私が見聞きしたことでアレッと思ったことや、気になったことを、とりあえずメモしていきます。
まだ、本来のページに掲載するまでに文章化できない発想の段階です。
タネというか、収穫したばかりの葡萄でしょう。
うまく醗酵しておいしいワインに熟成が進むか、途中でだめになってごみ箱に捨てられるか。
育てる人の能力と幸運に恵まれることを期待しています。
この記事は「NPO法人 介護保険市民オンブズマン機構・大阪」が発行している「O-ネット通信」(第67号、2011年5月28日)に掲載したものである。題して「O-ネットの歩みとともに」というコラムに、O-ネットの理事である各人が自由に書く欄がある。それに掲載したものである。昔の大阪地方自治研のことかとは思われているが、現実には「介護保険市民オンブズマン機構・大阪」の事務局を指している。以下が全文である。
企画が面白いし議論が役に立つからO-ネットにかかわっている。事務局に任せているからこそ、O-ネットは安泰だ。事務局に「おんぶに抱っこ」の経験は、今から30年ほど前の話だ。事務所が自治労大阪府本部に置かれていた大阪自治研センター以来である。
優秀な事務局長に故柳原文隆さん(惜しくも2004年にお亡くなりになった)を迎えたため役員が依拠してうまく行くことは経験済み。30年間、事務局に全ての研究と企画をお願いして今に至っている。
O-ネットの前身は「介護の社会化を求める1万人市民委員会」関西版であった。私たちは介護を行政の措置に依存していた時代から介護保険という仕組みを通して「市民社会の実現」によって社会を変えようとした。事務局にゆだねる体制はそのころに作られたものである。
介護保険が実現したら、施設入居者の権利を守る必要があると思った。アメリカ型の利用契約制度になると考え、アメリカの高齢者介護施設情報を検討した時に、柳原さんが示した懸命な働きぶりは救急医療条例制定運動で果たした役割を思い起こさせて、さすがに凄いと実感した。文献を集めて翻訳まで行なうという実績は故柳原さんの協力があったためにできたと思う。
日本語では「オンブズマン」という表現にはさまざまな問題があるが、あえてオンブズマンを使うべきだとして、多種多様な人を「言いだしっぺ」(=呼びかけ人)の周りに集めてくれた。私は推測しかできないが、彼なりに工夫があったと思うが、どんな方々を組織に集めたら最適なのかもという判断も彼に任せた。
今も事務局任せが続いている。組織に起こりうるさまざまなことは事務局に任せて、楽な理事だと思う。
このページの目次へ2009年06月28日に「NPO法人・障害者の職場参加を進める会」の総会と「総会記念シンポジウム2009」が埼玉県越谷市の中央市民会館で行なわれた。シンポジウムのテーマは「共に働く街へ――自治体・市民の協働は?」というものだった。この日に向けての私の発言趣旨をレジュメという形でまとめたので、ここに掲載する。この課題に関わる分厚い資料集(全71ページ)が準備された。私のレジュメ案もその中にある。また、私が趣味で行なっているweb siteからも、障害者雇用に関する文章が資料集に転載されている。逃げも隠れもしないので、当日のレジュメをここに掲載する。会場にはNPO法人の総会と一緒に行なったためか、多くの参加者が会場を埋めた。私のレジュメ案は以下の通りである。当日、コーディネーターを勤めるはずの、朝日雅也さん(埼玉県立大学)がのどの酷使で発言がままならないため、代理で越谷市障害者就労支援センター所長の吉田弘一さんがコーディネーターを勤めた。
NPO法人「障害者の職場参加をすすめる会」主催の『共に働く街へ――自治体・市民の協働は?』における私のレジュメ(ただし一部を改正した)。
(1)家族や教師など周辺の人々に「失業者と認めない」意識の残り
(家族や周辺の人々の「働くこと」への支援が重要な役割を果たす)
・障害者ゆえに「何もできない人」という認識(だから「自立」を強調するのだろう)
・行政による「福祉」の名による保護と生活管理と「労働」からの排除
(2)社会参加の中でも重要な労働・就労の機会の実現(例・国連権利条約など。労働は人権の主要な部分だ)
・日本の制度では「福祉」=保護や管理による「労働」からの締め出し
・社会で人と接することによるソーシャル・インクルージョンの実現
