8・27 西武ドーム『PRIDE.10』


 
灼熱の西武ドーム!過去最高の盛り上がり!

 西武ドームに行くのは初めて。密閉式ではないのでクーラーがなくとにかく暑い!というので戦々恐々でしたが、やっぱり暑かった!
とにかく混んでたので、まず席に座ることを最優先に3時過ぎ会場入り。1塁側の内野席5列目。おお!ネットがあるのか!見にくいな!

 スカパーPPV用の実況席には谷川貞治、ビートたかし、畑野浩子という面々が。試合開始の4時を過ぎてもいっこうに始まる気配がない。ようやく20分過ぎに、何やらダンサーチームが花道に4組(1組10人以上)現れて踊りまくる。騒々しいだけ。最悪。

 スカパーPPVに合わせてるんだろうが、会場の客にももっと気を使えよな>DSE

(試合時間&決まり手はPRIDEオフィシャルサイトより)


 
第1試合

松井大二郎(高田道場/日本) VS ビクトー・べウフォート(ブラジリアン・トップチーム/ブラジル)

 ゴングが鳴ってもお互い間合いの詰めあいに終始する両者。ビクトーがテイクダウンを奪い、松井はガードポジションへ。終始試合はビクトーがリード。松井は顔面受けたパンチでおびただしい流血。鼻が折れているんじゃないか?1Rをなんとか凌いだ松井だが、棄権するのではないか?と思うほど圧倒的に不利な戦況。2Rになってからは、全く踏み込めなくなった松井。1Rの大ダメージが色濃く残る。終始ビクトー優勢で進行し、判定へ。

 それにしても、DSEはビクトーの実力をどう評価してるのか?桜庭には敗れたものの、鳴り物入りでPRIDE参戦したアイブルの初戦の相手を務めこれを完封。この日の松井にも結果的に判定ながら圧勝し、実力差は歴然だった。ビクトーは強いっての!

2R判定6−0でべウフォート勝利
  


 
第2試合

ヴァンダレイ・シウバ(シュート・ボクセ・アカデミー/ブラジル) VS ガイ・メッツァー(ライオンズ・デン/アメリカ)

 スタンドでの打撃戦。両者ともキレのいい打撃を見せ歯切れがいい試合。ほぼ互角というか、ややメッツァー優勢にも見えたが、シウバの右フックがヒットし動きが止まったメッツァー。コーナーに詰められるも、なんとかシウバの攻撃をかわそうとするメッツァーだが、シウバの右フックが再度メッツァーの顔面を捉え、崩れ落ちるメッツァー。KOでシウバの完勝。

 これほどの実力者がグランプリではリザーバーだったんだよな。どう考えてもシウバより落ちる選手が出てたな、GPは。

1R 3分45秒 KOでシウバ勝利
  


 
第3試合

ジャイアント落合(怪獣王国/日本) VS リコ・ロドリゲス(フリー/アメリカ)

 アブダビ・コンバット準優勝の強豪と対戦することになったG落合。相当なミスマッチだが、G落合のやられっぷりはみもの。試合前の選手紹介のVTRで「空飛ぶ宇宙デブ」と紹介され、会場から爆笑される。いくらなんでも「宇宙デブ」はないだろ>DSE
 G落合は入場曲が「ビューティフル・ネーム」。この試合のリングアナを村上ショージがしていたためか、ここは笑うところなのか?というようなカードだ。会場を楽しい雰囲気に変え、花道には風船を持ったちびっこ達が待機、もちろんちびっこも全員アフロ。誰もが強いとは思っていないであろうG落合だが、何故か不思議な期待感が・・・

 スタンドの攻防で、ムキになったG落合が大ぶりのミドルを放つと、トップロープに脚が引っ掛かる。リコをお得意のお尻ペンペンで挑発するG落合リコはやりにくそうだ。リコが完璧に膝十字を極めたかに思いきや、何故か脱出する落合!沸く場内!結局G落合は敗れるのだが、最後はどういう決まり手だったかよく分かんないや。G落合は健闘。

 「どつきあいが大好きです!」と、負けたのにマイクで絶叫アピールをするG落合。その後、マイクを持ったリコが日本語でG落合とは正反対の大人の挨拶をしたので場内爆笑。リコは大人だ!

