技MIX F-4NファントムII(VF-84)


トミーテック 1/144



 
翼下兵装類はフル装備 ファントムは発艦時の後ろ姿の力強さが魅力かと

  <コメント> 
 
  
軍用機の尾翼に描かれる部隊マークには色々ありますが、その中でマニア以外にも知名度の高いものと言えば、ブッチギリでVF-84の「スカル&クロスボーン」
 でしょう。今更言う間でもないのですが、映画「ファイナル・カウントダウン」のヒットで一躍有名になり、その後の「トップガン」の大ヒットでF-14が有名になったのに
 合わせて、F-14を代表するマーキングの様な位置に落ち着きました。アニメファンであればTV版「マクロス」の方から知った人も多いでしょう。
 既にVF-84は解隊しF-14も退役してしまいましたが、部隊名「ジョリー・ロジャース」とマーキングはVFA-103に引き継がれて、F/A-18の尾翼を飾っています。
 知名度的には米海軍航空隊が存続する限り継承されていきそうですが、X-47Bの様な無人機が主役となった際にはどうなるのかなぁ?

<キットについて>

  技MIXを作るのは3年ぶり3機目。パッケージ写真にフラフラと誘われて手を出したのは、戦闘機と言えばF-4の時代を過ごしてきた爺だからかも。前回から
 かなり時間が開いたのでが、キットの方の進化具合にも興味がありました。

  出来の方ですが、ショートノーズのF-4は技MIXの中では最新の開発となりますので、形状的にはまず文句は出ないと思います。表面モールドもスケールに
 見合った端正なスジ彫りが細かく施されていますが、最近は多くなっていたメリハリの付いた凹凸表現は無し。スケール的な事もありますが、この辺は製作担当の
 ハセガワの長所短所でしょう。塗装の出来も一段と向上しており、タンポ印刷の利点である細かいコーション類の再現は、1/144というスケールではそろそろ過剰で
 煩いレベル。1/72でもちょっと多いかもしれません。兵装類は胴体/主翼の増槽にサイドワインダー/スパローが各4発と、文句の無い量が入っています。
  製作に関しては以前のP-3Cよりも合わせが向上しており、ダボ等を改修する必要は有りませんでした。この辺の進歩は、こういう塗装済みキットでは大変
 有り難いです。一方、相変わらずなのはブレードアンテナ等の取り付け。スケール優先となっている為に接着代が小さく、且つ微小なパーツなのに嵌め込みを 
 基本前提としているので、取付穴はキツいまま。手先の動きがそろそろ怪しくなってきた私には難行苦行も良い所でした。出来の良い(=高い)ピンセットを
 持っている訳では無いので、パーツが飛ぶ飛ぶ。 結局、胴体下面のは何とかなったものの、上面の2本(キャノピー直後のブレードアンテナと胴体中央の黒い
 アンテナ)は飛ばして見付けられず。前者は不要部品のランチャー端部を切り出して代用し、後者はゼリー状瞬着を丸く盛り上げて、それらしくでっち上げました。
 尚、水平尾翼のみは取付穴が他に比べると異常に緩く、嵌め込んだだけでは角度も決まらず簡単に脱落します。可動にする為でもないようですから、下半角に
 注意して接着する必要があります。
  胴体に関しての問題点は上に書いたことくらいですが、兵装類はやや出来が劣ります。ミサイル類はパーティングラインで段差が出ており、本気で修正するには
 再塗装が必要。又胴体下面タンクはダボ位置が甘く、やはり合わせ面で段差が出ます。まあ、両者とも写真取って拡大して見た時に気付いたレベルなので、実物
 ではあまり気になりません。再塗装する手間を考えると無視しても良いでしょう。ただ、胴体下面タンクのスタビウイングだけは要注意。タンク左右を合わせてから
 では干渉して組み付け困難なパーツ割りな上に、取付穴が小さすぎでスタビウイング側をかなり削らないと嵌まりません。十分に摺り合わせる事が必須です。
 又、サイドワインダーランチャー(LAU-138?の方)はパイロンに対して前後左右共に角度が決まりません。先にパイロンを主翼下面に接着しておき、それから
 ランチャーを接着して機体との関係を見ながら取り付け角度を調整する必要があります。この辺りは、もう少し改善して欲しい所です。
 デカールはP-3Cから大きく進化しており、糊の強さはまずまず適正でシルバリングも起こりません。デカールフィットを塗っておくだけで十分でしょう。

  塗装済みが売りのキットですが、そのままでは綺麗過ぎなのでスミ入れと汚しを行っています。物が小さいので黒を使うとキツ過ぎでおもちゃっぽくなりますから、
 基本的にはコピックのウォームグレーを使い、動翼部にはタミヤ・スミ入れ塗料のダークブラウンを流しました。共に機体前後方向にぼかしと拭き取りを行い、
 汚しとしています。コピックやガンダムマーカーの様なアルコール系塗料は手軽に使えて臭いが無いので、簡単仕上げを行うには大変便利です。

 ブレードアンテナ類やらランチャーやらに少々手間が掛かりますが、形にするだけなら3〜4時間で済みます。デカールを貼って、翌日小1時間掛けてスミ入れ・
 汚しをすれば完成しますので、このシリーズは未完成病や積どく症候群に罹患されている方のリハビリには大変宜しいキットです。後はもう少し安くなって欲しいと
 思いますが、賃金/技術面で中国の代わりとなる国が出てくるまでは無理かなぁ。
 (実作業時間:5時間)

今回の教訓:
ピンセットには金を惜しむな

20.MAR.16

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