(財)介護労働安定センターが平成22年度(2010年度)に行った「介護労働実態調査」と「介護労働者の就業実態と就業意識調査」はともに介護労働安定センターのホームページに掲載されている。事業所調査は2009年10月1日から2010年9月30日まででの1年間である。事業員調査基準日は2010年10月1日であり、全国の介護保険サービス事業を実施する事業所から抽出。対象は17030事業所であり、回答を寄せた事業者は7345(有効回答率43.1%)だ。民間企業は最も多くて50.3%を占めている(反面社会福祉法人17.3%、社会福祉協議会では6.3%などと少ない)労働者の意識調査は上記の事業所当たり介護にかかわる労働者3名を上限に実施した。調査対象は51090人であり、回答は19535人(有効回答率38.2%)という調査の方法である。
介護の仕事を選んだ理由(複数回答)としては「働きがいのある仕事だと思ったから」が55.7%と断然多い。しかも「正規職員」では56.9%であるのに対して「非正規職員」も53.9%と同じように過半数を超えている(以下では明らかに差がある項目だけを取り上げる)。それに次ぐのは3つあって「今後も介護ニーズが高まる仕事だから」という回答をしているのが36.9%、「資格・技能が活かせるから」は35.3%である。「人の役に立ちたいから」が34.1%である。
それ以下に支持を得ているのが「お年寄りを好きだから」28.6%と「介護の知識や技能が身につくから」というのが24.0%である。「生きがい・社会参加のため」と答えているのが17.4%、「身近な人の介護の経験から」という答えは17.3%、「自分や家族の都合が良い時間に働けるから」が14.4%(明らかに正規職員6.2%と非正規職員30.7%と差がつく)さらに「他に良い仕事がない」は11.3%を占めている。最も少ないのは「給与等の収入が多いから」3.7%である。
5割を超えているのが「働きがいのある仕事」にあこがれている。3割が「介護ニーズが高まる」という理由と「資格・技能が活かせる」と「人の役に立ちたい」という理由である。
離職率を事業所ごとに調査したものがある。全体の「離職率」は17.8%であり、「採用率」は25.9%と全体で見ると「離職率」よりも「採用率」が大きくなっている。離職者の内で「1年未満の者」は「離職率」が43.0%である。半数近くの人が辞めているのだ。さらに「1年以上3年未満の者」は34.6%。3年までの従業員が占める割合は全体の8割近くになる。
従業員の意識によると「働き続けられるかぎり」介護の仕事をしたいといっている(56.2%)、「半年程度」と思っているのは(1.5%)少ない。「1〜2年程度」という者は6.0%である。あわせて1割にも満たない。
ところが現実は3年までの職員が圧倒的である。不満(複数回答)は、特に「仕事内容のわりに賃金が低い」が46.5%と賃金面に集中していている。さらに結果として「人手が足りない」も40.1%と多くの不満を集めている。施設に入所している介護度が高い人が集まっていると想像できるので、施設の入所系には49.6%と他の訪問系34.4%と通所系の41.0よりも大きな不満となっている。
交代勤務の場合「有給休暇が取りにくい」も36.9%もあり(特に入所型施設系46.4%と多い)、また「休憩が取りにくい」も29.7%ある他「労働時間が不規則である」15.0%あり、「夜間や深夜時間帯に何か起きるのではないかと不安」を訴えている者は全体では20.7%であるが、入所の施設系には特に48.4%と半数近くの不満が集中しているのも頷ける。
「労働時間が長い」という不満も11.5%ある。また「不払い残業がある」は11.3%もあるなどこのように時間の管理には不満が強いようだ。さらに「仕事中の怪我などへの補償がない」も7.2%ほどある。過去の労働条件の話ではない。
さらに「業務に対する社会的評価が低い」という不満も32.2%あることが注目される。利用者が要求はいろいろ出すが、介護職員の労働に対する市民の社会的評価を高める必要がある。
