【中原の伝説】
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アウグスチヌス
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(伝)兵術の祖。
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アエネウス
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(伝)怪物を空中で絞め殺した。
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悪人、罪人のミイラ
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(伝)悪人、罪人のミイラはそのままにしておくとよみがえってたたりをなしたり、悪の瘴気をふりまくといわれる。
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悪魔との契約
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(伝)悪魔に魂を売る契約をするとき、血をインクにし、指を炎のペンとして署名をする。
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アグリッパ
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(伝)大導師。キタイが成立するはるか昔に生まれたキタイ人であったといわれる。《古き神々》に術を学んでその奥義をきわめたがゆえに、ヤヌスの神の体系にはおのづから相反する存在であるといわれる。あまりに長くを生きた(千年以上〜二万年)ゆえにすでに善悪の観念を超えており、ヤヌスにもドールにも帰依していない、といわれる。世界一つを暗黒にしつくし、また一国に雪を降らせるほどの力を持つといわれる。いまも世界のどこかで神秘の錬金術をいとなんでいると云われる。アグリッパのみならず、太古には、かなりふしぎな力ある大魔道師がおり、その時代は、魔道師がはぶりをきかせる暗黒の神話時代といわれる。
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悪霊祓い
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(伝)心身が疲弊しているときには悪霊が取り付きやすく、それを防ぐには勇士をそばに起き、その武勇、その念強きをもって払うがもっとも良いと古書にある。
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アダモス
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(伝)長老。杖でレントの海を叩き、レントの海の水を二つに分かれさせた。
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アラクネーの蜘蛛
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(伝)まじない小路の魔道師アラクネーが飼っていた生物。全身に黒い剛毛の密生した巨大な円形の生物で、いやらしく丸く膨れ上がった胴のまんなかに赤く光る目と長いくちばしのある、蜘蛛の顔が収まっている。黒い膨れたキチン質の胴の真横から、上へ持ち上がった長い足が、片側に六本ずつ伸びており、そのたくさんの足を素早く動かして移動するときに、カサカサという枯れ葉の擦れ合うような音を立てる。全身の剛毛の先には毒がある。
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アルカンドロス
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(伝)パロの建国王。大王。たくましい剣をふるった。カラムのジェリーがとても好きで毎日食べていた。アルカンドロスのピラミッドでは没薬入りの酒が見つかる。
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アルビオナ
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(伝)ケイロニアの一部族、アンテーヌのドミティウス家の女王。美しいギーラの町をタルーアンのヴァイキングから、単身守り抜いた。タルーアンのヴァイキング王シグルドから、ギーラの町の代として、妾となれと無理難題をふっかけられた彼女は、身を清め、白いドレスと毛皮に身を包み、髪をあでやかにゆいあげて、アイリス城にシグルドを迎える。そして初夜の床で、アルビオナは毛皮に忍ばせた短剣でシグルドを刺し殺した。しかし、殺したあと、アルビオナは自分を奪った男の死体を抱きしめて泣きくずれ、そしてその夜、アルビオナのみごもった子どもは、のちにタルーアンを統一する英雄シグルドとなった。「アイリスのアルビオナ」の物語として有名。
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アルフリード
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(伝)放浪の王。
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アルマゲドン
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(伝)この世の最後。
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アルリウス
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(伝)ドライドンに愛された英雄の中の英雄。
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アレクサンドロス
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(伝)パロの軍師。兵法の祖。大博士。論理学の祖。建築、美術、音楽、軍事、戯曲、科学など、すべてにわたって偉大な、人間ではありえないような才能を発揮したといわれる。「兵法の書」「築城術」「治国の書」の三部作の他、「史書」「知恵の書」などを著し、クリスタル・パレスを設計した謎の超人。クリスタルの七つの塔を建設した。科学によって魔道師達を従え、魔道十二ヶ条を制定して、魔道師たちを魔道師の塔におしこめた。彼の発案と、その不思議な力により、赤い街道が現世と魔界と黄昏の国を結ぶ、一種の次元回廊となる。カラム水をハチミツでわるのが好きで、毎朝目を覚す瞬間にそれがベッドのかたわらに捧げられてないと、枕を小姓に投げつけたという。どこからあらわれたのか謎とされており、一説には空からおりてきた人間ならざるもの、星々の海のはてから来た宇宙人であったとも言われる。吟遊詩人のサーガにいう、『アレクサンドロス大王のうしろにひそんでいた毒蜘蛛』によって、命の危険にさらされた。
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《暗黒の書》
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(伝)ドールが炎の獣の皮におのれの血でもって書きしるしたという書物。この本を手に入れたものは黒魔術の奥義をきわめられるという。闇の司祭グラチウスが弟子に書き写させたものは《イロン写本》と呼ばれる。
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アンドロティアヌス
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(伝)神技といわれた剣の使い手。
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アンドリアヌス
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(伝)天才画家。
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イアソン
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(伝)アレクサンドロスとならび称される知恵者。
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イシュトヴァーン
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(伝)沿海州に名高い、ヴァラキアの統治時代の伝説の偉大な英雄王。ヘカテ女王を救った。
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イムホテップ
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(伝)数千年もの宇宙的規模の眠りから、ようやく目覚めた伝説の王。
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イリスの石
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(伝)生命発生の秘密をときあかす鍵にして、太古より人間すべての求めつづけてきた『賢者の石』。生死のはざまに存在する重大な扉。生命と死とすべてをもたらす、この世にいくつもない本物の魔石。死体の心臓に埋め込まれると疑似生命を与える。生命ある石であり、有機的な無機物、不死の生命、生命なき石でありながら生きてある存在。あやしい光を放ち、不定形の異様な色合いをした石。
