J-35F ドラケン

ハセガワ 1/72

 

  <コメント> 

  WW2において、かろうじて独ソの侵略から中立を守ったのが、スイスとスウェーデンです。
 しかし、スイスのそれが金融力と言う裏付けのあるものであったのに対し、スウェーデンの場合は
 地政学的な幸運に依るところが大でした。それは、スウェーデン自身が1番良く分かっていた事であり、
 戦後は永世中立を旨としながら、それを裏付ける力を手にするべく努力します。その際、参考にしたのが
 少数兵力ながらソ連に対して勇戦し、負けたとはいえ独立を守った隣国フィンランドの事例でした。

  専守防衛に徹した兵器の自力生産と言う明快なコンセプトの下、J-21から始まる独特の戦闘機が
 生み出されるなかで、「スウェーデン機」なるものを世に知らしめたのが、このドラケンでしょう。
  ダブルデルタと言う独特の外形・小型軽量多用途のコンセプト・整備性とターンアラウンドの短さ等、
 専守防衛の為の戦闘機とはかくあるべし、と思います。<どこぞの国とは大違い
 傑作機と呼ぶのに異論のある人は少ないでしょう。
 私にとって、好きなジェット機のTOP3にランクされる機体です。
   #「エリア88」の影響もあったりして(^^;

<キットについて>

  ハセガワ1/72ジェット機シリーズの中では、比較的新しいキット。外形は良好ですし、
 表面のモールドも綺麗。<エレールのは梨地だったから、よけいにそう感じます
 ただし、1ヶ所落とし穴があります。<模型誌では指摘されてませんが
 つまり、後部胴体(ノズル部)と本体の合わせが異様に悪いんです。背中のハンプには段差ができますし、
 胴体上面基準で合わせると、下面に1mm以上もの隙間が出来ます。ちょっと、最近のキットとしては
 信じられません。まあ、知っていれば修正は簡単なんですが・・・。
 これ以降、私は精度の点でもハセガワを信じないことにしました。

  塗装はスウェーデン空軍F10航空団第3飛行隊のもの。
 ドラケンの塗装は主翼上面の馬鹿でかい数字コードが特徴ですが、キットのデカールは結構、隠蔽力が
 あって、下は殆ど透けません。上面:オリーブドラブ/ミッドナイトブルー、下面:ニュートラルグレー+ブラックは
 説明書通り。クリアーを吹いた後、エナメル黒でスミ入れ兼ウオッシングをしてありますが、拭き取りが
 甘かったのか、少々汚くなってしまいました。

 次は、アクトハセガワの「エリア88」仕様をやりたいですね。クフィールと並べて。(^^)

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