1R6分4秒 フロントチョーク(そうだったのかい)でロドリゲス勝利
 


 
第4試合

ギルバート・アイブル(フリー/オランダ) VS ゲーリー・グッドリッジ(フリー/トリニダード・トバゴ)

 PRIDE初戦でべウフォートに完封されたアイブルの汚名挽回なるか?グッドリッジは”PRIDEの番人”のポジションにとどまるのか?殴り合いが予想されたこの試合、あっけなく決着がついた。

 間合いを詰め合う両者。アイブルが左ハイキック一閃!!崩れ落ちるグッドリッジ!!!鮮烈のKO劇!!!

 打撃戦は容易に想像できたが、グッドリッジはキックに対する警戒が薄かったように思う。ま、GGのテンプルにヒットさせたアイブルのハイキックはあまりにも鮮やかだったので、それもこじつけになるけど。

1R28秒 KOでアイブル勝利
 


 
第5試合

ボリショフ・イゴリ(掣圏道/ロシア) VS マーク・ケァー(アメリカ/ハンマーハウス)

 佐山率いる掣圏道から送り込まれた刺客イゴリ。G落合をKOしているが、今度の相手は難敵だ。サンボ世界選手権優勝というイゴリのサンボテクニックがどれだけ通用するか楽しみだったが、ケァーのローキックにたじろぐイゴリケァーはタックルから楽々テイクダウンを奪い、イゴリはガードを試みるも、ケァーが強引にネックロックへ。GPでコールマンが佐竹を降したあの技だ。イゴリはたまらずタップ、ケァーは楽勝。

 イゴリは試合終了後も自力では起きられず。大ダメージを負ったらしく、担架で運ばれた。

1R2分6秒 ネックロックでケァー勝利
   


 
第6試合

エンセン井上(PUREBRED大宮ジム/アメリカ) VS イゴール・ボブチャンチン(フリー/ウクライナ)

 ボブチャンチンは入場曲が変わってしまい肩透かし。エンセンは例の曲。さぁ、どうなるのか!エンセンは下の柔術衣をはいたまま。

 両者、ゴング開始直後から豪快な打撃戦を挑む!!この打ち合いでボブチャンチンが左目下から出血、それもかなりの量。だが、上になったのはボブチャンチン。苦しくなったエンセンエンセンの右肘に血が付着しているが、ボブチャンチンの出血は肘が当たったのかな?確認はできず。
 
ボブチャンチンはガードおかまいなしにロシアン・フックを振り下ろしていく。エンセンは下から三角締め、腕十字を狙うも、これはボブチャンチンが阻止。1R終了間際、ボブチャンチンのパンチが次々とエンセンの顔面を襲い、エンセンの動きがおかしくなる。抵抗しなくなり、防御するのが精一杯。危ない、止めるべきじゃないのか!?

 1R終了のゴング。自力で起き上がることが出来ないエンセン。コーナーに崩れ落ち、ドクターが呼ばれる。目の周りは無残にも腫れ上がり、素人目にもとても戦える状況にない。エンセン無念のドクターストップ。恐るべし、ボブチャンチン

1R終了 ドクターストップでボブチャンチン勝利
 


 
INTERMISSION

 ここで15分の休憩。といっても、15分経っても始まらなかったが。

 ”炎のファイター〜イノキ・ボンバイエ〜”が鳴り響く!!会長だ!!猪木会長だ!!異様な盛り上がりを見せる場内。猪木会長が花道からリングインし、DSE森下社長が挨拶。正式に、猪木会長がPRIDEシリーズのゼネラル・プロデューサーに就任したことを館内に告げる。そして、猪木会長がマイクを・・・

「元気ですかぁっー!!」

猪木会長の言葉が続く・・・興奮覚めやらぬ場内。そして・・・・上着を脱ぎ捨てた猪木会長が!

