながら1150mくらいからトラバース始めて、1250mくらいへ続く。

ガスがようやく開けたきた頃

 8時頃までガスっていたのだが、急に晴れ出して、いよいよ昼闇カールが見えると、思っていたよりも目線が高くて、首が疲れる。迫力あるなあ。

頚城の怪峰 阿弥陀山(左)と、烏帽子岳 右


雲海から頭だけ出している鉾ヶ岳

 そのまま1350mくらいで谷の真中へトラバースする。海谷の山は、三峡パークの解説にあったのだが、以前は海底火山だったとか。だよなあ、こういう火山地形はほかにあまりない。地形が複雑なのだが、積雪期だからこそ自由に進める。
 さて谷の真中からどうするのか。突き当たりのカールは上部が相当急であり、横断して右側の尾根から登れそうなのだが、小さなデブリが少しあるものの、真っ直ぐ前進。途中でアイゼンに。

最高到達1650mから上部


同高度から下部

 標高1600m辺りで一旦緩くなるが、再び急になり1650mまで行くが、それ以上いく気力なし。実は土曜の昼に、眼鏡屋で老眼検査したところ、この3年半に二段階進んで、新しい眼鏡注文した。ということを思い出して、最近ほとんど無理せず。
 デブリの等身大の雪玉のくぼみを利用してスキーを履き替えて、いざ滑降。上部はザラメで実に快適。ドンドン下がって、樹林に入ると、重たいシャーベット。途中一箇所尾根を間違えて、5分登り返し。

滑降途中から上部

 でもいいでしょう。午前中は真っ青の快晴になって、頚城の北側の山堪能しました。本日貸し切り。





槍ヶ岳2550mまで 07・4・8 快晴〜高曇り ☆☆☆
新穂高340〜白出し沢530〜滝谷出合700〜槍平800〜2550m1120=1140(下山)〜新穂高1540


到達2550m突き当たりが終了飛騨乗越なのだがたどり着けず

 雰囲気すっかり春だよね、というよりも、この時期新穂高から柳谷まで除雪されていて、雰囲気夏です。運動靴でトコトコ進む。下は物凄く雪が少ない。


穂高牧場四時半頃でもまだ夜。下弦の月、星空

 その先もスムーズに進んで、槍平が8時。その少し手前で後続一人に先に行かれて、本日飛騨沢は二人だけです。
 朝9時前後の槍平は真っ青に快晴で、過去に三回春にこの辺りに着たけど、いつもそう、相性がいいんだね。


白出し出合から尾根をトラバース下降して蒲田川右俣、河原の様子は毎年こんなもんでしょう。水が流れている。ただこの先チビ谷辺りまでは、妙に高巻きのようなところもあり

 ところが年々のパワーダウンはひどくて、槍平から先が進まない。息があがる。この辺りからは例年をさほど変わりなく積雪があるような感じがするのだが、本流は左右からのデブリで歩きにくく、右側の台地の上を行く。昨日辺りの坪足とかスノボーのトレースが見える。昨日の新雪は5センチ程度。


滝谷出合から高度上げて、槍平手前。8時頃になってようやくこの谷にも日が差してきました。振り返ると北穂、ドーム、涸沢岳、蒲田富士。見慣れた景色なんですが、いつも見ているだけじゃつまらないという思いもある。



槍平から中崎尾根の稜線 小屋はいつものように雪を被っていました



槍平先からは、さらに奥穂、ジャンダルム、西穂方面見えますね。この辺り疲れて休憩三昧

 傾斜が出てくると、その新雪が直射に解けて、ついにダンゴ状態。何度かシールのワックスをやり直すのだが、ダメ。時間がかかる。そのうちに上部は少しガスってくる。先行者も2600m辺りから滑降にしてくる。で私もそれに同意。


先行者滑降 新雪の下はガリガリ


 昼前に滑降に入るが、ちょうどその頃から高曇りになって、曇りは嫌なのです、斜面が見えにくい。しかもシャーベット新雪にモナカ。なかなか絶好条件にはなりませんねえ。この日行動は12時間。久しぶりに疲れました。



