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<コメント>
かつてソ連戦闘機の代名詞と言ったらミグ(Mig)でした。Mig-15から始まりMig-29の登場まで、
それは絶対的な定理だった筈なのですが、ソ連の崩壊と歩調を合わせるかの様に定理も崩壊。
ロシア誕生と共に新たな代名詞となったのが、Su-27と言う大ホームランを放ったスホーイです。
実際、例の「プガチョフ・コブラ」を見て度肝を抜かれた航空ファンも多い筈。<私もその一人(^^ゞ
その後、ロシアの新鋭機と言えばSu-27の一族を指す様になったのは、当然と言えば当然かも。
さて、そのスホーイの文字通りの最新鋭が、このS-37ベルクトです。
とは言ってもアメリカのXシリーズに相当する実験機ですから、ロシアの最新鋭機と言うのは間違いですし、
将来、前進翼機が実戦配備されるかどうかは疑問の残るところですが。
それは別にして、この機体は飛行機ファンの琴線を刺激してくれます。対抗馬のアメリカの実験機が、例の
X-32・X-35と言うゲテモノ機(<と言いたい!)ですから、余計にそう感じている可能性もありますけど。
正直、初見ではちょっと不恰好に見えまたんですが、キットを組んでいる内にえらく気に入ってしまいました。
少なくとも美的センスは、アメリカ人よりロシア人の方が上ですね。(笑)
<キットについて>
レベルの(最近の)1/144シリーズと言えば、1/72顔負けのモールドとディテールが売りですが、その点では
このキットはやや控え目。それでも、イタレリ/ズベズダの1/72が再現していない機首のシャークノーズ気味の
形状をしっかり再現している辺りは、レベルの面目躍如と言ったところでしょう。逆に、外形上の特徴である
コクピット後部両脇のピトー管(?)が省略されているのは大きなマイナス。今回は飛行姿勢で組む予定だったので
主脚のオレオ部分と真鍮線で自作してみましたが、少々形状が違ってしまった様です。^^;
1/144でパーツ数が少なく基本的に合わせも良いので組み立て自体はスラスラと進みますが、インテイクと
胴体・主翼前縁と胴体の合わせに関しては、擦り合わせが必要です。<失敗者は語る(汗)
塗装は指定通りカウリングブルーですが、そのままでは暗くなり過ぎるので、ライトグレーを20%くらい
混ぜています。黒の上に黒系では塗装の具合が判りにくいので、下地に白をムラに吹き、機体色自体も
わざとムラに吹いて単調になるのを防いだつもりだったのですが、つや消しクリアーを吹いたら判らなくなってしまいました。^^;
排気管はグンゼの新色バーントアンバー+シルバー。
スミ入れは、地色が黒系なのでレッドブラウンを薄く流しています。
実機が実験機ですので、デカールが1種類だけなのは致し方無いところ。このデカール、透けの少ない良質なもので、
細かい部分の白とか機首横やインテイク部の黄色などは、塗装したのと変わらない位の発色です。
デカール軟化剤にも良く馴染むし、モデラーズのクリアーを吹いてもびくともしません。国内メーカーも見習って欲しいです。
飛行機は飛行状態が1番美しいと思うのですが、1/72や1/48をスタンドモデルにするのは、流石にちょっと
躊躇いがあります。 その点、1/144なら大きさも手頃ですから、スタンドモデルには丁度良いスケールと言えるでしょう。
このレベル1/144シリーズは、その点においてもお勧めのキットだと思います。