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2002.02.24

 土曜日(23日)、「ロード・オブ・ザ・リング」の先行上映に行く。

 荒俣はパンフにbk1のインタヴューと同じような解説を書いていた(^^;

 映画自体はなんというか……優等生的だった。言い替えるなら、どこからも文句を言われないようにって感じか。そういった意味では、指輪ファンには、驚きなく、喉に引っ掛からなく、飲み込みやすい映画。ちょっと飲み込みやすすぎたきらいもなきにしもあらず。『指輪物語』があまりにも神格化されていることもあり、これはしょうがないかな(というか、ファンの目にこんなに逆らわない映画をつくることができたことに感動するべきなのかもしれない。だいたい、「ちょっと違うー」とか「全然違うー」とか「なんだ、こりゃー?」とか思うからね、私は)。

 あー、飲み込みやすかったのは、ラルフ・バクシのアニメーション(ロトスコープ)版「指輪物語」に似ていたためかもしれない。絵コンテを切っているのが誰なのか不明だけれど、バクシ版「指輪物語」を参考にしているような、カットがかなり多かった。スミアル室内、冒頭4人で黒の騎士から隠れるシーン、踊る子馬亭のアラゴルン初登場のイメージ、スメアゴル……。「おいおい、おんなしじゃん!」。一応つっこみを入れておきたい。進行上、省略されているところもほぼ同じ。塚人とトム・ボンバデイルのくだりとか。
 傷付いたフロドを助けるグロールフィンデルを、バクシ版ではレゴラスに変えていたのだけれど、今回はアルウェン=宵の明星に変えられていた。かわいそうに。彼を助けたのはグロールフィンデルですからー、ほんとは。

 バクシ版からよくなったところはやっぱり、バルログだろう。これは断然かっこよくなっていた。すばらしい。あと、モリア(というとギムリには怒られるとは思うけれど)のドワーフ回廊。イセンガルドのイメージも美しかった。

 私はバーリンのファンなので、彼が無視されず、ちゃんとした重さを持って登場したことに敬意を表しておく。とてもうれしい。でもあの重さは、原作を知らない人には伝わっていないだろう。ドワーフとオークの数々の争い、カザド=ドゥムという場所の重さ、バーリンの人柄、ビルボとの友情……。まあ、そういった意味では、あの映画のひとつひとつのシーンに、数々の物語が折り畳まれているので、原作(『ホビットの冒険』、『指輪物語』、『シルマリルリオン』)を読んでから行ったほうが、確実に楽しめると思われる。全部でなくても、『ホビット』と『指輪物語(旅の仲間)』だけでも。
 名前も出なかったけれど、ガンダルフを助けた鷲にはグワイヒールという名前があり、彼はガンダルフの友達であり、そして、ガンダルフを助けたことが最後の盟約だったことなどなど、いろいろいろいろ、表に出てこない物語がありますからー。アルウェンとアラゴルンとの関係(エルフと人間との恋)についても、ルシアン・ティヌーヴィエルの故事を是非知っておきたい。

 2作目もこのままのテンションを維持して欲しい。フロドは徐々につらくなり、ローハンとゴンドールの政情は複雑になり、後半からはバクシという指針もなくなる。エントのイメージなどもぜひ積極的に刷新して欲しい。来年、再来年とつくられる(予定の)2作目、3作目に、私は『指輪』が好きだからついていこうと思っているけれど、普通の人はついていくんだろうか。3作目まで順調につくられるといいなあ(遠い目)。

 あー、あとあと、細かいことだけど、新世界の野菜(コーン、ジャガイモ)などがでてきたのも、ちょっと違和感があったぞ、私には。いまのところ以上。思い付いたらまた書くことにする。

 住友三角ビル(新宿)からの展望はがき。採集は不明だけれど、印刷が70年代テイスト。設立当時か?