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                                      ■ [ 2005. 4. 6 更新 ] 臓器移植法「脳死は人の死」一律に定義 改正案判明        自公両党が検討を進めてきた臓器移植法改正案の詳細が6日、明らかになった。臓器移植の推進        を目的に「脳死は人の死」と一律に定義したうえ、本人の事前の意思がなくても遺族の同意だけ で臓器提供を可能とする内容で、来月にも議員立法での国会提出を目指す。        現在、死亡宣告は通常、心臓停止で行われ、脳死は臓器を提供するドナーに限って認められてい        る。脳死を例外なく人の死と規定することは、医療現場などへの影響が大きく、さまざまな議論        を巻き起こしそうだ。        改正案は、肝臓の一部を父親に提供した経験を持つ河野太郎衆院議員(自民)らが中心になって        作った。年5件程度しかない脳死臓器提供を増やすため、提供の条件を緩めるのが狙い。        具体的には、現行法が求める「本人の提供意思」を外し、本人が事前に提供を拒否していない限        り、遺族の同意だけで提供を可能にする。        ただ遺族の同意だけでの臓器提供には、脳死となった人を死者として扱う法律規定が別途必要に        なる。そうでないと生きた患者から家族の同意で臓器を摘出することになり、厚生労働省臓器移        植対策室は「人権侵害の恐れがある」という。        このため改正案は「脳死体とは、脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至ったと判定さ        れた死体をいう」との規定を置き、「脳死は人の死」と明確に定めた。        また現行法は脳死判定の実施には脳死者本人の意思と家族の同意を義務付けているが、改正案は        この規定を削除。家族や本人の意思と関係なく、医師の判断で脳死判定・死亡宣告ができる制度        にする。        さらに改正案は、臓器提供者本人が、生前に書面で自分の親族への移植を意思表示した場合、そ        れを認める規定を新設している。現行法のガイドラインは、公正な移植の実現のため、移植を受        ける患者を医学的な優先順位などに基づいて選ぶと定めており、この点も議論となりそうだ。        脳死を一律に人の死とすることは現行法の成立過程でも衆参両院で議論されたが、脳死を死と認        めない意見も根強く、見送られた経緯がある。【高木昭午、山本建】        ◇脳死と心臓死 心臓死は3兆候死とも言い、心臓停止、呼吸停止、瞳孔の散大固定が条件だ。        脳死は脳全体の機能が停止し元に戻らなくなった状態を指す。人工呼吸器の働きで呼吸は続き心        臓も動く。心臓は脳死で摘出しないと移植できない。        日本の判定基準は瞳孔の散大固定、深昏睡、無呼吸、脳幹反射の消失、平坦脳波が全て6時間以        上続いた場合を脳死と定めている。  (毎日新聞 4月7日 3時5分更新)
   ■ [ 2005. 4. 5 更新 ] 臓器移植法改正、市民団体からヒアリング与党検討会         与党の臓器移植検討会は5日、脳死を一律に人の死と定めて、遺族の同意だけで脳死臓器提供を        認める臓器移植法改正案について、市民団体などから意見を聴いた。「全国交通事故遺族の会」        (井手 渉会長)は、「身内が脳死になった者として、脳死患者は生きているものと考える。        救急医療の体制も不十分な中、脳死臓器提供には納得できない」と反対を表明した。一方で移植        を受けた患者団体「トリオジャパン」などからは、賛成の声がでた。        これに対し、検討会委員の河野太郎衆院議員(自民)は「臓器提供と関係なく脳死で一律に脂肪        宣告する制度でいきたいが、家族が脳死判定を拒否できる制度や、脳死後も保険で治療を受けら        れる制度も考えられる」と話し、今後の法案修正に含みを残した。【高木昭午】(毎日新聞) -         4月5日21時18分更新
   ■ [ 2005. 1. 10 更新 ] 脳死は妥当? 現場の半数「わからない」        臓器提供に関連する全国の医療スタッフ約5000人を対象に、「脳死は妥当な死の判定法か」        と質問したところ、半数近くが「わからない」と答えたことが、厚生労働省の研究班(班長・大        島伸一国立長寿医療センター総長)の調査でわかった。欧州での同様の調査では8割が「妥当」        と答えており、日本の医療現場では、脳死の受け入れや理解が低いことがわかる。        調査は、脳死や心臓死からの臓器提供が国内でなぜ伸びないかを探るのが狙い。01〜04年に        かけて、脳死から臓器提供ができる病院や腎臓移植に携わる全国の病院のうち29施設の医師や        看護師、事務職らに質問。欧州8カ国で実施された同様の調査と比べた。        「脳死は妥当な死の判定法か」に「はい」は日本で39%、欧州で82%。「わからない・無回        答」がそれぞれ47%、11%、「いいえ」が15%、8%だった(小数点以下四捨五入、以下        同)。        