越後駒ケ岳1680mまで 07・3・24 快晴・高曇り ☆☆☆
銀山平奥650〜渡渉・柳沢出合730〜白沢奥800〜尾根取り付き〜道行山1000〜小倉山1100〜駒ケ岳百草ノ池上1680m1220=1240〜下山〜河原1430〜P1500

 銀山平へのシルバーラインが開通して一週間。去年の今頃入ったが今年も行く。越後駒には思い入れがある。

銀山平奥から右越後駒ケ岳、左中ノ岳への稜線、早朝は快晴



 このルート、尾根の取り付きまでが意外と長く、今回バンガロー奥まで除雪林道を車で入って、北又川を渓流つりの長靴で渡渉して、短縮を図る。石抱き橋から柳沢まで昨年など1時間半もかかったが、渡渉すると30分でつける。水流は膝程度で渡渉は問題なし。太平洋高気圧で気温も高いとされていたが、朝はマイナス6度。雪もカチカチに凍っていて坪足でも潜らない。Pからわずかに15分で河原へ。そこから対岸へ。
 天気は午前中から崩れるとは言われたが、オレンジ色の夜明けに山が染まって美しい。
 ところが雪の少ない今年は、平日昨日辺りでも登山客がいたようで、渡渉した向こうで休んでいると、2人パーティが早くも追いついてきた。トレースがある。一緒に白沢奥まで入っていく。
 雪は数年前の5月よりも少なくて、白沢はすでに雪割れしていてというか、埋まらずに、ここから奥に入れず、右側の道行山への急な尾根に取り付く。途中アイゼンに履き替えて登る。
 それでも1時間半くらいで道行山に出る。出てみると、後続に6人スノボーパーティが登っていて、彼らに混ざっていく。
 道行山で引き返す者は誰もいなくて、私も躊躇したが、小倉山への登り返しのある長い痩せ尾根を進んでいく。昨年はここまでだったから進歩した。

道行山から右へ小倉山への尾根、さらに左本峰への尾根

 トレースどおりに小倉山頂上は巻いて、いよいよ本峰に近づくが時間がない。朝方一緒だったトップ二人は前駒1763mを向こうへ越えていったが、私はその肩1680mでストップ。それでも過去にはここから白沢めがけて一気に滑り降りたところに出た。6人は後続になったが、左右に割れるスノボーシールで登っていた。上の小屋で泊まるといっていたが、明日は暴風雨につきご注意を。

到達1680mで登ってきた尾根


滑ってきたトップ

 さて下りは、モナカ、クラスト、新雪と、吹きさらしの尾根は滑りにくく、それでもどうにか尾根に忠実に戻る。小倉山からは雪庇の痩せ尾根片斜面を滑るが、今年は柄沢山でも守門岳でも、何だか雪庇の痩せ尾根をたくさん滑ったような気がする。道行山の登り返しでシールつける。

道行〜小倉山鞍部から荒沢岳

 さて下ってから初めて気がついたのだが、道行山からは南へ二本の尾根が出ていて、南南東と南南西なのだが、一般ルートは南南東だと思うのだが、登りトレースに導かれて南南西の尾根を滑り降りる。途中雪庇を乗り越えて谷に降りる急下降の尾根がルートとなっていたが、そういえば昨年は南南東の尾根から登下降したわけで、ルートは自由だ。しかも尾根はなかなか広くて紛らわしい。
 後は河原トレースを滑って、再び渡渉して15時早々とPに戻りついた。本峰日帰りするには、トレース期待か、パワー全開じゃないと難しい。しかもシルバーラインの通行規制(6時〜18時)がこの時期はまだある。




越後・駒ノ湯上 07・3・17 ガス・雪 ☆
大湯520〜駒ノ湯650〜645m台地上850=920〜下山〜佐梨川河原1000〜吊橋1040〜大湯1130

 この日銀山平への冬期閉鎖が解除になって、只見丸山スキーは春営業始めたのだが、そちらからではなくて、駒ノ湯から小倉山への尾根を登ることにした。未明星空だったのだが夜明けには雪。先行に1台パーキングしていたが、彼らは出発しなかった。

