ドイツ ヤークトタイガーヘンシェル)
タミヤ 1/35

 
視線を下げるとデカさが良く判ります 開くと砲尾が見えます。ただそれだけ

  <コメント> 

   去年はタミヤMMシリーズ40周年だったそうで、リメイク完全新作としてU号A〜C型とこのキットが発売されました。
  私の年代では、ヤークトタイガーと言うよりハンティングタイガーと言った方が、通りが良いですね。あと、ヤークトパンターは
  ロンメルとか。T-34/76にロジーナと付けたのはフジミだっかな?何にせよ、随分と刻を経てのリメイクであり、嬉しい事です。
   しかし、組み上げてみると改めてその大きさに圧倒されますね。現用戦車を見慣れている人には大した事は無いのでしょうが、
  WW2の戦車としては、やはり別格の大きさと存在感のある戦車です。生産開始は1944年ですから、T号戦車が生産されてから
  たった10年で、ドイツの戦車は128mmの主砲と250mmの装甲板を備えるこの怪物に進化してしまった訳で、つくづくドイツ人の
  業みたいなものを感じずにはいられません。
  攻撃力と防御力だけを取ればこれがWW2最強の戦車と言えるでしょう。尤も、その最強の戦車も、落日のドイツ軍の中にあっては
  幾つかの伝説を残して米英露の物量の前に消えていく定めだった訳で、そう思うと風格の中に悲しさが漂う気もしてきますね。
  まあ、これは末期のドイツ重戦車全てに当てはまることですが。
  さて、このキットはMM No.295。No.300には、また何か妙なものを出してくれるのかなぁ?>タミヤさん

<キットについて>

   出来について一言で言ってしまうと、兎にも角にもタミヤスタンダード。ドラゴンのガチンコするから何か・・・と思っていましたが
  何もありません。値段を考えると、アルミ砲身くらいは奢って欲しかったなぁ。
  基本形状や細部についてはweb上で色々検証された様ですが、問題無いとの話なので、私レベルでは十二分の出来。説明書に
  従ってひたすら組んでいくのみです。
   転輪はスキを再現する為に変わった分割となっていますが、完成してみると一体ものと大差がありません。つーか、老眼になりつつ
  ある目では違いが判りません。部品の成形が面倒くさい事も有り、ここは正直一体のままで良かったと思います。
   履帯は連結式とベルト式の選択式。カステンなんかを使う人は兎も角、私レベルでは有り難い配慮です。今回は連結式を使って
  みましたが、合わせは悪くないものの、それなりに梃子摺りました。調整しつつやらないと起動輪回りで捩れる傾向がある様です。
  ちなみに図示通りに組んでいったら、丁度1枚分余ってしまいました。誘導輪の上の見えないところで誤魔化してあります。
  そう言えば、履帯の表側に押し出しピン跡があるからと非難している人をweb上で見ましたが、私の目にはどれがモールドでどれが
  押し出しピン跡か、全く区別が付きませんでした。よって、私的にはモールドの中に押し出しピン跡を紛れ込ませる今回の手法は
  押し出しピン跡を埋める作業が無くなるので「あり」ですね。履帯のモールド形状にも依るでしょうが、今後もやって欲しいです。
   主砲は一般的な左右分割のもの。ドラゴンがアルミ砲身を入れるんですから、初回限定でも良いからアルミ砲身を入れて欲し
  かったと思います(ライフルが切ってあればベスト)。砲はポリキャップを入れる事もあり上下左右に良く動きます。
   戦闘室は天板まで分割されていて、それは良いのですがその為に側面装甲板がちょっと捩れ気味。後面は良かったのですが、
  前面装甲板は上手くすり合わせないと上面角にスキが出ます。また成形方向の関係でしょうが、前面装甲板の溶断跡のモールドが
  下側だけ付いていません。上側も繊細過ぎるので、ツィメリット用エッチングブレードで跡をけがいてやりました。
   戦闘室内のペリスコープや主砲照準機は、今今のキットですので全て別体。昔は一体or入ってなかっただったんだよなぁと、ちょっと
  感慨に耽ったり。御蔭で車長ハッチ脇のペリスコープを入れ忘れるわ、主砲照準機は無くすわと散々。ペリスコープの方は見なかった
  事にして、照準機はドラゴンのヘンシェルのキットから流用。ちなみに何箇所か折ったキャタピラフックも流用しました。(幅広いけど)
   小物部品類も良い出来で、特に機銃は機銃口が開口されています。ただ、後部の対空射撃用機銃がストックが無いものになって
  いて、これが説明書の絵と異なっています。これ、有り無しのどっちが正しいのかなぁ。取り合えず今回は装備しませんでした。
  
  キットとしてみると、このキットは先発のドラゴンと良い勝負といった感じです。工作のし易さでは多分勝っているでしょうが、ドラゴンの
  価格を考えるとちょっと考えてしまいますね。向こうはアルミ削り出し砲身だし。結局、お好きな方をどうぞとしか言えないかな。

   塗装は、今回下地にプライマー色(ガイアカラー)を吹いてみました。が、ドゥンケルゲルプの発色が今一つ暗くなってしまいました。
  素直にサフの上に吹いておけば良かったかな。ドゥンケルゲルプは、今は懐かしのパンツァーカラー。今回の製作でほぼ使い切って
  しまったので、次回からはガイアカラーのを使ってみようと思います。グリュンとブラウンも同じくパンツァーカラー。こちらは、まだあと
  1,2輌はいけそうかな。ドゥンケルゲルプを全面に吹いてから、迷彩は先に薄めた塗料で輪郭を描いておいて、中を塗り潰していき
  ました。斑点は爪楊枝の先を削って塗ってみたんですが、少々大きめ&不揃いとなってしまいました。
  基本塗装が終わってから、ドゥンケルゲルプに白を混ぜた色でドライブラシ。それからデカールを貼ってツヤ消しクリアを吹いて定着。
  デカールはレスポンスが良いし糊も程よい強さ。発色も良くニス部もカルト程ではないけど薄くクリアにも強い、日本産のデカールと
  しては上質な部類の物です。クリアが乾いてからアクリルの青、緑、黄色でフィルタリング。その後、エナメルの黒+レッドブラウンで
  スミ入れ。仕上げにパステルをあちこちに擦り付けました。
   履帯はラッカーのメタルブラックの上にアクリルのフラットブラウンを重ねたもの。そのあとタミヤのウェザリングマスターのサンドを
  を擦り込んでます。仕上げにエナメルのシルバーでドライブラシしています。

  今回の教訓:複数パーツ使用数と残数を確認すること(<ペリスコープ入れ忘れ)

15.JAN.09

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