「わからない・無回答」を職種別にみると、日本では医師が23%、看護師が50%を占めた。        欧州では医師は5%にとどまっており、日本では死を判断する医師でも、脳死の受け止め方に開        きが大きいことがわかる。        また、臓器提供の賛否について、「一般論では賛成」は68%だが、自分の家族が提供者になる        ことに賛成は45%、自分が提供者となることに賛成は34%に低下。自分の子どもが提供者に        なることに賛成の回答者は4%にとどまった。欧州では、自分の子どもの提供に賛成が42%、        それ以外はいずれも80%以上の賛成という結果だった。        調査では、脳死判定や臓器提供の申し出に関する訓練を受けたことがある医師は、全体の10%        以下との結果も出た。大島班長は「医療者の脳死の理解が予想よりもはるかに低かったのはショ        ックだ。臓器提供の話を進めるには医療関係者への教育が必要だ」と話す。        医学的、社会的に人の死をどこで線引きするかは臓器提供のみならず、終末期医療のあり方にも        通じる。医療現場の意識は、今後の臓器移植法や尊厳死法案の議論の中で重要なポイントとなる。                                         (01/10 14:21) [ 朝日新聞 ]
   ■ [ 2004. 7. 3 更新 ] 臓器移植で狂犬病感染 米CDCが初確認         【ニューヨーク1日共同】米政府の疾病対策センター(CDC)は1日、臓器移植で狂犬病に感        染し、死亡した事例が国内で初めて確認されたと発表した。それによると、臓器提供者(ドナー)        はアーカンソー州の住人で、5月4日に死亡。肺、腎臓、肝臓が摘出され、4人に移植された。        1人は手術中に死亡。テキサス、オクラホマ両州で移植手術を受けた他の3人もその後に死亡し、        解剖で狂犬病感染が確認された。         ドナーは死亡時に狂犬病の症状を示していなかった。臓器移植に際しての適格検査には狂犬病の        検査は含まれていない。        CDCによると、角膜移植では過去に狂犬病が感染した例がある。狂犬病は通常、感染した犬な        どの哺乳(ほにゅう)類にかまれたりしてウイルスが感染、中枢神経が冒されて死亡する。        CDCによると、狂犬病は2001年にハワイを除く米国内で動物の感染例7437件が報告さ        れ、その93%はアライグマ、スカンク、コウモリ、キツネなどの野生動物が占める。人間の感        染例はなかった。                                            東京新聞 04/07/02
   ■ [ 2004. 5. 23 更新 ] 29例目の脳死移植が終了・福島など5カ所で実施         日本医大第二病院(川崎市中原区)で臓器移植法に基づく脳死と判定された40代の男性の臓         器提供で行われた国内29例目の脳死移植は、福島県立医大の膵臓(すいぞう)と腎臓の同時         移植が21日午後2時前に終了。5施設で行われた手術はすべて無事終了した。         日本臓器移植ネットワークなどによると、国立循環器病センター(大阪府)で拡張型心筋症の         50代女性に行われた心臓移植は未明に終了。         さらに、東北大で気管支拡張症の50代男性に実施された肺移植や、東京大の肝臓移植、北里         大(神奈川県)の腎臓移植も朝までに相次いで終わった。         手術後の会見で、国立循環器病センターの担当医は「人工心臓に組織が癒着していたため、手         術に少し時間がかかった」と説明。東北大は移植を受けた男性が山形県在住と明かし「197         0年ごろから入退院を繰り返していた」とした。〔共同〕 (16:02)
   ■ [ 2004. 5. 21 更新 ] 臓器移植法改正案、今国会提出見送り        本人の拒否の意思表示がなければ家族の承諾だけでも脳死患者からの臓器移植を可能にする臓器        移植法改正案の今国会提出が見送られる公算が大きくなった。        提出を目指していた超党派の生命倫理研究議員連盟の中山太郎会長は18日、「慎重に議論しな        いと国民の不安を引き起こす」と述べ、会期末が迫る中での拙速な議論は理解を得られないとの        考えを示した。        臓器移植法の改正については自民党の「脳死・生命倫理及び臓器移植調査会」が今年2月、本人        の拒否の意思表示がなければ家族の承諾だけで臓器提供ができるようにする案で合意。        現行法の年齢制限も撤廃し、15歳未満でも親の同意があれば臓器提供に道を開くもので、これ        を受けて生命倫理研究議連が正式に議論することになっていた。        しかし移植の大前提に「本人の提供意思」を据えた現行法から大きく踏み出す調査会の案には同        議連内部でも反対論が根強く、法改正に慎重な議員が新たな勉強会をつくるなど風当たりが強い。        2002年の内閣府世論調査でも、8割強は臓器提供の条件に本人の意思表示を挙げている。                                         日経新聞 04/05/20 07:00