小倉山の尾根から対岸手別山の尾根 降雪中

 林道は春の雪で硬くなっていて、思ったよりも早く駒ノ湯に付く。誰もいないのだが、小屋の周辺は温泉除雪されている。登山道の吊橋は小屋から少し戻った対岸から渡るようになっていた。しかしこの吊橋、底板がほとんど外されて2本だけ渡してある。スキーのまま渡ったが、不安定この上ない。
 渡っていきなり急登。痩せ尾根はシュカブラその他で実に不安定で、巻きながら登る。それでも645m台地の辺りは、大きく広がっている。その先コブを二つ越えて再び670m辺りから痩せ尾根の急登になるのだが、上部がガスって雪。やせ尾根に雪庇。さっさと敗退とする。ここから河原までわずかに300m弱の滑降なのだが、まあ良しとする。


645m台地付近

 ところがモナカ悪雪。まったく春らしい。大体この日はかなり雪が降っているのだが、気温はプラス。最悪モナカの条件は揃っていた。大きく飛び跳ねながらターンしていく。痩せ尾根の下りは敬遠して、左側の緩斜面をドンドン滑っていくが、間近に河原が見えたもので、一旦そこまで下ってみる。駒ノ湯の対岸裏庭みたいなところだ。
 ところがそこからはやはり河原沿いに下山はできない。崖になっている。仕方なく少し登り返してトラバース。取り付きの吊橋に戻って、再び慎重に渡って林道合流。傾斜のない林道を半分滑り歩きで戻る。こちら側からのルートは、なかなか難しそうだ。
 帰り銀山平まで入ってみたが、積雪は例年以下だったが、やはりかなり静かでいいところ。この日は地吹雪でもあって、クルマのトレースはわずかなもの。除雪管理人は大変だろう。



谷川岳・熊穴沢 ☆☆☆ 晴れ 07・3・3
天神平720〜熊穴避難小屋900〜頂上肩の小屋1030〜散歩1230〜下山〜避難小屋1300〜熊穴沢〜ロープウェー駅1420

肩の小屋下から右オジカ頭、左川棚頭。手前の岩峰越えられず

 天神尾根から頂上に行って、どこかに滑りたいと思ったのだが。
 天神平から夏道方面に行ったのだが、行き詰って途中から峠に登り返したりして、時間ロス。この日30人くらいのスキーヤーが頂上へ。スキー担いでトレースに続いて坪足が早い。頂上風が強いだのだが、オジカ頭方面稜線を下る。しかしクラストでトレース無しでは、コル手前の岩峰を越える気力も湧かずに、そこでスキーセッティングして万太郎沢方面にトラバース。しかし曇り空の午前中では北斜面はカリカリで、万太郎沢流心まで行っても、雪が硬くてお手上げ。


岩峰から肩の小屋と頂上

しかもちょっと下には岩も出ていて、やはり今シーズンはこんなとこ滑れそうもなく、アイゼンで登り返し。北風の強い中を危なっかしい間抜けなことをしてしまった。
 マチガ沢方面に何人か滑ったようだが、天神尾根大斜面をスノボーに続いて滑る。クラストモナカで思うようには行かず。
 避難小屋直前まで滑って、ヒツゴー沢方面のシャーベット尾根をさらに滑って遊ぶ。そのままトラバースして避難小屋へ。
 ところで数人のスキーヤーがいたが、熊穴沢にトレースなし。こんな条件のいい日に。


熊穴沢、少し滑って見上げ


さらに下部から

 私は行きますよと後続に声掛けて、沢のど真ん中思う存分。少し重いシャーベットだけど、昨年のカリカリよりはずっと条件良し。前日辺りの薄いトレースが下の方にあり。


西黒沢、割れています

 昨年3月は西黒沢下部はデブリですごかったものだが、雪崩は皆無。雪崩れる雪がないか。かなり下まで滑れたのだが、やはり雪割れ。途中からスキー場から合流しているトレースが相当数になったが、巻き下りしたり、最後はスキー脱いで、飛び石徒渉。こんな年があってもいいでしょう。熊穴は今シーズンは早々と店じまいの様子。




