子どもが生まれると、ひとしきり「どちらに似ているか」ということが話題の中心になる。ところがよくしたもので、赤ん坊の頃の顔は随分コロコロと印象が変り、一時父親似かと思えば、しばらくするとなんとなく母親似になったりする。 毎日顔を見ているとピンとこないが、ほんの数ヶ月前の写真と見比べてみても、「ああ、随分変ったなあ」と感じさせられ、なんだか両親の遺伝子がどっちに似させるかを競っているようで面白いものである。 とはいえ、私とちゅまの顔はまるで異なるつくりなので、ゆうたの顔のパーツの中にはどちらの遺伝子が勝利を得たかがハッキリしている部分もある。 例えば耳。ちゅまの耳は丸くて小さいが、私のはとんがり型で立っている。まるで「スタートレック」のエポック船長のようだ。 気の毒なことにゆうたの耳は私に似ている。 例えば頭。ちゅまの頭は小さくて形が良いが、私の頭はデカイ上に幅広・偏平、やや絶壁気味である。まるでTVに出てくる「衝撃映像:捕らえられた宇宙人(資料提供NASA)」そのままである。 気の毒なことにゆうたの頭は私に似ている。 先日、定期検診のためちゅまが病院へ連れていった時、医者がゆうたの頭をしげしげと眺め回し、ちゅまに一瞥をくれてから一言、「頭の形は遺伝するからねぇ、パパが絶壁君なのかなぁ」。 いらぬことを言うものだ。 その一言がなければ、ちゅまがそのことを報告しなければ、私は今の今まで自分が絶壁だったとは夢にも思わなかったに違いない。こういう不用意な一言で全国の「自覚無し絶壁君」達は深く傷ついているのである。まったく人騒がせな医者である。 それはさておき、最近ゆうたは2重サッシの間がお気に入りなのだが、悲しいことにこのスペースに出入りするには横向きでなければならない。正面を向いて挑んでも幅広の頭が支えるのである。 いい加減そのことに気付いてもよさそうなものだが、いつでも最後は真っ向勝負を挑み、結局出て来れずにパニックに陥っている。 この程度の学習能力ではまだ「日光猿軍団」にも勝てまい。 まさか、これも私からの遺伝ということはないだろうな…。 |
![]() だからその向きはダメだっちゅうのに・・・ |
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