   ■ [ 2004. 3. 31 更新 ] 脳死での臓器提供は「中学生以上」に…小児科学会提言         小児脳死移植について検討している日本小児科学会は29日、15歳以上に限定されている脳死        での臓器提供を、「中学生以上」にするべきだなどとする提言を明らかにした。         学会は、12、13歳の中学生になれば自己決定能力が十分備わると主張。提供時には、かかり        つけ医と親、小児科医など子どもの人権擁護の立場の3者が、提供意思をチェックする仕組みが        望ましいとした。        また、子供用の意思表示カードの導入のためには小学校高学年と中学生を対象に「死の教育」が        必要とした。        また、年齢を問わず、本人が拒否しない限り家族の承諾だけで臓器提供できるとする自民党案は        「将来的には望まれるが、現段階で国民的合意がすぐに得られるか疑問」としている。                                 (2004/3/30/01:40 読売新聞 無断転載禁止)
    ■ [ 2003. 10. 20 更新 ] 脳死:移植希望者がドナーとなる初のケース 鹿児島市立病院        鹿児島市の鹿児島市立病院で、脳出血を起こして入院中だった50代の男性が18日夕、臓器移        植法に基づき脳死と判定された。日本臓器移植ネットワークによると、男性は脳死状態で臓器を        提供する意思を示したドナーカードを所持しており、家族も提供に同意した。        19日未明から臓器を摘出する予定。ドナー自身も慢性腎不全により腎臓の移植を受ける登録を        していた患者で、移植希望者がドナーとなる初のケースとなった。同法施行後の脳死判定は27        例目、移植は26例目になる。        すい臓は大阪大医学部付属病院(大阪府吹田市)で、糖尿病の30代男性患者に移植される予定。        心臓と肺、肝臓は医学的理由で移植が見送られた。小腸についても提供の意思を示していたが、        登録患者がなかった。【去石信一】                               [毎日新聞10月18日] ( 2003-10-18-22:53 )
    ■ [ 2003. 6. 29 更新 ] 臓器移植改正案:「遺族の同意だけで提供可」基本原則を変更        自民党を中心に進められている臓器移植法の見直し作業で、改正案(素案)に「本人が生前、臓        器提供を拒否する意思を示していない限り、年齢を問わず遺族の同意のみで提供できる」との項        目が盛り込まれることが27日、分かった。15歳未満の脳死者の臓器提供を認めず、15歳以        上でも書面による本人の意思表示と遺族の同意を必要不可欠とする現行法の基本原則を大きく変        更するもので、各方面で議論を呼びそうだ。        同党の「脳死・生命倫理及び臓器移植調査会」(会長・宮崎秀樹参院議員)で、改正案の素案作        成を担当している河野太郎衆院議員がまとめた。近く同調査会のワーキンググループに提示する。        現行法では、民法の遺言可能年齢が15歳以上となっていることを根拠に、15歳未満の提供を        認めておらず、臓器移植法の改正はこの点が焦点だった。特に心臓移植では、臓器が大きい大人        から小児に移植することが困難で、移植を受けるために海外に渡航する子供が相次いでいた。        しかし97年10月の同法施行後に実施された脳死移植は23例で、今年に入ってからは1例も        ない。このため最近は、同調査会の議員や患者団体から「15歳未満の小児脳死移植にこだわる        のではなく、脳死移植全体を増やす法改正を」という意見が出ていた。        河野太郎衆院議員は、父親の河野洋平元外相への生体肝移植の提供者の経験があるため、同調査        会から改正案作成を一任されており、毎日新聞の取材に対し「問題なのは、脳死移植の少なさだ。        脳死移植法の思想を根本から変えないといけない」と話している。【江口一】                                [毎日新聞6月28日] ( 2003-06-28-03:00 )



    ■ [ 2003. 6. 24 更新 ]  15歳未満の脳死臓器提供を容認…小児科学会 

       日本小児科学会(会長=衛藤義勝・東京慈恵医大教授)は23日、15歳未満の子供が提供者と
       なる脳死臓器移植を容認する、とした提言を公表した。 
       15歳未満の脳死臓器提供は、臓器移植法の運用指針で禁じられており、現在自民党調査会など
       で法改正が検討されているが、小児科学会が初めて容認の姿勢を打ち出したことで、改正論議に
       弾みがつきそうだ。 

       提言は、<1>移植以外の手段では助からない小児患者が多数いる<2>脳死を死と認める意見
       が学会内で大勢を占めている――などを考慮し、「治療手段として脳死臓器移植を容認する」と
       した。提供できる年齢については、制限を設けていない。 
       ただ、大人と同様、子供の自己決定権も尊重すべきだとし、小児向けの意思表示カードの導入な
       どを提案。さらに子供の場合、虐待で脳死に陥るケースも少なくないことから、虐待した親の承
       諾で脳死臓器提供される事態などがないよう、第三者による審査機関の設置など、厳格な運用を
