教則ビデオレビュー

1、ギター

2、鍵盤

3、ベース

4、ドラム

5、その他

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はじめに

 教則ビデオは基本的に値段が高い。せっかく高い金額を出して買っても自分の意図していた内容でなかったりするとがっかりするものである。有名な演奏者であってもいざ教則ビデオの内容はただの「自慢ビデオ」のような内容だったりする場合もある。結局内容を判断するのはその人次第ではあるが、せめて「はずれ」ないために、「こういう内容なんだよ」という部分を紹介していきたい。

1、ギター
 一番演奏経験の浅い楽器なので、初心者の観点から見た内容で評価したい。

John Petrucci「ROCK DISCIPLINE」
 Dream Theaterのギタリスト、John Petrucciが出ている1本。最初は柔軟体操から入り、運指のストレッチから速弾きのためのトレーニング、コードの説明までロックギターを勉強したい人に持って来いの内容。John Petrucciファンでなくてもギターを始めたいという人であれば勝手も損は無いだろう。

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2、鍵盤
 一番自分の演奏経験が多い楽器であるが、教則ビデオの中ではギターやベースと比較すると種類が少ない部類であるだろう。

福田裕彦「かんたん!実践!キーボード・コードワーク」
 コードワークに関する内容。他の教則ビデオから比べると安いのが魅力。ただし値段が安くても内容は充実しているので、試しにと言う気持ちで買ってみてもいいだろう。この内容を応用するには、コードの勉強をしておけばいっそう役立つかも。

大高清美「あなたは弾ける!ジャズ&ロックオルガン」
 オルガンの構造からオルガンの一般的な演奏テクニック、ロックやジャズで有名なオルガン奏者の演奏の解説と、これからオルガンを始めようという人には持って来いの内容。

Dave Limina「キーボーディストのための演奏能力開発エクササイズ」
 演奏能力開発シリーズのキーボード版。数少ない鍵盤の教則ビデオの中で1番総合的な部分でためになる1本だと思う。基本的には5本の指が独立して動く(肉体的な部分はでき上がっている)ことを前提としている内容だと思う。そういう点では初心者には難しいだろう。

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3、ベース
 初めてやった弦楽器ということもあって自分が所有している教則ビデオの本数は一番多い。

水野正敏「図形式!ベーシストのためのソロ構築法」
 ベーシスト水野正敏が出した、ソロの弾き方の教則ビデオ。理論的な話はとりあえず置いといて、とにかくアドリブで演奏したいという人にはお勧めの内容。それでも最後のほうでは結局コードの話が出てきているので最終的には勉強しなさいということか。

水野正敏「ウォーキング・ベースの常套句」
 同じく水野正敏が出した、ウォーキング・ベースの教則ビデオ。「丸覚えでも結構です」と言うフレーズから「水野正敏バージョン」まで幅広く演奏パターンが見れる。個人的にはさらに押し進めてその時のコードでの構成音まで勉強していったほうがこのビデオがさらに役立つと思う。

納浩一「すぐ弾けるジャズ・ベース」
 納浩一の、ランニング・ベースの教則ビデオ。ランニングベースでの音の構成からわかりやすく説明している。このビデオの目標としてC(メジャー)のブルース進行でランニングベースを弾くことを目標としている。コードの知識は必要であるが、難しい内容ではないので初心者でもわかりやすいだろう。

Anthony Vitti 「ベーシストのための演奏能力開発エクササイズ」
 演奏能力開発シリーズのベース版。ベースの演奏に関して肉体的な能力を発達させるための練習が多い。初心者にはお勧めだが、中級者以上は物足りなく感じるだろう(自分がそうだった)。

Anthony Vitti 「ベーシストのための演奏能力開発エクササイズ2」
 演奏能力開発シリーズのベース版の第2段。スケールの話が出てくるので上記の「1」に物足りなくなってきた人が見ると言いだろう。定番フレーズ的な練習は少ないので常套句シリーズを見たほうがいいだろう。

Gary Peacock 「THE ACOUSTIC BASS」
 アコースティックベースを始めから覚えようというにはちょっと的外れな内容。どっちかというと指板を押さえる時の力加減はどのくらいがいいかとか、聴音をする時の考え方を話しているのである程度弾き方が頭の中に入っていないと見てもためにならないだろう。