ある夜、ルアーはイリスを追いかけ、いつものように山の端に没しようとしたところ、イリスのウマがイリスをふりおとしたため、ルアーはイリスを捕まえ、妹イリスを姦淫し、イリスは生でも死でもない黄昏の生物『イリスの石』を生みおとした。『イリスの石』を生みおとしたイリスはわが身の罪深さにおののき、炎の中に身を投げたとき、彼女の抱いていた不具の子供『イリスの石』は、いくつもの部分にわかれて地上にちらばり、それなりになったという。それは動くことも死ぬこともなく、泥の底や湖の底などで、今に至るまで生と死のはざまの生を生きつづけているといわれる。
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イリスの杖
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(伝)イリスの石がその杖から半径一タッド以内に近づくと青白く輝く。
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イロン写本
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(伝)ドールが炎の獣の皮におのれの血でもって書きしるしたという書物《暗黒の書》を、闇の司祭グラチウスが弟子に書き写させたもの。
かれらは運命の神ヤーンによって動かされていた。しかしかれら自身は自らが運命の糸の上にあることを、未だ知らなかった。
(『イロン写本』より)
――そしてかれらは糸に引かれるようにノスフェラスへの道を歩んだ。かれらの上にはつねに暁の星があり、かれらをあるべき姿へと導いたのであった。
(『イロン写本』より)
いまや中原に黒きいくさののろしが上り、それはすべての国々の空をおおいつくそうとしていた。そしてそれは、それから獅子の年にまで及ぶ、長く大きな夜のはじまりであった。
(『イロン写本』より)
かくて戦いは終わり うら若き王は竜の玉座に上った。人びとはうち群がり 公爵の武勇をたたえて叫んだのであった。
(『イロン写本』より)
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インキュバス
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(伝)淫魔。夢魔。人間よりもずっと古くから棲息していた古代生物の生き残り。全体に、裸のように生白くてねっとりした感じの皮膚をもち、巨大な耳がふたつ頭の両脇からとびだして翼のようにたれさがり、つりあがった大きな金色の虹彩のない目を持ち、長いはだかの肌色の伸び縮みする、男性器を模したかのような尻尾をくねくねさせている、サルともつかぬ奇怪なおぞましい生物。
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ヴァラディーナ
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(伝)気が強い女性。
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ヴァルゴスの兵士たち
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(伝)地にまかれた竜の歯から生えいでたという。
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ヴァンホー
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(伝)森に住むいたずら好きの小人族。
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ヴァーラス
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(伝)湖人、沼人が住むという。どす黒い瘴気をはなつ悪魔の沼や底なし沼、あやしい半人半魚の種族が住んでいるという。
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ウィレン山脈
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(伝)世界一の高峰にして、人跡未到の山脈。天がける大鷲も、ウィレンの山は越えられぬ、一日千里をかける天馬もウィレンの山は越えられぬ、とわらべ唄にはやされる。『神々の座』ティルレン、ミレン、ウォールン、ドーラン、の四大峰の一つとして心優しい人のすみかであるものはなく、怪しい「山人」族のすみかであるとか、あるいは白く毛深い雪狼の群れがすむ、いや、もっと忌まわしい、奇怪なものが巣くい、過ぎ行くもの、あえてこの「神々の座」を侵そうという冒涜を試みるものを口にするも恐ろしい死に追いやる、との言い伝えがある。美しい雪の精霊の伝説がある。
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海男
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(伝)背中に大蛸を背負っている。
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海じじい
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(伝)体中が緑色の海藻に覆われている老人。しがみついてはなれない。
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海坊主
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(伝)海の怪物。
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海幽霊
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(伝)海に現れる幽霊。びしょぬれ。
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ウロボロス
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(伝)古代の怪生物。カナンよりも古い時代、大洪水時代よりもさらにさかのぼる時代の、そのまた太古に棲息していたと伝えられている伝説の蛇。蛇と竜のあいのこのような姿をしている。
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ウーラ
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(伝)砂漠の狼王ロボと地獄の犬ガルムの娘シラとのあいだの子。ロボのあとをついでノスフェラスの狼王となった。ドールの黄泉の近くのセトーの森を守っている。通常は犬の姿をしているが、あらゆるものに変身できる。
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会
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(伝)グラチウスによれば、十二年に一回、そしてさらに大きなものであれば百二十年に一回、さらには千二百年に一回、すべての惑星が直列し、すべてのしるしが符合する<会>がおとずれるという。その唯一の瞬間まで待ち、そのときグインの記憶をときはなつと、グインの中のすべての超宇宙的なエネルギ−、汎世界的なパワ−が体内よりほとばしり、グラチウスのアンテナと交流し、そのときに世界がかわる、という。そのとき、過去と現在と未来、時空間の黄金律はすべてくつがえされ、それは混沌(カオス)となり、その中からグラチウスのさだめた黄金律によって動くグラチウスのための宇宙空間を創出する、という。
グラチウスによれば、次の巨大な<会>で、世界はいっせいに変貌をとげる、という。中原の地図は知らずして<会>の影響をうけてぬりかえられ、魔界が物質界に近づいたがためにそこかしこにまた科学の世界と信じていたこの世界のほころびがひろがり、あやしく妖魅と魔物が人間たちによりそう幻想の超古代がさいごの暗黒帝国、カナンの再現をもとめて時のはてよりよりつどってくるだろう、という。
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エウネケの巫女
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(伝)詩人オフィウスを引き裂いた。
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エッナ
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(伝)獰猛にしてうるわしく細腰。
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エリアルの乙女
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(伝)忠実。
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オデッタ
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(伝)ドールに愛されてドールの黄泉へ連れ去られた美女。
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踊る小娘
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(伝)歌い踊っているうちに、踊りをやめることができなくなってしまった小娘。