事業所に定着促進のために取っている方策を訊ねた(複数回答)。それによると「職場内の仕事上のコミュニケーションの円滑化を図っている」がもっとも多く64.1%である。さらに「労働時間(時間帯・総労働時間)の希望を聞いている」も59.6%もあり、従業員の労働時間管理に答えようとしている。
また事業所側は「賃金・労働時間等の労働条件(休暇をとりやすくすることも含める)を改善している」も57.3%である。介護事業所には休憩時間も含めて労働時間のあり方についての改善を図ろうとしている。それが従業員には伝わっていない欠陥があるようだ。
以上が過半数の事業所がやっていることを挙げたものだ。「非正社員から正社員への転換の機会を設けている」は46.0%の事業所だが、これは従業員の不満にある「雇用が不安定である」9.3%という1割の人に対したというか「正社員になれない」6.7%に応えたものだ。「能力開発を充実させている(社内研修実施・社外講習等の受講・支援等)」が42.8%ある。こうして4割に当たる事業所が非正社員に止めるのではなく、研修も同じように行っているという結果が出ている。
また「能力や仕事振りを評価し、配置や処遇に反映している」も39.7%という4割の事業所がやっていることだ。あまりにも個人の処遇だけに響く「能力評価」が先行しすぎる感じもする。お年寄りが処遇評価に参加するのは好ましいが(信頼性が問題になる)、上司だけが評価をするようになるだけだ。
さらに「経営者・管理者と従業員が経営方針、ケア方針を共有する機会を設ける」も39.6%ある他、「業務改善や効率化等による働きやすい職場作りに力を入れている」も39.3%ある。こうした方策も4割近くの事業所が行っている。ただ、共有する機会を設けるのは良いが、経営者・管理者がもっぱら話をするだけであれば、伝えるべき事業員にとっては逆効果になりかねない。真に共有というのは難しい。その他、20の方法があるが、どこもやっていることのようだ。
このページの目次へこれも転載である。戯画化して描いてあるが「老い」とはこうしたものだと認めることを得なくなる。個人差があるだろうが、書いてある通りに「侘しい」存在である。NPO法人「札幌・障害者活動道支援センター・ライフ」が編集している『アドボケイト』(第131号、2011年10月10日)に書かれている「ヘルパー派遣業務・在宅介護支援 ヘルパーステーション 繭結(ゆい)」の管理者でも笠井衛二さんの原題「老幾育学入門2」という連載をもち原題「還暦王子の誕生秘話」で、書かれている内容は「被害者意識」に溢れている。団塊の世代よりは年長である、私もその通りと言う話が多いと感心した。この文章の転載を編集者の承諾してもらったので、題名も私流につけるし、中見出しも合わせてつける。改行もあわせて行ったところもある。最後に読んだ感想をコメントという形で付けさせてもらう。この記事を始め数多くの働いている人が実名で21名も登場するのがこの号の特徴のように思える。傘下に札幌リユースプラザ、元気ジョブ、たね通DAY、たねやモモ、きばりや、ひなたぼっこ、ヘルパーステーション繭結、もじやなど色々な場所で働いている人たちが思い思いに語っている。さらにはセンターで扱っている「北の海鮮めぐり・特選ギフト」まで付いている。珍しい物やお買い得品があるだろうか。ぜひ直接読んで欲しい。
「老いを育てる・老育学」入門の2回目として、老いの過程・兆候を団塊レベルにあわせて記すことにしたい。
精神的な問題として、注意力の散漫がまず挙げられる。作業工程が10あり、成果はそこそこ9か8でこなせるとしたら、老いるとは、7くらいしかその集中力が発揮できない。悲しいのは、10注意しているのに、何かがぼっこ!と落ちている結果と出会う事実だ。
注意!注意!と意識しても、左が疎かになり、左に気を配ると正面がという具合に、常に不充分が新陳代謝となる現実に戸惑う。そう、惑い!これが老いの芽生えである。
この過程で家族の反応も現われてくる。なんかおかしい。昨日と同じ事を話している。話を一回で理解していない。なんか、いや絶対におかしい。家族がくだす、これらの直感と観察力は恐ろしく正鵠で残酷である。
正確で厳格で冷静な了解が家族の中で共有され、老いるのは肩書きなしに例えば「物忘れ」は、認知症と格付けられ、老いを認識し育てる当人に「物忘れ=認知症」宣言はあまりにも過酷である
