
■ [ 2002. 5.13 更新 ] 道路交通法改正関連の意見、読売新聞に掲載
6月より、悪質運転者への処罰強化を主な改正点とする「新道路交通法」が施行されます。その中で、
とくに力点がおかれている飲酒運転の累犯について、読売新聞が特集記事を5月12日に掲載しまし
た。赤字がそこに載った私の意見です。
読売新聞(2002.5.12版)【来信・返信・反響を追う】より
昨年11月、バイクの事故で長男(当時19歳)を失った角田真喜子さん(48)(群馬県)の投
書「被害者の思い法廷で伝えたい」(4月16日)には、飲酒運転を繰り返すドライバーに息子の命を
奪われた無念の思いがつづられていた。
◇
角田さんは、事故の公判の中で、バイクと衝突した車のドライバーが過去に飲酒運転で2度摘発
されていたことを知って唖然としたという。
交通事故総合分析センターに聞いてみると、1995−2000年に起きた死亡事故の加害者5
万344人のうち、飲酒していたのは15.3%に上る。99年でみると、飲酒運転で人身事故を
起こした17737人の中で、過去4年間に飲酒運転で摘発されたことがある人は2633人と、
ほぼ7人に1人が″再犯”だった。飲酒運転の惨禍をなくす方策はないだろうか。
飲酒運転には当然、罰則がある。来月から施行される改正道交法では、飲酒運転の基準となる呼
吸中のアルコール濃度を引き下げるとともに、飲酒運転の罰則を懲役「3月以下」から「1年以下」
に、行政処分の点数を「6点」から「13点」に引き上げた。
警察庁の担当者は「罰則などの強化で、悪質な運転者は排除される」としているが、その抑止効
果を疑問視する声は少なくない。たとえば飲酒運転で死亡事故を起こした場合の免許取り消し期間
は、「1年」から「2年」にのびるに過ぎない。
全国交通事故遺族の会の戸川孝仁副会長は「飲酒で事故を起こすような人に、二度と走る凶器を
持たせてはいけない」と一層の罰則強化を訴えている。
また、罰則の中に、飲酒運転をさせないような「心の教育」を取り入れようという動きもある。
5年前、飲酒運転の車に次女みずほさん(当時20歳)の命を奪われた千葉県の飯田和代さん(5
7)は先月、米国ニューヨークで「飲酒運転に反対する母の会(MADD)」の活動を視察した。
そこには、裁判所から、飲酒運転の罰金とともに、「MADDで奉仕活動をせよ」と命じられた
人がやってくる。そして飲酒運転の犠牲者たちの遺影を前に、肉親を奪われた会員たちの話を聞い
ていた。MADDの会員は約300万で、全米約600カ所で活動しているという。
「米国では、司法手続きと民間が連動した再犯防止策が定着している」という飯田さんは帰国後、
MADD日本支部をつくろうと、ホームページなどで賛同者を募っている。
「私は、次女を失って5年間立ち上がることができなかった。遺族の苦しみを救うとともに、新
たな加害者を出さないため、一人でも多くの人に手を貸してほしい」と呼びかけている。
◇
警察も3年前から、飲酒運転の再犯者講習で、被害者遺族の話を聞かせる試みを始めた。しかし
講師を引き受ける人がまだ少なく、取り組みは、北海道と富山県、京都府の3カ所にとどまってい
る。飲酒運転の常習者の追放には、罰則の強化とともに、被害者遺族の悲痛な叫びに耳を傾けさせ、
″飲酒の罪″を自覚させることも必要だろう。警察など行政機関には、遺族の思いを無駄にしない
対応を求めたい。(積 光浩) |
■ [ 2002. 2. 2 更新 ] 酒気帯び行政処分強化、6月からの施行決定
酒気帯び運転のアルコール濃度基準値を引き下げて、違反の対象を広げることなどを柱とした改正道
路交通法施行令が、1日の閣議で決まった。悪質な違反の罰則を強化した改正道交法とともに、6月
1日から施行される。酒酔いや共同危険行為などで死亡事故を起こした場合、最高15年の懲役を科
す刑法の「危険運転致死傷罪」も昨年12月から施行されており、「悪質なドライバーに対する厳罰
化」を求める世論に、刑事罰と行政処分の両面でこたえる体制がようやく整った。
酒気帯び運転の基準値の見直しでは、アルコール呼気1リットルあたり0・25ミリ・グラムを、0
・15ミリ・グラムまで引き下げる。現行では、体重60キロの成人がビール大瓶2本を飲んでも、
30分以上たてば検出できなくなり、違反に問えないケースが多かったが、新たな基準ではビール大
瓶一本でも15分以内なら検出可能で、その場合、免許停止になる。
警察庁が、今回の措置に踏み切ったのは、酒を飲んで人身事故を起こしても、基準に達しないため処
分できなかったケースがここ数年、急増しているため。一昨年は全国で9446件と、1989年(
3964件)の2倍を超えた。同庁は、酒気帯び運転の基準を厳しくして、飲酒運転を許容する風潮
に歯止めをかけたい考え。
酒酔い・酒気帯び・共同危険行為・ひき逃げなどの悪質な違反や、死亡事故の違反点数も倍近くに引
き上げられた。これによって、酒気帯び運転をして人身事故を起こした場合、現行の免許停止から免
許取り消しになり、ほとんどが免許停止だった死亡事故や、3か月以上の重傷事故なども、原則免許
取り消しになる。
さらに、悪質な違反による死亡事故で免許取り消しになった人が次に免許を取得できるまでの「欠格
期間」も、最長3年間から5年間に延長される。
一方、過去5年間に3点以下の違反が1回だけで、人身事故を起こしていないドライバーは、免許証
の有効期間が3年から5年になる。精神分裂病、てんかん、低血糖症、そううつ病など、これまで運
転免許が取れなかった精神障害者なども、専門医の診断を受けて一定の条件を満たせば免許の取得を認
められることになった。
読売新聞(2月1日12:00)
■ [ 2002. 1. 18 更新 ] 読売新聞 2002.1.11 朝刊より
欠格条項撤廃で進む障害者の運転免許取得。新条件設には障害者団体、事故遺族の会双方から懸念が