(3)自分の給料(賃金)を得て自立した消費生活を営む権利(人権の1)
・本人の「労働の成果」が賃金(価格表現)という形で明確になる
(4)同僚と仕事を通した連携の重要性(共に社会を構成している)(人権の2)
(5)他人に力を認められることによって社会参加の自信(張り合い=活きる力)がつく(人権の3)
・労働を通じた社会的あるいは市民の評価が得られる
(6)労働意欲や生活リズムは働きに行く過程においてより自覚的となる(労働が終わった時の開放感を楽しむ)
・労働する経験をしてはじめて重要性がわかる=類似のものとして「施設・親元からの自立の経験」
(7)労働とその他の時間との区切りの大切さとそれぞれの時間の充実と生活支援の必要性
(8)雇用労働に焦点が当るが自営業・社会起業も重要な選択肢
(9)障害者には選択する権利が保障されているだろうか?(小規模作業所など)
(1)厚生労働省と名称がかわっても「福祉」と「雇用」の別物扱いが残る
(2)強制的に就労を促進する制度設計(福祉から雇用への動き)
(3)労働を支援する福祉サービスの重要性
(4)労働と福祉とを兼ね備える制度を開発する試み
(1)障害者雇用促進法は一度も達成されないままに30年近くが経過
(2)国際的にも低い法定雇用率さえ達成されないで企業の国際競争力の劣化論展開
(3)企業の社会的責任論に任せておけない企業責任者の現状の問題
(4)多様な形態での障害者の雇用の場の開拓の可能性
(5)様々な障害者との付き合い方も知らないで育った「多くの労働者」の中で
(共に働くためには、共に学ぶ経験をとおして)
(1)障害者を直接に雇用する方法
(自治体財政の余裕がある時代には可能だが・・・。企業の社会的責任を明確化する方法もある)
(2)障害者の実習の場を提供する方法(実習だけでは限界もある)
(3)企業への誘導策(たとえば、総合評価一般競争入札制度など公契約論)
(4)いろいろな部局や企業・NPOなどとの連携による就労支援のネットワーク
(全庁的な合意や議会の後押し=市民のバックアップ力が大切)
(1)地域が様々な労働能力を引き出す
(2)地域での働く場の開拓と定着(例・商店街などでの経験)
(3)地域に支えられる労働意欲
(4)地域で認められる能力の重要性
(1)障害がある人の間でも能力に差があるし、個性もちがう
(2)障害がない人の間でも無理やりにあわせている効率主義
(3)それぞれが力を発揮する多様性を生かしたダイバーシティ経営(=野球のような試合)
このレジュメは、2007年08月29日に静岡市で行われた「けいこわくわく応援団」の「夏の定例会」で、使ったレジュメである。この催しは、静岡市会議員でもある佐野けい子さんが主催している勉強会である。佐野さんからは「このレジュメでは難しすぎる」といわれ、マイケル・ムーア監督によるアメリカ医療制度を扱った最近の映画『シッコ(sicko)』などを素材として、日本の社会保障政策がこのままでは所得格差によって利用がますます制限される方向に向かっていると話した。ここでは、最近私が考えている内容の一部を紹介するために、当日準備したレジュメを掲載する。
(神戸新聞、2007年07月16日〜2007年07月21日に5回連載された「くらし」ページ掲載の『気になる明日』記事を添付)
(1)山積みになっている社会的生活問題
(2)男女を問わず現在の生活についての不満
(3)将来不安に脅かされている人々
(4)不安を煽り立てる社会の動きと自己責任論の押し付け
(5)生活防衛意識による個人主義化の進行
(6)過剰な消費者主義と市場原理主義への誘導
(7)社会への信頼感や隙間風がとおる人と人との関係
(1)支援が必要なときの生活の社会的安定の確保
(2)個々人の生活の浮き沈みやライフサイクルに対応する安定性
(3)仲間の生活支援への社会システム化
(4)安心があるから自分の力を基礎に飛躍やチャレンジの可能性
(5)他人の支援を行う飛躍と決断を超える信頼感
(6)社会的支援に必要な財源・労力を余裕がある人たちが担う仕組み
(7)個々人の社会的連帯を作り出す安定した制度構築の役割
(1)個人の努力では対応できない偶然的なできごと
(2)不安定な中で苦労している大量の人々の存在
