ハ行の解説


配当落ち・権利落ち(はいとうおち・けんりおち)
 

上場株券に配当や新株引受権その他の権利が付与されている場合、株主の権利確定日の翌日にその権利が消滅しますから、株主の権利確定日に決定される売買取引は、配当や新株引受権その他の権利がなくなった状態で行われることになります。これを、配当の場合には「配当落ち」、新株引受権その他の権利の場合には「権利落ち」といい、その内容に応じて当該銘柄の株価は表面上下落します。
 取引所では、決済日などの関係から、当該銘柄について、株主権利確定日の3日前から配当落ち、権利落ちとして売買取引を行うことにしています。

配当性向(payout ratio)



税引後利益のうち配当金としてどのくらい支払われているかを百分率で表したもの。税込利益がベースになることもある。また、配当支払率とも呼ばれる。 (配当金支払額 / 税引利益) × 100 配当性向が低いことは、利益処分に余裕があることを示し、内部留保率が高いことを意味する。*日本銀行調査統計局「主要企業経営分析」平成6年版によると、全産業ベースの配当性向は、以下の通りである。




パッシブ運用 



パッシブ運用は、運用成果の目標を、市場インデックスの上昇率と同水準の成果を目指す。(反意語:アクティブ運用)




PER(株価収益率)



PER(Price Earnings Ratio)と略され、株価と企業の収益力を比較することによって株式の投資価値を判断する際に利用される尺度である。株価が500円で、一株当たり税引き利益が50円ならば、株価収益率は10倍である。企業の活動分野が近似している場合、即ち同一業種では株価収益率も同程度であることが想定され、ある企業の株価収益率が業種平均より高い場合に、その株式が割高であるといった判断ができる。また、株式市場全体の平均値を利用して株価収益率を算定し、相場水準を検討する際に利用することもある。どのくらいの株価収益率が適当かについての基準はなく、国際比較をする場合には、マクロ的な金利水準は基より、各国の税制、企業会計の慣行などを考慮する必要がある。



反対売買(信用取引の)(はんたいばいばい)
 

信用取引を手仕舞いするための売買で、信用取引による買建てを行っている場合においては、担保となっている買付け株券を売却すること(転売)をいい、一方、信用取引による売建てを行っている場合においては、担保となっている売却代金をもって株券を買い付けること(買戻し)をいいます。
 これらの反対売買により差損益が発生した場合には、証券会社と顧客の間でこれの授受が行われます。



PBR(株価純資産倍率)
 



PBRは、当該企業について市場が評価した値段(時価総額)が、会計上 の解散価値(株主賓本)の何倍であるかを表す指標でおり、株価を1株当たり株主資本(純生産)で割ることで算出できる。 PBRは、分母が株主資本であるため、企業の短期的な株価変動に対する投資尺度になりにくく、また、将来の利益成長力も反映しに<いため、単独の投資尺度とするには問題が多い。ただし、−般的にはPBR水準1倍が株価の下限であると考えられるため、下値を推定する上では効果がある。更に、 PERが異常値になった場合の補完的な尺度としても有効である。


比例配分(ひれいはいぶん)
 
比例配分とは、始値の決定等の際に、完全合致で決定できない場合で、かつ同時呼値を行っている会員が10社未満の場合に、各会員の注文数量に応じて売買注文を配分し、売買取引を成立させる方法をいいます。具体的には、まず同時呼値を会員別に集約し、それらに最小単位を配分します。次に、呼値の数量の最も多い会員から、少ない会員の順序で、残数量の3分の1を配分します。続いて残数量の2分の1を配分し、最後に残数量のすべてを執行します。


ファンダメンタルズ



経済活動の状況を示す基礎的な要因のことで、経済の基礎的条件と訳されている。一国経済の基礎的条件は経済指標で示すことができる。経済成長率、物価上昇率、失業率、財政収支の赤字(黒字)率、経常収支の赤字・黒字額などがそれである。この用語が一般化したのは、これらの諸指標の各国間の格差が、自国通貨と外貨との交換レートに反映する(短期的にはそうではないが、中・長期的にはファンダメンタルズの良否が為替レートの水準を決める)と考えられるからである。これまで日本のファンダメンタルズは良好と考えられていたが、失業率の上昇、財政収支の悪化懸念など、高齢化社会を目前にして、様々な構造問題の解決を迫られている。




ファンド・トラスト(指定金外信託)



「信託」とは、委託者(顧客)が、一定の目的に従って受託者(信託銀行)に財産を移転し、財産の運用・管理を行ってもらう制度である。このうち、当初、顧客が「金銭」の形で運用・管理を委ねるのを「金銭の信託」という。金銭の信託は、契約終了時に、顧客に対して信託財産を金銭で交付するか否か、又、どのような運用を行うかによって以下のように分類される。
1.金銭信託 信託契約終了時に受益者が委託者に対して信託財産を金銭で交付
i.特定金銭信託  委託者が投資対象(株式の場合であれば銘柄・株数・単価・売買(特金の別)を特定し、それぞれの資金ごとに運用される(単独運用の。受託者に裁量の余地はない。
ii.指定金銭信託  委託者が運用方法や運用対象を概括的に指定し、具体的な運用方法や対象については、受託者の裁量により決定するもの
2.金銭信託以外の金銭の信託(金外信託)信託契約終了時に、受託者が委託者に対して、信託財産をそのままの形で交付するもの
i.特定金外信託  委託者が投資対象を特定するもの
ii.指定金外信託(ファンド・トラスト;ファントラ)  委託者が運用方法や運用方法を概括的に指定し、具体的な運用方法や対象については、受託者の裁量により決定するもの


ブックビルディング


企業が株式を公開する際の公開価格の決定方法の1つで、 株価の仮条件を投資家に提示し、それをもとに投資家が示す株式への需要を把握することによって、マーケット動向にそった公開価格を決定しようとするもの。
この方式は国際的に整合性がある公開価格決定方式として認識されており、日本では1997年9月より導入された。

公募等に係る取締役会決議を行う新規上場申請会社、及び登録申請会社は、新規公開についてブックビルディング方式か入札方式のいずれかを選択することができる。

従来の入札方式の場合、新規公開株を取得するために高い価格で投機的な入札を行う事例が起きたり、また、入札上限株数の設定という制限のため、新規公開マーケットから機関投資家 などの大口投資家が実質的に排除されていた。
その結果、フェア・バリューから公開価格がかけ離れて、セカンダリー・マーケットの株価が乖離したり、流通性に問題が起きるというケースが見られた。こうした入札制度の弊害を取り除くため、ブックビルディング方式による公開が導入された。

このブックビルディング方式により、運用ノウハウがある機関投資家などの意見を仮条件に反映させ、適正と思われる価格を一般投資家に提示することにより、これまで入札の弊害の一つであった投機的色彩を排除し、また機関投資家の参入をうながすことにより、新規公開マーケットに厚みが増してくるものと思われる。




ポートフォリオ(Portfolio)


個々の投資家が保有している金融資産の集合体のことを指す。運用の中身は、株式、債券、など様々。


保証金


信用取引保証金のことを言う。その他先物やオプション取引の証拠金と言葉も区別している。
取引所が定める保証金率によって額が変動する。1997/10/01現在、売買代金の30%が必要となっている。規制銘柄の場合、50%や100%の時もある。
保証金として証券会社に差し入れる場合、現金の他に、有価証券でも可能となっています。
担保として差し入れた有価証券(株券、国債、転換社債など)を現金代用有価証券と言います。
有価証券の担保価値は代用有価証券掛目によって評価される。