14.ささら館へ(まっちゃんと合流)

白川郷入口のエードを過ぎ、世界遺産である合掌造り村、白川郷へと入る。
白川郷のトイレに立ち寄り、向地さんが用を足す。

向地さんのトイレとオナラの回数が多いので、痔にならないか心配する。
昨年野辺山で伴走をした時、私が何回もトイレに通ったことを思い出す。
大会前に切痔になり、大会中、何度もトイレに通い、大会が終わったら切痔が治っていた経験がある。
この切痔、オナラを出し過ぎると切れるみたいである。走りながら沢山出したら切れたとか、大きい音のオナラを出して切れたとか、大きい物を出して切れるとか、これは20歳ぐらいに発病し、時々病魔が現れる。
この事を向地さんに伝え、向地さんのお尻を心配する。
世界遺産の場所にふさわしい話題であった???


合掌造りを見ながら、進む。
観光客が沢山歩いている中、不思議な二人連れが進んでいく。

合掌造りの村を過ぎ、白川橋を渡っていたら向地さんは歩道から足を踏み外し、顔面から転ぶ。
橋の終わりが近づき安心して気を許してしまい、向地さんを転ばせてしまった。
向地さんは顔を切り、血を流す。
擦り傷2箇所、出血1箇所であった。
去年上梨で転んで膝を怪我した教訓でカットバンを用意していたがここで役に立った。

出血は多めだが"ちょっとだけ血が出ているだけだよ"とウソをつきカットバンを貼る。
向地さんには悪い事をした。

そしてコンビニに立ち寄る。
南さんや鈴木さんとこのへんから供走(きょうそう)するようになる。

向地さんは食欲が無いみたいだったので、私だけコンビニで弁当を買い補給する。
そして出発する

出発してすぐ吉富さんに会う。
向地さんは"時速5キロで歩いても2時間以上余裕がるから頑張ろう"と応援をする。
今まで私が言っていた事を今度は向地さんが言う様になった。
意識の変化に喜びを覚える。
絶対に時間内ゴールは大丈夫だと確信する。

気温も上がり暑くなる。
炎天下は暑いので歩き、トンネルで走るように作戦を練る。

この先からトンネルが続く事になる。
トンネルでは向地さんを歩道に乗せ、私が車道を走る。
懐中電灯を対向車に向け存在をアピールしながら走る。
命がけである。
私が轢かれても向地さんがまき込まれない様にロープではなく手を繋いで走る事にする。

トンネルの所々、水が漏れて滑りやすくなっている。
通過は向地さんの腕をつかんで進む事にする。
対向車は邪魔臭いと思ったのか、男同士で手を繋いでホモでも走ってきたとでも思ったのか、ホーンを鳴らすものや、わざと近づく車もいて恐怖だった。
乗用車やトラックよりも、バスは避けずに突っ込んできて本当に性質が悪い。
バスの運転手は2種免許を持っているはずだがマナーを疑ってしまうところだ。

命がけでトンネルを抜け、椿原橋手前で夢街道の帽子をかぶった見なれたハゲが寝ていた。
ゼッケン見てマッチャンである事に気づいた。
”寝ていないで一緒に行こう”と声をかけた。


私と向地さんがそのまま走っているとマッチャンが追いかけてきた。
短いトンネルを抜ける頃、マッチャンが追いついた。

椿原橋を過ぎたあたりでマッチャンが伴走してくれると言ったので変わってもらった。
マッチャンはWandaの旦那さんで、向地さんとの伴走は何年もやっているみたいだった。
初めてあった時、スキンヘッドで怖面で"こいつはまともじゃない、その筋の人間か??"と思ったが、実際は優しい良い男だった。
Wandaとお似合いのカップルである。

伴走の前を私が走る事にした。
マッチャンと向地さんは足の長さが合っているのか、ピッチが合っていた。
本人達はお互い足が長いとしきりに言っていたが、人と比べた事が無いのかと思うくらい疑問に思い、無視をした。
何度も繰り返して言っているのを耳にした。

加須良トンネルは私が先を走り、懐中電灯で車を避けさせながら走る事にする。
一人で伴走していた時に比べると遥かに楽だった。恐怖心は全く無かった。

合掌大橋を渡り、越前トンネルを過ぎたあたりでエード発見。
昨年ここの距離が一番辛かった思い出があり、エードで大変助かった。
そして1キロも進むと今度は加来さんとサメさんがエードを開こうとしていた。
"手前にエードがあるからもっと手前か先にエードを設置すると良いよ"と伝える。
ささら館の先に行ってエードを設置してもらえば良かったのだが、手前でエードをするとの事であった。
加来さん達のエードを後にして、少し進むと道の駅ささら館に到着した。
3人でツレションをして、出発する事にする。


まっちゃんに伴走を頼み、一人先に走っているところ



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