懐かしのHBカラーだから、やっぱりアンヨは正立だよね。
ってことで正立インナーカートリッジ式フルアジャスタブルフォークの分解・洗浄・組立てだ。
フォークで厄介なのは、ネジを回そうとするとインナーチューブが一緒に回っちゃうこと。スライドメタル、ダストカバーなどは再使用できないし、Oリングやガスケットワッシャーなども交換が望ましい。これらの部品は事前に用意しておくこと。
おいらはカートリッジ式初体験なので、今回はガンマのプライベートチューナーNo1の誉れも高いSu大人の指導のもとに作業を行った。


ダストカバーをハズす。
ここではナイフでウリウリしているが、スクレッパーなどでやっても良い。
カバーは交換部品だから豪快に行こう!
つってもカバー以外に傷つけちゃだめよ。
カバーが外れたら中のクリップを細いマイナスドライバーなどでハズす。
例によってキタナイ画像だが、クリップってのはこんなモンだ。
キャップを緩める。上の作業をやる前に緩めても良いけど、抜いちゃダメ。オイルが出てくるからね (^^;

当然インナーチューブもクルクルしちゃうんで、テキトーなハンドルをかませて、回り止めにしている。
賢いぞ!Suさん。
で、ボトムのスクリューを緩めるわけだが、これは中のカートリッジに止まってるボルトなので、カートリッジと供回りしちゃうから、インパクトが無いと外しづらい。
キャップを完全に抜かないのもスプリングのテンションで、カートリッジが押さえられ、少しでも回りづらくするため。
すごいぞSuさん!
緩んだら、ボルトを抜く。
抜けばオイルはたれて来る。オイル受けの上でやったほうが良い。
このボルトにはガスケットワッシャが入ってるので、交換しない場合は無くさないように注意。
ガスケットワッシャーは砥石で研いでバリを取っておく。
緻密だね、Suさん!
上のキャップをハズすと空気が入ってオイルが一気にでてくる。こんな感じで放っておけばオイルは抜ける。
カートリッジ内部にオイルが溜まってるので、しばらく放置プレイ。
キャップの下のネジ(スパナが掛かってるところ)を回せば、キャップは取れる。スパナの下のスペーサーを押し下げておいてからスパナを回せば良い。
キャップが取れたら、スペーサー、ワッシャ−、スプリングを抜く。
ナカミを全部出したらボトムケースを押さえて、インナーチューブをゴンゴン上に引っ張ってやれば、オイルシールごとインナーチューブが抜ける。
上から、インナーチューブ。左側(下側)に錆びたメタルとオイルシールがくっ付いている。
その手前がインナーロッド。さらに手前が、右から、キャップ、スペーサー、ワッシャが3枚。ワッシャの順番を覚えておくこと。
で、一番手前がボトムケース。
これで全部バラケたわけじゃなく、ボトムケースの一番底にオイルロックバルブ(既にハズした状態)が入っている。ここは汚れが溜まるので、ぜひハズして掃除したい。
そこで下の絵のように針金の先にピンをつけた特殊工具(^^;を作り、バルブを吊り上げてやる。
青いピンの両端がバルブ側面の↑のところの穴に引っかかるようにして上に引きぬいてやる。
これはバルブにはめてあるOリングでとまっているだけなので、さほど力を入れなくても抜けるはず。
コンプ側のアジャスターも抜く。
これで部品は全部バラバラになった。
オ○ムラなんかの専門店ではではインナーカートリッジのかしめを削って、カートリッジ内まで掃除するそうだが、そこまではやんない。壊したら元も子もないからね。
ボトムケースの中はウンコ状のスラッジが溜まっているので、棒にボロ布を巻いた奴でウリウリ掃除する。
当然他の部品もきれいにする。
ついでに棒の先にナイロンタワシを咥えさせて
インナーチューブも磨いてやる。
外側はコンパウンドなどで軽く磨いておく。
スライドメタルは新品を使うが、角のバリやメクレはペーパーで軽く落としておく。
大きさがわかるようにタバコの箱をおいてみた(何でや?(^^;)
パチンとな。
インナーチューブを入れてからインナーロッドを入れて、ボトムケースのボルトを簡単に締めてやる。
そーすると、インナーロッドの位置が決まる。
上から見て中心にあればOK。
中心にない時はロッドが曲がっている。
中心がでたらインパクトで本締め
インナーロッドにアウター側のスライドメタルとスペーサーをセットする。スライドメタルの合口は走行応力がかかりづらい内側に向ける。
スライドメタルはインナー側同様にバリ取りをしてグリスを塗っておく。
左側に見える筒はスライドメタルやシールを入れる特殊工具。これがなけりゃできまへん。
まずは手でスライドメタルを一杯まで入れて、最後に特工でカンカンと奥まで入れる。
スライドメタルを入れる時には水平になるように注意!
これがオイルシール。←のヘコミがあるのが上側。
内側にシリコングリスを山盛り塗ってやる。
オイルシールをインナーチューブに入れるときには、シールが傷つかないように、チューブにビニールをかぶせてやると良い。コ●ド▲ムと同じ原理だ。
で、シールのリップが撒きこまれないように注意すること。
オイルシールも水平に注意して、手で入るところまで入れる。
その後に特工で叩くべし。
クリップを入れてるところ。
このクリップだけでオイルシールを押さえているわけだから、きちんとはまっているか十分にチェックすること。
後はオイルを入れて、キャップを締めるだけだ。
インナーカートリッジ式の場合はカートリッジ内にオイルが回らなければイケナイ。
ゆっくりとインナーロッドを上下させていると、←の穴からオイルが出てくる。これでオイルが回ったことが確認できる。
オイルを入れるときも、インナーロッドを上下させる時もゆっくりと、泡が立たないように注意すること。
さもないと、空気が噛んでしまう。
オイルが十分に行き渡ったら、油面調整をする。
これは簡易油面調整器。
パイプに注射器をつけて、油面高の位置をバイスで挟む。
フォークを垂直に立てて、バイスをインナーチューブ上端に固定して、注射器で吸えば油面はピタリ。
ちなみにこの時の油面は90mm。


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