「このままでは、障害者の社会参加が制限されてしまう」。障害者の差別撤廃運動を進めてきた「障
害者欠格条項をなくす会」は8日、警察庁との協議の席上、同庁が先月公表した道交法施行令の改正
試案の大幅な見直しを訴えた。
今回、施行令が改正されることになったのは、昨年8月に成立した改正道交法で、精神病者や特定の
身体障害者などの免許取を一律に拒んできた欠格条項が撤廃されたため。その代わりに施行令を改正
し、精神分裂病、てんかん」低血糖症、そううつ病といった病名や障害名を具体的に指定したうえで、
症状に合わせた免許取得の条件を規定することになった。
その改正試案では、たとえば精神分裂病の人も、主治医の診察や、専門医による臨時適性検査で「症
状が軽いか、再発の恐れは認められない」と判断されれば、免許を取得できることになる。
同庁によると、現行制度では臨時適性検査を行うかどうかは、過去の交通事故で偶然見つけた病気の
症状で判断するしかない。
このため試案では新たに、英仏両国や米国の一部の州の制度と同様、自己申告制を導入することにし
た。申請書類には「過去に病気で意識を失ったことがあるか」といった質問条碩を設けて、該当者に
はチェックしてもらう形式になる見込みだ。
こうした手続きについて、なくす会が最も問題視しているのは、病気にかかっているというだけで危
険性を疑われてしまうという点だ。同会共同代表の牧口一二さんは「試案は『障害者だから人をはね
る危険がある』という発想に基づいており、障害者に対する差別を助長することにもなる」と懸念。
「持病があってもセルフコントロールをしながら安全に運転している人の免許まで奪われる可能性が
ある」とも指摘する。
これに対し、警察庁は8日の協議で、身体障害者に免許取得に必要な補助器具などのアドバイスをし
ている「運転適性相談窓口」を充実させ、精神障害者の免許取得に向けた環境整備を進めることを約
束した。ただ、交通安全を確保する観点から、試案の見直しは不可能との見解を示している。
一方、まったく逆の視点からの懸念や批判も少なくない。
中でも、「全国交通事故遺族の会」は、現行の欠格条項に該当する人に対し、▽免許申請時に診断書
の提出を求める▽定期的な健康診断を義務付ける−ことを強く求めている。自己申告制と臨時適性検
査をセットで導入する今回の試案について、「それだけでは免許の有効期間中、ずっと事故を起こさ
ないという保証にはならない」というのが遭族の会の主張だ。
同会副会長の戸川孝仁さんは「安易に運転免許取得の条件を緩和して事故が起きた場合、世論の批判
が集中して、障害者の社会参加が逆に難しくなる可能性もある。制度を定着させるためにも、我々の
ような交通遺族も納得できる内容でなくてはならないはずだ」と主張する。
警察庁は今回の試案について17日まで一般から意見を募り、来月上旬にも改正施行令を公布する方
針だ。
新制度の趣旨は免許を取るべき人が取り、危険な運転者を制限することにある。その趣旨を生かし、
交通安全と障害者の社会参加促進が両立するか。現場の適切な運用が求められる。【社会部 星 春海】
■ [ 2001. 12. 21 更新 ] 酒気帯び罰則強化、免許取り消し対象も拡大 警視庁試案
悪質・危険運転の厳罰化を目的に道路交通法や刑法が改正されたのを受け、警察庁は20日、酒気帯び
運転のアルコール濃度の基準を呼気1リットル当たり0.25ミリグラムから0.15ミリグラムに引
き下げるなどの罰則強化を盛り込んだ道交法施行令の改正試案をまとめた。
死亡事故や全治3カ月以上の重傷事故もほとんどが免許停止だったが、付加点数を引き上げて免許取り
消しの対象とするなどして、行政処分も厳罰化する。
警察庁は9月に施行令の改正素案を公表し、国民の意見を参考に修正を加えた。今回の試案も意見を改
めて聞き、来年2月上旬に公布して改正道交法とともに6月までに施行する。
アルコール濃度が基準値未満の飲酒運転による事故が最近の10年間で約2.4倍に急増していること
から、酒気帯びの罰則対象を広げた。付加点数も引き上げ、酒気帯びや過労運転で人身事故を起こした
場合は、免許取り消しの対象とする。
死亡事故や全治3カ月以上の重傷事故、後遺障害の残る事故を起こした場合も、事故の付加点数を引き
上げて原則免許取り消しにするという。
免許取り消し後に再び取得できるまでの「欠格期間」は、酒酔い運転や共同危険行為など極めて悪質な
違反で死亡事故を起こした場合や危険運転致死傷罪を犯した場合は、1回目の取り消しでも最長3年か
ら5年に。酒酔いやひき逃げは1年から2年に延ばす。
道交法の改正で免許証の有効期間が3年から5年になる「一般運転者」は、「過去5年間の違反歴が3
点以下の軽微な違反1回だけで、人身事故を起こしていない者」と規定した。
[ 朝日新聞 ]
■ [ 2001. 9. 8 更新 ] 死亡事故は免許取り消し 処分基準の見直し案まとめる 警察庁
悪質運転の行政処分の強化を検討してきた警察庁は6日、死亡事故を起こしたり、酒気帯び運転をした
場合、免許取り消しとするなどの運転免許処分基準の見直し案をまとめた。今月28日までに一般から
意見を募集し、道交法施行令の改正案をまとめる。
見直し案によると、現行の違反点数は死亡事故が9点、酒気帯びが6点で、いずれも免許停止(6点以
上)にとどまっているが、これを取り消し(15点以上)となるよう点数を引き上げる。
死亡事故でなくても、被害者に重度障害が残った場合は点数を高くする。具体的な引き上げ点数につい
ては、意見を参考に決定するという。酒酔い運転など悪質な違反で死亡事故を起こした場合は、再び免
許が取得できるまでの「欠格期間」を現行の最長3年から5年間に延長する。
また、酒気帯び運転の基準(呼気1リットル中のアルコール濃度0・25ミリグラム)に満たない酒気
が検出されたドライバーが起こす事故が、昨年は全国で約9500件発生。10年前と比べてほぼ倍増
していることから、基準数値を引き下げることで酒気帯びの範囲を拡大する。
