30MS リシェッタ・ティアーシャ・ルルチェ

バンダイ Non


No.1 リシェッタ リシェッタ+OPボディ+OPヘア+ステルスアーマー
No.2 ティアーシャ No.3 ルルチェ
フミカネ氏イラストから狸ママver.ルルチェ OPボディ ビヨンドザブルースカイ1

  <コメント> 

  今年は最近の所謂美プラの嚆矢となるフレームアームズ・ガールの第1作 轟雷が発売されて10周年だそうです。コトブキヤが強力な自社IPが欲しいと始めたフレームアームズ。
 そのデザイナーの柳瀬氏の同人誌に島田フミカネ氏が擬人化イラストを寄せたのが発端で始まった美プラ。10年過ぎた今では国内外各社が製品を競う1大ジャンルとなりました。
 その中の2強が元祖のコトブキヤと業界の巨人バンダイ。フレームアームズのコンセプトを真似た30MMにフレームアームズ・ガールを真似た30MSを出してきたのは、
 昭和生まれとしてはソニーVS松下電器のVTR戦争を思い出してしまいます。VTRはソニーの敗北でベータ方式が消えてVHS方式に統一される事になりましたが、美プラでは
 高価格帯のコトブキヤ・低価格帯のバンダイという形で棲み分けがなされているのは、ユーザーにとっては喜ばしい事だと思います。
  30MSを見てバンダイらしいと思うのは、初動のデザイナーに島田フミカネ氏を持って来た事。元々ガンプラなどで繋がりはありましたし、美少女+メカというフォーマットを製品化を
 見据えてデザイン出来るのはフミカネ氏以外には殆ど居ないので、基礎を作る重要な仕事を確実にこなしてくれるデザイナーとして外から何を言われようが選んだのは正解でしょう。
 コトブキヤも立ち上げはフミカネ氏でしたが、そこから新たなデザイナーへの展開を済ませていたので時期的にも良かったと思います。又、コトブキヤが基本的にオールインワンで
 高価格帯なのに対し、素体+OPパーツとして本体価格を半値以下としたのも、販売的に正解だったと思います。バンダイの規模ならコトブキヤ相当のフォーマットであっても2/3〜半値で
 出せたと思いますが、平易な組み立てに安い価格と意図的にライト層向けのポジションを取ったのは、上手く棲み分けして新ジャンルの市場を拡大させる事になりました。
 これで入手が容易であれば全く文句の無いところですが、ガンプラの転売ヤーとパニおじに巻き込まれる形で、特に新製品に関しては入手難なのが残念です。それでも素体キットは
 まずまず供給されているのはバンダイの頑張りでしょう。

 <キットについて>

  初期キットですので店頭在庫もそこそこあり、買い易い娘達です。初期故に太腿が2分割で接合ラインが出てしまうのが残念ですが、接着してヤスリがけしてからトップコートを吹いてやれば、然程気には
 なりません。組み立て易さは流石はバンダイで、どれか1体組めば他のも悩むこと無く組める構造の統一性はライト層向けには嬉しい仕様。ただ、軸周りの嵌合は流石のバンダイでも安定しないので、
 擦り合わせて具合を見る必要があるのはコトブキヤと変わりません。又、やはりプラスチッキーな表面光沢からは逃れられないのでトップコートを吹くのは必要だと思います。バンダイの多色成形技術の
 お陰で原則塗装不要なので、本格的な塗装環境が無くてもスミ入れとトップコートだけで十分な仕上がりになります。私はスミ入れと肌色パーツにツヤ消し、武装パーツに半ツヤのトップコートだけで
 仕上げています。
 初期キットでの最大の問題は股の構造でしょう。腰パーツとの保持力が弱く簡単に外れてしまって腰パーツが宙に浮く事になります。私はタミヤのクラフトボンドを流し込んで接着と僅かばかりですが
 可動出来るようにしました。後期キットとなるリリネル/ララネル以降は構造が変わり、しっかり保持出来る様になりました。Ver.2となるリシェッタ・フリージアウエアでは更にしっかりした構造になりましたが、
 腰の可動がオミットに。この辺の取捨選択は人毎に評価が分かれますね。

 前述の腰部構造の他にも太腿が一発抜きとなり接着線処理が不要となるなど、素体キットが新しくなる度に改良を入れてくるバンダイの姿勢は称賛されるものだと思います。後は転売ヤーやパニおじが
 居なくなってくれれば入手性もあがるのですが、これはバンダイだけで解決できる話ではありませんからねぇ。
 実作業時間:20時間/6体

今回の教訓:
一気に作れば効率は上がる。けど飽きる 

22.JUN.25

フィギュア・アニメの棚へ