       求めている。 

       わが国の臓器移植法と運用指針は、提供者本人の書面による意思表示を不可欠の条件としている。
       自分の意思を表示できる年齢は民法の遺言規定を参考に「15歳以上」とされており、小児の脳
       死臓器提供は認められていない。 
       しかし、子供の心臓移植には小さいサイズの心臓が必要で、心臓病の小児は、国内で移植医療を
       受けられないため、97年の移植法施行後も、50人近い小児が海外渡航を余儀なくされている。 

       昨年夏に政府が実施した世論調査では、小児の脳死臓器提供を「可能にすべきだ」と答えた人が
       約6割に達するなど、見直しの機運が高まっている。
       こうした世論の動きを受け、自民党の「脳死・生命倫理及び臓器移植調査会」は現在、国会議員
       によるワーキング・グループを設けて法改正を検討しており、近く素案をまとめる方針。 

                                      (2003/6/23/19:18 読売新聞)

    ■ [ 2003. 3. 1 更新 ] 脳死判定:日弁連が高知赤十字病院に人権侵害で勧告         99年に実施された国内初の脳死移植で、高知赤十字病院(高知市)が臓器提供者に行った脳死         判定について、日本弁護士連合会は24日、「規則に違反する無呼吸テストを行い、人権侵害が         あった」という市民団体の申し立てを認め、同病院に規則厳守を求める勧告を18日付で出した         ことを明らかにした。         脳死判定をめぐって日弁連は、やはり無呼吸テストで人権侵害があったと大阪府立千里救命救急         センターに対し勧告しており、今回が2例目となる。         無呼吸テストは患者に自発的呼吸があるかどうかを確認するもので、人工呼吸器をはずすため危         険性が高く、臓器移植法の施行規則は、法的脳死判定の「最終段階で行う」と定めている。         勧告によると、同病院は99年2月、施行規則を無視または失念して、法的脳死判定に入る前に         無呼吸テストを行い、患者の人権を侵害した。         日弁連は勧告に併せ、同病院が面談調査を拒否したことに対し、医療不信を解消する上で問題だ         として適切な情報開示をするよう要望した。         申し立ては99年7月、市民団体「『脳死』臓器移植による人権侵害監視委員会・大阪」が行っ         た。岡本隆吉代表は「これまでに24例実施された脳死判定のうち、2例に勧告が出されたのは         重大だ」と指摘している。 【田中泰義】         小松正典・高知赤十字病院の事務部長の話 脳死判定の際、本来最後に行うべき無呼吸テストを         脳波検査前にしたことは既に公表しており、厚生労働省にも報告している。         手順通りに行わなかったことについては真しに反省し、今後は手順通りに行うよう医師らに通達         しているが、人権侵害については現段階でコメントできない。                                 [毎日新聞2月24日] ( 2003-02-24-18:48 )
    ■ [ 2002. 7.16 更新 ] 脳死移植法の見直し風潮に異議あり         脳死・臓器移植法が出来て、ちょうど5年が経ちます。この間19人がドナーとなって、77         人にその臓器が移植されました。成功例の陰で、少なからぬレシピエントが亡くなっている事         実は、移植技術そのものへの不信感を拭いきれません。         しかし、移植を受けに外国に渡る患者が多いことに反応して、ここに来て同法の見直し機運が         高まっています。その中心にあるのが15歳未満のドナーを認めろという「15歳問題」です。         読売新聞では、7月7日から11日までの5日間、「小児心臓移植 空白の5年」と称した特         集記事を組みました。         「人の死を前提にした医療法は不可」と言い続けてきた私も、ドナー対象の家族の意見として、         取り上げられました。以下は同紙、7月9日分からの抜粋です。  特集記事6回分の全文をお読みになりたい方は、ご連絡ください。

   93年夏、戸川孝仁さん(57)(東京都日野市)は、医師から二女しな乃ちゃん
  (当時9歳)の「脳死」を告げられた。
   交通事故で病院に運ばれたしな乃ちゃんのほおは赤く、肌にはぬくもりがあった。
   目じりからは涙も出ている。「うそだ。まだ生きているじゃないですか」。
   だが父の願いはかなわず、9時間後、しな乃ちゃんの小さな鼓動は止まった。
   「脳死がどんなものかは、立ち会った人でないとわからない。あの状態を死と認め、  
  動いている心臓を取り出させるなんて自分には出来ない」。
   戸川さんは今、「全国交通事故遺族の会」副会長として、脳死での臓器移植に反対し
  ている。