守門岳・大岳1432m 1350mまで 曇り ☆☆ 07・3・4
 大岳西登山口の二分650〜保久礼小屋840〜頂上下1350m1010〜下山〜小屋1040〜二分1150

 前日に明日は絶対に快晴ですよと水上のラーメン屋に言われたもので、上越に停滞して、土合から転身。ところが曇りで上部ガス。


大岳1200m辺りから


1300m辺りから

 地元に人気の守門岳へは、P5台しかない二分に30台のクルマ。夜明けとともに出発したパーティに続いて、のんびり地図も持たずに春スキーの他人頼りの山行。
 前半の小屋までは、林道が交錯するなかを、複数のトレースのなかを適当に進む。
 小屋からはようやく登りになる。いいペースで進んでいると、何だかトップにでてしまい、後に長靴オジサンが、坪足4本歯でスキーをドンドン抜いて迫ってくる。新潟では山スキーが坪足山菜取りに抜かれるというヘマをよくやるという噂があるのだが、こういうオジサンは本当に強い。上部標高1000mを越えると、緩斜面にブナ林で素晴らしい景色になってくる。ほとんど滑走路といっていいほど緩斜面を進むが、ガスがちょうどその標高で、後わずかに100mなのだが、山頂は見えない。果たしてガスの中を行くのかと思うが、辞めて下山。長靴オジサンはさらにガスの中を進んでいった。


上部ガスの中消えていくおじさん

 上部ザラメ、その下シャーベットなのだが、後続くるなかを、快適に滑降。小屋までわずか30分で下ってしまって、そこから40m登り返して、後は樹林を下るのみ。しかし樹林面倒だからと、林道に沿ってドンドン下っていったが、飛んでもなく大回りしてしまって、さらに堰堤手前で林道崩壊で下って登って、薄いトレース1本あったが、後で地図見て、こんな大回り下山する人はめったにいない様子。でもまあ楽しい下山になった。中越は天気に恵まれなかった。帰路、被災した山古志村見学したが、初めて訪れたこの村にちょっと驚いた。

標高700m 上部少し見えるのが頂上付近



上越・柄沢山1900m 1750mまで ☆☆☆☆
07・2・25 快晴 −8度
清水500〜東屋沢900m700〜稜線1270m1000〜稜線1620m1200〜1750m1300=1340〜下山〜東屋沢1000m1440〜出合い900m1540〜清水1640


 聞きなれない柄沢山は上越巻機山の稜線の南方にある地味な山だ。

標高1600mから柄沢山

清水部落から清水峠の方に行こうと思って暗いうちから林道を歩きだす。数週間前に来たときには曇天で新雪がどっぷりで辞めたのだが、今日はすでに春の雪で歩きやすい。未明から満点の星空で、上越なのだが気温が低く、林道に斜面から雪崩れた小さなブロックが何箇所も散乱していて、通過に気を使う。林道なのにクトーを付けたりする。
 東屋沢出合で、林道は二手に分かれるのだが、河原に下る林道が分からずに、自然に斜面に追い上げられて、その沢に入っていく。本来の予定とは違うのだが、この沢から巻機山稜線に上がるのも第二候補だったために、そちらに行くことにする。
 沢沿いの斜面だとはいっても、流れに降りるところが崖になっているし、流れも出ているし、仕方なく標高900mから強引に尾根に取り付く斜面にあがることにする。しかし、昼間のシャーベットが凍ったモナカの上に、新雪が15センチ積もっていて、まったく登りづらい雪だ。稜線直下の急斜面が上がれなくて、アイゼンに履き替えて、モナカを膝まではまったり繰り返して、能率の悪いことに、この標高差200m足らずに2時間もかかった。
 稜線でスキーに履き替えて、標高1100mくらいでは小さな雪庇が出来ている。標高1270mからは、尾根に続く上部に目的の柄沢山がよく見えてくる。しかしすでに午前10時で、果たしてどこまで登れるか期待薄だが、昼頃まで前進することにする。
 稜線に出ると、むしろ風でクラストしている斜面は登りやすくて、思った以上に早く登れる。
 今日は快晴だし、この辺りからの展望は上越でも最高のものだ。目の前に見える大源太という山は、こちら東側からだと信じられないくらいに切立っている。

