スロットル・ポジション・センサー不良

ほとんどの電子制御インジェクション車では、スロットルバルブの 開き具合をセンシングしていると思う。 これは燃料の噴射量決定に支配的なエアフローセンサーは、 エンジンが吸入している空気量だけを測るもので、 これだけで制御を行うとレスポンスが悪くなるからである。 そのための補正として操縦者の意図(アクセル)をセンサーで 先読みするために追加されたセンサーである。 エアフロセンサーによるガソリンの噴射量変化は以下のステップを踏む。 アクセルの変化 →スロットルバルブの開度変化 →エンジンが吸入する空気量の変化 →エアフロの検出値変化 →ガソリン噴射量の変化 これには空気という流体を介することもあり応答時間がかかることや、 アクセルオフ時の燃料カット等ができないことをあらわしている。 スロットルバルブの変化に対してガソリン噴射量を補正するように すると、結構ダイレクトになる。 アクセルの変化 →スロットルバルブの開度変化 →ガソリン噴射量の変化 ところがスロットル開度センサーはたいてい可変抵抗器で出来ていて、 古くなったラジオのボリュームを変化させるとガリガリと雑音を 発する通称"ガリオーム"のような状態になってしまう。 これは抵抗体の表面が酸化したりして抵抗値が一定しないために でる現象であるが、同じことが車でも発生する。 具体的にはよく使うアクセル(≒エンジン回転数)で発生しやすく、 (これは可変抵抗器の抵抗体で良く使う部分が荒れてガリオームになる) トルクが変動して加速時や低速走行時に加減速Gとなってガクガク してしまうというものである。 こうなるとセンサーの抵抗体を接点復活材等を使用して酸化膜を 取り去るか(すぐ再発する可能性が高いが)、新品に交換するしかない。 ※スロットルポジションセンサーの位置決め スロットルポジションセンサーは、スロットルの向かって左側に設置 されており、奥から以下のようなピン配置になっている。 Pin Details ------------------------------ 1 Idle SW 2 GND 3 Vcc(5V) 4 Throttle Position 整備解説書によると2-4Pin間の電圧がアイドル時で4.7V、全開時で 0.8Vとなっている。しかし電圧を測ろうにもコネクタは防滴構造に なっているので簡単には電圧をチェックしながら位置決めを行うこ とが難しい。 そこで、3Pinに供給されている電圧と、コネクタを外した状態での 2-3Pin間の抵抗を測定すれば目標電圧に合わせて2-4Pin間の抵抗値 を調整すればいい。またこの場合はアイドリング時の不自然さを重 視したい。 4.7(V) = 5.0x(Rs/Ra) Rs: 可変抵抗の指示抵抗(2-4Pin) Ra: 可変抵抗の全抵抗(2-3Pin:約10kΩ) 求まったRsになるようにスロットルポジションセンサーを回転させ て固定すればOKだ、