下野人司「スラップ・ベースの常套句」
 常套句シリーズのスラップ・ベース版。いろいろなジャンルの曲(コード進行)をそれぞれ3パターンずつアレンジして演奏している。演奏の方法だけではなく、こういうコードのときはこういう音ガ使えるというような勉強をするにも持って来いの内容。

クリス・ミン・ドーキー「クリス・ミン・ドーキー直伝 アップライト・ペース奏法」
 副題に「エレクトリック・ベースとの演奏比較考察」とあるように、エレキベースを弾いている人に「アップライトペースはこんなに良いんだよ」って言うことを話している部分が多く、これからアップライトベースを始める人がどういう運指が必要かということはあまり触れていない。とりわけクラシックのコントラバスの運指を重視するひとにはあまりお薦め出来ない。

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4、ドラム

Dave Weckl「Natural Evolution」シリーズ
 ドラマー、Dave Wecklが出しているシリーズ。3本出ており、「テクニック」、「プラクティス」、「サウンド」という構成になっている。
 「テクニック」ではドラムヘッドのテンションを利用していかに効率良くスティックワークをこなして効果的にドラムを鳴らすかということを説明している。ただし、あくまで「効率良く」であり「楽をして」ではないことを付け加えておく。個人的には、この内容はフィンガーコントロールがきっちりでき上がっているひとのための内容な気がする。ある意味上級者向け。
 「プラクティス」は文字通り練習方法を説明している。この内容がその人に合っているかどうかはそれぞれなのであえて評価しない。どういうふうに練習していいかわからない人は一見の価値あり。
 「サウンド」はチューニングの方法からマイクで録音する時のマイクの立て方、エフェクトのかけ方まで説明している。

菅沼孝三「ツーバス&フットワーク」
 タイトル通りの内容。フットワークに関する演奏方法から練習のパターンを詳しく説明している。足を強化したい人にはお勧め。

江尻憲和「ルーディメント|ドラム」
 ルーディメン度に関して詳しく説明しているが、26あるはずのルーディメントの全てが載っていない。それでもきっちりおぼえれば基本はでき上がるだろう。

村上"ポンタ"秀一「ONE&ONLY」
 これは全くの初心者にはお薦め出来ない。「この人のドラムの考え方はこうなんだ」ということを理解出来るような人がみるべき。ポンタファンには超お薦め。

岩瀬立飛「フィルインの常套句 ジャズドラミング編」
 丸々コピーするも良し、自分なりに解析して独自のフレーズを作るも良し。ジャズドラムを始めてやるにもどんなフレーズがあるかということを知るには良い内容。

ジェフ・ポーカロ「ジェフ・ポーカロ」
 「なんでこんなに短い時間で説明しようとするの?もっと長い時間をかけて説明してよ」っていうくらい短い。そして内容が濃い。こう思うのは自分がポーカロファンだからか?しかし、DVDは強制的にチャプターごとに画像が切れてしまうのでストレスが溜まる。

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5、その他

赤川新一「エンジニア直伝 生楽器を録る!」
 タイトルの通り、ボーカルを含めたアコースティック楽器をマイクで録音する時のセッティングを詳しく説明している内容。マイクの立て方の考え方がこれで理解できると思う。タイトル通りの内容を勉強したい人には申し分ない1本。

guillermo mcgill「Aprende el cajon flamenco」
 カホンをこれから始めようとする人には良い内容。ドラムをやっている私からすると「教則本でも良かったかな?」っていうくらい詳しい内容。手拍子だけやっている二人の女性が妙に「浮いたている印象」を受けたのは私だけだろうか?

斉藤ノブ「コンガ&ボンゴ2 +カホーン&ジャンベ」
 これを書いている時点でこの前作がどんな内容だったかを知らないのでなんとも言えないが、個人的にはコンガ&ボンゴが7割、カホーン&ジャンベが3割といった内容。ただし、ジヤンベは予備知識が全く無いので解らないが、前述の「Aprende el cajon flamenco」を見た後にカホンのためだけにこのDVDは買わないほうがいい。内容が薄すぎる。

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