行政処分の強化は今年7月19日、「運転免許制度に関する懇談会」(座長・石井威望(たけもち)慶
応大教授)が提言したのを受けて同庁で検討してきた。見直し案に対する意見は電子メールとファクス、
郵送で受け付ける。
郵送は〒100―8974東京都千代田区霞が関2の1の2警察庁交通局運転免許課法令係
(ファクス03・3591・8692)。 電子メールのアドレスは soan-iken@npa.go.jp
( 2001-09-07-00:28 )[毎日新聞9月7日]
■ [ 2001. 9. 7 更新 ] 悪質交通事故、厳罰化へ 法制審議会
法相の諮問機関の法制審議会は5日総会を開き、刑事法部会が7月にまとめた悪質な交通事故の罰則を
強化する要綱案を了承、森山真弓法相に答申した。
飲酒運転などで人を死亡させた場合の罰則を、最高で現在の3倍の懲役15年に引き上げることなどが
主な内容。法務省は交通犯罪厳罰化法案として9月下旬からの臨時国会に提出する方針で、成立すれば
早い場合は、年内にも施行される見通し。
要綱は、悪質な運転で人を死亡させた場合の罰則を「1年以上の有期懲役」(最高懲役15年)とし、
現行の業務上過失致死傷罪の「5年以下の懲役・禁固」の3倍に強化。負傷させた場合も「10年以下
の懲役」へと引き上げている。
対象となる悪質運転は1アルコールや薬物の影響、無免許などで正常な運転が困難な状態2制御困難な
高速度走行3危険な速度での赤信号無視や割り込み運転−を挙げている。厳罰化の一方で、被害者の負
傷が軽い場合には、情状により刑を免除できるとする柔軟な規定も盛り込んだ。
9月6日[ 産経新聞 ]
■ [ 20001.7.20 更新 ] 酒気帯びで事故、即免許取り消し! 年内にも改正へ
警察庁が審議を依頼した民間の有識者8人でつくる「運転免許制度に関する懇談会」(座長=石井威望・慶応義塾
大教授)は19日、死亡事故や酒気帯び運転で事故を起こした場合、原則として免許を取り消すように同庁に提言
した。これまでは大半が免許停止にとどまっており、提言は、悪質・危険運転の厳罰化の流れを受けた厳しい内容
になっている。同庁は早ければ年内にも、違反の点数制度を規定する道路交通法施行令の改正を目指す。
現行の点数制度では、過去3年以内に免許停止になっていない場合、累積点数が15点以上で免許取り消しになる。
しかし、死亡事故を起こして通常の付加点数9点を加えても、累積15点未満で、免許停止にとどまるケースがほ
とんどだ。
同懇談会は「死亡事故の責任の重さ」を考慮して、付加点数を引き上げるなどして「原則として免許を取り消すの
が社会通念としても適当」とした。ただ、事故の責任が軽い場合などは、処分の軽減措置も必要とした。
飲酒運転は、故意の違反として、点数の引き上げを提言。現行では免許停止にとどまる酒気帯び運転も、取り消し
の対象に含めるように求めた。すべてのケースが難しくても、少なくとも酒気帯び運転で事故を起こした場合は必
ず免許取り消しとするように求めた。
さらに、飲酒など悪質な運転で死亡事故を起こして免許を取り消された場合、再び免許をとれるようになるまでの
「欠格期間」の延長も提言。悪質運転でかつ自らの不注意が原因で死亡事故を起こした場合は、初めての取り消し
でも、現行の2年から最長5年に延ばせるように、期間の見直しを求めている。
また取り消しを繰り返す極めて悪質な運転者については、5年を超える長期の欠格期間を指定できるように道路交
通法の改正を検討するように提言している。
同庁によると、00年に点数制度で免許取り消しとなったのは、3万3920件。運転者に主に責任のある死亡事
故は約8千件、酒気帯び運転は約25万件あった。同庁は今後、施行令の改正案を公開して国民からの意見を募っ
たうえ、改正作業に入るという。
危険運転の厳罰化をめぐっては、法制審議会(法相の諮問機関)も、飲酒や薬物使用など危険な運転で人を死亡さ
せた場合の罰則を「1年以上の有期懲役(最長で懲役15年)」に引き上げる方向で検討を進めている。
法務省は、今秋に想定される臨時国会に法案を提出する方針だ。
(7月19日10:00) [ 朝日新聞 ]
■ [ 20001.3.9 更新 ] 警視庁「業過致死」など適用で違法駐車に厳しく
駐車中の車に衝突する人身交通事故が急増しているため、警視庁は、「衝突した側により多くの過失がある」との
従来の原則を見直し、違法駐車した車のドライバーの刑事責任も積極的に追及する方針を固めた。
同庁では今後、事故を誘発したとみられる違法駐車には、業務上過失致死や同致傷容疑で立件していく構えだ。
同庁はこれまで、駐車車両への衝突事故は通常の追突事故と同様に、後ろから突っ込んだドライバーに、より重い
責任があるとの原則に立ち、駐車側のドライバーを立件するのは夜間や荒天時のカーブや交差点付近での長時間駐
車などきわめて悪質な違法駐車に限ってきた。全く刑事責任を問わなかったり、違法駐車でも駐車違反の反則切符
を切るだけの“おとがめ”で終わらせたりするケースも少なくないという。
同庁が駐車した側の刑事責任に目を向けるきっかけとなったのは、この種の事故が都内で急増、全国的にも増加傾
向にあることを重視したためだ。同庁交通総務課によると、都内では昨年、乗用車や二輪車などの運転中に、違法
駐車を含む駐車中の車に衝突した人身事故が、一昨年の三百三十八件から約八割増の六百十件も起こり、二十人が
死亡した。
全国では、昨年は前年比百七十三件増の二千八百七十八件で、うち四分の一の七百十六件が重傷・死亡事故だった。
すでに厳しい方針で臨んだ事故例もある。東京都江戸川区で昨年十一月、国道沿いのコンビニ店で道を尋ねようと
駐車したトラックに、オートバイが衝突、会社員(35)が死亡した事故。
トラックの駐車時間は数分間だったが、夜間にもかかわらず、テールランプやハザードランプなどを点灯しておら