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オフィウス
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(伝)パロ出身の伝説の詩人で美声の代名詞。詩人の王。歌とキタラの名手で、黄泉の王をも感動させたといわれる。名代の女たらしとしても知られる。楽音の女神ムーサの敬虔な信者。亡き妻の霊にみちびかれてドールの闇の版図、地獄をただ一人、死せる魂を求めて旅していったといわれる。ゾルードから妻を取り返そうとして果たせなかった。また、ゾルーディアの王に頼み込み、死んだ恋人のアミアを求めて、死の王ドールに逢うためにゾルーディアの地下道から黄泉へと続く縦穴を、入り口に結び付けた糸をたよりに下りていったきり帰ってこなかったともいわれる。エウネケの巫女に引き裂かれた。
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オルフェオ
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(伝)伝説の詩人。「オルフェオの詩篇」を著した。キタラ、ハープ、歌の名手。美声の持ち主。デュオニの巫女に熱狂的にとりかこまれた。グールが黄泉に引きずり込もうとしたとき、歌い続けてグールを眠らせ、危機を脱した。黄泉でおぞましい限りの冒険をした。真実を告げ、その言葉に怒り狂った民衆にひきさかれて命を終えたという。オルフェオの詩篇の三編めと十四編めのそれぞれの三行目の韻律が一致しているのが偶然か故意かというのが、学会で論争となっている。
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海馬人
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(伝)海に住む怪物。
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カウリノスの網
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(伝)シレノスを捕まえた。
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影の話
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(伝)影が、それ自体の邪悪な意図と生命とを持つに至ったという伝説がある。
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神々の石碑
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(伝)運命が刻まれている。
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ガリレウス
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(伝)「嫉妬にかられ妻を殺害した将軍ガリレウスの悲惨にして哀切なる物語」としてオルフェオに唄われた。
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カリンクトゥム
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(伝)レントもコーセアの海もつきるところにどろどろと流れおちてるとも、レントの海、コーセアの海、ノルンの海がまじわるところにあるともいわれ、世界が終わっているといわれるこの世の果て、地の果て。ものみなすべてがなだれおちるという大滝つぼがあるといわれる。その深淵は炎となって虚無の海へなだれおちている、ともいう。ドールの黄泉への入り口だとも云われる。近くへ行っても次の瞬間ずっと遠くに行っているという虹の壷、竜の玉、炎の珠や大渦巻きがある。眠ることのないという竜神が住んでいる。犬頭蛇、蛇人、人猿、猿亀など、奇妙な生きものが住んでいる。炎の池には、そこにのみ住むという火炎獣が住んでいる。異世界の通路となる扉があり、その扉には、宇宙的な巨大さを持つ、豹頭のシレノスの彫像が刻まれているという。また、その扉の向こうは虚無の果ての虚無、空の空であるという。カリンクトゥムの果ての調査に、これまで何十人もの冒険家がそれをさいごの夢として旅立ったが、誰も帰って来なかった。グラチウスによれば、ノスフェラスの《グル・ヌー》、パロの古代機械、グインと並んで世界のもっとも大きな謎の一つ。
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ギガン
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(伝)伝説の聖騎士。部下はローズ。
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キタラ弾きについていってしまった少年たち
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(伝)キタラ弾きについていってしまった少年たちの伝説。
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ギブ
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(伝)死の世界へ入ってゆくルシウスを呼びとめたといわれる。
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キマイラ
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(伝)巨大な伝説の獣、怪物。サイロン市の門柱に彫像がある。
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キャナリス
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(伝)《不具者の都》。「呪われたフェラーラ」。三重苦皇帝が治めている。
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吸血鬼
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(伝)パロ、サラミス地方に伝わる伝説。
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キュクロベ
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(伝)ふれても、見つめても石になってしまうという魔物、魔女。その場で立ったまま塩の柱と化したという。
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玉石
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(伝)玉石を握って生まれる子供は、今どういう親に生まれていてもいずれえらい王になると、占い書に書いてある。
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キロン
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(伝)青い河。
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ククル人
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(伝)地底の洞窟ふかくたてこもる目の見えぬ種族。
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クラロン
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(伝)オフィウスの叙事詩『コルヴェイエのクラロン』に歌われた人物。清浄なるコルヴェイエと美しき女王を捨てて、悪徳の都カナンで生きるべくあえて戻っていった。
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クルド
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(伝)《皆殺し》クルドと呼ばれる、残虐で有名な大海賊。何百隻の船を沈め、金銀財宝を強奪した。ダリアの町を二度に渡って皆殺しにしようとした。自らの死の前にナント島に宝を隠し、宝を隠した海賊仲間を皆殺しにした。一人で帰ろうとしたところ、神の嵐に船を沈められ、ナントの島で狂い死にしたという。クルドの財宝の場所は、クルドの古いヤヌスの書にかかれているという。
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グール
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(伝)森に住む死霊。食屍鬼。黄泉へ下りそこねた死びとであるといわれる。闘志に燃えている。
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ケントゥス
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(伝)伝説の半人半馬。馬の体に人の上半身を持つ。
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黒死病