「1っ!2っ!!3っ!!!ダァーッ!!」

 またもや全部もっていってしまった猪木会長。素晴らしすぎる!!でも、表情は終始険しかったよ。
 


 
第7試合

村上一成(世界格闘技連盟/日本) VS 佐竹雅昭(怪獣王国/日本)

 絶対に負けられなかったこの試合。相手は総合に転向したばかりの佐竹。PRIDE.1の開幕試合でPRIDEの歴史の幕開けをしている村上。UFOでさらなる成長を遂げている村上だけに、どう考えても敗れる要因は見つからない。村上佐竹に不覚を取ることは許されない!!

 なんたることか・・・村上佐竹のマウントパンチでレフェリーストップ負け。タップはしてないが、レフェリーが止めたのは当然。前の試合でボブチャンチン×エンセン戦はなぜ止めなかった?という思いがあっただけに、村上が抵抗をなくした時点でもうダメだ。
 
村上は序盤に完全な形でマウントポジションを奪った。村上も呼吸を整えるかのように、次への移行を慎重にしていたが、アームロックを外されてしまったのが誤算。結果として、この時極められなかったのが敗因だった。勝ちにいってて負けた。あまりに重い敗戦だ。

 今回の敗北は痛すぎる。新日で飯塚に負けるのとは意味合いが全く違うからだ。相手が佐竹だったというのが何より重要だ。総合に転向したばかりの佐竹に負けるとは夢にも思わなかった。おそらく、この日の出場選手の中で村上は誰にも勝てないんじゃないか?と僕的に思ってしまった・・・。僕はホントに凄いショックで、茫然自失でした・・・・

 セコンドの小川が佐竹に詰め寄ったのも頂けない。これで次回のPRIDEで小川×佐竹なんてことになったら最悪だ。ま、それはないと思うけど・・・。小川は黙って帰るべきだったんだよ・・・。PRIDEに上がる意志がない選手が、PRIDEに出場している選手にケチつける資格はないよ。

 ちょっと小川&村上には厳しい見方してるかもしれないけど、僕は正直にそう思いましたよ。うん・・・

 痛いな・・・実に痛い・・・この敗北は。先が見えないや・・・

1R6分58秒 レフェリーストップで佐竹勝利
 


 
第8試合

藤田和之(猪木事務所/日本) VS ケン・シャムロック(ライオンズ・デン/アメリカ)

 今回も、前回のGPと同じく”炎のファイター”のオーケストラバージョンで入場してきた藤田。でも、さすがにこの日は猪木会長が休憩時間に”炎のファイター”で登場してしまっているだけに、本物の後ではキツかったか。セコンドはドン・フライ&ブライアン・ジョンストンシャムロックはやっぱ役者だなぁ、と思わす貫禄の入場シーンを披露。うん、さすがだな。

 百戦錬磨の老獪なシャムロック相手に藤田大苦戦!!藤田の片足タックルがシャムロックに通用しない!ことごとく封じられ、打撃をもらってしまう。打撃なら圧倒的にシャムロック有利。藤田の顔面に的確にヒットさせ、藤田がぐらつく、危ない!!マジでやばい!!藤田危うし!!藤田の打撃は単発。

 藤田、不屈の闘志でなんとか立ち向かう。が、試合はシャムロックペース。というか、もう負け試合の様相を呈してきた。一度、ロープを離さないシャムロックに警告が提示されるも、完全にタックルを封じられた藤田は大苦戦。コーナーに押し付けられたシャムロックがまたもやロープを掴む。しかも、今度は離さない。で、なぜかゴング!!勝ったのは藤田!!