ず、同庁では東京地検と協議を重ねたうえで、トラックの男性運転手(37)にも事故回避の措置を怠った過失が
あると判断している。運転手は先月末、業務上過失致死などの容疑で書類送検された。
事故を招いた駐車が短時間でも立件したのは異例で、同庁では「交通量の多い主要道路での安易な駐車は、事故を
誘発する危険が大きいことを認識するべきだ」としている。
また、一九九六年に千葉県の県道で駐車中のダンプカーにバイクが追突した事故では、千葉県警は当初、バイクで
追突して死亡した男性(当時二十二歳)を道交法違反容疑で書類送検したが、翌年、男性の遺族が「ダンプの違法
駐車が事故の原因」としてダンプ運転手(31)を業務上過失致死罪で千葉地検に告訴。再捜査の結果、九九年、
ダンプ運転手が略式起訴された。さらに、遺族がダンプ運転手を相手取って千葉地裁に起こした損害賠償請求でも、
同地裁は今年一月の判決で、慰謝料など約二千七百三十万円の支払いを命じた。
(3月7日14:44) [ 読売新聞 ]
■ [ 20001.2.9 更新 ] 悪質運転の厳罰化は賛成多数 道交法改正試案への意見
朝日新聞 2001.2.9 朝刊より
警察庁が昨年12月に公表した道路交通法改正試案について、国民から寄せられた意見を9日、同庁が公表した。
電子メールなどで送られてきた意見は2626件で、危険運転致死傷罪(仮称)や飲酒運転など危険・悪質運転の
厳罰化、罰金や反則金の見直しなどに集中した。
厳罰化については賛成の意見が多かったが、駐車違反の罰金・反則金の引き上げについては意見が割れている。
国民からの意見は昨年12月28日から今年1月24日まで募集した。「全体に賛成」という意見は216件で、
「全体に反対」は6件だった。残りのほとんどが、個別の項目に対する意見だったという。
同庁が試案に盛り込んだものの法務省との調整が残っているため今国会での創設は見送る危険運転致死傷罪について
は、「賛成」と「徹底した厳罰が必要」とした賛成派が368件。「反対」は4件で、意見を寄せてきた国民の支持
は得られたとみられる。
飲酒運転(酒酔いと酒気帯び)の罰則を大幅に強化することについては、「賛成」と「試案より重い罰則にすべきだ」
が373件で、同項目に関する意見の4分の3を占めた。
ひき逃げの罰則強化については、「賛成」「試案より重い罰則とすべきだ」が100%、共同危険行為(暴走族)の
罰則強化も同70%とそれぞれ賛成派が多数を占めた。
一方、駐車違反の罰則・反則金の引き上げについては、「駐車場整備もすべきだ」などの条件付きも合わせれば賛成
派が230件で、反対派109件、「悪質・危険な場合ならば賛成」という意見も31件寄せられ、国民の考えも割
れた。
同庁は、これらの意見も参考にしながら、3月上旬の国会提出を目指して法案をまとめる方針だ。(11:36) |
■ [ 2000.12.28 更新 ] 道交法改正へ試案を警察庁が発表。加害者の量刑見直しに
■悪質・危険運転を厳罰化――警察庁が道交法改正へ試案「刑軽い」の声に対応、通常国会提出へ
平成12年12月28日 朝日新聞
警察庁は27日、飲酒や無免許などの悪質・危険な運転や違法駐車をはじめとする交通違反の罰則を厳しくする道路交通法
改正の試案をまとめた。
「刑が軽すぎる」という被害者の声や交通事故の増加などを踏まえた対応で、懲役刑、罰金刑とも上限を最大で6倍にする。
改正案を来年2月にもまとめて、次の通常国会に提出する予定だ。同庁は人を死傷させた場合に重罰を科す「危険運転致死傷
罪」の創設も検討し、同じく悪質交通犯罪の厳罰化を検討中の法務省との調整がつけば、道交法の新たな罰則として盛り込む
考えだ。
道交法の違反は年間900万件前後の状態が続き、警察庁は「違反が常態化している」と危機感を抱いている。
昨年の事故発生件数も年間約85万件で、7年連続して過去最悪を更新している。その大きな要因となる違反を、罰則の引
き上げで抑えるのが改正試案の主な狙いだ。
懲役刑や罰金刑の大規模な見直しは1960年の道交法制定以来初めてで、連動して反則金の限度額も引き上げられると見
られる。
改正試案では、違反の内容によって、罰金の引き上げ額に差をつけた。ひき逃げや、飲酒、無免許運転、暴走族の共同危険
行為などの悪質な違反については、懲役刑の上限を現行の1.5−6倍に、罰金の上限を2.5−6倍に引き上げる。
例えば、酒酔い運転は、現行の「2年以下の懲役または10万円以下の罰金」から「3年以下の懲役または50万円以下の
罰金」に、酒気帯び運転は「3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金」から「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」
に引き上げる。酒気帯びの基準についても、引き下げを検討する。
試案通りに法改正されると、現行の業務上過失致死罪との関係で、酒酔い運転で死亡事故を起こした場合の懲役刑の上限は
7年から7年半に、無免許死亡事故の場合は5年6カ月から7年に、それぞれ長くなる。
さらに警察庁は、危険な運転のうち、飲酒や麻薬使用、過労が原因で相手を死亡させたりけがをさせたりした場合に、「危
険運転致死傷罪」の新設を検討する。東名高速道路の飲酒トラックの追突事故などは
「故意に近い極めて危険な行為」と判断しており、懲役7年を大幅に超える重い罰則を考えている。
同様の厳罰化は、法務省も道交法とは別に「故意に危険な運転をすることによって人を死傷させた罪」を新設することを検
討しており、警察庁は同省と意見交換を続ける。
ほかの違反全般についても、2倍以内で罰金額の引き上げを検討。交通バリアフリー法の施行を受け、高齢者や障害者の安
全な移動を妨げるような違法駐車などを対象としている。
一方、運転免許の更新期間を原則3年から原則5年に延長することや、免許証を集積回路(IC)化するための改正案も盛 .
