ドイツ試作重戦車 マウス
ペガサス 1/72

 
この角度で見ると砲塔に対して車体幅の狭いこと 1/72では流石のマウスもこの程度のサイズ

  <コメント> 

   ユーモアのセンスにもお国柄ってものがありますが、イギリスの捻くれたそれに比べるとドイツの方が判り易い気がします。
  とは言え、こんな重戦車にマウスなんぞと名付けるのは、やっぱり日本人の感覚では違和感ありますね。どうにもデカ過ぎて
  扱い辛い事へのドイツ人的皮肉なんでしょうか? ただティーガーUに「ネズミの騎士」なんてマーキングがありますから、それ
  以外の意味もあるのかも。
   実車は、ヒトラーの「最高の火力と装甲を」との意を受けて、かのポルシェ博士が自慢のエンジン-発電機システムを組み込んで
  やりたいまくりに作ったもの。出来上がってみたら、こんな超重戦車となってしまいました。機動力は無いに等しい、動く対戦車
  トーチカみたいなものです。流石に
戦術的に使えないと判断されたのか、開発自体は意外に早い時点(1943年秋)でキャンセルに
  なったそうですが、一定数揃って末期のベルリン防衛戦に出ていたら結構な活躍をしたかも知れません。
  そう言えば、ベルリン郊外で自爆後放棄されていた2号車って、戦闘記録があるのでしょうか? あるのなら読んでみたいですね。

   ちなみに、このキットのメーカーであるペガサスホビーなんですが、中国メーカーである事以外に正体不明です。トランペッターか
  ドラゴンのサブブランド的なにおいがするんですが、実際はどうなのかな。(中国国内では、そこそこのメーカーなのかも)

<キットについて>

   先に書いた様に中国ペガサスホビーの製品です。製品No.からすると1/72での最初の製品の模様。つーか、これ以外に
  同社のキットは見かけません。(私が知らないだけかも知れませんが)
 
 中身の方ですが、1/72AFVとしては標準的な構成で、OVM類が無い分、パーツ数は少ないです。ただ、これはキットのせいでは
  ありませんが、実車同様のポルシェ転輪/サス構成の為、足回りのパーツ数が妙に多いですし、かなり組み辛いです。そこさえ
  乗り越えれば、後はパーツも少なく合わせもまずまずですのでサクサクと組み立ては進みます。
  全体形状は、1/72としてはまあまあのレベルかと。ただ、車体前部装甲板と履帯前面カバーとの稜線が車体側面装甲板と
  交わる部分で角が取れてしまっているのが目立ちます。直すとなると溶接線全体をいじる事になるので、私はパスしました。(^^;
  履帯はベルト式の接着止め方式。瞬着の効き具合は今一つですが、塗装はのります。

  デカールはカルトグラフ製と印刷されてます。本物か?と疑いましたが(苦笑)、若干ノリが弱いのを除けば、ニス部の薄さ・密着性
  クリアーへの耐性等は一級品。多分、本物でしょう。

   塗装は、懐かしのパンツァーカラーのドゥンケルゲルプ1色(←まだ大部ストックがあります)。試作車両だからこの方がらしいと
  言うのは言い訳で、迷彩をこのサイズで綺麗に入れる自信が無かっただけのことです。(^^; 
  エッジと入り隅部に同じくパンツァーカラーのショコラーデンブラウンを多めに混ぜた影色を作って吹き、それを残す様に明るめに
  したドゥンケルゲルプを吹いています。それから最近のAFV模型の様式に従ってエナメル各色でフィルタリングし、デカールを貼って
  押えのクリアを吹いてから、ペトロールで溶かしたエナメルのツヤ消しブラック+レッドブラウンでウオッシング。最後に足回り中心に
  軽くアクリルのバフを吹いて終了。チッピングは試作車ということで無しとしました。
   履帯は先程の影色で塗った後、パステルのサンド系を擦り込み、バフの後にタミヤのクロームシルバーでドライブラシで仕上げ。
  尤も、ドライブラシのやり過ぎでピカピカになってしまったので、再度パステルを擦り込んでたり。AFVはミスしてもリカバリーが楽
  なので有り難いですね。

  今回の教訓:ドライブラシは控え目が肝心

02.NOV.08

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