自覚があり、物忘れなどをどのように取り繕うかと思案中に、「あんたは認知」とバッサリと家族に切り捨てられたのだ。そのうえに、何度も繰り返される「さっきもいったでしょ!」「何回もきいたわ」「もう忘れたの?」の独唱・斉唱・輪唱の大合唱の毎日、かくて老いは、家族に反抗し、道を誤り愚連な時を強いられる結果となる。まさに老いの非行化(問題行動――原注)である。
どうであれ、健全な老いを育てねばならない。老いの兆候を悪性と予断するような悪意のある偏見を排さなければいけない。
また監視と挑発に負けない自覚と誇りが不可欠である。これが大変な作業。家族はいつどこで「認知症」するか監視しているし、事あるたびに「認知症」を試そうと挑発をする。ここから家族は助け合う仲間から、責め立てる敵となる。
私は信用も期待もされないただの攻撃目標物体!と自覚せざるを得ない現実。終わりのない老人性欝の始まりである。
老いることは悲しい事ではない。
忘れたり出来なくなっていくことは、それらが不必要になっただけである。赤子に帰るのではない。不浄を捨てただけである。
頑固ではない。正しいものは正しいと素直な心根を説いているのだ。
けど書いていて、どんどん寂しげになっていくのはなぜ?
老いを育てる・老育学も2回目となった。が、若さ信仰解脱をめざす科学的理念と、ため息人間学に基づいた本論を、残念だが今だに、んまー寂しい、悲しい、愚かしい・・・との意見で一杯。某北区(札幌市――大谷注)の主任ケアマネは「私と同じ年で、なんてざま!情けない」と手厳しい叱咤。
さもあらん。かのごとき非難迫害はガリレオやビートルズ、宮沢賢治などありき。恥じるべきにあらずと声を大きくすればするほど、これこそ老いの被害者意識増大。といいつつ、ついに還暦を迎えた。赤い帽子にちゃんちゃんこ。
まさに還暦王子の誕生といえる。
思えば20歳の「二十歳を美しい歳とは誰にもいわせまい」と、とがった世界も、30歳で家庭の重さを実感、おとなしく生きようと確認。
ただひたすらにお上の下知に従い、家族の狼藉に耐え、悲恋と苦悩と冗談に彩られた60年余。
そんな小さな喜劇悲喜劇(回文――原注)を経ての、還暦王子の晴れ姿なのだ。
これが「繭結(ゆい)」の管理者笠井衛二さんの文章全体である。
戯画化している文章だが、歳とって「老いる」とはまさにこの通りだと実感した。それで転載を申し入れていたが、書き写す過程でズバリと書いてあるので最後まで終えることができるのかと思った。
まさに文章にも書いてあるように集中力が途切れることがある。財布や手帳や重要な文書類を失う場合が多い。注意がどこに行ったのであろうか。先ほど置いたはずだが、置いた事を忘れているのだ。
口が達者で要領を覚えているのだから、表面を取り繕いに長けているのである。10の力が必要な場合は、通常の場合は6の力をだせば他の人に比べて足りると判断するから、その様に力を節約する。力が衰えている歳を取っていることを忘れている。そこで出来ないと抜け穴に落ちてしまう。
北区のケアマネが言う通り、高齢者は人によって症状は異なるし、程度も異なる。高齢者は症状の表われ方も多様である。私については、今のところは「認知症」も兆しがない。
注意して欲しいのは、同じ高齢者といっても同様に扱わないことだ。認知症の人なども前に経験があるからといって、症状が異なるのであるから初めて出会った人に接すると言う認識が必要だ。この前と同じ状況だと思っても、突如として状況が変わる場合もある。
一緒に生活していた人に生活してきた歴史などを聞いて見るのがよい。ひょっとすると思い出すことができる可能性もある。家族が正確な判断を下すのは、文中に述べられている。日常一緒に暮らしているのだから、変化に気付くのは当然だろう。
その人の歴史を熟知する必要がある。かつて出来ていたことも出来なくなるので、本人も歯がゆい。歴史的な産物である人生を知って欲しいと願う。
もしあることが出来なくなったら、その場合は、ある機能が人生で必要なくなったのだから、大げさに取り上げないで欲しい。高齢者に沢山の仕事を申し渡さないで欲しい。余裕があるほうが望ましい。ある意味ではかつて批判されていたが「窓際族」扱いしても良いようだ。