り込まれている。 |
■ [ 2000.11.07 更新 ]遺族の願い届く。免許証のICカード化。
交通事故を無くすため、運転免許のもつ役割は大きなものです。その役割を実現するのが、免許証の
ICカード化です。
車を取り巻く環境も、速やかなIT化がのぞまれます。先般警察庁において行った私の講演でも、免
許証のICカード化を強く求めました。
この程警察庁は2004年の実現を目指して、免許証のICカード化を発表しました。またひとつ、
私たちの願いが届いた感じです。以下はこれを報じる朝日新聞の記事です。
ICカード型免許証実現へ 警察庁2004年導入目指す (11月6日、朝日新聞夕刊より)
運転免許証がパソコンなどで偽造される事件が続くため、警察庁は、免許証をIC(集積回路)
カード化する方向で具体的検討に入った。
年内に有識者から意見を聞き、必要があれば来春にも道路交通法の改正案に盛り込み、早けれ
ば2004年ごろの導入を目指す。
IC化されると偽造防止だけでなく、交通違反の取り締まりを一部自動化したり、車のキーと
連動させて無免許運転を防止したりすることも技術的に可能になるという。また、免許証の様
式や情報を国際的に標準化する動きにも対応できるとしている。
計画では、膜のように薄い回路を免許証に張り付ける。見た目は現行と変わらない。名前や住
所、運転できる車の種類、顔写真などは、免許証の表に記載するとともに、ICにも記憶させ
ておく。来年度の当初予算に調査研究費千数百万円を要望している。
警察庁によると、最近の免許証偽造は、パソコンで本物の顔写真部分に別の写真をはりつけた
り、住所や氏名を書き換えたりする。
IC化すれば、表の記載を偽造できても、ICのデータの書き換えは極めて難しくなる。
ICは記憶容量が大きく、その気になればクレジットカードなどの機能を持たせることもでき
る。しかし、免許取り消し処分を受けた場合、免許証を返納しなければならないため、「多機
能化は無理」と警察庁は判断し、免許証機能だけを持つようにする。
偽造防止のほか、交通警察官の事務の軽減も期待できるという。違反の反則キップは現在、警
察官が手書きで住所や本籍、名前、免許番号などを記入している。
IC化すれば、機械が情報を読みとって自動的に記録することも可能で、誤記も防げる。
交通事故被害者からは、「IC化した免許証と車のキーを連動させて、有効な免許証がなけれ
ば発進できなくすれば、無免許運転の防止につながる」という要望も出ている。
一方、免許証の国際標準化は、国際標準化機構(ISO)などが1999年から検討。日米、
フランス、韓国、南アフリカなどが参加し、免許証に共通で載せる情報や、記載方法について
議論している。
どの国で使用しても持ち主が本人かどうかを確認できるように様式を共通化するのが主な狙い。
そのためには名前の表記や運転できる車の区分などについて、互いに理解できるようにするこ
とが条件だ。
そのために、ICのような記憶装置が必要というのが共通認識になりつつあるという。
警察庁は、免許証の更新期間を「原則3年」から「原則5年」に延長することなどを盛り込む
道路交通法の改正案を、次の通常国会に提出する方針だ。併せてIC化の方針が決まれば、そ
れを前提とした免許証の記載内容の変更、簡略化なども提案する考えだ。
免許証のIC化については、同庁はこれまでも検討したが、コストの問題などで実現しなかった。
最近は単価が下がり、住民基本台帳や鉄道のカード、電子マネーなど多方面で実用化の動きが出
てきたので、機が熟したと判断した。
|
■[2000.08.26更新] 全国運転免許担当課長会議で講演
 |
中央が
講演中の私です |
10月16日(月)10:00から、東京千代田区にある東条インペリアルで警察庁の全国
運転免許担当課長会議が開かれました。
全国交通事故遺族の会に運転免許制度に関する講演依頼があり、私が会長の代行として、そ
の会議の冒頭に「交通事故被害者から見た運転免許制度」と題した話をしました。
この会議は、全国都道府県の県警本部などから、免許行政の担当課長約100名が参加され
るものです。発言主旨は以下概要のとおりです。
1、運転免許はあまりにも安易に発行され過ぎている。しかも与えぱなしとなっている。
○ 新規取得時には、安全運転技術の取得と、安全運転モラルを刷り込んでほしい。
○ 更新時は再教育のチャンスである。形式的な更新制度は止めるべきだ。機能低下を
予測して、適正検査の導入を。
○ 免許取消者・停止者への再交付は、慎重に行い、不適格者には免許を交付しない。
○ 優良運転者には、自賠責保険や高速道路代金での優遇措置を与える。
2、被害者を意識した免許行政を行う。
○ 免許停止の仮執行を、速やかに、確実に行う。
○ 加害者への聴聞会には、被害者を積極的に参加させる。
○ 行政処分のし忘れをなくす。処分期間中の無免許運転を監視する。
○ 遺族に行政処分の内容を公開す。
3、刑事処分とともに、行政処分を厳しくする。
○ 無免許・飲酒・暴走族は確信犯である。
○ 横断歩道での事故は、歩行者保護の義務違反。
4、今後の運転行政へ期待すること。
○ 規制緩和の名目で、運転免許制度を今以上緩めない。
○ 運転免許のICカード化を促進する。
などを実例をひきながら話しました。
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■[2000.08.26更新]運転免許制度に関する(警察庁との)懇談会 開催
全国交通事故遺族の会は、かねてから現行運転免許行政に対する意見書を警察庁に提出しています。
現在規制緩和の一環で、運転免許制度にも大きな緩和策が取りざたされています。
私たちは現行制度ですら、被害者側として「緩すぎる」としてしか評価していません。
特に免許更新手続きの緩和や、運転欠格者への免許交付は、交通事故の増加に直接結びつくものとし
て反対しています。
8月23日(水)15:00から18:00までの3時間、警察庁交通局運転免許課と当会の間で、
運転免許に関する懇談会が開催されました。
