エスニック

脱ぎっぷり

 掃除機をかける仕草や食器を片づけたりするなど、ゆうたも大人のマネ(と言うか私のマネ)がすっかり様になってきた。
 特に掃除機には心底惚れ込んでいる様子で、折り畳み傘やプラレールを持たせるといつまでも床をなでている。

 先日、ちゅまがお迎えに行った時も一人黙々と園の床をなでていたらしい。帰りしな保母さんに「ゆうた君、ちゃんとゴミ箱とかイスをどけたり戻したりして、なかなか芸が細かいですよ」と言われ恐縮して帰ってきた。

 しかし、大人のマネがそんな細部まで再現できるにもかかわらず、自分の服が満足に着れないことはこの上なく不愉快らしい。

 最近着替えの時にグズることが多くて手を焼いているのだが、第一の理由は自分で着替えたいこと、次の理由は自分で上手く出来ないことの様だ。

 朝などは気の済むまでやらせてやるほど時間に余裕が無いので、終いは無理やり着せることになるのだが、その時の抵抗のし方は凄まじく、着せても着せても脱いでしまう。
 ベストやジャンパーなどは郷ひろみも弟子入りしたくなるであろう脱ぎっぷりである。

 脱ぐべき時に脱げないくせに、こういう時は実に鮮やかなのが皮肉なものである。



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