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試製烈風に比べて機首回りは逞しさがUP | 剥がし法で再現したハゲチョロ |
<コメント>
零戦以下の性能しか出せずに開発中止の危機に瀕した試製烈風。堀越技師と三菱は自社リスクでエンジンを誉から自社製の
MK9Aに換装します。結果、最大速度が555→624km/h、6000mへの上昇時間が10分→6分5秒と劇的な性能向上が見られ、失敗作
から一気に期待の新戦闘機へと生まれ変わります。が、時既に遅く、終戦の日を迎える事になったというのが烈風の生涯。確かに
伝説となる物語性に溢れる機体ですよね。
実際に烈風が量産され配備されたとしたら、どの程度の活躍をしたのか? 色々議論はあると思いますが、まあ紫電改よりは
活躍出来た事は間違いないでしょう。エンジンは多分誉よりはまともに動いたでしょうし(1000馬力級の栄を発展させた誉より、
1500馬力級の金星を発展させたMK9Aの方が無理は少ない筈)、低翼面荷重故に操縦性は零戦並以上で未熟練者にも
扱いやすいものだったと言われていますので。
ただ、実戦となると、F6Fやコルセア辺りには優位に立てても、P-51やF8F辺りが相手では苦しかったろうと思われます。空戦は
最早格闘戦の時代ではなく、高速一撃離脱の時代だったのですから。
その意味では、当初堀越技師が主張していた通り(大馬力&高翼面荷重)に烈風が開発されていたら、どんな姿になったのか
見てみたい気がします。
<キットについて>
ファインモールドは試製烈風とほぼ同時に、このキットの出したと記憶しています。バリエーションですので、キットの出来は
試製烈風と同様。合わせの不具合については試製烈風で1度経験しているので、修正自体は楽でした。MK9Aを搭載して
逞しくなった機首は、実機写真と見比べて、良く雰囲気を再現していると思います。
量産されて実戦配備となったら、の仮定で製作していますので、水平尾翼は丸型翼端・機銃は20mmX4丁としてみました。
ディテールアップはエッチングのベルト追加とピトー管を真鍮挽き物に交換、ブレーキパイプを追加したくらいです。
尾翼ナンバーは、343空のものとしています。実際、量産されたら実戦部隊では1番に配備されたんじゃないでしょうか。
塗装は、上面濃緑色/下面無塗装銀。下面の無塗装銀にはガイアカラーのジュラルミンを使用。クリアーを重ねると流石に
キラキラ感が落ちてしまいますが、なかなか良い銀色です。
上面色はタミヤアクリルの濃緑色を使用。今回は、機体のハゲチョロを再現するのに雷電の時と手法を変えて実際に剥がす
手法でいこうと目論んだ為、剥がし易いアクリル塗料を使用しました。下地にガイアカラーのジュラルミンを吹いておいてから
アクリルの濃緑色を吹き、乾いたところでタミヤの調色スティックでゴリゴリと剥がしてやりました。いや、剥がすのの面白いこと。
調子に乗って、ちょっとやり過ぎてしまったかな。
剥がし終えたところでデカールを貼り、モデラーズのツヤ消しクリアでコート。今回ここで失敗。デカールが乾き切っていなかった
らしく、気泡やら皺やらが出た為、ペーパーで擦り落としてクリアを二度吹きする羽目になりました。やっぱ、デカールの乾燥は
十二分にやっておかないと駄目ですね。
最後にエナメルのツヤ消し黒+レッドブラウンでスミ入れをし、拭き跡を残す感じで拭き取っています。仕上げにパステルとコピックで
薬莢排出孔や機銃回りに排煙のススを着けましたが、雰囲気のある汚れとするのはなかなか難しい。これもセンスが必要なんで
しょうね。
今回の教訓:デカールの乾燥には十分時間を掛けること(初歩を忘れるべからず)
16.NOV.08