警察庁側からは田村課長、中村理事官の他、運転免許課の4課長補佐など、主立った方が参加され、
熱の入りようが分かりました。
全国交通事故遺族の会からは井手会長、政子理事、上井・三苫理事を始め、一般会員から大木さんな
ど総勢11名が参加しました。田村課長・井手会長の挨拶のあと、自己紹介も兼ねて被害者側から、
様々な意見が出されました。
多くは運転免許が不適格者に不用意に発給されている現状や、行政処分が適格に行われていないなど
の意見でした。
現状の運転免許行政や、行政処分に対する問題が提起され、活発な意見交換が行われました。
当会からの要望は、行政処分の情報開示・行政処分の適正化と、刑事処分との連携・免許停止の仮執行
の速やかな執行・不適格運転者への免許証交付制限・適正検査の充実・免許証のICカード化などが出
されました。
根底には、運転免許行政を被害者の視点で考えてもらいたい、ということに尽きます。
田村課長は、警察庁内でも被害者対策の草分け的存在です。今後の制度改革に期待を抱かせられた懇談
会でした。
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| 挨拶される田村警察庁交通局運転免許課長 |
■ [ 2000.07.03 更新 ] 免許証の規制緩和に反対
現在、行政改革・規制緩和の名のもとに、私たちの周りで様々な規制改革が図られつつあります。
いつまで続くやも知れぬ「不況」からの脱却と、「民で出来ることは、民の手で」という民活の精
神を、私たちは根本から否定はしていません。
むしろあちこちで感じる行政関与の煩わしさは、一日も早く解除するべきであると思わざるを得ま
せん。しかし私たちが自賠責保険の政府再保険制度に、最後まで反対し続けてきたのは、「命や安
全に係わる問題は、行政があたって然るべき」との主張からに他ありません。
営利目的の民間事業と、「税」による事業は本質的に矛盾するからです。
ところで運転免許証についても、現在規制緩和の対象にされています。すなわち免許証の規制を緩
和することにより、車の利用を活性化させ産業を富まそうとの配慮が感じられます。
その中でも、運転不適格者への規制緩和は遺族の会の中に、その犠牲者をもつという背景もあり、
私たちは簡単に賛成はできない状況です。
この程全国交通事故遺族の会では警察庁に対し、同様主旨に意見書を提出しました。
2000年6月7日
警察庁長官 田中 節夫 殿
運転欠格者への安易な免許証交付に反対します
東京都中央区日本橋中州5−1−703
全国交通事故遺族の会
会長 井手 渉
「全国交通事故遺族の会」は文字どおり交通事故の遺族の団体です。すなわち会員は、身内に悲惨な交通事
故死を出した体験者ばかりです。
遺族は悲しみに耐えながらも、ひとつでも交通事故を減らして安全な社会を築こうと、力を振り絞って努力
しています。
私たちは、交通事故の遺族という特殊な境遇にある者として、遺族ならではの「運転免許証」に対する考え
方をもっています。
私たちが求める「理想的な運転免許制度」とは、車の運転に関わる総ての人が、交通事故が無く安心して生
活できる安全な交通社会を築くため、自らに課す運転標準(ルール)資格です。
すなわち現行の運転免許制度が道路の円滑な運行を目的にしているのに対し、交通事故を起こす可能性があ
る人には、発給が厳しく制限されるという狙いをもっています。
現在、自動車を運転しようとした場合、まずは免許証を取得することは常識になっています。
無免許運転という、不届き者が居ないわけではありませんが、全体から見れば僅かでしかありません。
つまり免許証の所持義務は、社会に定着していることになります。このように考えると、免許証の制度をひ
とたび変えるといういうことは、世の中の仕組みまで変えてしまうことになりかねません。
その意味で運転免許制度の見直しは、慎重にも慎重を期して行わなければならないと考えます。
現在行政改革の一環として、あらゆる分野において規制緩和が取りざたされています。そして運転免許証も
その緩和対象になっています。
私たちは命や安全に関わる問題は規制緩和の対象にすべきでないとの信念をもっています。
私たちがとりわけ問題視していることは、現在「欠格条項」として制限されている病者や障害者への免許取
得制限緩和問題です。
すなわち「精神病者・知的障害者・てんかん病者・目が見えない者・耳が聞こえないもの又は口が利けない
者」および「政令で定める身体の障害のある者」については運転免許を与えない、という条項を大幅に緩和、
または削除しようとする動きです。
私たちは、健常者だけがモータリゼーションを享受できると思っているわけではありません。
病者や障害者の人たちにも、憲法で定められた基本的人権があり、また職を得るなどの生活権があります。
これらの人を社会がやさしくサポートしていく、高度な福祉社会を築かれなければなりません。しかしこの
ことと免許証の取得制限を緩和させることとは別問題です。
「車は走る凶器」と言われています。一度走り始めた車は、運転者が適宜に制動をかけなければ、人を傷つ
ける凶器として町中を走り回ることになります。 車は便利な道具としての一面、非常に危険な物でもあり
ます。
むろん健常者であっても危険な走り方をする運転不適格者がいることも事実です。そして現在運転免許証が
交付されている身体障害者が、非常に丁寧、かつ安全な運転をしていることも承知しています。
しかし車の運転は運動神経の問題といわれるとおり、何時起こるとも分からない、不測の事態での緊急対応
(反応)が事故回避の決め手になっています。
また突然起こる病状の急変も、車が走っている場合は、コントロールを失って凶器に激変します。
私たちには、どういう病気の方が、そしてどのような障害の程度が運転不適格であるかどうかは分かりませ
ん。私たちに言えることは、こうした人たちが運悪く事故を起こしてしまった場合、健常者と同様の処罰と
賠償の責任を負わなければならない義務が生じることです。
それを病気や身体の不具合の所為にしたり、もしくは免許証を与えた行政の落ち度にして、責任を逃れるこ
とはできないのです。この責任が取れるのでなければ、私たちは残念ながら欠格者に免許を与えるべきでは