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(伝)黒死病から助かるただ一つの方法は、健康な人間の新鮮な肉で体をつつみ、新しい温かい人血に幹部を浸して、そのうえで黒ヒルに悪い血を全部吸い出させることという民間療法がある。
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コルヴェイエ
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(伝)美しき女王におさめられた清浄な土地。オフィウスの叙事詩『コルヴェイエのクラロン』に歌われた。
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さいごの「裁きの日」
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(伝)すべての死者がよみがえり、地上をみたすという。
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《さいごの生命の樹》
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(伝)はるか遠くにあるという。
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ザウル・トリステス祭祀書
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(伝)世界に一冊しかないといわれる原本をキタイの望星教団が所有している。
はるかなる宇宙のはてから、時の弔鐘がきこえてくるとき。赤き星が北の空にあらわれ、ひと月のあいだとどまりつづけるとき。巨大なるホウキ星があらわれ、獅子の星座の流星群が夜空よりあらわれるとき。そのとき、カナンの伝説はくりかえされ、戦慄すべき破滅の伝承はうつつのものとなるであろう。幸運にして災いを逃れるものはあらたな世界に赴き、逃れ得ざる者はドールの黄泉にいこうであろう。そして世界は新しき時代を迎える。
(ザウル・トリステス祭祀書「予言の書」より)
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ザザ
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(伝)大鴉。黄昏の国の女王。ハーピィの血筋をひいており、太古の種族のことにくわしい。黄昏の国に生身のものや死人が入り込んでこないように監視している。漆黒の肌の美女に変身する。
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さまよう騎士
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(伝)永遠に回廊を、野心と残忍なたくらみとを抱いてさまよいつづける騎士。
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サルスランの地獄
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(伝)神の怒りにふれて、全ての住人が突如として逃げる暇もなしに連れていかれたという。
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獣面人身の国
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(伝)海の向こうのどこかに獣面人身の人々の国があり、そこでは王は徳高く、人々は心優しく、全てはうまく納まっている、という。
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シグルド
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(伝)海賊王。海賊というのはれっきとした商売だ、と主張し、それで国を富ませている。
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《死人風》
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(伝)モンゴールの辺境近くなどでしばしば吹く、妙にじんわりとした、まとわりついてくるような重たさをもった、妙に不吉なものを感じさせる風。いぬが、その風をかぐと尾を足の間にまきこんで小屋の奥深くはいこむ、とか、その風が吹くと死にかけていた病人の魂を連れてゆくとか、良くかいで見ると、その風に特有の生臭いような匂いがする、などといわれる。
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シムハラ
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(伝)コーセアの海に浮かぶ、謎にみちた巨大な島国。代々の王は奇怪な宝石をちりばめた獣頭の仮面をかぶって素顔を見せぬというしきたりがあるという。一説にはシムハラを治めるのはかぶりものの牛頭人身、尻尾のある大司祭である、ともいう。宝石をちりばめた獅子の頭のつくりものをかぶって一生をおくる大神官がいる、ともいう。男がスカートをはき、女が足とおしをはいている、という。迷宮があるという。シムハラとは獅子国という意味。
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ジョリウス
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(伝)人形つかい。人形のメルヴィーナに命をふきこみ、自分の妻とした。
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シルヴィアン
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(伝)伝説の王子。
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シレノス
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(伝)伝説の半獣神。たくましい神兵の軍勢をひきつれた英雄にして軍神。豹頭の勇士。ニンフを母として、もしくはルアーと雌豹との間に生まれたといわれる。二枚刃の剣をもつ。いなづまをつかんだといわれ、カウリノスの網に捕まえられたという逸話がある。バルバスとともに放浪と地獄めぐりなどの冒険をし、さいごにタルーアンをこえて北方の氷雪の国へと入ってゆき、北極の何タールもの氷の中でバルバスとともに永遠の眠りについた。別の説では、ウィレン山脈の万年雪の氷河の何タッドもの白い氷のしたに埋もれて、果てしないさすらいと冒険の旅の後に、バルバスとともに永遠に、腐ることもなく安らかな神人の眠りについている、ともいわれる。なすべきことをするまえに、その代償を支払わせようとしたという。シレノスの頭にふれると強くなれるという。ケイロニアのルアー神殿の前には、シレノスの像がたっている。
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シレーヌ
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(伝)魔術で美しく妖しい夢を見せる。
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シンハラの女王
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(伝)あやしい、すがたをみせぬ闇の女王。
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聖アリオン
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(伝)なきがらがくさることのないままに残っているといわれる。
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セム
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(伝)悪魔帝国。ドールの領土であるといわれる。
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ゾウ
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(伝)巨人。死期を悟ると死に場所へ向かうという。
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ゾルーディア
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(伝)『死』を主要産業とする自由都市。その住人はすべて、葬儀屋、墓作り、ミイラづくり、骨拾いをなりわいとしている。高名な王や貴族が死ぬと、どこの国もゾルーディアに使いを出し、ミイラ職人と墓作りを派遣させるか、死体をゾルーディアへ運び、ミイラにしたうえで送り返させる。中には、送り返してもらわず、そのままゾルーディアに安置させるものも多い。
ゾルーディアへなきがらをはこぶ、葬送の列に従ったものは、帰ってくると、身が汚れたといって全身を洗い清め、神殿にこもる。
ゾルーディアの人々はドールを主神とし、ミゲルをあがめ、ヤヌスの名を口にしないといわれる。
ゾルーディアでは毎日すべての祠と墓のまわりで線香がくすべられ、町のまわりにある三つの火葬場は、ひっきりなしに運びこまれる死者を荼毘に付しつづけているために、ゾルーディアには晴れた日がない。水葬、鳥葬、風葬、火葬、土葬、どんな宗教の、どんな葬礼でも希望次第で取り扱う。ゾルーディアにはゾルーディアの支配者しかしらぬどこかに深い地底へおりてゆく縦穴の入り口があり、それをどこまでもどこまでもおりてゆくと、ついにはドールの王国なる黄泉へたどりつくといわれる。
