機体のデザイン
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傑作機の優れたデザイン・機能美は、 その目的や用途にふさわしい形から生ずるものです。 紙飛行機のデザインも何か目的や意図があるはず。 例えば軽量化や作り易さなど。 |
紙飛行機のはなし目次
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胴体の造り
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主翼や尾翼の空気力学的な効果を発揮させるために、 胴体は構造的に翼を支えています。 発進時の加速や着地時のショックに耐えるように、 ケント紙を少なくとも4枚以上貼り合わせた造りにしましょう。 胴体の厚さを増すことは、曲げる力に対して強くなると共に、 翼と胴体との接着面積を増やします。 翼を取り付ける位置にはのりしろを出してあり、 胴体と翼をしっかりつなぎ止めます。 ただし、胴体の強度を増すことは、重量を増すことにもつながります。 むやみに機体が重くならぬように、 必要な部分だけを補強するようにデザインしましょう。
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主翼のデザイン
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主翼が生ずる揚力は、紙飛行機の重力を支える大きな力です。 左右の翼で揚力のバランスが崩れると、安定した飛行はできません。 主翼の空気力学的なデザインの第一歩として、 いかにして左右均等に翼を作れるかを考えましょう。 主翼の平面形は、シンプルな長方形を基本に、両端を丸く整形してみました。 丸めた翼端には、翼が風をスムーズにかき分けて空気抵抗を抑える効果と、 着地時のショックで翼の角が折れ曲がることを防ぐ意図もあります。 上反角は、主翼中央から離れた位置に設けました。 中央部を平坦にすることで、主翼を胴体にガッチリ固定し、 取付け時の誤差も抑えることができそうです。
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尾翼のデザイン
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尾翼は、けっこう自由なデザインを楽しむことができる部分です。 空気力学的にも構造的にも、あまり厳しい制約が無いからでしょう。 それでも、十分な安定性を得られるように、尾翼の大きさについては、 次の経験的なめやすが知られております。 全長と全幅がほぼ同じ長さを持つ標準的な機体の例です。
水平尾翼は、 胴体の最も細い部分とT字型に組み合わせるように位置を選ぶと、 細い胴体の補強にもなります。
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重心の位置
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重心の位置は、主翼の位置や飛行性能を左右する重要な問題です。 紙飛行機を安定して飛ばすためには、 機体の重心と揚力の中心が一致していなければなりません。 揚力の中心は、主翼のほぼ中央にあります。しかし、 重心は機体が完成し、実際に手にとって見るまでハッキリ判りません。 重心が主翼中央からずれている時は、胴体におもりのケント紙をかさね、 重心が主翼中央に一致するように調整します。 重心が判明するのは機体の完成後ですが、 調整で追加するおもりを最小限に抑えるため、 はじめから主翼の位置は胴体の中央付近にデザインしましょう。 また、重心を確かめながら主翼の取付け位置を決めるように、 あらかじめ取付け位置に幅を持たせておくアイディアも、 おもりを減らして軽量化に役立つでしょう。
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Hideyuki Kikuchi (gotha@ops.dti.ne.jp)