    ■ [ 2002. 4.18 更新 ] 「脳死判定で運用指針違反」 大阪の市民団体が指摘         大阪府立千里救命救急センター(大阪府吹田市)で99年、臓器移植法の運用指針などに反した         脳死判定があったとして、大阪の市民団体が16日、坂口力厚生労働相に当時の脳死判定を医学         的に再評価するよう申し入れた。         「脳死・臓器移植による人権侵害監視委員会・大阪」の冠木(かぶき)克彦弁護士によると、同         センターは99年6月、ドナー(臓器提供者)の脳死判定の際、人工呼吸器を外して自発呼吸の         有無を確認する「無呼吸テスト」を早い段階で実施した。         無呼吸テストは患者の負担が大きく、判定の最終段階に実施するよう定めた臓器移植法の運用指         針や施行規則に反する手順だった、としている。         この脳死判定をめぐっては同団体の申し立てを受けた日本弁護士連合会が先月、同センターに対         し「早期の無呼吸テストはドナーへの人権侵害だ」と改善を勧告した。                                         (2002.4.16) [ 朝日新聞 ]
    ■ [ 2001.5.27 更新 ] 臓器移植ネット 27日に立ち入り検査 厚生労働省         社団法人「日本臓器移植ネットワーク」(本部・東京都港区、小紫芳夫会長)が、製薬会社から受         け取った寄付金を、手数料を取って学会などに寄付し直す「トンネル寄付」をしていた問題で、厚         生労働省は27日午後に同ネットを立ち入り検査することを決め、20日、同ネットに通知した。         同ネットは、移植のために遺体から提供された臓器を、移植を待つ患者にあっせんするのが主な業         務。厚労省はネットの監督官庁として、「トンネル寄付」に税法上の問題がないかを検査する。         また、同省は、理事の誰かと親族関係など特別な利害関係にある理事の数が「理事総数の10分の         1を超えてはならない」と定めた同ネットの定款に違反する事実がないか▽同ネットの機関誌「ト         ランスプラント」(年4回発行)の編集を随意契約で外注していることに問題はないか――につい         ても検査する。         同ネットの理事は、会長、理事長を含め計57人いる。この中には小紫会長の親族や、同会長が経         営する会社の顧問弁護士らが含まれるため、同省は定款に抵触しないかどうか確認する。         また、機関誌の随意契約について、同省臓器移植対策室は「公益法人の場合、契約は入札が望まし         い。随意契約をするには正当な理由が必要で、その理由が何かを確認する」としている。         一方、同ネットの森達郎理事は「法律に基づく検査であり、厚生労働省には実態をきちんと見て頂         きたい。         今の段階では検査内容が詳しく分からず、これ以上のコメントはできない」と話している。                          [毎日新聞6月20日]【高木昭午】 ( 2001-06-20-21:35 )
    ■ [ 2001.6.13 更新 ] 移植ネットへの助成打ち切り 日本馬主協会         日本馬主協会連合会が今春、臓器移植を仲介する日本臓器移植ネットワーク(小紫芳夫会長)への         助成金を打ち切ったことが11日、わかった。         同連合会からの助成金は95年度以降の6年間で計7900万円にのぼり、移植ネットの財政運営         は厳しくなった。         小紫会長は3月末まで日本馬主協会連合会の会長だった。連合会幹部は打ち切りの理由を「助成先         が適正かどうかについて内部で議論があり、見直した」と話している。         小紫会長個人や関係企業からの寄付に頼る移植ネットの運営のあり方が、国会などで「公益性を損         なう恐れがある」と指摘されていた。旧厚生省は97年10月、こうした実態を改めるよう文書で         ネット側に通知した。         移植ネットによると、連合会からの助成金は95年度3198万円、96年度3000万円、97         年度1200万円。98、99年度はなかったが、昨年度は500万円あったという。                                            (21:35) [ 朝日新聞 ]
    ■ [ 2001.5.27 更新 ] 京大で脳死肝移植受けた十代の女性死亡         奈良県立医大病院で脳死判定された患者から肝臓の提供を受け、今年3月19日に京都大病院で移         植手術を受けた十歳代の女性が25日午前8時44分、気道内出血による呼吸不全で亡くなった。         脳死移植はこれまで13例行われ、56人が移植を受けたが、患者の死亡は、昨年11月に京都大         で肝移植手術を受けた50歳代の女性に続いて2例目。         同病院によると、この10歳代の女性は2次性胆汁性肝硬変で、移植後の経過は腹腔内の出血など         外科的な合併症や、腹膜炎を併発するなど状態は一進一退を繰り返していた。                                           (5月25日13:49)[ 読売新聞 ]