 はぁ??シャムロック2枚目の警告?失格なの?失格は3枚じゃないの??・・・実はセコンドがタオルを投げ入れていたとのこと。シャムロック、どうやらガス欠か。打撃で圧倒し、タックルも完全に封殺。勝ち試合だと思われたシャムロック。突然の試合放棄は、圧倒していながらも不屈の精神力と驚異的な打たれ強さで前に出てくる藤田を怖れたためか。しかし、藤田にとっては負け試合といってもおかしくない内容。今後の課題がハッキリし、藤田はこの一戦を糧にしてくれると思う。

 試合後、藤田マーク・コールマンとの対戦をアピール。コールマンもリングに上がり、藤田とがっちり握手。

1R6分46秒 TKOで藤田勝利
 



第9試合

石沢常光(新日本プロレス/日本) VS ハイアン・グレイシー(ハイアン・G柔術アカデミー/ブラジル)

 ある意味、最も注目度が高かったであろうこの試合。噂が先行し実力は未知数だったハイアン。NHB初戦となるも、潜在能力を高く評価されていた石沢。楽しみな一戦!ハイアンは入場曲が小柳ゆきで度肝を抜かせた。

 石沢の最初のタックルが決まるかどうか注目していたが、なんと、タックルを決めたのはハイアン!見事、テイクダウンを奪う。石沢はコーナーに詰まりながらも、フロントチョークを狙う。場内から「落とせ!」コールが起きるも、これは極まっていない。チョークを外したハイアンが、立ち上がろうとする石沢の顔面にパンチを連打!連打!連打!!的確にとらえ、石沢が膝から崩れ落ちるところをレフェリーが抱きかかえ試合をストップ。狂喜乱舞するハイアン!呆然とする石沢ハイアンの完勝。前の試合が終わってからそのまま石沢のセコンドを務めた藤田が石沢を抱きかかえるシーンが象徴的な試合。ハイアン強し!まだこんなのが残ってたのか、グレイシー。

 予想外な結果。石沢はなす術なく敗れ去った。石沢がNHB初戦というのを差し引いても、これは大きな敗戦だ。新日本プロレスの「フリーファイトにもいつでも対応できる練習」というのはもはや幻想に過ぎなかった。かつての新日道場伝説が崩れ去った一瞬だった。新日本プロレスに厳しい結果を突きつけた一戦となった。

 石沢はどうするんだろう?もう一度立ち上がる石沢を見てみたいし、応援したい。でも、このまま新日本プロレスでやってたらハイアンには勝てないんじゃないか?・・・

1R2分16秒 TKOでハイアン勝利
 



第10試合

桜庭和志(高田道場/日本) VS ヘンゾ・グレイシー(ヘンゾ・G柔術アカデミー/ブラジル)

 桜庭、異次元の強さ!!最大限の賛辞を送りたい。2R終了間際、もう1分と残ってない時点でヘンゾの腕を極めたまま回転しチキンウイングアームロックへ!素晴らしい!!凄すぎる!!桜庭が何か言って、レフェリーが試合をストップ!ヘンゾの肘関節は外れてたのか?

 とにかく桜庭は凄い!ケタ違いに強い!この日、ボブチャンチンにKOされたエンセンのことを思い出してあらためて思った。GPで、ホイスと90分にわたる闘いを繰り広げ、その後ボブチャンチンと引き分けた桜庭って凄いや!!この日も完勝だ!!

 試合後、ヘンゾのセコンドをしていたハイアンがマイクを取って桜庭にアピールする。何言ってるかわからなかったけど。そのハイアンのアピールを遮り、ヘンゾがマイクを。通訳によると、「負け惜しみは私は言わない。今日、サクラバは私より強かった」とコメント。場内から拍手が沸き起こり、桜庭ヘンゾが握手。が、ハイアンが再度マイクを持ちアピール。これは通訳され「次のPRIDEではサクラバと戦う!」だとか。いいぞ!ハイアン!!その心意気やよしだ!

 ちなみに、全試合終了後に出場選手全員(村上を除く)がリングに上がった。ここでべウフォートがマイクを持ち、桜庭戦をアピール!!べウフォートもリベンジに燃えている。桜庭は凄いや!!ホントに世界中から狙われてるよ!!

 2R9分34秒 レフェリーストップで桜庭勝利