ゾルーディアの右死宮では、そこで、ミイラをよみがえらせ、それをゾルーディアの軍勢とするという、おぞましくおそるべき実験が行われているのだとも、太古のミイラづくり、魔道士、ゾルーディアの最初の王であるアル=ケートルが自分自身をミイラにしたとき、彼の技があまりにも神に近いまでにひいでいたために、自ら死んだことを自覚できず、ついにそのまま死ぬことも生きることもなくさまよいまわるようになってしまったのを、たたりをおそれてゾルーディアの人びとがとじこめてしまった、ともいわれる。右死宮は封宮とされ、それがあけはなたれるときには、ゾルーディアの上に、すべての災いと呪いとがふりかかり、そしてそれは世界そのものにでも及ぶであろう、といういい伝えがある。
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ゾーラス
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(伝)大泥棒。開国王アルカンドロス大王の棺をあけてみようと忍び込み、恐ろしい最期をとげた。
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ダイダルス
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(伝)非情の武将。その将軍ティトウスとともに、中原を踏みにじっていった。
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ダイダロス
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(伝)政治学に関する書を著した。
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ダイモス
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(伝)詩人のミハイロスが書いた傑作『夕べに君はしゃれこうべを洗う』の主人公。見栄えが悪く、人に好かれない。
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タヴィア
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(伝)氷の中で永遠に生きているという、氷雪のクインズランドを治める《氷の女王》《氷雪の女王》。絶世の美女。タルーアンの神話では、氷神イミールに溺愛されて氷の中に閉じ込められた、という。
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タウロ
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(伝)賢者。七つの冒険でしられる。そのうちの一つに、グールに出会った時に肩ごしに生肉を放り投げて、グールがそれをむさぼりくっているうちに走って逃げた、というものがある。
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黄昏時
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(伝)ルアーの昼の支配から、イリスの版図へのうつりかわりの刻。逢魔の時刻。空気には、ふしぎなたゆたいとおののきとがいりまじりはじめ、風は死人の指のつめたさをもちはじめる。昼から夜へ、人間の領域から妖魔の跳梁へ、理性と学問から、錬金術とルーンの秘儀、明るい陽光からあやしく謎を秘めた月光へとすべてがうつろってゆく、淡く、最も不思議と怪異の多くおこるという刻限。
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タニア
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(伝)恐るべき魔女。《死の娘》。ミイラづくりの名人アル=ケートルの手でミイラにされたので、自分が死んだのに気づかず、夜な夜なたくさんの男たちと愛をかわしては彼らを死においやっていたという。その接吻は、人を生きているのでも、死んでいるのでもない、死であって死でなく、生であって生でない、おぞましい、永久に呪われた状態へつれてゆくといわれる。タニアはそのような人の魂を食べて永遠の長寿を保っているという。
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ダネインの泥人
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(伝)湿原にはダネインの泥人と呼ばれる、黄泥まみれの妖怪がすむといわれる。
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ダルプミスの悪魔たちの宴
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(伝)恐ろしい酒宴。
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ダルプミスの夜
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(伝)夜っぴいて寝もやらず人々が歌い踊り、飲み明かす饗宴。
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タルーアン
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(伝)北方の巨人国。
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ダー
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(伝)神話の怪物。
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「地の骨」
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(伝)大地がふたつに割れ、そこからみにくい「地の骨」どもがおどりだす、という伝説がある。
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ティトウス
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(伝)非情の武将ダイダルスの将軍。
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テクルゴス
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(伝)名医。
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デュオニの巫女
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(伝)詩人オルフェオを熱狂的に取り囲んだ。
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テーセウス
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(伝)冒険に満ちた長い旅をした。
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ドルス・ドリアヌス
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(伝)不可能を可能にせよと命じた王。悪魔を呼び覚ました。ドールがそのまま彼らを終わりのない永遠の饗宴に閉じ込めてしまい、時の果てるまでも踊りつづけねばならなくなったという《ドリアヌス王の悪魔の宴》をひらいた。
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ドーカス
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(伝)ドーカスは沿海州の猟師で、ある日海にでてしけで流され、ようやく小さな島に辿り着いた。そこは、果実がたわわに実り、美しい女とおいしい酒、清らかな水が懇々とわき出るすばらしいところだった。ドーカスは、島で帰る道をきき、ほんの隣の島に、ヴァラキア行きの船の出る港があると聞いて、すぐいけばいいものを、しばらくのあいだこの天国のようなところで楽しく過ごそうと思ってしまった。島の女たちも彼を歓待してくれ、いい気になって、毎日毎夜どんちゃんさわぎ。ひと月いて、さすがに、くにの母や女房も心配しているだろうと、気がさしてきたので帰ることにして、女どものとめるのを振り切り、たくさんのみやげをもって隣の島へわたった。そして船を待ち、ヴァラキアへ帰ってみたら、ヴァラキアではもう百年もたっていて、彼の家族もすべて死んでしまっていた。(百年目のドーカス)
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トートス
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(伝)伝説の大画家。アンテーヌのドミティウス家の女王、アルビオナの肖像画で知られる。
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《ドールの口》
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(伝)ランダーギア近くの海にある謎の大渦。
