十二試艦戦 1号機
ハセガワ 1/48

 
瑞星エンジンに2枚プロペラで結構イメージが違います むしろ尾部回りの方がよりイメージが違うかな?

  <コメント> 

   1万機以上が生産された名機零戦の最初の1機。それが昭和14年3月に初飛行したこの十二試艦戦1号機です。
  世界レベルに追いついた前作96艦戦から、世界レベルを抜く為に、堀越技師が軽量化と抵抗低減に苦闘した跡がこの形と
  なりました。エンジンが瑞星・プロペラが2枚・水平尾翼取り付け位置・後部胴体長さ・下部にフィン追加など、色々と量産機とは
  違いますが、その姿はやはり優美と言う形容詞が似合うものです。プロペラが2枚な分、より華奢にも感じられますね。
  2枚プロペラは振動問題が出た為にまもなく3枚プロペラに変更されていますので、この姿でいた期間は短かったと思われますが、
  零戦の原点ですから、1度形にしてみたかった機体です。やっと宿題を片付けた様な気分ですね、今。

<キットについて>

   ハセガワの零戦セットからの単品発売となったキットです。これまで十二試艦戦のキットとしては、ハセガワ/ガルテックスの
  1/72レジン胴体キットがあっただけと記憶していますので、普通のプラスチックキットとしての発売は嬉しいです。
 、キットの出来は、ベースが秀作の21型ですので問題無し。短い後部胴体を再現する為に尾翼前で入れ子型で対応しています。
  この入れ子型の部分、金型のすり合わせをやり切ってなかった様で(零戦セットの発売に為に急いだんでしょうか?)、結構目立つ
  段差となっています。今回は600番のペーパーで一皮剥く様にして修正しました。ちなみに21型の金型は大分痛んで来ている様で、
  あちこちモールドが浅くなったり接着面の荒れたりしています。ハセガワのキットだからと油断しないで、胴体主翼ともに丁寧に
  すり合わせてやる必要があります。
   機首回りは、実機通りに新金型。プロペラは、やはり金型のすり合わせがやり切れてなくて結構パーティングラインが目立ちます。
  瑞星エンジンは良いモールドで、プラグコードを追加してやれば完璧でしょう。オイルクーラーは実機(1,2号機)に合わせて2種類。
  考証にも気合が入ってます。
   ただ、その考証でおかしいのがコクピットのヘッドレスト。取り付け指示が無い上に、御丁寧にも取り付け穴が塞がれてます。
  ハセガワの(悪い意味での)新考証でしょうか? 実機では転覆時保護支柱を兼ねてますので、試作機と言えど付いていない筈は
  無いです。実際、1号機の艤装図にはしっかり描かれてますし、2号機の写真にも明確ではないですが写っています。パーツ自体は
  21型のランナー内に入っていますので、穴を開けてちゃんと取り付けてやりました。(その代わり照準器を付け忘れた。。。(^^; )
  ディテールアップはエッチングのベルト追加とピトー管を真鍮挽き物に交換、ブレーキパイプを追加したくらいです。
  尾翼ナンバーは、写っている写真は見た事無いですが、まず妥当なところでしょう。

   塗装は全面灰緑色との指示ですが、塗装するに際し輸入されたドイツ機の色を参考にしたという説が頭にこびり付いていたので、
  それに従う事にしてRAL02を使用しました。画像では結構明るく写ってますが、実際はもう少し濃く暗い感じになります。
   デカールはカルトグラフ製との事で期待したのですが、ちょっと期待外れ。まず赤の色味が妙に朱色に寄っている様な感じ。これ、
  何か根拠のある色味なのでしょうか? ついで貼る段になったら、妙に貼り難い。デカールが硬い感じでもないですしノリは弱くは
  ないのですが、モールドへのフィット感が今一つ。特に計器板に貼るのに梃子摺りました。マークソフターは良く効くのですが、表側
  からだと弾きが強いので、マークセッターをタップリと塗って対処。機体側に貼る際にはそれ程ではなかったのですが、上面の
  編隊灯の部分はソフターを塗っても追従しそうになかったので、ナイフで切ってやりました。それ以外はフィルムは薄くニス部も少なく
  クリアーにも強いという何時ものカルトグラフ。デカールの個体差あるいはロットの差なんでしょうかね?
   デカールの押さえには何時もはツヤ消しクリアを吹いてるのですが、今回は試作機ということで丁寧に磨いていただろうと、ガイア
  カラーのクリアを吹いてやりました。同じ理由でスミ入れの拭き取りは吹き跡が残らない様に丁寧にやり、仕上げの汚しも今回は無し。
  たまには綺麗な機体に仕上げるのも良いものです。

  今回の教訓:取り付けパーツの残りは良くチェックしておく事

26.JAN.09

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