大源太山1100m辺りから


標高1050m辺り、枝尾根に上がるまでのブナ樹林急斜面

七ツ小屋から清水峠辺りは、いわば高原状になだらかなところだ。その清水峠の小屋に被ってさらに遠方に谷川岳の東面岩壁が見え、茂倉岳から芝倉沢が真正面で、遠景は仙ノ倉・平標とこれも穏やかな山稜が続く。


手前大源太、その向こうに万太郎、右の高原状は仙ノ倉、平標

ちょっと荒々しいのは、その主稜線向こうの小出俣辺りか。そして周囲で最も高いのは朝日岳JP(ジャンクション・ピーク)で、これは甲斐駒のよう綺麗な三角錐で、右側にはもちろん巻機山のなだらかな尾根。それと平行して登っているわけだ。

標高1270m辺りから目的柄沢山への尾根


標高1600m辺りから、登ってきた尾根

 2時間で1600mを過ぎて、1750mの最高到達が1300。あとわずかに150mで頂上なのだが、森林限界を越えて右側雪庇の斜面だというプレッシャーと、時間がギリギリになったために、ここで諦める。最近は頂上まで到達できることが少なくなって、パワーダウンしてきた。

シュプール振り返る

 下降はなだらかな稜線の頂点風下寄りの雪の柔らかい部分を雪庇に注意しながら、幅5mを150mほど滑ると、後は広い尾根。さらに登ってきた痩せ尾根を1250mまで北斜面の新雪ターンとトラバースで、そのコルから東屋沢へ向けて南斜面を滑っていく。午後のシャーベット急斜面はなかなか手ごわくて、しかも春の点雪崩を誘発しながら、注意深くいく。一度転倒したが、急斜面シャーベットはなかなか止らないし、外れた板がシャーベットに隠れてなかなか探せず焦った。すでに斜面よりも沢筋の方が雪質がいい季節になってしまって、後半沢筋に入ると吹き溜まり雪は均一シャーベットで、尾根の雪より滑りやすい。
 標高1000mで沢に合流するが、ここからやはり本流沿いに下ってもダメなことは分かるから、登り返さずに斜面を下りトラバースしながら、わずかな距離で登りトレースに合流して、大休止。
 下り林道も、ほとんど登り返しもなくて、思ったよりもスムーズに下山できた。久しぶりに納得静かなツアーになった。





上越・シシゴヤ頭 1150mまで ☆☆ 快晴
06・2・17 大源太キャニオン終点P500〜ヒロクボ沢尾根取り付き700〜標高1150m940=1010〜下山〜ヒロクボ沢出合1100〜P1200


コマノカミから足拍子への稜線

 上越の上高地といわれる大源太キャニオン終点から林道を行く。1時間ほどで立派な橋で大源太川を横断して、夏道終点Pを通って沢沿いにヒロクボ沢出合にでる。沢は埋まっていなくて、夏の橋を利用して横断する。


登っていた斜面の対岸尾根

 さて目の前の尾根を夏道のように登り上げるのだが、緩そうなところを登ってから右に大きくヒロクボ沢方面に出て、標高1000m辺りから尾根に上がる予定だった。しかし少し登ると何だか傾斜がかなりきつい。いけるところまでと思ったが、間もなく敗退。天気がいいのだが、地形図以上に急斜面の感じで、しかもボコボコ雪でスキーを脱ぐともうダメ。


最高到達1150mから上部

 少し休んで登ったルートを下るが、まあ北斜面だから雪の条件はいいのだが、どうもルート選定間違えたようでがっくり。

登りも下りも大トラバースの連続