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ドールパレス
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(伝)悪徳の都。
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ナタール川
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(伝)ケイロニアと、北方の国々とをわかつ大河。タルーアン、ノルムをとおり、ノルンの海にそそぐ。地上の川であると同時に、この世とあの世とをへだてる、まぼろしの川であるともされ、ノルンにそそぐところで死者たちを冥界につれていく川になるといわれる。ナタール川の白鳥は死者の魂であるといわれ、死者は大きな白鳥となって永遠の霧と雪と黄昏の中に浮かぶという。恋人を亡くしたものは、まぼろしのナタール川をさがしあて、恋人の化した白鳥がその川をわたってしまう前にとらえれば、もういちど、恋人の魂をこの世に呼び戻すことができるという。
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ニオベ
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(伝)石像になったといわれる。
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ネリック
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(伝)女御ヶ島に迷いこんだといわれる。
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ノスフェラス
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(伝)千の首をもっていて切っても切っても生えてきたという巨人。
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ノスフェラトゥ
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(伝)あやしい怪物、怪生物の総称。不死の怪物を指す場合もある。
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ノルンの石
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(伝)ふれるものを、すべて石にかえてしまうという。
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ノーマンズランド
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(伝)辺境と黄昏の国の境界となる世界。行き場を失った、転生前の魂たちがやどる国。ノーマンズランドの魂たちは転生先が決まると、ノーマンズランドの空へ向かって薔薇色の光をおびて、現世へ向かってのぼっていく。
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灰色の巨人
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(伝)タラムの町で目撃された、深い、そしてそこ知れぬ悲哀と虚無に満ちた灰色と藍との中間のような薄墨色とも言うべき不思議な色合いの巨人。目も鼻も口もなにもなく、手足があるのかどうかもさだかではない。ただ、ひたすら巨大な頭部と象のようにずんぐりとした巨大な背中から胴体をもち、背中の頂上に沿ってとさかのようなものが生えている。おそらく高さだけで百タール近くあるほど巨大で、三十モータッド以上離れたところを歩いていてもずしり、ずしりと重たげな音がひびいてくる。しかし、見たところではただの霧か、濃くなった空気の集まりのようにしか見えず、裾の方にゆくほどに薄くなっており、その下の方からは、かすかに遠くにある岩山のようなものが透けてみえている。その巨大な影をすかして見える月は青白いイリスではなく、赤く巨大な月と小さな虚ろな青い月である。類似のものは紅蓮の島やヨツンヘイム近くでも目撃されている。正体はモーヘッドの影らしい。
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ハイナム
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(伝)カナンの後裔を自称する太古王国。鎖国を守り、かたくなに国を閉ざしているために極めて謎が多く、大帝国カナン時代から続く、パロ以外にはたった一つの国である、ともいう。さまざまな昔の風習を残しているという。
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白虹
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(伝)白い虹は凶兆であるとされる。
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白骨だけの馬
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(伝)気がついたら何百年もたっていて、白骨だけの馬に乗ってたという伝説。
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バルギリウス
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(伝)英雄。超人で、不死の肉体をもつが、ただ一箇所、肩だけがの生身であり、唯一の致命的な弱点であった。
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ハルコーン
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(伝)東と西のどちらでもないところにいるという、白く輝く一本角をもつ聖一角獣。永遠の処女を探し求めている。
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ハルマゲドン
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(伝)この世の終わり。
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バルツアルス
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(伝)小人国にさまよいこんだ放浪者。
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バルドル
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(伝)伝説の残虐王。
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バルバス
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(伝)シレノスをみちびき、シレノスに最後まで忠実につき従って守った大男の蛮人。シレノスとともに放浪と冒険をし、北極の何タールもの氷の中でシレノスとともに永遠の眠りについた、巨人の中の巨人。別の説では、ウィレン山脈の万年雪の氷河の何タッドもの白い氷のしたに埋もれて、果てしないさすらいと冒険の旅の後に、シレノスとともに永遠に、腐ることもなく安らかな神人の眠りについている、とも言われる。大地に叩きつけられるごとにさらに力を得て蘇ったという。きたえぬかれた体をもつが、かいがら骨(肩甲骨)が弱点である。
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バンダルゴー
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(伝)夜にまぎれて徘徊するという、死にきれぬ兵士の幽霊。
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パンヨーラ
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(伝)フェラーラの下水に住んでいるどろどろした怪獣。
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ハーピイ
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(伝)鷲に似た翼ととがった爪、赤く光る目とガルムのようにとがった耳をもつ女。男の生き血をすいながら何百年も生きるという。
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ハーム
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(伝)塵にかえったという石づくりの巨人。
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百番目の地獄
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(伝)ここに落ちると、二度と復活がかなわない。
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ヒルどもの地獄の穴
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(伝)落ちると二度と戻れない。
