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<コメント>
「無敵零戦」の神話、それを築いたのがこの21型だと言う事は、今更説明するまでもありませんね。
対峙する連合軍機に優越する性能と経験充分なパイロットの組み合わせは、太平洋戦争初期に
圧倒的な戦果をあげました。坂井三郎氏の「大空のサムライ」を読んで、その活躍に胸躍らせた経験を
持っている大戦機マニアは多いのでは?その一人である私にとっても、零戦は最も好きな機体です。
21型は、言うなれば「This is 零戦」でしょう。卓越した空戦性能と長距離侵攻能力と言う要求に対して、
(当時の日本の技術で)形にし得る最適解、それが21型だったと思います。
(戦訓による改修を反映し、熟成されたと言う意味でも)
世界的に見ても、1000馬力級ENGを搭載した機体としては1つの頂点を極めていたと言え、さらに加えて
世界初の戦略戦闘機であった訳で、その意味においても世界の航空史に特筆されます。
ただ、最初から極限を極めていた事が、兵器としての零戦の不幸だったとも言えるでしょう。
「優れた機体は美しい」を地で行く優美なフォルムは女性的ですらあり、悪く言えば兵器としての武骨さに
欠けます。成長余裕の殆ど無い設計は、以後の改修で機体のバランスを崩して行きます。せめて強力な
ENGが与えられていれば、(Me109やスピットファイアの様に)終戦まで第一線で活躍出来たでしょうが
当時の日本の工業力では、それも夢のまた夢でした。
<キットについて>
タミヤの旧1/48シリーズなので、モールド等は最近の製品を見なれた目には、少々物足りないものが
あるのは仕方の無いところ。それでもフォルム自体は、まだまだ現役です。ハセガワのキットは、主翼の
捩り下げの表現がキツク感じられるので、私はこちらの方が好きですね。
塗装は超有名な台南空時代の坂井一飛曹のもの(昭和17年春頃)。全面明灰白色で、アンテナ支柱は
「大空のサムライ」の記述に従い、根元で切り飛ばしてあります。