vol.4 気持ちもやわらぎ会話もはずむBGMをセレクトしましょう! 〜迎賓曲えらびの巻


 こんにちは!秋の気配が近づく今日この頃、っていってもまだ残暑が続いて ますねー、BGM選びは順調ですか?今回は読者の皆さんからいただいた感想 メール(ありがとうございます)の中から「迎賓曲や歓談中のBGMなど脇役 の曲も是非紹介して下さい」という声をピックアップしまして、迎賓曲にス ポットを当ててみました。確かに迎賓曲は脇役という印象が強いですけど、 地味ながらも披露宴雰囲気づけのスタート地点。映画にたとえるならば、プ ロローグ(序章)。なんてったって列席者をお迎えする曲ですから、気持ち がやわらいで会話も弾むような、小粋でさりげない空間を演出したいですね。

 ではさっそく「使える曲が満載のアルバム」をご紹介しましょう!

★アコースティック+爽やか+エレガント系★
 まずはブラジル音楽から、小野リサ「ボッサ・カリオカ」。春夏秋冬どの季 節にもイケます。やわらかで、やさしく洗練された雰囲気の中にも土臭さと いいましょうか、ひとかけらの哀愁が漂う、空気に馴染むサウンド。フルー トやピアノ、ギター、コーラス等が気持ちよく、なんといっても小野リサの 素朴で穏やかなヴォーカル!ポルトガル語のフワフワ語感に心が落ちつきま す。ボサノヴァの巨匠・故アントニオ・カルロス・ジョビンの曲も目白押し で、さらにジョビンの息子&孫によるファミリー・プロデュース。これで列 席者のお喋りもお洒落になりがちでしょうか!?
 つづくはジャズ・レゲエで新境地を開拓した、サンドラ・クロス「ドリーム ズ・カム・トゥルー・・・」。タイトルが良いじゃないですか!こちらもア コースティックです。ジャズの演奏でレゲエのリズムをそのまま刻んだとい う感じなので、あくまでエレガント。ヴォーカルが素晴らしくクリアーな、 ソフトクリーム・ヴォイス(甘さ控えめ)。思わずとろけます。軽やかなジ ャズ・レゲエは、寒い季節にも暖かさを振りまきそう。ところでサンドラ・ クロスのこれ以前のアルバムで、例えばサード・アルバム「ディス・イズ・ サンドラクロス」といった軽く明るいラヴァーズ・レゲエを送賓のBGM (送迎逆でも良いですけどね)に使うなど、同じアーティストの曲で差を付 けた構成にすると、ちょっといいかもしれません。

★さらにスウィートでカジュアル★
 であればラヴァーズ・ソウルな、ジャネット・ケイ「メイキング・ヒストリ ー」も良いです。キーワードは「スウィート」。スウィートであればレゲエ もソウルも融合してしまえ的な、わりとダンサブルなスタイリッシュ・ハッ ピー・ソウル・サウンド。レストランウェディングにオススメです。
 どうしても女性ヴォーカルが続いてしまいますねー。うーむ。

★ソフトロック・コーラス系★
 '67年発表アメリカン・ポップスの金字塔。「ロジャー・ニコルズ&ザ・ス モール・サークル・オブ・フレンズ」タイトル同じ、名盤です(泣)。コー ラスワークの美しい、爽やかな風にも似たピクニック・サウンド。ビートル ズやバート・バカラック、ラヴィン・スプーンフル等のカヴァーも満載で、 もう全編スバラシ!ポップスがお好きな方は是非ピックアップしてみて下さ い!ピチカート・ファイヴや山下達郎、大滝泳一も太鼓判。さり気ない雰囲 気にもバッチリです。どちらかというとカジュアル・スタイルの披露宴向き。
 つづいてもう一枚、こちらは'70年です。フリー・デザイン「子供たちの詩」 。子供たちのために企画されたアルバムなのですが、メロディ、ハーモニー ともに、善良で無垢な雰囲気がちょっぴりクラシカルで神聖な感をも醸し出 すアメリカン・ポップス。というよりは、フォークもロックもジャズも融合 されたソフト・サウンド。まさにハーモニーの圧勝。「セサミ・ストリート」 も収録されているので、お子様たちが「キャッ、キャ」喜ぶんじゃないでし ょうか?

★自由なソウルのコンピレーション★
 '70前半から'80年代にかけてのソウルの秀作を集めた、人気シリーズ「フリ ー・ソウル・コレクション」から「フリー・ソウル・ラヴァーズ」。センス のいい選曲家たちがセレクトしたオール・ラウンド・ソウル。ソウルといえ どもジャズやらラテンやらブラジル、AOR路線やら、とにかく「いい曲」が 沢山詰まった超オトクな1枚。中でもこの「ラヴァーズ」は明るくさわやか (さわやか連発してますが)で、気持ちいい伸びやかな雰囲気の曲多し。全 編イケます。晴れやかな日にピッタリのサウンド間違いなし。

 迎賓に選ぶ音楽は、披露宴全体のバランスからみて、少々押さえ気味にする と後に控える入場が引き立ってます。今回紹介してるのは、ヴォーカルもの ばかりですが、そういった意味ではインストゥルメンタルものもオススメで すね。
 前回も書きましたが、この辺(迎賓、歓談、送賓)は一番遊べるところでも あるので、それぞれ思い出の曲を盛り込みつつ、会場の広さや雰囲気、迎賓 の形態、トータルコンセプトなどから、好みの曲を羅列してみてください。 なんといってもふたりの晴れ舞台の始まりですから!


---小野リサ/ボッサ・カリオカ TOCT-10344
---SANDRA CROSS With AKAN WEEKS/DREAMS COME TRUE...  PICP-1157
---SANDRA CROSS/THIS IS SANDRA CROSS CECC-00425
---JANET KAY/MAKING HISTORY SRCS-8702
---ROGER NICHOLS & SMALL CIRCLE OF FRIENDS POCM-2047
---FREE DSIGN/SING FOR VERY IMPORTANT PEOPLE(子供たちの詩) TECW-20746
---V.A./FREE SOUL LOVERS SRCS-7333

(1998年/9月号)



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