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フェイ
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(伝)詩人オルフェオの気まぐれな空想と想像力が産み出した伝説の幻の王国。オルフェオがふっと目覚め、まどろむのをやめたせつなにまぼろしがくずれ去り、オルフェオの命が刺客の手で断たれたとたんに王国の何十万もの民すべてが霧となって消えていったといわれる。
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フェニックス
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(伝)すべて燃えて灰になり、その中からよみがえる。
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フェラーラ
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(伝)ルブリウスが神の小姓エリウスに大しておかした鶏姦の罪によって大海に飲み込まれた幻の悲劇の都市。
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フェラーラ
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(伝)暗黒の邪宗国で、神々に見捨てられた『不具者の王国』。三重苦皇帝が治める《不具者の都》キャナリスは呪われたフェラーラと呼ばれる。フェラーラの下水にはどろどろした怪獣パンヨーラが住んでいる。意識を失ってただこんこんと眠りつづけ、声にも一切反応しなくなった《フェラーラの眠り姫》がいる。キタイのフェラーラとの関係は不明。
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プラウコス
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(伝)「歴史」「英雄列伝」を著した。
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フリアンティア
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(伝)南方の暗黒大陸に存在する国。古き神々の一人ラン=テゴスを信奉する。
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ブルーテ
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(伝)戦で負傷した友人ダグラスを敵陣近くまで踏み込んで勇敢にも助けた、神話の登場人物。
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フレイ
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(伝)土の巨人。
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フレルニル
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(伝)霧怪。フルゴルなど霧怪の一族の中でもっとも小さい。
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ヘカテ
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(伝)女王。沿海州の英雄王イシュトヴァーンに救われた。
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ヘルム
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(伝)伝説の大帝。戦士として、男としてすぐれていたといわれる。
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北東
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(伝)世界の鬼門の方向であり、世界の謎を集約したノスフェラスがひろがり、すべての謎めいたものごとがやってくる方向であり、カナン帝国が滅びたときに終末の光があらわれたといわれる方角である。<ドールの方位>と呼ばれる。
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炎の指
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(伝)空にメネ・メネ・テケル・ウパルシンの啓示の文字、運命の文字を描き、宿命の神宣、運命を告げ知らせる。
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ボーデルンのいんちき魔道師
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(伝)ドールに魂を売り渡した、危険なはぐれ者の黒魔道師。
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まじない小路
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(伝)まじない小路で石の扉を開けたら、その向こうに何と北の氷山が見えた、とか、酔っ払いがドールを冒涜してからまじない小路に入っていったら、たった百タールのとおりがどれだけ歩いてもはずれに行き着くことが出来ず、ついにそいつは倒れてかけ疲れた馬のように死んでしまった、といわれる。
まじない小路に一歩足を踏み入れたとき、そのまま天に散りしく星々のまっただなかへと墜ちてしまった男がいるという。
通りの入口で魔道師すべてを侮辱してから、入っていったが、永遠に出てくることのなかった男がおり、その男はいまもなお、死んでいるのでも、生きているのでもない状態のまま、とぼとぼとまじない小路の中を歩きつづけ、助けを求めていて、まじない小路へ入って行くものは、そうとは知らず、必ずこの男の背中をみることになるが、そのものが無事に通り抜けていったあとも、同じ所に、男は狂った目で助けを求めながらたたずんでいる、という。
魔道師の数と同じ数だけまじない小路があり、現実のそれはただの入り口にすぎず、その中にいくつものまじない小路がかさなりあっている、という。
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「魔法使いの弟子」の寓話
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(伝)自分を最高の魔法使いであると信じ込んで好き放題をやらかした、魔法使いの弟子の話。
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魔法の舌
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(伝)魔法の舌が、人の舌にふれると、たちまちどんなことばでもわかるようになる。
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マリエ
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(伝)決して戻ってくるはずのない幻の白帆をずっと待ちつづけている伝説の女。
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マリウス
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(伝)伝説の詩人。神話の英雄。イリスに見とれて朝の光で霧になってしまったという。イリスの怒りで、変身させられた、ともいう。かいがら骨(肩甲骨)が弱点。
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マリオン
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(伝)英雄。騎士。伝説の剣士。絶世の美青年で、美しい妹マリオニアがいる。猟人で、十一匹の猟犬を飼っていた。竜の歯を肩越しに投げて幻の軍勢を生じさせた。森の中のカンディスの泉のほとりにあらわれた女神イラナにみとれ、入浴をぬすみ見て鹿(一説には石)にかえられた。一説には、マリオンに恋をして嫉妬に狂ったイラナに呪いをかけられて鹿(一説には石)に変えられたのだ、ともいわれる。イラナに一生を捧げて仕えたともいう。イラナとの出会いはオルフェオの詩篇にうたわれている。かいがら骨(肩甲骨)が弱点。パロ、カレニアに<マリオンの滝>と呼ばれる巨大な滝がある。
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マリオン
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(伝)十九歳で惨殺された反逆王子。
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マリオン
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(伝)名工の手によって生命をふきこまれて動きだした美しい人形。
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マリーナ
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(伝)聖女王。マリニアの花の名のもととなったが、アムネリアの方が好きで、婚礼の衣装にはアムネリアを飾り、婚礼の道にマリニアを敷き詰めて踏み付けていったという。
