「そりゃ!全開じゃぁ〜〜〜〜〜!」
「ぎゃぉぉぉぉおおおおおおん!」
「お〜〜〜〜すっげっぇ吹上がり!絶好調!」
ってな感じなのに横をスクーターのおねぇちゃんが抜いていく。これはクラッチが滑っているせい。
その他に、発進の時にギクシャクする、あったまってくるとクラッチを切ってもバイクがずるずる前に出る。
こんな症状が出てきたら、クラッチはご臨終。手厚く葬ってあげましょう。


まずクラッチカバーを外す。
な〜んにも難しい事は無い。
キックペダルとケーブルを外して、8mmボルトを10本緩めるだけだ。
もちろんミッションオイルは抜いておくこと。。ミッションオイルを抜いてもカバーを外すと溜まっていたオイルが出てくるので、下にオイル皿を追いといたほうが良い。
ガスケットを破かない様に注意してね。
ギアがニュートラルに入ってるとクラッチハウジングはクルクル回ってしまう。
だから、2速に入れて後輪に回り止めをしておく。
ホイールのことを考えたら鉄パイプなんか使わないほうが良いのはあたりまえ。
鉄パイプにゴムホースを被せた特殊工具
を作ってた人もいたなぁ。
喧嘩の時も相手に優しいでしょ?とか言ってたが・・・(^^;;
○印のところの4本のボルトを緩めればクラッチ板は取り出せる。
エンジンを降ろした状態で作業する時には矢印のところにウェスを噛ませても回り止めにすることができる。
インナーハウジングやアウターハウジングの矢印で示したところがクラッチプレートと当たるところ。あたったところが変色しているからすぐわかる。
ここが段付き磨耗しているとプレートが自由に動かずに切れが悪くなる。
軽い段付き磨耗ならオイルストーンで修正してやる。酷いようなら交換だ。
クラッチ板は鉄プレートと下の写真で示したフリクションプレートの二種類が交互に配置されている。
写真じゃ良くわからないが、既に焼きが入って、一部変色している。
ご臨終ですな。チ〜〜〜〜〜〜〜〜ン・・・


鉄プレートはプレス抜きなので、角が丸い面とバリが出ている面がある。丸い側を奥に向けると切れが良くなり、角がある方を奥に向けると繋がりが良くなる。あまり酷いときには角を鋸刃などで軽くなでてやる。やりすぎるなよ!
で、フリクションプレートを見ると、黒い部分の厚みがホトンド無い(^^;;
ご臨終〜〜〜〜。

ハウジングに掛かる部分の角(赤線の部分)は1mm幅くらいで糸面取りをしてやると、クラッチの切れが良くなる。
ちなみに、プレートを換えるときにはダメなものだけでなく、全部交換すること。
こんなとこでケチるなっ!
で、クラッチ板をセットして(奥からフリクションプレート鉄プレートの順)プレッシャープレートとクラッチスプリングを組んでネジを締める。
ネジは対角線に均等に締めこむのはモチロンだが、そんなに強く締めるところじゃないぞ。当然ネジを締める時にはホイールの逆側に回り止めが必要。

○で囲んだ棒はギザギザが有る方を下に向ける。
で、カバーを付けて、クラッチケーブルをつないでキックペダルをつければ出来あがり・・・・・
なんだが、ボルトには長短がある。これは指しこんだ時の頭の出具合で判断できる。
一番左のボルトには共締めするオイルパイプの押さえが付いている。

あ〜〜クラッチいぢると手がオイルっぽくなるからヤダなァ。


基本作業に戻る