    ■ [ 2001.5.19 更新 ] 臓器移植者のオリンピック”、8月に神戸で開催         臓器移植を受けた人たちの“オリンピック”と言われる「世界移植者スポーツ大会」が今年8月、         神戸市で開かれ、約60か国から男女1200人が集う。英国で第1回が開かれて今年で13回目。         日本での開催は初めてで、海外での渡航移植を受けた患者ら130人の日本人選手も参加する。         陸上や水泳、テニスなど11競技が年齢、性別で行われる。陸上の男子100メートルでは、前回         の優勝者のタイムが11秒18などと、移植を受けたハンディキャップを感じさせないハイレベル         な競技が行われる。         国内では脳死者からの臓器移植が伸び悩んでいるが、18日記者会見した同大会組織委員会の大久         保通方事務局長は「移植を受けた患者が元気にスポーツを楽しむ姿を見てもらい、移植医療への理         解を深め、その素晴らしさを知るきっかけになれば」と期待している。 (5月18日14:08)[ 読売新聞 ]              ※ 命を謳歌する人と、その影で亡くなった人たち。素直に喜べない行事です。
     ■ [ 2001.5.7 更新 ] 1歳女児の心臓移植成功          拡張型心筋症と診断され、心臓移植を受けるため渡米していた大阪市阿倍野区、飲食業羽山政己さ          ん(24)の長女友菜ちゃん(1つ)の移植手術が成功したことが6日、分かった。          支援団体「ゆなちゃんを守る会」が明らかにした。          拡張型心筋症は、心臓の筋肉が衰え機能が低下する原因不明の病気。友菜ちゃんは移植以外の治療          法がないと診断されたが、国内では法律で15歳未満の臓器提供ができないため、両親が募金を呼          び掛け渡米。          守る会によると、手術はロサンゼルス小児病院で現地時間の1日深夜から2日未明にかけて約2時          間半行われ、無事終了。容体は安定しているという。                                                [ 産経新聞 ]
     ■ [ 2001.5.7 更新 ] 脳死臓器提供「15歳未満からも必要」7割…学会          現在の臓器移植法ではできない15歳未満の脳死者からの臓器提供について、小児科医の7割が          「必要」と考えていることが、日本小児科学会の調査で分かった。東京都内で5日に開かれる同学          会主催の公開フォーラムで発表する。          同学会の地区代表者約600人を対象にアンケートを行い、約6割が回答した。          15歳未満からの脳死臓器提供は現在、本人の生前の意思を法的に確認するのが困難として認めら          れておらず、厚生労働省の研究班が「親の了解のみで実施可能」とする同法改正案をまとめている。          これについては「反対」が5割で、「賛成」は約3割。実施に際して、本人の意思を重視する姿勢          がうかがえた。          意思確認が可能とする年齢については、「13歳以上」とした回答が最も多く約四割を占めたが、          「10〜12歳」が約3割で続くなど意見が分かれた。 (5月5日06:03)[ 読売新聞 ]
    ■ [ 2001.4.25 更新] 脳死肝臓移植提供者の基準を見直し 厚労省作業班        厚生労働省の「肝臓移植に関する作業班」は23日、臓器提供者の基準を見直し、C型肝炎ウイルス感        染者から同ウイルス感染者への肝臓移植を認めた。        また、B型、C型肝炎やアルコール性の肝硬変の患者は、劇症肝炎などほかの患者より移植を受けられ        る優先順位が低かったが、こうした区別をやめることにした。ウイルス性肝炎の再発を抑えやすくなっ        たため。                                         (00:45) [ 朝日新聞 ]
    ■ [ 2001.4.20 ] 脳死心臓移植に医療保険を部分適用         厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)は18日、脳死の人からの心臓移植にかかる医療費につい         て、医療保険から一部給付する「高度先進医療」制度を適用することを初めて承認した。         6例の実績があり、申請を出していた国立循環器病センター(大阪府)に限り、5月以降、適用される。         今回の承認は、全面的な保険適用、いわば日常の治療手段へと道を開く第一歩となる。         高度先進医療制度の適用は、保険がきかない医療費の患者負担を軽減するためにあり、申請のあった医療機         関ごとに中医協が判断する。         今回認められた国立循環器病センターのほか、4例の実績がある大阪大付属病院もすでに申請しており、近         く承認される見通しだ。         試算では心臓移植にかかる費用は移植前の検査から退院後の通院治療費まで含めて年間で1500万〜20         00万円かかる。         同制度が適用されると、臓器摘出や移植手術、搬送にかかる費用以外の、検査費や薬剤費、入院費などは医         療保険でまかなわれることになる。         これにより患者負担は、手術費や保険の自己負担分で年間約380万円程度になる。         しかし実際のところ、同センターと大阪大学で実施された計10例の心臓移植では、費用のほぼ全額を病院         側が研究費として負担していた。         