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マンドラゴラ
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(伝)人の顔と声を持つ草。スィークの遺跡都市にもかつてカナンの都市スィークの人々の怨念の変化であるというそれが、ウミユリのような姿で群れており、泣き叫んでいたという。
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ミハイロス
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(伝)詩人。傑作『夕べに君はしゃれこうべを洗う』を書いた。
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ミラニア
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(伝)水の女王。嫉妬深く、水の城を訪れた英雄ランディーンをだました。
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メシューゼラ
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(伝)五千年を生きる老人。
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森の人
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(伝)トーラス以南の森林に伝えられる、人でもあり、人でなくもあるような存在。その正体は幻の巨人ラゴンであるとも、猩々、巨大な類人猿であるともいわれる。
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モルディウス
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(伝)笛の音に死者たちの列を従わせて導く。
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山人
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(伝)山に住むといわれる巨人。その正体は幻の巨人ラゴンである、ともいわれる。
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ユーレリアの花
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(伝)ドールの愛でた花。花芯には青ざめた女の顔をもち、夜になると世にも悲しい声で泣き叫んでひとの寿命を告げるという半人半妖の妖花。
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ヨウィスの民
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(伝)山から山、高原をわたりあるき、めったに人里へ姿をあらわさない謎の民族。姿を現すときは、祭りの日や商売で、広場に馬車ごとやってきて舞台をしつらえ、独特の歌とおどり、曲芸をみせ、うらないやまじないをして金をとる。南方の古代民族の生き残りであるといわれ、風俗もことばも独特で、中原の言葉を話さないものも多い。ふつうの人交わりをせず、いつも仲間とともに行動する。ヨウィスの民の男女は、クムの最高級の娼婦なみに性技に優れているといわれる。ヨウィスの子どもたちは十二歳になると独り立ちし、歌や踊りでかせぎはじめるという。
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ランダーギア
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(伝)南方の暗黒大陸に存在する国。炭のように黒い人々が住んでいる。古き神々の一人ラン=テゴスを信奉する。地下帝国があるという。
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ランディーン
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(伝)水の城に出かけた英雄。水の女王ミラニアにだまされ、水の城から戻ってみると、外の世界でははてしない年月が過ぎ去っており、かつて海辺であった彼の国はすべて青々とした大海原にすぎなくなって、国一番の高山であった山のいただきだけが小島として残っていた。
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ラー
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(伝)人頭獣身の怪物。
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リラリウム
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(伝)中原にあって、長年鎖国を続け世界情勢に背をむけている謎めいた小さな森林国家。
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リリス
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(伝)コケティッシュなしぐさで道に迷って行きくれた旅人を誘惑する。
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ルカヌス
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(伝)孤独な冒険者。
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ルシウス
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(伝)死の世界へ入ってゆくときにギブに呼びとめられたといわれる。
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ルブリウス
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(伝)神の小姓エリウスに対して鶏姦の罪を犯し、それによって幻の悲劇の都市フェラーラが大海に飲み込まれた。
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ルルーの神託
(伝)
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羊飼いがいんいんと森や山にこだまする神の声をきいたという。
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ルーカス
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(伝)白髪のルーカスが短い時間のもてなしを受けている間に、外の、現実の世界では数千年がたっていた。
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ルーナ
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(伝)ドライドンに身をささげて津波から国を救った美女。
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羚羊
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(伝)サルデスでは、羚羊は高い山にすみ、もともとは人間だったはずの魂だとされ、神聖なものと扱われていた。
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レオン
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(伝)ルアーに愛された美少年。
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レピ
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(伝)頭に髪の毛のかわりに千の蛇をはやしているという女怪。
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六角のサイ
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(伝)ヤヌスとドールが世界をかけて遊んだといわれる。
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ロック島
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(伝)難攻不落の監獄島。そこから身一つで抜け出した女がいるという。
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ワープギルの宴
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(伝)とつぜん地上に現れ出た、不思議な百魔の宴。夜通し行われる恍惚とした宴。
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