例えば、人よりも歩くのが遅れても、それは高齢だから仕方ないと思う。高齢者の立場になると、いつも頑張れと言わないで良いと欲しい。なお最近、気になることは「自立して<闘うこと>はすばらしい」と思うが、病と闘わない人もいるという願いだ。
このように書いても、本文にあるように「どんどん寂しげになっていくのはなぜ?」という疑問は残る。あるNPO法人の関係者に言わすと「人間は長生きしすぎたのだ」という。その間に介護保険を利用し、他人の介護労働を必要とするようになったということだ。
それでもどんどん寂しげになっていくと感じるのは「死への道筋」として、受け入る必要があるのか?分からない。
このページの目次へこれも転載である。「高齢社会をよくする女性の会・大阪」が発行している『高齢社会をよくする女性の会・大阪』(第75号、2011年10月22日)が「介護保険ホットライン実行委員長 吉年千寿子さん」がお書きになっている巻頭論文「今年もやりました!介護保険ホットライン」と「<介護保険ホットライン2011・関西>から見えてきたこと」を執筆者の承諾を得たので、ここに転載する。同誌には「総会に参加して」という記事など「運営委員会だより」「勉強会だより」と樽谷かず子さんの「社会保障の今とこれから」、現代表による小林敏子さん「認知症への対応」と題している文章ほか、86歳になられた本田博子さんの「超高齢期を生きる」と被災にあって「うち(家)の大切さ」を語る山田芳子さんの「<東日本大震災>から呼び起こされた記憶」なども掲載されている。女性の文章ばかりで構成されている。ぜひお読みいただけるとうれしい。転載に当たっては見出しを私の流儀で変えることと中見出しを私の流儀でつくることなどを約束した。最後に読んだ感想を私がコメントを作る事を承諾していただいた。吉年さんの全文章は以下の通りだ。
今年も(2011年)6月下旬の3日間、第2回目の「介護保険ホットライン」を開催し、その報告書を会報75号と共にお届けしています。今回は「街づくり夢基金」の助成を受けたこともあり、高齢者の暮らしを見据えた街づくりに介護保険制度が要となって欲しいとの期待を込め、昨年から引き続いて、当会の大きな事業として取組んできました。
昨年のホットラインでは介護保険外の暮らしに関わる相談が多々あったことから、近隣の自治体サービスについて調査を行い(自治体の高齢者福祉サービス一覧 2011)、その結果を表にして報告書の中に組み込んでいます。
今回のホットラインも東京・富山と同時開催しましたが、東日本大震災が起こって3カ月という時期であり、社会の関心が震災の方に集中しがちであったこともあって、昨年に比べ相談件数は少なく、東京61件、富山10件、大阪45件、計116件でした。
次回に向けて反省しなければならない点は多々ありますが、今回のホットラインにいただいた貴重なご意見の中には、震災によって亡くなられた方々や、現在も過酷な暮らしを余儀なくされている方々への思いも込められているものと真摯に受け止め、浮かび上がってきた課題をこれからの活動へと繋げるつもりです。
現代の超高齢社会では、充実した在宅介護サービスがあって初めて、住み慣れた我が家で暮らし続けることが可能です。
要介護度の低い配偶者が、要介護度の高い配偶者を介護している高齢者夫婦介護はどこにでもあり、60代70代の子世代が80代90代の親世代の介護をしている老老介護も珍しくありません。
今回のホットラインでも、90歳の心臓疾患をもつ夫が認知症の妻の介護をしている事例がありました。「“在宅、在宅”と気安く言ってもらっては困る」との訴えは切実です。
介護を含んだ高齢者の暮らしを支える街づくりには何が必要かということを基に、私たちが望む介護保険の在り方を改めて考えたいと思います。
これが吉年千寿子さんによる「巻頭」でお書きになった最初の文章である。次に同じ筆者が「<介護保険ホットライン2011・関西>から見えてきたこと」から全文を転載する。
今回のホットラインでの相談内容とその分析は、報告書の中に詳しく掲載していますが、ここでは特に、在宅介護に関して浮かび上がってきた課題について要点をまとめてみます。