同制度の適用により、医療費の自己負担額や、30数万〜200万円以上と幅がある搬送費用のすべてを受         益者負担として患者に求めるのか、今後の課題となる。         日本臓器移植ネットワークによれば、心臓移植を希望して登録している患者は3月末現在で45人。         登録数の累計は昨年8月時点までのまとめで74人だった。そのうち、6人が国内、4人が海外で移植を受         け、16人が待機中に亡くなっている。         心臓移植の施設に指定されているものの、まだ実施例がない東京女子医科大学病院では18人の患者が登録         されている。         同病院には保険が適用されないため、患者の負担にならないよう研究費の留保分など基金を募って費用をプ         ールしているという。         脳死移植が同制度の対象となったのは、98年1月の肝臓に次ぐ。肝臓については、99年の臓器移植法に         基づく初めての脳死移植より以前に、生体肝移植が500例を超えた実績で特別に認められた。         92年に一部保険適用が認められた生体肝移植は98年4月、全面的に適用の対象となった。(11:03)                                                       [ 朝日新聞 ]
    ■ [ 2001.3.19 ] 14例目の脳死判定、奈良県立医大 関西と九州で移植         奈良県橿原市の県立医科大学病院に交通事故で入院していた20代の男性が19日、臓器移植法にもとづく         脳死と判定された。         日本臓器移植ネットワーク(本部・東京)は移植手術を受ける患者を選定、関西と九州の病院で移植が行わ         れる見通しだ。         1997年10月に施行された移植法にもとづく脳死判定は14例目、臓器提供は13例目になる。         男性は交通事故による急性硬膜下血腫・脳挫傷で10日に入院、16日に臨床的にみて脳死状態と診断され         た。臓器提供の意思を示すカードを持ち、家族も同意した。19日未明に法的に脳死と判定された。         心臓は国立循環器病センター(大阪府吹田市)、肺は大阪大学病院、肝臓は京都大学病院で移植される。         九州大学病院がすい臓と腎臓の同時移植の候補となっている。         移植ネットは厚生労働省の通知に従い、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の感染の危険を避け         るため、男性の家族に英国などへの渡航歴を尋ね、感染の恐れはないと判断した。(12:04)                                                       [ 朝日新聞 ]
    ■ [ 2001.3.5 ] 交通事故死者から2例目の脳死臓器移植を実施        交通事故による頭部外傷で東京都文京区の日本医大病院に入院していた二十代女性が二十六日朝、臓器移植法        に基づき脳死と判定された。女性は、心臓と肺、肝臓、腎臓(じんぞう)、膵臓(すいぞう)、小腸の各臓器        を脳死後に提供するとの意思表示カードを所持し、家族も承諾したため、警視庁の検視後に、日本臓器移植ネ        ットワークが移植患者を選定した。        心臓は大阪府吹田市の大阪大の肥大型心筋症の四十代男性に移植、同夜、手術をほぼ終えた。肝臓は札幌市の        北大の先天性代謝異常症の四十代男性に、二つの腎臓は、東京都新宿区の東京女子医大と埼玉県川越市の埼玉        医大の、いずれも慢性糸球体腎炎の五十代と六十代の男性に、それぞれ移植する手術をしている。        膵臓と小腸は患者が見つからず、肺は医学的理由により移植を断念した。        脳死判定は二十五日夜から始まり、二十六日朝に脳死が確定した。同法に基づき脳死と判定されたのは十三例        目。脳死からの臓器提供は十二例目となる。                                                (2月27日02:05) [ 読売新聞 ]



脳死臓器移植に思う
 交通事故被害者の立場からみた「脳死・臓器移植」  ’99年6月、宮城県古川市で20歳の男性が、交通事故で脳死に状態に陥りました。たまたま彼はドナーカードを   持っていたため、日本で3例目の脳死・臓器移植のドナーになりました。  私たちはかねてから脳死・臓器移植は、交通事故死者をターゲットにしたものと主張してきました。ですからこのニ  ュースに接した私は、遂に来るべきものがきたという、暗澹とした気持ちでテレビのアナウンサーの声を聞いたおぼ  えがあります。  脳死・臓器移植法が成立し、高知県でその記念すべき第一回の移植手術が行われ、連日テレビも新聞もこのニュース  で持ちきりでした。それから比較してもっとも驚かされるのは、回を追うごとにひどくなる情報開示です。  古川市のケースでは、ほとんどと言ってもよいくらい情報が公開されませんでした。新聞などのマスコミは、「交通  事故死」と正確に呼ばず、声をそろえて「事故死」と言い続けました。  「交通事故死」と特定してしまえば、狭い地方都市ではドナーとなった者が判明してしまうという、人権保護への配  慮からかも知れません。しかし同じ新聞をよく見てください。被害者がドナーにならなかった、ごく普通の交通事故  死者は、マスコミに無制限に公表されているのです。  