タ行の解説




第三者割当増資



株主であるか否かを問わず、特定の第三者に「新株引受権」を付与して新株を引き受けさせる増資を第三者割当増資という。通常、取引先、取引金融機関、自社の役職員などの縁故者にこの権利を与えて発行することが多く、縁故募集ともいう。第三者割当増資は非公開会社が行うことが多いが、公開会社にあっては、資本提携、会社再建を目的とした増資などの場合に行われることが多く、既存株主の利益を侵害する恐れもあるので、新株を「特に有利なる発行価格」で発行するときは、株主総会でその理由を開示して特別決議を経る必要がある。(商法第280条の2、第280条の10等)。


建玉



先物取引やオプション取引において未決済になっている契約総 数のこと。ある契約の建玉が1枚あるということは、その契約に関して一人の売手と買手がいることを意味する。




単位未満株



取引所の中で売買される最小単位未満の株式。額面によって異な り、50円額面または無額面の場合1000株未満、500円額面の場合は 100株未満が通常である。また、単位未満株は株主としての権利が 制限され、利益配当や株式分割によって発行される新株の割当を受ける権利などは単位株と同様であるが、株主総会における議決 権の行使は認められない。


単純平均



全銘柄の株価の合計を全銘柄で割ったもので、指標としての連続性はありませんが、純粋な平均株価といえます。増資によって低下傾向が生じます。



チャイニーズ・ウォール



89年の証券取引法改正で、インサイダー取引(企業の内部情報を利用した不公正な取引)への規制が強化されたことを受け、証券界が自主ルールを設定。企業の非公開情報を知り得る立場にいる引受部門と、投資家に銘柄選定のアドバイスをする営業部門の間に情報の壁をつくるため、両部門を異なる場所に離したり、管理体制を徹底するなどの対策が行われている。チャイニーズ・ウォールとは、もとは中国の万里の長城のこと。




DDM(配当割引モデル)



各期ごとに予想される1株あたり配当を、投資家の要求する利回りで現在価値に割り引いた値の合計が、現在の適正な株価ということになる。この値と現実の株価とを比較し、割高か割安かを判断する。



ディスクロージャー



企業の社会的責任が強調されてきている中で、企業が一般に対して、その経営内容を理解させるのに必要十分な情報を開示すること。日本には証券取引法によって規定されているものと、商法によって規定されているものとがある。その目的は国際化や資金調達手段の多様化が進む企業の経営内容を知らしめることによって、一般投資家や株主、債権者などの利益を保護することである。



転換社債



株式、債券の性格が同居 転換社債は、あらかじめ定められた価格で一定の期間内に株式に転換できる権利の付いた社債である。その特長は、@株式の配当利回りに比べ相対的に高利回りである、A社債としての性格を有しているため株式よりも相対的にリスクが低い、B株価上昇によって値上がり益を享受できるなど、投資家にとって株式より有利な投資対象となることがある。このように、債券と株式との性格を持ち合わせていることから、通常の債券で用いられる投資尺度に加え、株式への転換権に注目した投資尺度も用いられる。しかし、株価動向によって最終利回りがマイナスとなり得るため投資の際には注意が必要。




特定金銭信託



信託期間の終了時に、受益者が信託財産を金銭で受け取るものを 金銭信託、株式などの現物で受け取るものを金外信託と呼ぶ。金銭信託のうち、信託財産である金銭の運用方法が特定されたもの を特定金銭信託と呼び、投資家が運用対象について、取得・処分の時期などすべて指定できる。このように、運用方法を具体的に 投資家が特定する点で、第三者が運用を行う指定金銭信託とは異なり、また、信託期間の終了時に、受益者に対し現物ではなく金 銭で元本を交付する点で指定金外信託(ファンド・トラスト)とも異なる。



TOPIX(東証株価指数)



 東京証券取引所が日々計算し発表している株価指数で、 東証第1部の 毎日の時価総額(全上場株をある日の終値で評価したものの合計額)を基準日の時価総額で除して算出される。 1968(昭和43)年1月4日の時価総額を100として計算しており、日経平均株価とならんで、重要な指数の1つとなっている。


ドラゴン債




ドラゴン債についての明確な定義はないが、一般的には香港、シ ンガポール、台湾を中心とする投資家層をターゲットに香港、シンガポールで発行される債券を言う。そもそも、1980年代の 初期に、香港、マレーシア、シンガポール、韓国、台湾、タイ、中国を中心とするアジア地域において外貨(ドル)資産が積みあ がるにつれ、アジアにおけるドル債市場の発展と地域の投資対象の供給へのニーズが高まるなか、世銀が1984年にこれらの投 資家層をターゲットに初の起債を行ったのがドラゴン債のはじめである。しかしながら、当時その発行債券のほとんどは日本の投 資家に所有される事になり、流動性の低下を招きその後発行も活発に行われなくなってしまった。ところが、1990年代初期以 降、急速な経済発展に伴ってこの地域はさらに豊かになり、大きな投資資金を抱えるマーケットとしてユーロドル債やヤンキー債 にとっても無視できない市場に成長した。アジア開発銀行など優良発行体の起債を足掛かりとして、最近では多くのアジアの企業 や銀行が変動利付きドラゴンドル債を起債しており、この数年、中でも韓国の銀行はこの市場において特に活発に資金調達を行っ ている。ドラゴン市場の中心は香港、台湾、シンガポールの投資家であるが、一方インドネシア、マレーシア、中国、フィリピン、 韓国、タイからも強い投資需要がある。主な投資家は、中央銀行、商業銀行、生保/年金、事業会社、投資顧問、エマージング市場投 信、国際機関、地域の銀行等である。