介護保険制度ができて12年になりますが、これまで改正の度に制度は複雑化し、初めて使う人には難しく、使いにくいものになっています。昨年今年と「自分は介護保険料を支払っているのか」という相談が複数寄せられていることをみても、制度が十分理解されているとは言えません。
一つには、市町村の公報活動が、制度発足時ほどは熱心に行われなくなっていることにより、新たに介護保険に関わる人に情報が行き渡っていないことが窺えます。
その上に保険料が年金から強制的に天引きされることで、「介護保険料を納めたくない、使わないなら見返りがほしい」といった意見が出てくると思われます。
介護保険の認定を受けても、その介護度の範囲では利用者や家族が満足できるサービスを受けられないという不満がいくつかありました。
在宅介護成り立たせるためには、適性かつ柔軟なケアプランの作成が必要であり、認定された介護度内でどこまで介護保険を活用できるかはケアマネジャーの力量にもかかってきます。そのためには、情報公開により利用者が良いケアマネジャーを選ぶことのできるような体制が望まれます。
さらに、介護保険外で自治体やNPO団体などが行っているサービス情報を、高齢者にも手に届きやすい形で提供することも自治体の大切な役割であると考えられます。
今回の相談者の中にも一人暮らし高齢者や高齢者世帯は多く、要介護状態になった時にどうなるのかといった不安や、経済面からの生活不安があちらこちらに垣間見られました。
高齢夫婦や高齢親子の老老介護は、ますます深刻なものになってきています。
在宅介護をしている家族が疲れ果ててしまわないように、家族を支えるための精神的ケア、ショートステイ、デイサービスなどを利用したレスパイトケアの充実体制が、是非必要です。それと同時に、一人暮らし高齢者を支えるセーフティネットの構築が差し迫った課題でもあります。まずは自治体の緊急対応システムや権利擁護事業の整備が求められます。
地域包括支援センターが設置されて5年が経過したにもかかわらず、未だに介護予防ケアプランの作成業務に追われ、総合相談窓口としての本来の役割を果たしていません。
「地域包括ケアシステム」が来年度から見直されるに際して、地域包括支援センターがその中核を担えるよう、利用者の側からも具体的な要望の声を上げ、地域の介護拠点としての役割を果たすように仕向けていくことも大切なことです。
「住み慣れた地域で安心して介護を受けて暮らし続ける」ことは、誰しもが願っていることであると確信しています。 以上が吉年千寿子さんの「<介護保険ホットライン2011・関西>から見えてきたこと」と題する文章の全文である。
市民から見ておかしい点は問い直す。このことは介護保険だけではないが、どうも自分たちが勉強して知ったことと違っていることについては、解釈を改めるように迫ることが必要だ。
介護保険制度は行政の力だけで作られたのではない。市民が注文をするように創られた歴史がある。専門家がひとり占めできないように比較的単純に作られているはずだ。確かに制度改正によって複雑になった点があることは否めないだろう。
上記の文章で、市町村の担当者も替わったから、制度について熱心ではなくなったという指摘があるが、その通りだろう。事業者がいかに利益を上げようと勉強をしている。市民は常に利用する立場であるが、介護保険について勉強をする必要がある。
老老介護や親の世帯を60代の子ども世帯が介護するというような事例はまだあるということがオープンになっていない事例がある。宣伝の材料だろう。行政側には介護保険制度で事態は解決したように見えているという情報の奇妙さがある。
本当の所はどうであるのか。どのくらいの割合だろうか。データを是非知りたい。一般に社会保障制度について、制度を利用することが必要な人こそ利用しない人が多い。
自分たちで介護保険の実態について調べて見る。とすると「介護保険ホットライン2011」もその取り組みだったことが明らかになる。相談に応じた人やアンケートに答えた人を組織化することだ。