(3)社会的な生活安定のシステムの必要性
(4)人と人の相互の信頼感(お互いさま意識)の重要性
(5)人と人が生活面で支えあう共同・協働の経験の大切さ
大津 和夫 著『介護地獄アメリカ――自己責任追求の果てに――』日本経済評論社、2005年
宮下孝美・宮下智美著『あなたの子どもは、あなたの子どもではない――デンマークの30年――仕事・結婚・子育て・老後――』萌文社、2005年
寺田 和弘 著『コペンハーゲンの街角から――小さな大国デンマークに暮らして――』ビネバル出版、2003年
竹崎 孜 著『スウェーデンの税金は本当に高いのか』あけび書房、2005年
関根 千佳 著『<誰でも社会>へ――デジタル時代のユニバーサルデザイン――』岩波書店、2002年
井上 滋樹 著『<ユニバーサル>を創る!――ソーシャル・インクルージョンへ――』岩波書店、2006年
湯浅 誠 著『本当に困った人のための生活保護申請マニュアル』同文館出版、2005年
雨宮 処凛 著『生きさせろ!――難民化する若者たち――』太田出版、2007年
NPO介護保険市民オンブズマン機構・大阪は、2007年03月10日に第22回目の「Oーネットセミナー」を大阪市内で開いた。当日は「介護保険制度の見直しその後」と題して、社会福祉法人博愛社が運営している特別養護老人ホーム「博愛の園」の施設長である西岡浩二さんから実態に基づいたお話をしてもらった。当日、私が使ったレジュメを掲載する。
(1)サービス利用者の増加が負担増加になるという論理
(2)事業者がサービス利用者を掘り起こしすぎ、過剰なサービスを提供してるという情報
(3)サービスを利用している人たちと抑えている人たちの潜在的対立を顕在化
(4)居住施設利用者と在宅でサービスを利用している人との矛盾を明確に
(5)政府・自治体が責任を免れる仕組みづくりと累積した人々の行政不信
(6)地域包括支援センターが果たしている役割の検証
(7)介護予防が効果をどれほど挙げているかの分析
(1)申請の抑制は効果を挙げたのか?
(2)厳しくなった要介護・要支援の判断と「非該当」者に対する不十分な相談機能
(3)従来の要介護1の人を要支援に下げることによる本人や家族の不安増大
(4)要支援の人には利用できるサービスの種類や利用回数を制限するルールを適用
(5)施設利用の人の自己負担増加はどんな影響をもたらしたのか?
(6)予防サービスを求められた人たちの反応はどうであるのか?
(7)要支援から要介護へのサービスの連続性や在宅⇔施設の利用者本位の連携は実現しているのか?
(1)報酬引き下げによる介護事業の経営状態の悪化
・事業者は利益を上げすぎているという疑念に基づく引き下げ論
・公費財源負担の抑制を主な目的にした制度変更
(2)利用者の減少による経営状態の悪化
(3)切羽詰った経営側による従事者の労働条件を引き下げる苦肉の策
・労働条件の切り下げ、新規職員(募集しても採用に結びつかない)パート、アルバイトへの依存
・サービスの外注化などによる縮小経営
(4)定着率を挙げることによるサービス水準・技術水準の向上を犠牲にした対応
・権利の尊重やより良いケアへの配慮ができない現状
(5)介護サービス従事者への過剰な要請による精神的ストレスの蓄積
・長時間労働や過酷な労働、重い責任の仕事による負担増加
(6)介護職場に導入される外国人労働者をどうみるか
(1)介護保険は介護サービスの一部分をカバーしているという正論
・介護保険の給付以外での事業を展開すべきとは言うが・・・
(2)介護サービス=商品市場における有料サービスに依存する方向への誘導
(3)サービス料金をできるだけ抑えたい経営理念をもつ事業者の苦悩
・関連する有利な事業種目をもつ事業者はマーケット拡大
・地域の住民の暮らしを支援し安定化するミッション(理念・使命)をもつ事業者の苦闘
(4)ムダを少なくしながらも保険料などの負担増も容認する論議も必要に
・いざというときの信頼や安心が現在生活の安定や社会の活性化につながる論理
・保険料納付義務者の増大策としての若年者保険料の採用という方法も
・高齢者(第1号被保険者)や40歳以上(第2号被保険者)保険料の引き上げ容認も選択肢
・税金の使い道の有効性検証から税負担の増加論議