ないと主張せざるを得ません。
すなわち病者や障害者の「人権」よりも、それによって傷つけられ命を奪われる被害者の命の方が重いとい
うこ
とです。車を運転して快適な生活環境を築く権利は、何人も侵すことはできません。
しかし病者や障害者が運転できないことによって被る不利益は、社会全体で補填すべきであり、免許証の取
得権利とは別のテーブルで話し合う事柄だと思います。
私たちは、現行欠格条項を維持して行くことを希望します。しかしやむを得ず、この規制を見直す必要が出
てきた場合は、以下の条項が完全に満たされることが条件です。
運転欠格者は、その症状が顕在化していない限り、初期の段階でその適否を判定することは不可能です。
症状が悪化または改善されることもあるため、常にケアを怠れません。またプライバシーに関わる問題だけ
に、自ら公表することには抵抗もあろうと思います。
病者や障害者の「人権」を最大限考慮した形での、発行システムが必要です。
免許資格の判定を厳格に行うためには、発行者側に万全の体制を整えていただく必要があります。
具体的には、欠格条項に該当する病者や障害者は、その病状に拘わらず免許証取得時(既得者は更新時)に
医師の診断書を提出することを義務づけてください。
発行者は医者を加えた「審査会(を設立して)」で協議して、最終的な判断を下すようにしてください。
病状や障害の程度によって、定期的な健康診断を義務づけてください。
申請者が事故を起こした場合、健常者と同様の処罰と賠償義務を負うことを「誓約」するよう義務づけてく
ださい。もしもこれらの定められたルールに従わずして事故を起こした場合は、道路交通法ではなく刑事訴
訟法により処罰されるべきかと考えます。
なお欠格条項には対象病名を明記した上、麻薬・覚醒剤中毒者、およびアルコール中毒者を追加してくださ
い。
別紙として、私たちがなぜこのような思いに至ったかを裏付ける資料として、当会の3会員の意見書を添付
します。現実に運転欠格者により、尊い家族の命を奪われた悲惨な会員がいます。
この事実が何よりも能弁に私たちの主張を代弁してくれています。
これらの教訓が生かされ、再び同様の事故が起きないよう願って止みません。
【 意見書 】 提出者
1、○○ ○○ (山形市) 加害者病名 糖尿病
2、△△ △△ (静岡県清水市) 加害者病名 てんかん
3、×× × (愛知県春日井市) 加害者病名 筋ジストロフィー
※ 意見書はプライバシーを配慮し、実名で公表しないようにお願いいたします。
以上
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■ [ 2000.05.10 更新 ] 警察刷新会議へ陳情書
まだ記憶にも新しい、神奈川県警の一連の不祥事事件。埼玉県桶川市におけるストーカー
殺人事件、新潟県の長期少女拉致事件、栃木県の少年殺人事件等々。
今年は警察官の消極的捜査姿勢がきっかけとなった警察への不信感が高まっています。
警察庁の関口長官もこれら不祥事の責任をとって退官しました。
あとを受けた田中長官も事態の沈静化に必死の体です。こうした声を受けて始まったのが、
「警察刷新会議」です。
全国交通事故遺族の会では、同会議にたいして、交通事故問題に係わる意見書を提出しま
した。
2000 / 05 / 01
警察刷新会議
座長 氏家斉一郎 殿
東京都中央区日本橋中州5−1−703
全国交通事故遺族の会
会長 井手 渉
Tel / Fax 03-3664-1065
交通事故情報の公開についての陳情書
全国交通事故遺族の会は、文字どおり交通事故によって愛する家族を奪われた、遺族だけを構成員とする非
営利団体です。今年設立10周年を迎え、全国に約1000世帯の会員がいます。
会の運営の全ては、会費と会員のボランティアに依存しており、諸官庁始め企業や宗教法人など、いかなる
ところからも支援を受けていません。
会の目的はその中心に「被害者どうしの心の支え合い」を据えるとともに、この世から少しでも交通事故を
減らすべく、啓蒙活動などを行っています。
さて交通事故については今さら言うまでも無いかと思いますが、毎年のように12000人(30日統計)
の掛け替えのない命が奪われ、100万人以上の人が怪我をするなど、状況は悪化の一途を辿っています。
また総理府によれば、交通事故による経済的な損失は、年間4000億円とも試算されるなど、国家にとっ
ても大きな浪費となっています。
このように交通事故が日常化するにつれ、膨大な事件を効率良く捌く必要性が生じてきます。そのしわ寄せ
は、事故の緊急対応に追われるとともに、道路運行の円滑化を職務とする、現場警察官の肩に重くのし掛か
っています。
警察行政が、交通事故を甘く見ているとは思いたくありませんが、交通捜査官の絶対的人数や専門的な科学
捜査法の導入など、先進諸外国に比べて劣っていると言われています。
昨今の不起訴立の低さも反映してか、現場警察官の事故捜査は不熱心であり、スピード処理のみに汲々とし
た「やっつけ仕事」を行っています。
すなわち目撃者探しなどを身を入れてやらなかったり、加害者の証言を鵜呑みにして調書を作成するなどで
す。しかも調査に当たった警察官が、主観で事故の発生原因を推定し、検分調書を完結しなければならない
ため、経験と勘だけによる「作文」調書がまかり通る背景になっています。
警察と検察庁、そして裁判所はそれぞれに独立し、事故処理の流れもそれぞれの立場ごと、公正かつ厳格な
審理が行われているかのように考えられています。
前述のように科学的捜査方法を身につけていない警察官が、道路の運行を優先するあまり、かなり杜撰な調
査を行い、いい加減な検分調書が作成されているのが現実です。
たとえこの調書が不正確・不十分なものであったにせよ、検察庁や裁判所では、信用のおける公文書として、
何ら見直されることが無いまま、ストレートに通過して行ってしまうのが現実です。
すなわち警察官の杜撰な初動調査と調書が、交通事故の処分を不適切なものにして、多くの交通事故被害者
を、結果として、泣かすことになっています。