障害者等は、自分たちで交渉するのが最善だとする。自治体毎に様相は違うから、個別バラバラに交渉するよりも、一塊になって交渉する方が有効だ。一緒になって「連れもって行こう」というわけだから効果が上がる。
自治体間における食い違いもはっきりする。違いがあれば攻撃する武器はできる。住み慣れた地域の実情を活かせることができる。現場に同行することもできるだろう。
このページの目次へ2011年6月11日に大阪市内阿倍野区本拠を置いているNPO法人の「エフ・エー」から定期総会で決まった各種議案が送られてきた。それを紹介する。
2010年度の事業活動報告では、このNPO法人では「有償ボランティア活動」(あるいは「ふれあい活動」とも)と呼ばれている「地域住民同士の相互助け合い活動」には総会員数は144人であるが活動時間が693時間となっている(平均4.8時間の利用である)。この活動は、介護保険適用では対応がし難い生活支援を子育て支援が多くを占めているという(ここで「子育て支援」が高齢者世帯では大きな割を占めている。社会教育事業では「子育てボランティア養成講座」が行なわれている)。
利用会員は1時間当たり600円(交通費別途)を支払う。活動会員はボランティアであり、最低賃金よりも安い600円(交通費別途)で仕事をする。活動会員確保が事業の要であるが、このNPOでは区社会福祉協議会と一体になった「生活・介護支援サポーター養成講座」の開催(受講終了29名)が行なわれてこの期で活動会員5名の新期入会者を獲得した。講義と担い手である活動会員の獲得が一体になった仕組みが必要だろう。「地域で助け合い」を宣伝を単独で行なうよりも、区社会福祉協議会の広報誌(回覧板がまわったともいう)が募集に威力を発揮した。
2008年度は681時間であり、2009年度は625.5時間と減少したが2010年度には693時間と微増したという。厚生労働省は「地域で助け合い」と盛んに言っているが実質は最低賃金以下を容認しているし、利用者も1時間あたり600円(最近の介護保険保険料の1割)の負担を行なっていることには変りない。
他人の力を借りようとすれば、それなりに有料なのは仕方ないかも。そうであるとすれば、一時的低所得者には負担を低減する方法も考えたら良いのではと思う。サービスを行なう人と利用する人との関係作りや、NPOの提供しているサービスの質が問われるであろう。
介護保険報酬適用が難しい「病院への通院介助」や「大掃除・換気扇や窓拭き」などの、ちょっとしたこと家事支援(庭仕事など)が必要な場合がある。その場合は「ふれあい活動」以外にボランティア有料サービスが準備してある。
その場合の負担は「家事代行サービス」を活用すると「2時間4000円(最低2時間から)追加料金30分1000円」だという。「おそうじサービス」は「2時間(基本料金)5000円、事前相談、無料見積もりにて承ります」とある。まるで商売で修理を行なっている感じだ。極端に料金を低くするわけにはいかないと思われる。
利用者も望んでいるので、プロの手を借りたいので依頼するようだ。依頼に対してどうも契約している業者があるようだ。そのためか収入は年間276万円に対して支出は301万円と赤字になっている。
事業報告によると「この事業に充分な人材、資金が投入できなかった」という。事業者間の競争が激しいだけではなく、サービスを求めている潜在利用者はいると判断しているようだ。
介護保険を利用したヘルパー派遣事業(この法人では「はなまる介護サービス事業」という。地域に馴染んで欲しいのか「はなまる」と名づけている)は、2011年3月末では介護予防について利用者(要支援)は16人と要介護は19人となっているそうだ。要介護率54%はこうした訪問介護事業では当たり前であろうか。
大阪市内の住民を対象にしている。介護報酬からの収入が1702万円であり、それに必要な支出は1664万円となっている。NPOの財政は会費で賄われているが個人賛助会員は112名である。
介護報酬に関しても「上積みは期待できない」と読みきっている。規模が中小のNPOでも運営ができるように考慮する必要があるだろう。
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