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機首回りはスマート過ぎて逞しさが足りないような気が | コクヒットにはエッチングのベルトを追加 |
<コメント>
烈風と言えば、間に合わなかった名機の代名詞。仮想戦記物では代わりに大活躍する事が多い機体です。私も子供時分は
貝塚ひろしさんのマンガを読んで、「後1年実戦参加が早ければ・・・」なんて悔しがったりしたものです。(戦記物ブームの頃でした)
そんな有名機でありながら、長らくまともなキットが出ておらず悔しい思いをしていたのですが、ファインモールドが1/48(と1/72)で
キット化してくれました。マイナーな日本機ならファインモールドと言う評価があるとはいえ、出してくれたのは有り難い限りです。
キットを作ってみると、その大きさ(特に主翼)に驚かされます。翼面荷重130kg以下との要望をクリアする為とはいえ、この図体で
戦闘機らしい機動性を得る為にはそれなりの大馬力エンジンは必須、堀越技師がエンジンに拘ったのも理解出来ます。
しかしながら試製烈風(A7M1)においては、海軍の指示により誉(しかも量産品の性能の出ていない)を搭載せざるを得ず、
結果、零戦並以下の性能しか出ませんでした。この後、三菱&堀越技師は自社リスクでエンジンを自社製MK9Aに換装、劇的な
性能向上を見る、という伝説の幕が切って落とされます。
そういう経緯を知った目で見ると、確かに試製烈風の機首回りはスマート過ぎて戦闘機らしい迫力に欠ける気がします。とは言え
武骨な感じのする量産型烈風と比べて、スマートな烈風もなかなかカッコよいのでは。
<キットについて>
ファインモールドの製品としてjは、やや古い部類に属するキットです。初期の彗星の様に各部が合わずガタガタなんて事は
流石になくなりましたが、工業製品としてはまだ詰め切れてない感じがします。
中身の方ですが、外形形状は問題無し。(とは言っても試製烈風にはちゃんとした写真は残って無いのですが)
モールドは同社一流の繊細なものですが、部分的にやや浅めな箇所があります。小物のキレも良好。パーツ同士の合いも
基本的に問題はありませんが、先に述べた様に工業製品として詰め切れてない部分が何箇所か。そのまま組むと、主脚格納庫と
胴体が干渉しますので、格納庫の裏を削って合わせ込む必要があります。又、主脚の取り付けダボと格納庫側のダボ穴の形状が
合いません。ダボを削って小さくし、ダボ穴の方も削って広げてやる必要があります。車輪カバーの接着用ノリ代が小さいのも
困り者。総じて脚回りに問題が多い様です。あと、プロペラ軸と機首側の受けもクリアランスが無いので、機首側の径を少し大きく
しておかないと、プロペラが組み付けられません。
デカールはこの時期のファインモールド特有の奴で、台紙上では異様に重いのにノリ自体は弱く、扱いに注意しないと破ります。
(今回も2箇所程破いてます) マークソフターは良く効きますし、クリアー耐性もまあ普通かと。ただ、入っているのが国籍マーク類
だけで、尾翼のナンバーが入ってないのは困り者。確かに確認できる写真等は無いのですが、推定でも良いから入れて欲しかった。
今回は学研の「烈風・烈風改」の記述の基づいて試製烈風(A7M1)2号機として仕上げていまして、尾翼ナンバーは通例に従い
「コ-A7-2」と推定し、デカールは烈風11型のキットから流用して、色が違うので上からなぞっています。
ちなみに同書の記述から水平尾翼は角型とし、パーツは11型のキットから流用(と言うか交換)しています。
塗装は、黄橙色一色。クレオスのカラーにちょっと赤を加えた色を基本色として、パネルライン沿いには影色としてレッドブラウンを
吹いたのですが、黄橙色の隠蔽力が弱くてなかなか影色にボケてくれず、かなり吹き重ねをする羽目になりました。
機首上面の反射避けは、ツヤ消し黒だとコントラストがキツイかと思い、カウリング色を使っています。プロペラは赤褐色。
脚格納庫と脚カバー裏は、試作機だから丁寧にやったろうと青竹色を塗りました。
尾翼ナンバーは、先に書いた様に烈風11型のデカール(黄色)を貼りつけ、上からツヤ消し黒でなぞったセミ手書き。初挑戦だった
ので出来は・・・ですが、画像ではそれなりに見えるので一安心。
最後にエナメルのツヤ消し黒+レッドブラウンでスミ入れをし、拭き跡を残す感じで拭き取っています。仕上げにパステルで
排気のススを着けました。
ある程度使い込まれて草臥れた感じにしたかったのですが、上手くいったかな?
今回の教訓:影色は上面色の隠蔽力を考えて色味を決めること
09.NOV.08