【ノスフェラスの動物】
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イド
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半透明の、ブヨブヨとただれた食肉性のおぞましいアメーバ。きわめて原始的な生命体で、目も口も手足らしきものもほとんど見あたらず、どこからどこまでがひとつの個体で、どこからが別の個体なのか、その区分さえもほとんどさだかでない。大喰らいや砂虫ほどに攻撃的なわけではないが、べったりと餌を覆いつくし、強い力で骨まで押し潰し、ゆっくりと、意識を失った獲物を生きながら消化する。刀やハサミでは切り裂くことができないが、火には弱い。とても鋭敏な触感をもち、温度などで獲物が近くにいることを感じ取ることができる。原始的な感覚器官と思われる、丸いものやくねくねしたものが体内にある。ごくわずかに青白く発光するが、発光をとめることもできる。アンモニア臭の強いアリカの実の汁を嫌う。
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イワトカゲ
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バルト鳥と同じくらい汁気があって、肉は鳥のササミのような味をしている。皮をはいでたべる。
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イワモドキ
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セム語でヌルまたはパクリ。食肉で、岩に擬態し、獲物を待つ。裏側に、無数の白い糸のような偽足がある。
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エンゼル・ヘアー
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ほの白く、風にのって人やものにまとわりつく。ウマや人や鎧のはしにぶつかると音もなくすうっと溶けてあとには何も残らない。無害だが数が集まると鼻から入りこんで窒息することもある。セム族はエンゼル・ヘアーを手にうけ、方向を見て取ることができる。死んだ人間の口からとびだしたやすらわぬ魂であるともいわれる。
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オオアリジゴク
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セム語でラル。穴をほり、獲物が足を滑らせておちてくるのを待つ。巨大な吸血の口を持つ。
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オオサバクアリ
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ノスフェラスに住む巨大なアリ。
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大ヒル
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ケス河に住む。
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グル=ヌーの大虫 (ビッグワーム)
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裏側に何十万もの繊毛があり、それぞれに微細な吸盤がついている。その繊毛に囲まれた真ん中には盃型の巨大な口があるが、牙はなく、口のふちが生々しいピンク色のゴム状になっており、ここから黒へとまだらになっていくところがうねうねと波打って濡れている。口の奥は暗黒の穴。
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砂虫 (サンドワーム)
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セム語でリヨラト。ぶよぶよして燐光をはなち、さかづき形の頭をもつ。吸血性。痛覚がなく、突いても、体を分断してしまっても、めちゃめちゃに押し潰すかその原始的な脳を叩き潰して体をずたずたにしないかぎりいつまででもくねくね動いている。巨大なものは人間三人分もある。
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砂ヒル
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人の二の腕くらいの太さと長さの軟体生物。色素がなく、半透明で鳥肌のようなぶつぶつに覆われている。頭に盃型の吸盤があり、そこで人の肌にはりつくと血を吸い上げて赤く染まる。ウマの足からはいあがったり、人の衣服の間からもたくみに入り込む。セムや人間の死体をたべる。
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血吸いバエ
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むき出しの肌にはりついて深く食らいつく。
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《大食らい》 (ビッグイーター)
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セム語でリヨラト。陸棲の大口。鋭い歯を生やした、顎だけのような肉食の怪物。じょうごのような巣をつくって砂中にひそみ、ふつう大口よりかなり大きい。
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飛び石 (フライヤー)
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一見、石のようだが飛ぶ。
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大口 (ビッグマウス)
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ケス河に生息。牙のはえた直径1メートルほどもある巨大な口を持ち、口の中に目などのすべての感覚器官を内蔵しており、口の開閉により水を吐いて移動する。口の後ろには胴体、頭、手足などはなにもない。濡れた毛皮のにおいが苦手で、水中でそよぐ毛皮におどろく。
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ビッグ・ワーム
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ノスフェラスに住む巨大な怪物。
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ミズヘビ
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ケス河に住む。褐色の体をくねらせて泳ぐ。
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環虫 (リングワーム)
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セム語でリヨラト。ケス河に生息。半透明のぶよぶよしたゼラチン質のからだに白っぽい何百万もの触手をもち、餌食をゼリー質でつつみこみ押しつぶして消化する。そのさしわたしは最大で5メートル以上にもなる。濡れた毛皮のにおいが苦手で、水中でそよぐ毛皮におどろく。
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