ところで家族を交通事故で奪われた遺族は、加害者の名前はおろか、何が原因で事故が発生したのか、警察
側から知らされることはありません。
相手側と損害賠償交渉をしようした場合、事故検分調書など、交渉に必要な情報は見ることすらできないの
です。もっと悪いことには、損保会社の示談交渉代理人などは、慣習的に警察の情報をリークしてもらうと
いう不平等構造になっています。
事故被害者や遺族が、事故の真相を知りたいと思えば、それは素人の自分がやらなければなりません。
ましてや杜撰な検分調書の内容を、例えば検察庁や裁判所で覆すことは膨大なエネルギーを要するだけでな
く、その成功率は必ずしも高くはありません。
交通事故被害者や遺族の中に、警察官を怨嗟する声が、かなり満ち満ちています。
こうした感情を逆撫でするかのように、昨今の警察官の不祥事は目に余るものがあります。特に交通事故に
絡んだ事柄だけでも、行政処分をし忘れたというポカミス、被害者への暴言・暴行、事故検分調書の偽造・
改竄、酒酔い運転違反者のでっち上げ、被害者と加害者の取り違え、事故負傷者の現場放置、はては交通事
故被害者への強制わいせつ行為など、この数ヶ月間、新聞に書かれたことを拾い上げただけでも耳目を疑い
たくなります。
また毎日のように繰り返される警察官の不祥事の中に、悪質交通違反や重大事故も後を絶ちません。
国会議員秘書による交通違反のもみ消しにも警察官が関与するなど、まさに警察官の交通事故を見る目はマ
ヒしているとしか言いようがありません。
毎年100万件の交通事故が起きれば、その数倍の当事者が発生します。その人たちに今、警察官への不信
感・反感が、確実に植え付けられています。
逆の見方をすれば、交通取り締まりや事故の対処において警察官の信用が回復すれば、全警察官に寄せられ
る信頼感も増し、警察行政の刷新効果は絶大なものになるでしょう。
貴刷新会議は、現在警察行政の信頼回復のための方法のひとつとして、情報公開を旗印に掲げています。
しかし新聞紙上で報道される限りでは、交通事故に係わる情報公開は見あたりません。
事故関連情報の公開は交通事故被害者のためばかりでなく、警察官の公明性などを通じて、社会の秩序を正
すことになります。
是非ともこの点が、警察改革の柱の中から抜け落ちることが無いよう、貴会議に監視をお願いする所存です。
【 要望事項 】
1、警察は早期の段階で、交通事故被害者や遺族に対し、検分調書など情報公開を行ってください。
2、交通事故の被害者も、犯罪被害者と同じです。思いやりをもって接してください。
3、いわゆる「死人に口無し」のような、不公平が無いよう厳正な調査をしてください。
4、科学的な捜査技術を身につけ、経験と勘による捜査をしないでください。
5、全ての思考や行動が、交通事故の撲滅に結びつくような警察官像を確立し、人材を育成してく
ださい。
以上
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■ [ 1999.08.12 更新 ] 運転免許証に関する陳情書
規制緩和の名のもとに、運転免許証についても様々な憶測が飛び交っています。
人の命が犠牲になる限り、無制限な規制緩和には異を唱えざるを得ません。
全国交通事故遺族の会では免許証にまつわる規制緩和を牽制する意味で、警察庁にたいして
陳情書を提出しました。
1999 / 08 / 04
警察庁長官 関口 祐弘 殿
全国交通事故遺族の会
会長 井手 渉
交通事故防止と被害者救済のため、日夜努力を重ねている関口長官、ならびに全国の警察官に感謝と御礼
を申し上げます。
さて、昨今行政改革推進本部規制緩和委員会で「自動車運転免許証の有効期間の延長」が議論されていま
す。全国交通事故遺族の会は、交通事故の被害者ならびに遺族の団体として、本議論の進展に少なからぬ
関心をもっております。
我が国は、運転免許の取得が非常に厳しい国とされています。これが運転者のマナーや事故防止に少なか
らぬ影響を与えていることは否めない事実です。
しかし年々増加の一途をたどる交通事故を考えたとき、運転免許の交付についてはさらに厳しくあって然
るべき、と考えざるを得ません。
例えば運転免許取得年齢の引き下げ論がある反面、多くの高校で免許取得を自主規制したり、バイクの運
転を校則で規制するなどの現状があります。これは運転年齢の引き上げになんら支障が無いことの論拠に
なっています。
また交通事故の加害者が、行政処分が下りるまでのあいだ車を運転し続けていたり、重大な事故重ねるを
累犯者に、何度でも免許が交付されるなど、不合理な現実もあります。
今回の規制緩和では、免許証の更新期限の緩和がテーマになっています。免許証の更新は、運転者の安全
にたいする自覚の節目と運転適正の定期的チェックであり、無事故であるとか無違反であるとかで、延長
されたり免除されるべきではないと思っています。
更新時における視力や聴力などの定期的チェックは、不可欠の重要な効果と考えていますが、さらに加え
て運動神経や薬物中毒・精神的障害の有無などのチェックも合わせて行うよう要望します。
また更新時に行われる形骸化した安全運転教育を、さらに徹底的に行い、実効のあるものにするなど、今
後とも免許更新時に期待される効果は、ますます高まるものと考えます。
行政改革・規制緩和は国民の等しく願いではありますが、その原理原則には人の命が大切にされることが
なければなりません。
免許更新に関する議論には、交通事故が減ることに繋がるかが、前提条件にされなければなりません。
いたずらに規制緩和ムードが先行することによって、事故防止がないがしろにされることを、私たちは大
いに危惧しています。
こうした議論に被害者を代弁できる者をお加えいただくことが理想ですが、せめて上記のような被害者側
の意見をお汲み上げくださるよう、お願い申しあげます。
警察庁には、今般規制緩和の議論が、どのような形で推移しているか、被害者側にたいし詳しいご説明を
くださるようお願い申しあげます。
敬具
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