法が施行されて2年半、現在もまだ、依然として「脳死」を人の死と認めないとする人が過半数います。  危険と共生している私たちは、いつドナー側にも、ドナーの家族側にもなっても不思議はありません。  臓器移植を推進する側、すなわち政府や大病院そして患者団体は、臓器移植にたいする判断資料として、正確な情報  を伝えるべきと考えます。  私たちはは交通事故死者をドナーとした古川市のケースにたいして、五つの疑念と懸念をもっています。  初めは、重篤な状態にあった被害者にたいし、十分な救急救命治療がなされたか、ということです。  古川市立病院は、あろうことかドナーカードが提示されてから、急遽泥縄式に摘出マニュアルを完成させました。  これは臓器提供病院になろうとする、病院側の強い意志の現れと言われても致し方ありません。いわゆる移植イケイ  ケムードのなかで、同病院の救急医者はどこまで本気で治療に専念するでしょうか。  ふたつめは、家族の同意を得るために、移植関係者からの執拗な説得工作があったのではないか、という疑問です。  報道によれば家族が臓器提供にサインするまでに35時間もかかったそうです。普通に考えれば35時間という長時  間の逡巡は、「NO」と同意語ではないでしょうか。医者と患者という上下関係、そして訓練されたコーディネーター  の説得にたいし、悲しみで気が動転した家族がどこまで抵抗できたでしょうか。  加えて、移植ムードをあおり立てるマスコミの嵐の中で、家族は自分の意志にどこまで忠実であり続けられるでしょ  うか。  三つめは、今回も見送られた「肺移植」についてです。外気に曝されている分だけ感染症に罹りやすい肺は、現在の  ような救急救命医療技術と、手間のかかる脳死判定手続きがあるかぎり、おそらく今後とも実現しないであろうとされ  ています。これは脳死判定を早めようとするエネルギーに、やがては姿を変えていくことと思います。   移植をおこないたいがために、救急救命のほうが疎かにされるのであれば、これは本末転倒ということになります。   肺移植を実現するために、臨床的脳死の判定が早められることがないようにと、祈るばかりです。   次の疑念は、なぜ現場警察官が被害者の身分を証明するために、ドナーカードを救急隊員に手渡したかです。   ご存じのとおり、ドナーカードは身分を証明する機能はまったくもっていません。むしろ運転免許証とか、車検証の  ほうが正確な情報が得られるはずです。   現に地元の新聞速報では、交通事故として実名つきで公表されたそうですから、「身分証明説」に終始する警察の説  明は腑に落ちないこと、この上ありません。直裁に言うなら警察は、ドナーを病院に橋渡しする役割を果たそうと、意  識して行動したかにすら見えます。   さいごは被害者にたいする検視についてです。交通事故も犯罪被害者と同様、被害者性が高ければ当然、刑事訴訟法  における検視を必要とします。   交通事故は瞬間的なアクシデントのため、加害者性または被害者性が輻輳して、過失割合などの判定が困難なケース  がままあるからです。被害者が死亡した場合、その遺体はほとんど唯一無二の物的証拠であると言っても過言ではあり  ません。   司法・行政解剖の実施については厳しい基準を作成し、嫌疑があれば厳正に解剖を実施して欲しいと考えます。   脳死状態に陥った交通事故の被害者は、生命維持装置や臓器の鮮度保全のため、たくさんのチューブ類で拘束されて  います。X線の撮影や事故の痕跡の記録など、検視には多くの困難が予想されるます。   しかし検視は一度限りということを念頭において、慎重に行われなくてはなりません。警察は検視についてのマニュ  アルを公表して、将来ドナーになるやも知れない人々の、信を得ておく必要があると考えます。   古川市の場合は犯罪性が低いと判断して、行政の実況検分で済ませたようですが、「死人に口無し」と言われること  がないよう、十分な検視が望まれます。   さて2000年は、臓器移植法が施行3年目として、見直しがはかられる時です。この間臓器移植推進側は、コンビ  ニエンスストアなどを使って、幅広くドナーカードを普及させてきました。   またドナー提供病院の拡大と、脳死判定基準の見直し(基準の緩和)、さらにはドナーの年齢基準を引き下げようと  してきました。   同法案に反対する市民団体が、同法にたいして反対集会などを開いて旗幟を鮮明にしていますが、マスコミなどは脳  死移植を時流と捉えて、関心を寄せようとすらしません。   私たち交通事故の遺族は、移植を考える前に「まずは助けるべき命」のことを考えて欲しいと言い続けてきました。  臓器移植はひとつの命を犠牲にして、もうひとつの命を助ける医療技術です。  すなわち「人の死を期待した医療」であり、「愛の贈りもの」とはまったく無縁のものであることは、疑問の余地もあ  りません。臓器移植のドナーやレシピエントになるよりも、交通事故に遭う確率の法がはるかに高いのです。   交通事故死者を減らすための施策の方が、間違いなく社会の利益になるのです。   しかし私たちは不治の病に泣く人たちを、け落とそうとしているわけではありません。他人の死によって生きるため  には、国民の多くが納得できる「人の死」を、しっかりと受け入れていなければならないのです。   数千年に渉って培った日本人の文化と感性のなかで、「脳死が人の死」であることを受け入れるまで、まだ相当時間  がかかると考えられます。

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